12年前、エジプトでの闘争のあと手に入れたこの「矢」のもたらす「恐怖」は…
「彼ら」が来なくては終わる事はない!
概要
第5部『黄金の風』で再登場を果たしたジャン=ピエール・ポルナレフ。36歳。
第3部でのDIOとの戦いから数年後の1990年代初め、空条承太郎と共に、エジプトから発掘された「弓と矢」の行方を追跡し、それを国外に持ち出したとされる青年の存在と、その青年がヨーロッパに渡ったことを突き止める。そして青年がヨーロッパに渡ったのを境に、生まれ故郷フランスにおける少年少女の麻薬事件とその死者が約20倍にも増加している事に気づき、そこからイタリアのギャング組織・パッショーネの存在にたどり着く。
核心に迫るポルナレフだったが、その犯罪組織はすでに完璧に構成されていた。組織の手によって社会的に孤立させられたポルナレフは、当時日本に帰国していた承太郎の助けを呼ぶ事が出来ず、組織のボスであり弓と矢を持ち出したその人であるディアボロの正体にたどり着くも、彼のスタンド能力「キング・クリムゾン」を前に敗退。右目と両足を失い再起不能となってしまう。
そしてそのままディアボロの手によって海に投げ出されるが、九死に一生を得て生き延び、農村の隠れ家にて数年間、隠遁生活を送っていた。その時に「スタンドの矢」に隠された新たな力を偶然発見し、車椅子生活で満足に戦えない自分に代わってディアボロを倒せる者を探し続けていたところ、ブチャラティ一行とPCを通じて出会い、ローマのコロッセオにて落ち会うことになる。
しかしブローノ・ブチャラティと落ち合うあと一歩のところで、ブチャラティとドッピオを使いディアボロが登場。隠遁中に発明した打開策で対抗するも、やはりキング・クリムゾンには敵わず力尽きてしまうが、死の間際にチャリオッツを矢で貫きレクイエム化させ矢を奪われる事を防ぐ。
その後、暴走したシルバー・チャリオッツ・レクイエムの能力によりジョルノ・ジョバァーナ達の元にいる亀と魂を入れ替える事で生き延び、ようやくブチャラティ達と合流を果たす。そしてジョルノやブチャラティ達へ助言を与えながら彼らを的確にサポートしてみせた。ジョルノによってディアボロが倒された後は、「肉体は死亡したが精神(魂)は生きている」と述べ幽霊となって、亀の甲羅の中にある「部屋」のスタンドに居着くことになり、その中に矢を封じ最後はグイード・ミスタと共に、ディアボロの後を継ぎパッショーネを掌握したジョルノの姿を見届けた。
パッショーネとの抗争に関しては、数コマで吹き出しの解説のみであるがただ一人の人物の対処のために社会的に孤立させ、己の正体を知られたくないディアボロが自ら確実に手を下すという事は実娘トリッシュに並ぶ程の脅威であるということであり、このことからポルナレフの存在が如何に彼及びパッショーネという組織から警戒されていたか窺える。
これに関してあくまで推測でしかないのだが、ボス親衛隊の人数が少ない事などから「秘密を探るポルナレフと交戦した時に部隊を殲滅させられてしまい、ボス自らが出向くしかなかった」という説がある。
護衛チームの始末に向かわせたボス親衛隊達が人格能力ともにクセが強くチョコラータなど中にはボスに危害を与えかねない者が存在した点から、ポルナレフを始末しに来て倒されたパッショーネの刺客であるボス親衛隊やそれより下の幹部、専門部隊の中には有能かつディアボロに純粋に忠誠心を持つスタンド使いが複数人いてもおかしくなく、スタンドの矢で増やせるとはいえそうそう替えの利かないスタンド使いを失うのは組織にとっても大きな痛手である。それに加え二重人格である事は知らなかったものの、正体に関しては核心に迫っていたというリーチ寸前の状況であった。
ボス及びパッショーネ構成員がDIOとの抗争などのポルナレフの情報をどこまで掴んでいたかは不明だが、ギャングや警察関係者でないにもかかわらずたった1人でボスの秘密を探り続け構成員を倒し組織に甚大な被害を与える凄腕のスタンド使いというのはディアボロにとっては非常に恐ろしいものである。
人物像
性格
かつての様な明るくフランクな態度は見せず、常にシリアスな雰囲気を醸し出している。
また第3部の頃からさらに人間的に成長し、冷静かつ的確な判断が下せるようになっている。
ウイルス進化論やディアボロの二重人格を見抜き、多重人格の実例を用いて解説するなど博識な面も窺わせた。
一方、感情が高ぶると大声で叫ぶ直情的な面は変わらず健在である。
戦闘面でも体こそ不自由になったものの車椅子を華麗な手さばきで操作し、さらに隠遁生活の間にキング・クリムゾンへの血の滴を使った対処法を編み出し、再戦時にはディアボロをして「天才的なタイミング」と言わしめるほどの攻撃を繰り出して見せ、スタンド使いとして衰えた様子は見せなかった。
容姿
正確な数値は不明だが、長年の車椅子生活により第3部の時に比べ体は細くなっている。
ディアボロの攻撃によって失った右目には眼帯をつけており、両足は義足である。
また、右手も肘から先をディアボロの手によって切断されたが、手術により小指を除く4本の指は義手と繋がっている。
この右義指は「ヴァニラ・アイス戦で失った」説があるが、暗黒空間に飲み込まれたのはチャリオッツの左腕なので別件である。あるいは間違いか。
なお、アニメ版では両指とも欠損が無いキャラクターデザインに変更されている。
亀の中で幽霊になってからは、肉体を持つ人間達とは異なり甲羅の鍵から抜け出せない為、鍵から亀のサイズに合わせて小さくなった上半身だけ乗り出し姿を見せている。
スタンド:『銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』
第3部にも出てきた鎧をまとい、レイピアを携えた騎士のスタンド。
本体のポルナレフが両足と右手の一部を失った事により該当部分が剣のように鋭くなっている。
詳しくはシルバーチャリオッツの記事を参照。
またディアボロに矢を渡させない為に、死の間際自らチャリオッツに矢を刺しレクイエム化。
全身が真っ黒になり、テンガロンハット風の帽子を被ったような外見へと進化した。
周囲の生物を全て眠らせ、近くにいた者同士の魂を入れ替え徐々に肉体を「この世に存在しない別のもの」へと変化させていく。
かつて一度偶然能力を発動させてしまった時にはポルナレフ本人に影響は及ばなかったが、二度目の発動の際は死亡寸前だった為、コントロール出来ず暴走状態に陥っておりポルナレフの魂もその影響下にあった。
詳しくはシルバー・チャリオッツ・レクイエムの記事を参照。
ゲーム作品への出演
PS2ゲーム版
ゲームとしては初登場であり初のプレイアブル化。
ストーリー終盤、正体を現したボスと戦う際に操作できる。戦闘BGMは、プレステ格闘ゲーム版のポルナレフのテーマをアレンジしている。戦闘中の台詞も口調が3部寄りになっているものがある。
車椅子に乗っているため当たり判定が大きいものの機動力は高く、自動追尾して擦れ違い様に連続で斬りつける攻撃が出来る。3部で使っていた連続突きや剣を飛ばす技も使用可能。
ストーリーではボスとの戦いでしか操作できなかったが、クリア後のバトルステージではギアッチョ戦などで使用可能。
ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブン
ジョルノたちの口から存在は語られるが登場はしない。3部ポルナレフを見たジョルノたちは「ポルナレフさん」だと気づいたが、余計なことは言わない方がいいだろうと口をつぐんでしまった。
余談
公式外伝小説「恥知らずのパープルヘイズ」によると、その後は自身もパッショーネに属しジョルノに次ぐ組織のNo.2となった模様。ちなみに周囲からは『凄腕の拳銃使いの副長』としてミスタがNo.2として認識されているが、ミスタ本人は「そんな柄ではない」と発言し、また2を掛けたら自身の嫌いな数字である「4」になるという理由もあって、No.2をポルナレフに譲りNo.3の座に収まっている。
それまで影などで伏せられていたディアボロが初めて姿を明かしたのはこのポルナレフの前である。奇しくも3部でDIOの顔を初めて見たのもポルナレフであり、何かとラスボスとは因縁の深いキャラだったりする。そしてどちらとも階段にて遭遇しているが、DIOは上段から現れたのに対しディアボロは下段から現れている。この描写に関しては「神(DIOのイタリア語義)は頭上から、悪魔(ディアボロのイタリア語義)は地下から這い上がってくる」対比として描いているのでは。と言う考察もある。
実際に海に投げだされた場面では、頭頂部から目の位置まで真っ二つにされ、左腰から腹部までをごっそり持っていかれ、さらに崖から落ち岩に叩きつけられるという常人ならほぼ即死の状態であり、それでも生き延びディアボロを倒す意思を失っていないという驚異のタフネスさを見せている...というより、どう見てもボスにやられた時のブチャラティよりも重傷であり、右足が繋がっているなどの欠損箇所の差異があるなど、色々おかしい。アニメ版ではちゃんと修正され、腹が抉られたり、右脳が真っ二つになるといったことはなくなり、ちゃんと両足も切断されている。
推測になるが、6部のボスであるエンリコ・プッチは終盤、自らのスタンドメイド・イン・ヘブンによって世界を一巡させるのだが、その際「死人は来れない」という発言をしている。亀のスタンドが余程特殊でない限り、5部で幽霊になったポルナレフはこの世界一巡の時点で消滅してしまっている可能性がある。
アニメ版でポルナレフの声を担当している小松史法は、第3部のアニメ収録中にスタッフから「もし第5部がアニメ化するとしたら、また出てもらうことになります」と言われていたが、実際は第5部のアニメ放送が始まった時点で何の連絡も来なかったので、かなり不安になったそうである。また、第5部が始まった時には、第3部で共演していた三宅健太に「第5部に出られることを羨ましがられた」ことを明かしている。
小松「三宅さんのジョジョ愛はすごいですよね(笑)」
ちなみにアニメ版においてはスタンドの矢のウィルスによるご褒美によってスタンドが発現するという解説シーンにて、3部の音楽と自身を含めた当時の仲間たちがシルエットで描かれることにより、正体を明かす前に示唆できるという演出もあった。
クレイジー・Dの悪霊的失恋の小説版では、DIOが倒された後にホル・ホースと和解したことが明かされた。
ホル・ホースは「足を洗って世界中の恋人たちと美味いものでも食べる」と発言するのだが、それを聞いたポルナレフは「イタリアに行ったことはあるのか?」と表情を険しくした。
この時点でボス(矢を持ち出した青年)の存在は掴んでいたことが示唆されている。
またホル・ホースと会話したのはスピードワゴン財団の施設なので、財団がボスを探ってくれたのかもしれない。