「『一番よりNo.2!』 これがホル・ホースの人生哲学 モンクあっか!」
概要
CV:難波圭一(ドラマCD)
若本規夫(OVA)
安原義人(3部格ゲー)
大塚芳忠(オールスターバトル)
木内秀信(テレビアニメ)
初出は第3部「スターダストクルセイダーズ」。基本的にはフルネームで呼ばれる。
DIO配下のスタンド使いで、エンヤ婆が送り込んだ7人の刺客の1人。
テンガロンハットを愛用しており、容姿はまさしく西部のガンマン。いつも煙草をくわえている。
後に作者が「最近タバコの煙が苦手で他の人が吸っていても気になってしまう」という個人的理由でいきなり禁煙用パイプに変わった。小道具を変えてしまうことについて「ホル・ホースはコロコロ考えを変える男。まっ、いっか」と言っている。
暗殺者として実力も度胸も備わっている一方で、勝てない相手からは潔く手を引くなど、自分の能力をわきまえたなかなかの実力者である。自身のスタンドがそこまで強力ではないことから「誰かとコンビを組んではじめて実力を発揮するタイプ」と自認しており、それは『一番よりNo.2』という彼の人生哲学となっている。
そのため、パートナー選びに関して高い才能を持つ。
一度目の対決時はJ・ガイル、二度目にはボインゴとコンビを組んでいる。
基本的に仲間を信用したがらない3部の敵スタンド使いの中では珍しく『協調性』というスキルを持つ男。DIOは小説『OVER HEAVEN』にてホル・ホースのそういった面は自分の部下の中では貴重な資質と日記に書いている。一方、クレイジー・Dの悪霊的失恋ではデーボから「誰かの後ろに隠れてる永遠のNo.2野郎」と皮肉を言われている。
ボインゴに対しては力尽くで従えていたが、そもそもボインゴの性格が暗いためホル・ホースが引っ張るしかないので仕方なかったと言える。
ポルナレフの「おめーはひとりではこわくねーが人の才能を見抜く才能がある。才能があるやつとコンビを組んだら恐ろしい力を発揮する」というセリフに彼の本質が表れていると言えるだろう。
その人選も合理的で、強力だが本体を直接守る術がないJ・ガイルと組んだ時は自身が囮役になり、人見知り過ぎて一人ではなにも行動が起こせないボインゴは自身が引っ張って行っている。
どちらの相棒も単独でジョースター一行に立ち向かうにはややリスキーであり、サポートが必要なタイプである。
一方で当人も道具型・装備型スタンドゆえ防御面は文字通り人並みなため、他のサポートが欲しいタイプである。
自称「世界一女にはやさしい男」。
「女にうそはつくが女だけは殴ったことはねえ! ブスだろうが美人だろうが女を尊敬しているからだ!」とボインゴに対して言い切っている。
(エンヤ婆に襲われた際にエンペラーで撃とうとしたり、予言に従って女性に蹴りをかましたり、例外的な場面はあるが)
ネーナと共に初登場した際は、J・ガイルに対して「あんな女が世界中にいるとよ何かと利用できて便利なのよ 何でもしてくれるぜ 命も惜しくないって風にな」と語っている。
アヴドゥルに致命傷を負わせるという衝撃の展開を見せていながら、徐々にコメディチックなエピソードも増える個性的なキャラクターでもある。
エンヤ婆に始末されかけた際に(一時的にとはいえ)敵であるはずのポルナレフに助けを求めたり、主であるDIOの暗殺を試みる等、型破りな行動を見せており、敵の中でもかなり登場回数が多い。
一行との因縁はDIOの館直前まで続いたが、最後は判断ミスによる自爆で再起不能になりボインゴと入院することになった。なお彼は2回もジョースター一行と交戦していながら最後まで生き残った異例のキャラ。ちなみに生き残り方は皮肉にも彼がかつて倒したアヴドゥルと殆ど同じ「弾丸が眉間をかすめただけで脳まで達するには至らなかった」である。
OVA版でもほぼ原作通りの行動と活躍を見せるが、ボインゴが登場しないのでエンヤ婆戦で彼女の攻撃を受けてそのまま再起不能となり、リタイアする。後編にも登場しない。
名前の由来は、アメリカのポップス・デュオ「ホール&オーツ」か、ヴォーカル・グループ「フル・フォース」と思われる。
実力?
これだけ書くとホル・ホース自身の力量が低いように思えるが、ポルナレフとし合った時はいずれも優位に立っている。
初戦では光の速度で移動する吊られた男を斬れるシルバー・チャリオッツの剣から銃弾を紙一重で避けたり、二度目の対決ではポルナレフより先にスタンドを構えて動きを封じている(本人もかなり焦っていたのでギリギリだったようだが)。
J・ガイルと組んだ際も「自分たちのスタンドはアヴドゥルの炎に弱い」と事前のリサーチも忘れない。厄介なアヴドゥルを先に倒せたのもホル・ホースが囮になっていたことが大きい。
けれど、いかんせん直接戦った相手がポルナレフだけであり、敵の中でも戦闘描写(活躍)が少なかったりする。
スタンド
【破壊力 - B / スピード - B / 持続力 - C / 射程距離 - B / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
(スタンドパラメータは単行本並びにJOJO-A-GO!GO!による)
詳細はリンク先を参照。
なお、スタンド名の由来であるタロットの皇帝のカードの意味は、正位置(「支配」「安定」「責任感」)・逆位置(「横暴」「傲慢」「独断的」)ともにホル・ホースの性格や特性とは正反対のものと言える。
相棒
J・ガイル
ジョースター一行との一度目の対決時に組んでいた。
「あいかわらず~」といったような台詞から分かるように、それなりに長い間コンビを組んでいたようであり、彼を「J・ガイルのだんな」と呼んでいる。故に彼がポルナレフと花京院に敗れて死亡した際は最初はそれを信じられなかったほど。
前述のようにホル・ホース自ら囮役になっており、彼の性格を考えるとJ・ガイルをかなり信用していたと思われる。
敗因もJ・ガイルの独断専行であり、ホル・ホースが走って追いついた時には戦いが終わった後だった。
ボインゴ
ボインゴをトランクに詰めて無理矢理攫い、強制的にコンビを組む。
コンビになることを承諾させた後にはボインゴにゲロをかけられても怒らなかったり、迷子になった時のために小銭入れを預けていたり、子供には優しい面もあるようである。
いきなり禁煙パイプを使い出したのも、ボインゴに気を使ったからだととれなくもない。(理由は前述の通りだが)
後述のスピンオフでは仲間意識があったのか「敗北した自分たちはDIOに殺される」としてボインゴの手を引っ張って病院から抜け出している。
さらに、TVアニメ版ではコンビで衝撃の特殊エンディングを披露した。
格ゲー版
カプコン製作の格ゲー版では、通常版とボインゴ版の二種類が登場。
通常版では服の色が白(灰色)でJ・ガイルとコンビを組んでおり、必殺技やスーパーアーツ、勝利ポーズでハングドマンが登場。
また、『J・ガイルのだんな!』発動時、何故かボインゴが降ってくる事がある。
一方でボインゴ版では赤い服になっており『皇帝』の発動が若干速くなった反面、『弾丸の軌道』がなくなっており、逆転性はやや低くなってしまった。
因みに通常版にはヴァニラ・アイス戦とディオ戦が用意されているが、ボインゴ版には用意されていない。
(更にカーン、ラバーソール、マライア、ペット・ショップにもアイス戦とディオ戦は用意されていない。)
何故ならボインゴと組んだのが、DIOに忠誠を誓った後だからである。
PS移植版にて追加されたスーパーストーリーモード(平たく言えばジョースター一行を操作して原作を追体験するモード)ではクリア後にプレイ出来る番外編にて操作キャラとしてディオと戦う事が出来る。
(時系列的にJ・ガイルが敗北した後なので、一部の技が使用不可というハンデがある)
クレイジー・Dの悪霊的失恋
第三部と第四部の間を描くスピンオフ漫画および小説。主人公のひとりとして登場。
「もう若くない」と本人が述べている通り無精ヒゲが生えている。
かつて「自身の腕時計が実際より進んでいたせいで時間を間違えた」のが敗因になったため、腕時計を3つも着けており、0.8秒のずれを「致命的」と言うほど時間に気を配っている(マライアには敗北のトラウマだと指摘されているが、当人は「お洒落」と抗弁する)。
飄々とした態度は健在だが、DIOを裏切ろうとしたものの屈服したーー魂が負けたーーことに関するトラウマは根深く、DIOが死んで10年も経ってもDIOを恐れている。原作で見られた動揺(顔芸)っぷりも健在。
性格面は善良寄りになっており、特に女性の扱いに関しては紳士的。女性を裏切る・約束を破ることにも罪悪感を見せている。
DIOに仕えていた男(故人)が遺した鸚鵡(オウム)が逃げ、忘れ形見である鸚鵡を連れ戻すように男の母(老婆)から依頼される。
そのオウムがペット・ショップのように危険な存在ならSPW財団に処分される可能性もあったため依頼を承諾し、トト神の予言に従いボインゴと共に杜王町を探索する。
走行中の車がいきなり突っ込んできたため銃撃するが、それを見た東方仗助から「カウボーイ姿で銃をぶっ放す危ない奴」と思われるなど緊迫した場面もあったが、
「お前(仗助)は他人を気にしててめぇのスタイルを変えるアホかよ。そのイカした髪を見るに、そうは見えねえぜ!?」
と評したことから、嬉しさが止まらなくなった仗助から「兄貴」と呼ばれ慕われるようになった(仗助曰く「大したことを言ったわけじゃないがホル・ホースの格好で言うと説得力がある」とのこと)。クレイジー・ダイヤモンドのパワーを恐れながらも仗助を味方につけた方が得策だとして行動を共にする。
実は原作で病院送りになった後、「任務に失敗したからDIOに消される」と考え病院から逃げ出しており、その途中で花京院の最後(時計をエメラルド・スプラッシュで破壊)を目撃していた。
また仲間意識があったのかこの時にボインゴを連れて逃げている。DIOの配下だった頃に本来ならDIOの食料にされるはずだった美人の女性を密かに3人逃した過去がある事が判明しており、その女性達は5部や6部のあるキャラ達の母親だった可能性がある。
余談
作者が途中で仲間にしようか迷ったらしく、第三部の連載当時に巻頭カラーで登場したことがある。(彼が、エンヤ婆にやられて倒れたシーンから始まる回、見開きの表紙ページで、ジョースターご一行の一員としか見えないような構図で、四人と一緒に並んで決めポーズをとっている)
JOJO-A-GO!GO!でのインタビューでは、以下のように答えている。
ホル・ホースは、仲間にしようかと思ったりもしました。
でも、仲間になるヤツばっかりだと面白くないなと思い直して…
仲間になりそうでならないやつがいてもいいんじゃないかと。
ホル・ホースの性格を考えると、仲間にはならないんですよ。
けっこういいかげんな性格で、あっちへふらふらこっちへふらふら。コウモリみたいなヤツ。
スタンド能力も承太郎に評価されそうなシンプルかつ強力で比較的応用の効くタイプで、他のジョースターエジプトツアー御一行様とも相性が良さそうであり、ある程度花京院やポルナレフルートを想定したキャラということが窺える。
スーパーファミコンで発売された3部のゲームでは、インドで登場。この時は本格的な交戦はせず数ターンで終わるイベント戦闘を何回か繰り返し、原作通りJ・ガイルが倒されたのを悟り逃走。パキスタンではジャッジメントが「ホル・ホースの行方を知りたいという願いを叶えてやる」とホル・ホースの土人形を差し向けてくる。エジプトでは原作と違いピラミッドを縄張りにしているイギー捕獲の為にピラミッドに現れるも戦闘にならずに退場。カイロではボインゴの代わりにマライアとコンビを組んで襲いかかってくる。
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