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キング・クリムゾン

きんぐくりむぞん

キング・クリムゾンとは、『ジョジョの奇妙な冒険 第五部 黄金の風』に登場するスタンド。もしくはその名前の元ネタであるイギリスのプログレッシヴ・ロックバンドの表記揺れ。また、前者に由来したスラングとしても使われる。
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曖昧さ回避

  1. 漫画『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』に登場するスタンド。本稿で解説する。
  2. イギリスのロックバンド「King Crimson」。上記のスタンドもこのバンドの名称から取られている。→詳しくは「キングクリムゾン」の項目を参照(なお、こちらの日本語名も「キング・クリムゾン」が公式な表記である)。


概要

【破壊力-A スピード-A 射程距離-E 持続力-E 精密動作性-? 成長性-?】
本体-ディアボロ

巨大ギャング組織パッショーネの「ボス」ことディアボロのスタンド
時を「消し飛ばす」能力と、十数秒先の未来を予見する「エピタフ(墓碑銘)」の能力を持つ。

消し飛ばされた時間の中では全てのものがその間の動きを認識せず、記憶もできない。ディアボロだけが消した時間の中を理解し行動できる。
「エピタフで不都合な未来を見る→時を吹っ飛ばしてその過程を消去」という手順により、自分にとって都合の悪い出来事を確実に回避しつつ終始有利な状況を作り出せるという凶悪無比な能力である。
このためその能力を知る者からはたびたび無敵であると評される。

持続力の乏しい近距離パワー型のスタンドであるため、常に接近戦で個別撃破する戦法を取らざるを得ず、このため複数の人間を相手にすると本体の姿をどこかで見られてしまう。
素顔を隠したいディアボロにとってはこれが弱みであったが、物語最終盤で自ら正体を晒してからはこの弱点も無くなり、主人公ジョルノたちを相手に1対4の状況であろうと何の苦もなく立ち回る強さを見せつけた。

なお、ディアボロのもう一つの人格であるドッピオもこのスタンドの一部を使用可能。本人はボスから「借りた」能力と認識しており、劇中では「エピタフによる予知」と「両腕による打撃」を使うことができた。

能力

性能

  • 「キング・クリムゾン」

消し飛ばせる時間の長さは十数秒にもおよび、MAX以下であれば細かく刻んで何回かに分けて発動させることも可能。

発動中のディアボロの視界からは「動くもの」以外が消失し、その発動時間内で起こるはずの動作の軌跡を見ながら移動できる。
そのため自身に向けられるはずの攻撃を回避することができるのだが、ミスタの銃弾を避ける描写もあれば、エアロスミスの弾を避けずにすり抜けさせるなど少し曖昧な点もある。これらは矛盾しているというより、現実的に考えてわざわざ攻撃軌道上に居続ける意味はないため、避けられる体勢ならば移動して能力終了後に備えるのは自然な行動とも言える。

発動中、本体とスタンドは他の物に触れることができないのか攻撃を行うことはないが、自身の血など体から離れたものは他の物に付着する。

キング・クリムゾン発動中の他の人間は意識がなく、能力解除後もキング・クリムゾンが発動していた間の記憶がないので『歩こうとしたらいつの間にか数歩先の場所にいた』、『階段を上ろうとしたら知らない間に登り終えていた』、『攻撃しようとしたら自分の攻撃がすでに外れていた』など、『時が消し飛ばされた』ように感じる。消し飛ばされた時の中での全ての生物の動きは「運命」で決まっており、ディアボロだけが運命に逆らって行動できる。

アバッキオのように能力発動前に動きながら喋っていたりしないと他人に指摘されるまで能力が発動したことすら気付かないケースも多い。逆に言えば終了後ならば能力の行使を推察することが可能であり、ジョルノは自分たちがいつの間にか階段を上り越えていることで発動を察知し、ポルナレフがディアボロの射程圏に入ってしまったことを理解した。

  • 「エピタフ」
キング・クリムゾンの額についたもう一つの顔。
「エピタフ」の予知能力では、本体の目の前に垂らした前髪の内側から十数秒先の未来に起こることを映像(アニメでは描写されて無いが原作では予知の中でも吹き出しとセリフが書かれているため音声も付いている)として見ることができる。
別種の能力のようにも思えるが時間を消し飛ばす範囲の未来を見るという「キング・クリムゾン」の前提を作るものであり、あくまで一人一つの能力からは逸脱していない。
作中では、ディアボロがドッピオに「能力の一部を与える」という形で「エピタフ」単体の能力を行使させている。「時間を消し飛ばす」プロセスの欠けたこの場合、予知に映るドッピオ自身が「予知を基に行動している自身の姿」なので、映像の中で攻撃を食らうという事は予知していながらも食らってしまう姿が映るということになる。
ディアボロがドッピオに語ったところによると、上記のように見えた出来事はどんなことでも絶対に起こるが、完全な「キング・クリムゾン」のみが未来に起こる出来事の時間を消し飛ばし回避できる。

この予知能力に関してはかなりの精度を誇っており、作中では『弾丸によって折られた鉄柱が別の弾丸を邪魔する軌道』や『弾丸の衝撃によって弾かれた物体がさらに他の物体を弾く軌道』などを予測することすら可能としている。また、時間が消し飛んだ世界でさらにエピタフを使って自分の能力を発動させた場合の未来を見ることもできる。
 
PS2ゲーム版の戦闘では、この能力は自分以外の動きをスローモーションにするものとして描写されている。このためプレイヤーの動きは非常にゆっくりになるが、ボスとG.E.レクイエムだけは普通に動くことができる。

主な戦闘スタイル

時を飛ばす能力と予知で相手の攻撃をくぐり抜けながら相手の死角に近付き、能力が解除された瞬間に叩く。相手は時間が消された「結果」しか認識できないため、強力な不意打ちが行われる。そこに破壊力・スピード共に抜群の『キング・クリムゾン』のパンチを浴びせるのが主な戦闘スタイルである。 

時間を消し飛ばしている間は敵に干渉できず、攻撃自体は通常の時の流れにおいて行われるが、この不意打ちに対応できたのは「スピードAの剣術を持つシルバーチャリオッツを使えた第3部終了後のポルナレフ」だけであり、ほとんど問題にならない。そのポルナレフも初戦は敗北しその後『キング・クリムゾン』を研究して『血の雫をたらして水滴の数の一瞬の変化をみて能力発動を感知する』という対策をしたものの、再戦にあたっては本体であるディアボロの腕をわずかに傷つける程度であった。

その後、ジョルノが同じように血の雫をたらして発動に備えたが、反応できず頭を殴られスタンドの腕も吹っ飛ばされる。最終決戦時、全てのステータスが測定不能の『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』も能力を抜きにした純粋なスペックだけの勝負では反応できていない。エピタフの予知でもジョルノの心臓をぶち抜いており、『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』曰く『お前が見ているものは確かに真実』、『お前の能力がこの先起こす実際の動きを見ている』。

強力なパワーを持っているが、エピタフの能力ゆえに基本的に「ラッシュの撃ち合い」には持ち込まない。敵のラッシュは時間を飛ばして回避し、死角に回ってから確実に始末するために重い一撃や手刀による斬撃を撃ち込むことが多い。

ドッピオの人格の時は『時間を消し飛ばす』ことができないため戦法が変わり、エピタフによる『予知』がメインとなり拳によるラッシュも繰り出す。

エピタフによる未来予知と「時を消し飛ばす」能力によって理論的には暗殺にも対応できるため、危機回避に関しては非常に優秀。しかしブチャラティの床からの不意打ちパンチやポルナレフの攻撃に対しては驚きながら、前者は頬にかすり傷を入れられつつ時を飛ばし、後者は腕に一線入れられたので、常にエピタフで全周囲を見ているわけではないと考えられる。
ただし『予知できていない=時を飛ばすのが間に合わない』では無い。本体への暗殺を考えるブチャラティ達に対してポルナレフは『暗殺はきっと失敗する』『まず返り討ちになるのは目に見えている』として止めた。

ファンの間での扱い

射程範囲に関する議論

能力の射程距離については度々議論されることがある。
ディアボロの『空の雲はちぎれ飛んだことに気づかず!』『我以外の全ての時間は消し飛ぶ』『この世の時間は消し飛び…そして全ての人間はこの時間の中で動いた足跡を覚えていない』という作中のセリフや、スタンドの能力解説における『この世の時間を消し去る』『時間の消された、この世のすべての人間や生き物は、その時間を体験しておらず、記憶はもちろんない』など原作の記述から全世界が射程範囲だと読み取ることができる。

しかしこの能力が「認識と記憶ができないだけで時間自体は流れている」性質のものであり、運転中や手術中の人間などが巻き込まれた場合未曾有の大混乱を引き起こすかもしれないことから、能力の及ぶ範囲について疑問を持つ意見もある。

作品内では能力に巻き込まれたジョルノはフーゴに水を渡した記憶がなく、しかしフーゴは水を貰ったことは分かっているが礼を言ってないことを疑問に思っている。さらに言えばこの時フーゴは突然水を飲んだ状態になっているにも関わらずむせたりはしていない。ミスタはトリッシュから弾丸を渡された記憶がないが、トリッシュは渡したと認識している。
このように時間が消し飛んだことを疑問に思えるかどうかはある程度個人差があり、行動そのものは問題なく完了しているため、そもそも混乱自体が起こらず無自覚に過ごしている可能性が高い。

能力発動中の「すり抜け」と「巻き込み」について

詳細な描写が少なく、その能力に謎の多いスタンドだが、上述した能力だけでは説明しきれない現象として「エレベーター内のトリッシュを攫うシーン」と「ナランチャ奇襲時のシーン」が挙げられる。
どちらも「キング・クリムゾンの発動中は自分以外に干渉できない」という推測からは導き出しにくい結果を生んでおり、こちらも議論の対象になっている。

有力な説としては、まず「発動中のキング・クリムゾン(と本体)は他の存在をすり抜けられる」という、エアロスミスの弾をすり抜けさせた時と同じ効果があることを前提としつつ、「発動直前に触れていた存在(生命を含む)を能力に巻き込むことができる」という法則を補うものがある。

つまりトリッシュを攫うシーンでは、トリッシュのみを能力に巻き込む必要があるため、ブチャラティと繋いでいた手首を一瞬で切断し(エピタフの予知による死角からの攻撃)、トリッシュに触れたまま能力を発動させて一緒にエレベーター内から抜け出た、という動きになる。

さらにナランチャ奇襲時も、ナランチャに触れたままキング・クリムゾンの能力に巻き込むことで鉄格子と重なる位置に移動させ、能力解除とともに鉄格子で貫いたという解釈になる(ただし、鉄格子の上部を一瞬で破壊したように見える描写には追加の解釈を補う必要がある)。

そもそもキング・クリムゾンは本体が身に付けている衣服や持ち物も巻き込んで発動するため、「触れたものを巻き込む」という解釈も(暗殺能力としては脅威的だが)飛躍したものではない。
また、「発動中に受ける攻撃を避けるように動く」戦法も、緊急の解除時に自分と重なってしまうおそれを考えればやはり自然な行動だと言えるだろう。

作品のテーマの中の位置づけ

このキング・クリムゾンの「過程」を吹っ飛ばして「結果」だけを残すという能力は、ディアボロ自身が殺害したアバッキオの夢の中の警官のセリフ「わたしは「結果」だけをもとめてはいない…(中略)…大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている」と対になっている。

一見無駄なことのように見えても「過程」をきちんと踏んで一歩一歩進んでいく「真実に向かおうとする意志」こそが大切なのであり、「結果」はその末にやってくるものなのである。その「過程」を吹っ飛ばして常に「結果」だけを求めてきたディアボロは最後にはいかなる「結果」にもたどり着けずひたすらに「過程」を繰り返すこととなってしまった

逆に考えた場合でも、『自分だけが対応できる』『後悔する時間をも与えん』という言葉の通り、他者の過程を奪い去りディアボロだけがその過程を認識し糧に出来るという邪悪極まりない能力ともいえる。

スラングとして

スタンドの能力である「過程を飛ばして、結果へ至る」「時を吹っ飛ばす」という独特の能力から、物語の過程の場面をカットして結果や事後を描く表現、動画媒体でのショートカット編集、寝落ちなどで気が付いたら時間が経過していたことなど、間の時間がなかったかのように感じるものの比喩として使われる。特にこの場合、しばしばキンクリと略して言われることもある。

関連タグ

ジョジョの奇妙な冒険 JOJO 黄金の風 ラスボス
スタンド ジョジョの奇妙な冒険・スタンド一覧
未来予知 時間操作 カット スキップ

キングクリムゾン(スタンド):表記揺れ

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