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鎮魂歌は静かに奏でられる

概要

【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - A】

本体:ジャン=ピエール・ポルナレフ→なし

ジャン=ピエール・ポルナレフのスタンドシルバーチャリオッツ」を「スタンドの矢」で貫いたことから、新たな力を得て進化したスタンドエネルギー。命名はポルナレフ。

ディアボロに仕留められる寸前にポルナレフが「希望」である「矢」を守るべく発動した。曰く「賭け」

チャリオッツの中身が溶けるように消滅し、その後どこからともなく現れた。

銀色の甲冑を装着した騎士の姿をしているチャリオッツから一転、全身真っ黒で、テンガロンハット風の帽子を被った戦士のような外見をしている。生物のようでもあり、プラスチックのようにも見える。ポルナレフが肉体的に死亡し、完全に分離しポルナレフのスタンドではなくなったためか、欠損していた足がきちんと存在している。

匂いを嗅ぐ仕草をしているので嗅覚がある模様。

なお、作中では『チャリオッツレクイエム』もしくは『レクイエム』と表記され、『シルバー・チャリオッツ・レクイエム』の名称はそれ以外の媒体で名付けられたものである。

能力

「生物の」を支配、操作するという、とんでもないエネルギー(=レクイエム)を持つ。

周囲の生物を全て眠らせ、近くにいた者同士の魂を入れ替え、入れ替わった生物は姿形がだんだんと「この世に存在しない別のもの」へと変化していく。入れ替わった生物がスタンド能力を持っている場合、スタンドの能力は飛躍的に上昇する。このパワーを周囲にばら撒きながら移動し続ける。

この能力を理解したポルナレフは「45億年かけて創られてきたこの世界の生き物の歴史が・・・ほんの数時間で『別のもの』へ・・・変わって行くッ!全てッ!」と表現した。

また、スタンド使いから攻撃を受ける(=矢を奪われそうになる)とその人物のスタンドを操って攻撃をする。この時自我を持つセックス・ピストルズ(No.1)は本体のミスタに対し明確に敵意を向け暴言まで吐いているため、スタンドを乗っ取るというよりはスタンドの洗脳に近いとも取れる。攻撃した者がスタンド使いでなければこの反撃は喰らわないが、代わりにシルバーチャリオッツレクイエム自身が無理やり奪い返そうとしてくる。

身を隠していた頃に、一度発現しており(切っ掛けは、家具の隙間に落ちた矢を拾おうとしたこと。脚が不自由なポルナレフだと手が届かない場所に落ちてしまった為、スタンドを発動して矢を拾おうとした。しかし、矢を拾い上げた際に切り傷を負ったチャリオッツは「見たこともない何か」へと姿を変えた。)、その時は本体に影響がなく、スタンドが手にしていた矢を取り上げることで能力を解除することができた。

しかし二度目はポルナレフ自身がディアボロとの再戦で再起不能になり死亡寸前だったため、本体の制御を一切受け付けない暴走状態で発現した。そのせいでポルナレフ自身の魂もカメと入れ替わってしまう。これを利用してポルナレフはカメのスタンドに取り付き、本体の死後も幽霊状態でこの世に留まり続けられている。

性質

実体化しているので一般人にも触れて見えるスタンド。スタンドそのものは全く無防備で、腕や足を吹っ飛ばされようが銃弾で貫かれようがすぐに再生して動き続ける。

ただし、ポルナレフの「を守る意思」のみを受け継いで動いているため、矢を奪おうとする者には相手自身の精神力が相手自身を攻撃して自動的に「矢」を防御する(スタンドが本体自身へ攻撃する、矢に向かって投げた物が本体に向かって返ってくるなど)。攻撃の意志が無くかつスタンド使いでない者が矢を奪おうとしている場合は、自ら猛ダッシュで敵に襲い掛かる。途中で「矢」を捨ててもとことん追いつめて始末しようとするが、攻撃対象が「別のもの」へと変化し始めた場合は攻撃を中止する。

真っ黒な姿をして見えるのは「人の心の影」を表しているためであり、スタンドの正体はおのれの精神の背後にある何か(=自分だけの「光」)である。この「何か」がひとりひとりの精神を操り影を照らし出しているため、レクイエムの太陽とは無関係に、常に1人1人の反対側に移動する。この「何か」を完全に破壊すればレクイエムは消滅し、魂や変わりかけた生物も元に戻る。この性質上、誰がどこからレクイエムを見ても「影は一定の方向に伸びる(自分の影であるため)」。

つまり自分にとって「チャリオッツレクイエム」とは、自分自身の影でもあるのだ。自分自身なのだからそれに攻撃することは自分を攻撃すると同義となる。

この能力の危険なところは入れ替わった先の相手やタイミングによっては入れ替わった者同士死亡してしまう可能性がある点である。現にすでに死亡した身体で生命エネルギーが尽きるのも時間の問題だったブローノ・ブチャラティと入れ替わったヴィネガー・ドッピオは瀕死も同然のまま息を引き取り、レクイエムを解除したブチャラティもまたその瞬間魂が天に昇って行った。

グイード・ミスタと肉体が入れ替わったトリッシュ・ウナが殺されかかった時も下手すれば両方とも死亡する危機に陥っており、間一髪でレクイエムが解除されジョルノがミスタを治療した事で事なきを得ている(ちなみに、ブチャラティ同様死体になったポルナレフと入れ替わったはずのカメの魂は何故か無事だったようだ)。

結論から言うと、最早本体も無くあらゆる制御を全く受け付けないため、スタンドの形をした何かと化している。

本体が死んでから発動し、本体を持たず暴れ続けるノトーリアス・B・I・Gは発動に至る手順こそ違えど似たような存在であるとも言える。

ゲームでは

PS2ゲーム版では、「色違いのスティッキィ・フィンガーズ」を生み出して攻撃してくる(原作とは違いスタンドを狂わせているわけではない)。このためプレイヤーはスタンドでの攻撃が可能だが、レクイエムがコロッセオを脱出する前に倒さないと時間切れでゲームオーバーとなる。

正面に回って吹っ飛ばし攻撃などでレクイエムを後方に動かせば時間が稼げる。ただし普通に攻撃しても防御されるので上手く潜り抜ける必要がある。

3部格ゲーでもポルナレフの技の一つ「レクイエムの片鱗」として登場。相手を一時的に眠らせることができる。発生が遅いので実用性はあまりないがリターンはそこそこ大きい。

余談

『黄金の風』TVアニメ版では第34話「鎮魂歌は静かに奏でられる・1」から登場しているが(※スタンドが発動したのは33話ラストからである)、スタンド能力によって人物の肉体と精神が入れ替わった状態になっていた為、エンドロールのキャストクレジットでは

ジョルノ・ジョバァーナナランチャ・ギルガ):小野賢章

ジャン=ピエール・ポルナレフ):小松史法

等と、「外見上のキャラクター(入れ替わっている人格):担当声優」という表示になっていた。また、その回のアイキャッチでも「誰と誰の精神が入れ替わっているか」が図示されていたが、ブチャラティだけは入れ替わった相手が「?」と表示されていた。

なお、上記のようにキャラクターの肉体と精神が入れ替わった状態であることから、アニメのアフレコ時には入れ替わった相手(ジョルノ(小野賢章)とナランチャ(山下大輝)/ミスタ(鳥海浩輔)とトリッシュ(千本木彩花))同士で台詞の言い回し(話し方の癖など)を確認し合ったというエピソードがあるのだが、ポルナレフ役の小松史法は後に

「僕は入れ替わった相手が亀だったので、特に確認することはなかったです。」と語っている。

本体から独立したシルバー・チャリオッツ・レクイエムがどこへ向かおうとしていたのかは最後まで分からずじまいだったが、ポルナレフの性格や精神性、そしてレクイエムの「矢を守る意思だけを本体から受け継いでいる」状態からして「矢を持つのに最も適任の人物、ひいてはポルナレフが最も信頼しているであろう空条承太郎の元へ届けようとしていたのではないか」という考察がなされている。

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