オインゴとボインゴの仲よし兄弟は4時間あとのばすにのったので事故にはあわずにすみました
ルンルン♡
仲よし兄弟の次なる冒険は!
概要
【破壊力 - E / スピード - E / 持続力 - A / 射程距離 - E / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
『ジョジョの奇妙な冒険』第3部「スターダストクルセイダース」に登場した、エジプト9栄神のスタンドの1つ。書物の神。本体はオインゴ・ボインゴ兄弟の弟・ボインゴ。
ボインゴが常に持ち歩く本に描かれた漫画を通して、極近い未来の予知が出来るスタンド。本に時間経過と共に浮き出る漫画には、独特なタッチの絵と簡潔かつシュールな内容で予知が描かれている。予知の内容はボインゴにもコントロールできないようだが、ボインゴの目的・意思をある程度反映している模様。
連載漫画のように、ボインゴの意思に関係なく定期的に数ページずつ現れ、タイミングによっては内容が少し過去(既に起った出来事)にかかっている場合もある。
この本は一般人にも見え、穴が空いてもボインゴにダメージはない為、物質同化型スタンドであると思われるが……(後述の余談を参照)。
漫画上で描かれた内容は絶対に覆せないが、予知の解釈を間違えたり、予知通りに動けずに失敗すると、歪んだ解釈での結果が訪れてしまう。
ちなみに本には行為とその結果が簡潔にしか描かれないため、その間の過程はボインゴにも予測できない上に、劇中では「女性の首筋を蹴飛ばしてお礼をもらう」「ポルナレフの鼻に指をぶっ込んだらジョースター一行が血を噴いて気絶する」等々、ぶっ飛んだ予言が出る場合もある。
また、予知の内容も
- 「毒入りの紅茶を飲んでしまいました、ゴク!」
- →時間が経過した後「でも犬がじゃまをしたので飲みこみはしなかったのです」とのオチが出てくる。
- 「そのムカつく顔の男は大アワテ!大金の入ったサイフを落としていきました」
- →後になって、その男が仲間を引き連れて仕返しに現れ、ボコボコにされる。
- 「承太郎は吹っ飛ばされます。顔がまっぷたつ、血を流してリタイヤだァーッ」
- →成り行きで承太郎に変身していたオインゴが吹っ飛ばされる結果に。
- 「ウオオン!正午きっかりにホル・ホースの弾丸が脳天をブチ抜いたーッ」
- →その漫画に描かれた承太郎の額をブチ抜き、弾丸はホル・ホースに命中(TVアニメ版においては途中で承太郎の顔がホル・ホースに変わっている)
等々、失敗した結果を後出しで告げたり、しっぺ返しがあったり、かなり強引な形で予知が的中する形になるなど、鵜呑みにして行動するには危なっかしい予知ばかりである。
ただし、これから乗ろうとするバスに死傷事故が起きる、女性の首元の猛毒サソリを蹴り潰す等、人命を救う予知に関しては特にやばいオチもなく的中している事実からすると、本来は人助けに使うべき能力であり、数々の奇妙な予知と結末は、邪な目的で利用しようとした兄弟に対する、トト神の天罰のようなものだったのかもしれない。
ボインゴも敗北後に改心して、これからはスタンドを善行に使おうとしたものの、結局イギーにボコボコにされて以前よりも暗い性格のまま入院してしまった。
「でもくじけちゃダメだよボインゴ! 人生とはそういうものだから」
pixivにおいて
トト神の予言の漫画は独特なタッチの絵と簡潔かつシュールな内容で描かれている。このタッチを真似して描かれたパロディイラストにも「トト神」タグが使われる。
クレイジー・Dの悪霊的失恋
キーアイテムとして登場。劇中ではボインゴの手を離れ花京院涼子が所持している。最終盤ではボインゴの手に戻るも仮頼谷一樹に奪われてしまった。
余談
このトト神の漫画は、2002年に集英社文庫から実際に出版されている。
タイトルは『オインゴとボインゴ兄弟 大冒険』。
後書きには岸辺露伴が感想を書いており、大絶賛し、漫画家として敗北宣言までしている。
しかし、漫画がスタンドで描かれていると知るや一転してバカにしている。
なお、承太郎が顔がまっぷたつになり、血を流してリタイアする予言は、第3部では承太郎に化けたオインゴがその運命を辿っているが、その約25年後の第6部において承太郎はメイド・イン・ヘブンのナイフ投げ攻撃により、顔をまっぷたつに裂かれて血を流して死亡しているのであながち間違っていない。本人もそれがいつとは言っていないし、予言は絶対100%なのもそこを考慮すると間違ってないのかも知れない。
スタンド使いでない一般人にも見えるし触ることが出来ることから一応「物質同化型」のスタンドと見られているが、スタンドのダメージが本体にフィードバックされない、予言を知っても何らかのミスによって本体が不利益を被る危険がある、一般人相手でも持っていれば能力が作用するなどの事実を考慮すると、その実態は後に登場するローリング・ストーンズと同じ、神の領域に関わるスタンド=独り立ちするスタンドである可能性が高い。
スピンオフ作品『クレイジー・Dの悪霊的失恋』においては、父親に売り飛ばされてもいつの間にかボインゴの元に戻ってきたともされ、ボインゴは「『トト神』という神が存在して、自分に漫画本を管理する役割を与えているだけなのでは」と感じ、更にコミカライズ版の最終話の冒頭のナレーションで “元々それは世界に起こった事柄をひたすら記憶するだけの存在だった。だが、DIOによってそれはスタンドと呼ばれるようになると、現在はそのような形になった(要約)” との補足めいた記載もされており、同作においては、事実上神の領域に位置する存在として描写されている。
伝説
ここからはちょっぴり野暮な話。
実はトト神はあのアメリカ同時多発テロ、通称「9.11」を予言したとして話題になった。第3部の劇中のとある一場面でトト神は、『男は首が電柱に突き刺さって死んでしまいましたー。』という一人の旅人が死ぬという予言を提示していた。予言と実際に起こった出来事を比べてみると…
予言 | 9.11 | |
---|---|---|
男は「おっ 10時半だ!」と言う | ツインタワー北棟の崩壊時刻は10時28分 | |
その時の男の背後には4本の電柱が | ハイジャックされた飛行機の数は4機 |
ー漫画内で男が死ぬー
電柱に刺さり死んだ男の服に911の文字(テレビアニメ版ではこの文字は描写されていない) | アメリカ同時多発テロが発生したのは9.11 | |
男の背後には邪悪な笑みを浮かべる飛行機(テレビアニメ版ではこの文字は描写されず) | 9.11は飛行機のハイジャック | |
同じく背後には、嗤う三日月 | 犯人はイスラム過激派、三日月はイスラム教のシンボル |
この話が掲載されていた単行本は1991年発売であるため、トト神は10年程先の未来を本当に予言していたことになる。作者本人は「なんで書いたのかわからない」「多分偶然」とのことだが……『君は「引力」を信じるか?』。
念のために補足しておくと、何かしら大きな事件や事故が起こるたびにこのように陰謀論めいたあとづけの予言話の類は湧き出てくるものである。様々なモチーフがちりばめられた漫画内の記号を、偶然の一致を強調しまた都合良く取捨選択すればどうとでも『予言』に解釈できるのだ。意図も指示もしているわけではない書物の内容に人は自らの思い込みで勝手に惑わされて踊ってしまう…とのトト神の戒めと取るべきであろう。
関連タグ
同じく未来を視ることができるスタンド。その未来は実際に起こる「真実」であるが、キング・クリムゾンによりその「真実」に至るまでの「過程」を消し飛ばすことで自身の好きなように「結果」を変えることができる。
後の部に出てくる「最善の道を示す」と似たような能力を持っているスタンド。ただし、こちらはある程度自分の意思で未来を操作できるようになるとんでもないスタンド。
能力が「死」そのもので、神の領域に踏み入れたと思われるスタンド。
- ???(第8部の重大なネタバレ)
能力がこの世の「理」そのものであり、同じく神の領域に踏み入れたと思われるスタンド。
- ???(第8部の重大なネタバレ)
能力はこの世の「理」を「超えていく」。同じく神の領域に踏み入れたと思われるスタンド。