『矢』は敵ではない!だが味方でもないッ!今から説明することはいわば希望なのだッ!
概要
ジャン=ピエール・ポルナレフがローマのディアボロとの戦いで発動したシルバー・チャリオッツ・レクイエムの能力で一時的に亀(=ココ・ジャンボ)と魂が入れ替わった状態。
ポルナレフは本来、ディアボロを倒す唯一の手段としての矢を渡すべくブチャラティたちとの接触をはかっていたが、ドッピオおよびディアボロの狡猾な立ち回りにより逆に追い詰められ、矢を守るためやむなく(チャリオッツが自らのコントロールからはずれ『ひとり歩き』することを予見しながら)『賭け』として矢をチャリオッツに使用した。結果、進化し暴走したシルバー・チャリオッツ・レクイエムの能力によってコロッセオ近辺の人間や動物たちに魂の入れ替わり現象が発生。一時的に矢を守ることに成功しつつも、ディアボロによってポルナレフは致命傷を受け、すでに死亡したかに思われた。が、実はジョルノらによってすでに間近まで連れられていた亀とすんでのところで魂が入れ替わっていた。(ポルナレフは「かろうじて魂にしがみついている」とも表現している。)
この時ポルナレフの肉体が胸部をぶち抜かれそのまま死亡してしまったためなのか、それとも人間の魂で亀の肉体に入ったことによるなんらかの拒否反応なのか、入れ替わってしばらくは「苦しい」とも発言している。
この状態のポルナレフは前述の通りチャリオッツとは完全に切り離されてしまったためスタンドなどを扱う事は出来なくなったが、同じく魂の入れ替わりに見舞われたジョルノたちに事の次第を伝え、以降も隠れ潜むディアボロとの攻防の中で豊富な経験を用いてサポートする側に回り、劇中ではディアボロとドッピオが二重人格である事や、レクイエム発動時に二つの魂が分離してそれぞれ別のものに入れ替わった事を言い当てた。
ブチャラティたちがチャリオッツ・レクイエムから矢を手に入れるために奮戦している最中には、ジョルノが『幽波紋(スタンド)使いが触れようとすれば、幽波紋(スタンド)で反撃され、物体を近づけようとすればぶつかって返ってくる』と分析した情報を素に『幽波紋使いじゃない者が矢を拾おうとすれば・・・!』と気づき、自身の状態を利用し口でくわえて矢を一時確保するという活躍も見せた。
その後ブチャラティの活躍によって元に戻り、肉体の死んだポルナレフはそのまま昇天・・・
するはずだったのだが、亀のスタンドのパワーが強かったためにポルナレフの魂は亀のスタンド空間に幽霊として留まることになった(鍵の宝石部分から立体ビジョンのように飛び出す)。
エピローグではジョルノを見守るミスタの傍らに亀の姿が見られるほか、外伝小説『恥知らずのパープルヘイズ』ではディアボロを倒した後、ポルナレフはジョルノ率いる新パッショーネのNo.2になっている。(本来はミスタがNo.2なのだが彼の個人的な理由でポルナレフに譲った)
余談
- そもそもこの状態は非常事態の緊急措置と偶然が重なった結果であり、登場している状況は常に切羽詰まった危機的なもので物語としてもクライマックスなのだが、亀が鬼気迫った表情で喋るシーンはどことなくシュールでもある。
- アニメでは『亀ナレフ』状態のポルナレフも小松史法氏が演じており、その声にはやや甲高くなるよう音声加工が施されている。
- チャリオッツ・レクイエムの暴走を食い止めディアボロを倒したのちは亀の魂と肉体・ポルナレフの魂は別存在としてあるはずだが、それでもなお亀を通してポルナレフが喋っているような描写が漫画・アニメ共に見られる。あるいはドッピオ・ディアボロのように肉体も共有している状態なのかもしれない。