煙草とは
概要
pixivに投稿された「煙草」タグのイラストには紙巻きタバコを描いたものが多いが、他にもパイプ、煙管、葉巻、水パイプ、嗅ぎ煙草、噛み煙草、電子煙草など、様々な煙草が存在する。
タバコは南北アメリカ大陸の先住民に先史時代から利用され、北アメリカではパイプ、南アメリカでは葉巻、中央アメリカでは巻煙草、アマゾン川流域の嗅ぎ煙草、西海岸の噛み煙草と、地域ごとの喫煙スタイルがあった。煙草は新大陸を植民地化したヨーロッパ人によって世界各地へ広まり、各地で独自の発展を遂げた。
噛みタバコ
煙草の楽しみ方としては最も古い。
タバコ葉を石灰などと共に口に含んでガムのように噛み、風味を楽しむ。カウボーイに愛好され、西部劇にはよく出てくる。
噛み終えると唾液と共に吐き出すため、マナーの観点から嫌われるようになった。
似た用法の嗜好品として、インドや東南アジアのキンマがある。
また、現在は禁煙治療に際して段階的にニコチン摂取量を減らすための医療品・医薬品として扱われてもいる。
嗅ぎ煙草
煙草の粉末を米粒大ほど取って鼻の穴から吸い込み粘膜に付着させたり、上歯茎と上唇の間に置いたりして匂いを楽しむ。スナッフ。
ポルトガルから戻ったジャン・ニコがフランス王妃カトリーヌ・ド・メディシスに頭痛薬として献上し、上流階級で流行したが、現在ではコカイン常用者と間違われ易い。
ムーミン・シリーズに登場するスナフキンの名前は「スナッフを好む者」の意だが、アニメでは専らパイプを愛用。
葉巻
煙草を植物の葉で巻いて棒状に成形したもの。
一般にはタバコ葉で巻いたものを指すが、バナナの葉、トウモロコシの皮、黒檀の葉などで巻いたものもある。キューバ産のものは高級品としてとくに有名である。
パイプ
筒状になった喫煙具。一方の端に形成した火皿に刻み煙草を詰めて火をつけ、もう一方の端から吸う。
喫煙に技術を要するため今日では趣味的な製品となり、様々な材質・形状のものがある。
水パイプ
発酵させ糖蜜などで纏めた煙草を火皿に置き、炭火を載せて熱し、煙を瓶に入った水中へ通し、温度の下がった煙を吸引する。水で濾過されるため喫味は非常に軽いが、吸い終えるのに1時間近くかかる。
主にイスラム圏で愛好されてきた。
煙管
ヨーロッパ人の喫煙具を真似て東アジアで作られたパイプの一種。
日本のキセルの場合、火皿が非常に小さく、髪の毛のように細い刻み煙草を用いるため、2、3度ふかせば燃え尽きてしまい、究極のショート・スモーキングとなっている。
電子煙草
紙巻き煙草大の筒の中にカートリッジとバッテリー、噴霧器があり、吸うとカートリッジ内の液が電熱で霧状化し、吸い口に流れていく装置。ニコチンを含んだ液を使用する製品もある。
紙巻き煙草
刻み煙草を紙で巻いたもの。
19世紀半ばに工業化された当時は、職人が1本1本手巻きする非常に高価な煙草だったが、19世紀末に自動巻き上げ機が発明されると大量生産され、安価な煙草として市場を席捲した。
当初生産されていたのは両切り煙草や口付き煙草だったが、1929年にフィルター付き煙草が発売され、第二次世界大戦後には主流となった。
助燃剤
タバコ葉は元来燃焼し易いものではなく、紙巻きを吸うにも技術が必要だったが、巻紙にクエン酸ナトリウムやクエン酸カリウム等の助燃剤が付与されると誰でもスムーズに喫煙できるようになった。
しかし、助燃剤入りの巻紙が燃えた際の鼻を突く臭気は、非喫煙者が嫌う煙草の匂いの大きな原因となっている。
余談だが、100%無添加にこだわるアメリカンスピリットは助燃剤が入っていないため火がつきにくく燃焼時間も他のブランドと比べて長い。
口腔喫煙と肺喫煙
殆どの煙草の吸い方は煙を口から喉にかけてしか入れない口腔喫煙だが、軽い喫味の銘柄が現れた1960年代以降、紙巻き煙草では煙を肺に入れる肺喫煙が行われるようになった。
口腔の粘膜からゆっくりニコチンが取り入れられる口腔喫煙は精神に対して鎮静、肺で急速にニコチンが取り入れられる肺喫煙には覚醒の作用がある。
肺喫煙の場合、吸い始めるとすぐに「脳波を速める興奮作用」が、そこから30~40分ほどで「脳波を遅める抑制作用」が起こる。そこにもう1本が加わると、抑制作用が収まり脳波も元に戻るが、結局数10分でまた抑制作用が起こる。
つまり生物学的に見ると、喫煙者が煙草を吸っているのは、ニコチン切れによるイライラを、元に戻すためだけなのである。
このサイクルが、煙草が比較的依存症の高い所以である。そのサイクルの完成の早さは、アルコールとは比べ物にならないくらいかなり早い。
禁煙
→「禁煙」の記事へ。
日本での煙草
未成年者喫煙禁止法により、20歳未満は喫煙が禁止されている。それらの根拠となる情報はこちらのサイトを参照
現在自動販売機で煙草を買うには年齢を証明するカード『taspo』が必要である。
日本ではかつての専売公社、現・日本たばこ産業(JT)のみが製造を行っており、たばこ事業法により国産葉タバコの全量買取契約が義務付けられている。
販売に関しては現在は独占権はない。この為国産タバコはすべてJT製だが、輸入タバコは現在独自に国内流通している。専売公社時代はマールボロなど輸入タバコはOEMあるいはライセンス生産と言うかたちで展開しており、専売公社民営化時にJTが継承したが、現在は輸入タバコのライセンス契約はすべて終了している。
かつては日本人男性の9割以上が喫煙していたこともあり煙草農家が全国にあったが上記の世界的な禁煙の流れによりJTも工場を次々と閉鎖して清涼飲料水などの煙草以外の商品に軸足を移していき、タバコ農家も高齢化に伴い跡をつがせず廃業・転作する者が増加の一途をたどっている。
近年ではすっかり悪者扱いで(身体的影響の観点から言えば、煙草は「百害あって一利無し」なので、悪者扱いも致し方なしではある)。また、ポイ捨てや歩きタバコなどの喫煙所以外でも他者の迷惑を考えずにタバコに火を点けるマナーの悪い喫煙者の存在も”タバコの悪者化”に繋がっていると考えられる。
アニメでもヒーローが煙草を吸うことは珍しくなってしまっているが、創作の世界ではダーティな雰囲気を演出する小道具として今でも活躍中(本来は健全な作品やキャラクターでも、敢えて不良らしさを出すための小道具として出てくるpixiv作品は少なくない。)。
ちなみに、昔の創作物では成人男性が喫煙することが当たり前であったため、煙草を吸うキャラクターも多かった。
また未成年キャラでも、暴走族など不良少年少女キャラが吸っているシーンも多い。
昔喫煙していたキャラでも、子どもの見る時間帯の作品の場合、近年にリメイクされると喫煙シーンがなくなることがある(後述)。
また実写映画でも足下に煙草をポイ捨てしたり、吸い殻を地面にためているシーンが昔は多かったが、これは火事のもとになる大変危険な行為であり、環境や景観の汚染にもつながる迷惑行為でもある(実際、火事の原因第1位は「煙草」が関係している)。
消防防災博物館:建物火災「たばこにおける出火」事例について
近年は明確なマナー違反とされ、こうした描写はなくなった。
また近年では公共の場での禁煙・分煙が進み、新幹線や特急などでは喫煙室以外は禁止、長距離バスなどでは全面禁止となっている。
また学校などでも成人した職員でさえ敷地内喫煙が禁じられている学校が多くなってきており、企業でも喫煙者を採用しない・入社までに禁煙を義務づける所も増えてきた。
従来はコンピューターや精密機械を扱う企業、ファッション系の企業が多く「商品に臭いがつく」「機材をヤニで痛める」などの理由が多くあげられていたが、近年では建築系など従来喫煙者が多かった業界でも「顧客からのクレーム」「喫煙者がタバコ休憩で抜けることでの、仕事の非効率」により喫煙者不採用を打ち出すところが増えている。2019年には長崎大学も喫煙者不採用の方針を打ち出し話題となった。
さらに煙草は「違法ドラッグ(覚醒剤や大麻など)への入り口(ゲートウェイドラッグ)」と言われている。煙草を吸った人が全員違法ドラッグに手を染めるとは限らないが、「違法ドラッグの所持や使用で逮捕されている人達の殆どが煙草の喫煙歴を持っている」のも事実である(田代まさし・沢尻エリカ・槇原敬之・酒井法子といった複数回逮捕歴のある芸能人や、相模原障害者施設殺傷事件の実行犯も)。
しかし、煙草の喫煙と販売を一律禁止している「禁煙国家」は2020年時点でブータンのみである(2005年に公共の場での喫煙とたばこの販売を禁止。個人消費のためならば一定量のたばこ製品の持ち込みは可能であり、家庭内での喫煙は一応合法である)。
日本市場の特異な点としてタール10mg、ニコチン1mg以下の世界的には非常に軽い紙巻煙草がそのシェアの大半を占める。メンソールなど煙草そのもの以外を由来とする香料・刺激成分を含んだ商品が多いのも特徴である。一方で、その消費量が多い。通常、ニコチン依存症による喫煙家(いわゆるヘビースモーカー)の消費する煙草はタール20mg、ニコチン2.0mg程度以上のもので1日20本程度(日本の標準的なパッケージで1箱)である。
このことから、日本における喫煙者の殆どはニコチン依存症ではないか、依存症であっても自分の意志でやめられる程度の軽いものだと言われる。日本人の喫煙者のほとんどは、口寂しさを紛らわすために咥えているに過ぎないようだ。
また各自治体の条例でも、歩き煙草などを禁止する所が増加している。
その一例として愛知県の名古屋市では、路上禁煙地区に制定された地域でタバコを吸っているのが発見されると、火を消すように求められた上で科料2000円を徴収される。
モータースポーツにおける煙草
モータースポーツの世界ではF1やWRCほか様々な競技で煙草会社がスポンサーになる(例:555→スバル。マルボロ→フェラーリ、トヨタ、三菱ほか多数)例が数多く見られたが、近年では世界的なタバコ広告禁止によりそれらの広告は排除されている。
だが、それでもスバルにおける青のようにそのカラーが色濃く残っている場合も存在する。
代替物
未成年者の喫煙シーンのアニメ化や、喫煙シーンの存在する人気アニメの海外放送など、子供がマネをするのを防ぐために喫煙シーンを他のアイテムに変更している。
- アメ(サンジなど)
- コーヒー(ジャムおじさんなど)
- ガム(加賀鉄男など)
- ピロピロ笛(シャーロックホームズ、ジュエルペットほか)
- スライムの付いた木の枝(魁!!クロマティ高校※ただし、第一話の冒頭では喫煙シーンがある。セリフも「下駄箱」、「タバスコ」に変えられている)
擬人化
さまざまな趣向を凝らしたタバコのパッケージを擬人化したイラストも多い。
タグ『たば娘』も参照のこと。
関連タグ
個別
ライター 灰皿 シケモク 一服 たばこはダサい
喫煙者 愛煙家 煙鬼
植物
吸い方
煙草と人・社会
喫煙室 taspo 煙 ニコチン 禁煙 受動喫煙
ニコ中 ヘビースモーカー チェーンスモーカー
日本たばこ産業 タバコは二十歳になってから
煙草の形態
紙巻き煙草 シガー 葉巻 手巻き煙草 煙管 パイプ
水タバコ/水パイプ
火を点けないもの(無煙たばこ)
煙草を模した菓子
煙草のブランド
セブンスター マルボロ マイルドセブン ラッキーストライク ハイライト チェリー(煙草) わかば しんせい LARK エコー ピース ホープ KOOL アメリカンスピリット(ナチュラルアメリカンスピリット、アメスピ)キャメル
煙草の仕草お題
煙草への嫌悪関係
他の記事言語
外部リンク
個別
pixivision
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