概要
企業が別の会社に製品を作らせ、それを自社の商標(ブランド)で売る事。
自動車(二輪車を含む)でよく見られる。
自動車以外では家電やスマートフォン(タブレット)でもしばしば見られる。
なぜ、この様な事が行われるかというと、以下の理由がある。
- (受け入れ側としては)同じ様な製品を開発したいが、単純に費用の問題や社風伝統の問題で開発が困難である為、ローコストかつ伝統に反しない形でラインナップを揃えたい。
- 商慣習上の提携を維持する(受け入れ側も供給側も同資本のグループ企業である為、商圏を喰い合い自滅し合う事を避けたい)。
- (供給側企業としては)単純に受け入れ側のブランドで販売した方が、ブランド力(ネームバリュー)が上となり実質の売上数が上昇し販路の拡大が見込め、なおかつ自社製品を敢えて廉価版(ノーブランド)と定義する事で「同じ機能で有ればブランドはいらない」客に対する自社の宣伝効果と(ブランドにも採用される技術のアピールで)信用向上を見込める。
似た言葉にODM(Original Design Manufacturing)があるが、こちらは製品の製造だけでなく設計も委託する点が異なる。
主なOEM製品
四輪車OEM一覧(2022年時点)
eK(三菱自動車)→オッティ(2005年~2013年、日産)/デイズ(2013年~、日産)
eKスペース(三菱自動車)→デイズルークス(2013年~2020年、日産)/ルークス(3代目、2020年~、日産)
eKクロスEV(三菱自動車)→サクラ(2022年~、日産)
※デイズとデイズルークス(2代目ルークス)以降は日産・三菱の合弁会社NMKV(Nissan Mitsubishi Kei Vehicleの略)で開発されているため正確にはOEMではなく、共同開発。ただし、製造自体は三菱自動車がしているため、カタログ上の製造事業者は「三菱自動車工業株式会社」である。そのため国土交通省にリコールの届出をするのは日産ではなく三菱自動車となる。
セレナ(3代目~5代目、日産)→ランディ(2007年~2022年、スズキ)
ワゴンR(スズキ)→AZワゴン(1998年~2012年)/フレア(2012年~、MAZDA)
ハスラー(スズキ)→フレアクロスオーバー(2014~、MAZDA)
スペーシア(スズキ)→フレアワゴン(2代目、2013年~、MAZDA)
パレット(スズキ)→フレアワゴン(初代、2012年~2013年、MAZDA)/ルークス(無印初代、2009年~2013年、日産)
Kei(スズキ)→ラピュタ(1999年~2005年、MAZDA)
アルトラパン(初代、スズキ)→スピアーノ(2002年~2008年、MAZDA)
ジムニー(3代目、スズキ)→AZオフロード(1998年~2014年、MAZDA)
MRワゴン(スズキ)→モコ(2002年~2016年、日産)
アルト(スズキ)→キャロル(4代目以降、1998年~、MAZDA)・ピノ(2007年~2010年、日産)
ミラ/ミライース(ダイハツ)→ピクシスエポック(2012年~、トヨタ)・プレオ/プレオ+(プレオ2代目、2010年~、SUBARU)
ハイゼットトラック(9代目以降)/ハイゼットカーゴ(10代目以降、ダイハツ)→ピクシストラック/ピクシスバン(TOYOTA)・サンバー(7代目以降、SUBARU)
グランマックス(ダイハツ)→タウンエース(4代目、TOYOTA)・ボンゴ(5代目、MAZDA)
タントエグゼ(ダイハツ)→ルクラ(2010年~2015年、SUBARU)
タント(ダイハツ)→シフォン(2016年~、SUBARU)
ムーヴ(ダイハツ)→ステラ(2代目以降、2011年~、SUBARU)
ムーヴコンテ(ダイハツ)→ピクシススペース(トヨタ)
ウェイク(ダイハツ)→ピクシスメガ(トヨタ)
キャスト(ダイハツ)→ピクシスジョイ(トヨタ)
ロッキー(2代目)/ロッキーe-SMART HYBRID(ダイハツ)→ライズ/ライズハイブリッド(トヨタ)
プリウスα(トヨタ)→メビウス(ダイハツ)
カムリ(トヨタ)→アルティス(ダイハツ)
ハイエース(5代目、トヨタ)→ボンゴブローニイ(3代目、MAZDA)
ノア(4代目~、トヨタ)→ランディ(2022年~、スズキ)
二輪車
タクト(8代目、本田技研工業)→ジョグ(9代目、YAMAHA)
ジョルノ(3代目、HONDA)→ビーノ(3代目、YAMAHA)
カメラ
LUMIX DC-LX(Panasonic)→D-LUX(Leica)
スマートフォン・タブレット
※()は製造委託メーカーを指す。
NTTドコモAndroid端末dtabシリーズ(compactモデルを含む)→(HuaweiシャープLenovo)
KDDIのQuatab(京セラ)、Qua tab PX(LGエレクトロニクス)
食品
トップバリュは現在多くのメーカー製品のOEMに為っている。