人は、失ったものを取り返すことはできるのだろうか。
概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第4部『ダイヤモンドは砕けない』のスピンオフ作品。
原作・上遠野浩平、作画・カラスマタスク。ウルトラジャンプにて2022年1月号から2023年6月号にかけて連載された。全3巻。
1999年の杜王町を舞台に、第3部の登場人物と第4部がクロスオーバーする形で物語は進んでゆく。
漫画版の完結後には原作者による小説版が刊行された。大筋は漫画版と同じだが展開ややり取りに差異があったり、漫画版では描かれなかった物語の裏側が垣間見れる。
あらすじ
1999年3月。ホル・ホースは知り合いの老女から、突如姿を消したオウムを探してほしいと頼まれた。ペット・ショップのように危険な調教を施されたのならSPW財団に殺されてしまうかもという彼女の訴えを聞き入れ、ホル・ホースはケニーGと結婚したマライアの酒場を訪れる。
そこでボインゴのトト神の予知が示す場所、日本の杜王町へ向かう事になった。
その杜王町では、花京院典明の従妹・涼子が典明の墓に手を合わせていた。帰り道、涼子は奇妙な本を拾う。それがトト神のスタンドとも知らず持ち去る涼子と、すれ違うホル・ホース。
そこに暴走する車が突っ込んで来るが、通りすがりの少年がスタンドでいともたやすく吹っ飛ばした。彼は、まだ名付けられる前のクレイジー・ダイヤモンドを操る東方仗助であった……。
登場人物
主要人物
- 東方仗助(ひがしかた じょうすけ)
本作の主人公。第4部本編の前日譚であるため、まだ広瀬康一や虹村億泰、空条承太郎らとは出会っておらず、スタンドについてもよく知らない模様。
もう一人の主人公。第3部に登場したDIO配下のスタンド使いの生き残り。本作では彼がある依頼を受けたところから物語が始まる。DIOの幻影に今でも悩まされている。
- 花京院涼子(かきょういん りょうこ)
本作のオリジナルキャラクター。第3部で承太郎たちと共にDIO一派と戦った花京院典明の従妹。彼の墓参りのために埋葬されている杜王町を訪れた際に、奇妙な本を拾ったことで仗助と出合い、本作の事件に巻き込まれていく。従兄の死んだ経緯を知っておらず、その真相に迫ろうとしている。
敵対者
本作のオリジナルキャラクターにして争点となる存在。
第3部にポルナレフがDIOと出会った時にDIOの肩に乗っていた正体不明のオウム。DIOの部下だった調教師の男にペット・ショップと共に調教されていた。スタンド使いかつ、ペット・ショップと同類の危険性を帯びていると見られる。
- 清原幸司(きよはら こうじ)
本作のオリジナルキャラクター。小動物をボウガンで殺していた異常者の青年。小説版では美形の大学生。
スタンド使いではない一般人だがペット・サウンズから接触を受け従えるようになる。
ペット・サウンズと共に、地下通路でヘリコプターに乗ってボウガンを使い仗助とホル・ホースを攻撃した人物。自分を特別な人間と見ており、人間を狩る権利があると思い込んでいる。
地下通路で無関係な人たちまで矢で貫いたことから仗助の怒りを買うことに。公園まで逃げてから血痕を利用して罠に誘い込もうとしたが、ホル・ホースの銃弾で破壊されたボウガンの一部を直されたことで居場所がバレてしまう。
最後は仗助に殴り倒され、そこをロープで拘束され良平に逮捕される。しかし連行中、なぜか精神に異常をきたし恐慌状態となる。
小説版では、幼少期から整った顔立ちのため周囲の大人たちに気に入られて過ごして来た。友人に困ったこともない。いつしか自分は選ばれた人間、特別な人間と思い込むようになる。そして自分には人を傷つける権利があるが、凡庸な奴らにはそれはないと言い切るようになってしまった。
射殺事件の動機は単純なもので人生に退屈していたから。酩酊するような背徳的な刺激が欲しいという理由で小動物を射殺していたが、すぐに物足りなくなり子供を狙うようになった。
- 仮頼谷一樹(からいや かずき)
本作のオリジナルキャラクター。青年警察官で良平の部下。本作のラスボス。
その他人物
同じくDIO配下のスタンド使いの生き残り。現在はケニーGと結婚して共に酒場を経営しており、客として訪れたホル・ホースと再会する。DIOのことはSPW財団から聞かされた情報により、「あの吸血鬼」などと悪し様に罵っているほどにすっかり幻滅していたが、現在でも彼の悪夢に悩まされ、夢の中では様付けで呼んでいる。
※左下の人物
元DIO配下のスタンド使いで、依頼を達成するためにホル・ホースに杜王町へ連れられ、自身のスタンドであるトト神の漫画本を落とした上に迷子になってしまう。エジプトでの戦いから10年経っているが、少し無精ひげが生えているだけで容姿は殆ど変わっていない。
※右側の人物
仗助の祖父で、杜王町を守り続けてきたベテランの警察官。迷子になっていたボインゴから事情を聞きに、彼が保護された派出所にやってくる。
- 仮頼谷茂儀造(からいや もぎぞう)
本作のオリジナルキャラクター。一樹の祖父。ある意味本作の元凶。
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