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相模原障害者施設殺傷事件

さがみはらしょうがいしゃしせつさっしょうじけん

2016年7月26日に発生した殺人事件で、神奈川県相模原市緑区にある障害者施設に2月に解雇された元職員の男が侵入し、就寝中の利用者40人近くを刃物で刺し19人が死亡・26人が重症という、平成最悪の殺傷事件となった。
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※事件の詳細について、報道による裏付けの無い情報を本項目に加筆しないでください。また本記事への容疑者・被害者及び遺族の実名の記載は厳禁とします。

事件までのいきさつ

神奈川県相模原市の北部に位置するJR相模湖駅から車で約10分の場所にある障害者福祉施設「津久井やまゆり園」。

深夜2時頃、男がハンマーで窓を割って侵入し、夜勤の職員5人を結束バンドで縛って拘束した上、持ち込んだ包丁で立て続けに就寝中の入所利用者を次々と刺した。

死因の大半が、首を刺しての出血死で即死だったという。犯行に及んだ50分間に1分で1人のペースで殺害に及んだ。

犯人は事件後に自ら出頭、逮捕され、2020年3月16日、横浜地裁で死刑判決が言い渡された。判決の宣告から1週間以上経った頃に、弁護人が控訴を訴えたが、被告がこれを取り下げたことで、死刑が確定した。
ちなみに死刑宣告後に彼は、発言の機会を求めたものの、却下されたが、閉廷後の記者の質問によると、「『世界平和に一歩近づくにはマリファナが必要です』と言いたかった」と説明。その意図については「マリファナを使えば、意思疎通できなくなったら死ぬしかないと気付けるようになるから(要するに、自分と同じ考えを広めようとしている)」と答えていた。


犯人について

すでに名前が広く知れ渡っているAであるが、この手の犯人は自らの名と顔とともに思想を売る目的で犯罪を行うという危険性を持つ。実際、Aの思想に共感する、あるいは批判するふりをして障害者の価値に疑問を呈し、傷つける輩がインターネットなどで堂々と発言をするようになるなど、影響は少なくなかった。
一方ニュージーランドで起きたイスラム教徒を狙った乱射事件においても、白人至上主義者の犯人の実名は報道によって公表されたがニュージーランド首相が「名を与えるに値しない」という方針をとり、国民の多くも賛同したため犯人の神格化を防ぐことに成功している。
この例に倣い、ここではあえてその名を伏せることとする。

学生時代の様子

Aの生い立ち(両親の事等)については、本人は口を閉ざしている。というのも、生い立ちを話すと両親に気まずい思いをさせてしまうのではないか、という考えからきているらしい。しかし、接見した編集者やジャーナリスト、裁判での記録、事件後の報道によってその生い立ちはかなり詳細に明らかになっている。

それらの記録や証言によれば、Aはピンポンダッシュ、未成年での飲酒や喫煙、教師への反抗などをはじめ作文に「障害者はいらない」と書くといった問題行動も目立ったが、それらは幼さ、若さゆえの無知や過ちともいえる範囲でありそれ以外では明るく世話好きな一面も評価されている。特に子供のころからの夢であった教師になるために受けた研修を受け持ったクラスの生徒からの評判は良かった。
また、この手の犯人のステレオタイプとは反対にAは容姿はそれなりに整っており、恋人を何人か持つなどはたから見れば充実していたような人生を送っていた。

しかし、大学時代中期に差し掛かると勉強についていけず、不良集団などとの付き合いが増えて大麻や脱法ハーブに手を出し、それらに満足できなくなると危険ドラッグを使用する、刺青を入れるなど自分を大きく強く見せる方向に走っていった。
この様子を見て、古い付き合いの友人や恋人達は人格の豹変を感じるようになったという。

やまゆり園へ就職、措置入院へ

大学卒業後、運送会社に10ヶ月ほど就職。その後、元々志望していた「小学校の教師」の夢を断念。2013年にやまゆり園施設の職員として採用された。当初は好青年でかなり朗らかな性格だったが、刺青の発覚を皮切りに、彼の行動に変化が現れ、障害者を侮辱するような言動が目立った。

しかし、職員に注意されて謝っても結局同じような行動は繰り返され、2016年2月半ばに衆院議長公邸(本来は安部晋三首相宛てだった)を訪れて、犯行予告の手紙を渡していたことが判明(当日の事件も、その内容通りに行なわれる事となった)。その犯行予告後、警察とやまゆり園が対応し、Aは施設を解雇、精神科に措置入院させられていた。

約半月後、措置入院が解除。退院後も通院すると話しておきながら途中からすっぽかしたり、「八王子の両親のところで暮らす」と言いながら、相模原で一人暮らしをしていたり(生活保護受給の為)と、本来の約束を破って犯行の準備を進めていた。

犯行

そして犯行当日。午前2時頃に犯行を起こし、その1時間後の3時頃自ら警察に出頭した。更に、話題になった「世界が平和になりますように。beautiful japan!!!!!!」という内容のツイッターについてだが、これは当初、犯行開始前にupする予定だったが、慌てていて忘れていたとのこと。

送検された際に報道陣のカメラが護送中の車の窓の中に当てると、Aはまるで達成感に満ちたかのような笑みを見せ、その不気味さに誰もが戦慄を覚えることとなる。

現地点で、遺族に対して謝罪の手紙は送るも、反省や後悔する弁は語られていない(彼が謝罪したのは、障害者の家族等を事件に巻き込んでしまった事に対してだけである)。
また家宅捜索で、大麻らしき物が入った袋が発見された(上述の様に、大麻や脱法ハーブは、やまゆり園就職前から吸っていた)。



「心失者(しんしつしゃ)は安楽死させるべき」

彼の犯行の一連を語る上で、欠かせないキーワード。この「心失者」とは、意思疎通(コミュニケーション)がとれない人」のことで具体的には、「正確に自己紹介(名前・住所・年齢)を示せない人」のことらしい(事件当時は、利用者を起こしていって、「おはよう」と答えた人には刺さなかった)。むろん、これは彼の造語であり一般的に用いられるものではない。
彼曰く、「重度障害者や重複障害者を養う事は、莫大な金と時間を要され苦労の基となる。無条件で命を救う事が、人の幸せを増やすとは思えない」とのこと。
しかし、この基準は極めて単純かつ粗雑であるという指摘がなされ、面会を持った記者(発話できない障害者を子供に持つ。書字によって意思の疎通はできるが、当日Aが行った方式では間違いなく殺された)に指摘をされるとあっさりと基準をころころ変えるなどした。

この記者の印象では、Aは障害者施設の職員が持っているはずの当然の知識すら欠如していたという。ある日、入所者が死亡した際に行われる簡素な葬式が催された際に入所者が「おやつは?(いつも行われるおやつの時間がなかったため)」と発言したのを聞いて「彼らには人間の心がないんだ」とAは確信したのだが、けじめやTPOを度外視してでもルーティンワークが行えないと不安や苛立ちを覚える傾向が強い知的障害者や発達障害者の知識すらなかったことになる。


裁判中も遺族への謝罪は一応しているものの、この考えは度々口にしており、結局最後まで自己の正当性を訴え続けた。

この事件が浮き彫りにした問題

被害者の匿名問題→実名報道の稿も参照。

 犠牲になった19人について、実名報道されたのは指折る程度で、殆どが匿名での報道となった(家族も含めて)。事件が起きた直後、警察は当初実名で公表する予定だったが、遺族の希望により匿名になったという。
 この匿名報道だけではなく、当事件がある時期から殆どされなくなったり、一般の人達の(事件に対する)関心の低下の一番の原因は、メディアやマスコミにある。というのも、「報道することの難しい数多くの問題」をこの事件は抱えているからだ。例えば各雑誌編集者は、獄中のAと何度か手紙のやりとりをしたのだが、被告の主張内容が犯行当時と変わっていないため、そのままメディアで流すのは難しいと感じたのである。
 それ以前も、知的障害者や精神障害者が関わった事件や差別問題に対しては、マスコミは無理解だったり及び腰になったりする傾向がある。何故なら、その報道自体が障害者を傷つけたり、加害者(今回で言えばA被告)に同調する人を生み出したりする恐れがあるからだ。
 加えて、遺族の一部からは「日本では優性思想が根強く、命があるだけで価値があるという考えが根付いていない」という理由から匿名を希望するなど、障害者とその家族が持つ日本社会に対する恐怖と不信が浮き彫りになっている。
 また、匿名希望した人が多い中で本名を隠さずに公表する人がいるのかというと、「匿名のまま記号の様に扱われることは、『その人がいなかった』扱いされているも同然(皮肉なことに、Aも裁判中に「本名で呼ばれていないという事は、人間として扱われていない証拠」だと揶揄している)。その人はこういう人生を歩んできたんだぞ」という事を「生きた証」として、一般の人達にもわかってほしいという思いがあるということを肝に銘じてもらいたい。

措置入院のあり方

 措置入院とは本来、「実際に自傷他害を起こしてしまった後」で、逮捕の代わりに入院させるものである。その要件は、「精神障害により、自傷他害のおそれがある場合」だが、衆議院に提出した犯行予告や差別発言の繰り返しが、果たしてその要件を満たしているのだろうか、という声もある。
 しかし、「精神病院に入れれば安全」というのは根も葉もない話である。何故なら、①犯罪予知は地震予知同様、原理的に不可能であり、また②措置入院の様な強制的処遇は、かえって危険性を高めるからである。
 特に②について、精神科に入院するという事は、「行為を束縛される」事に加えて、「『お前は頭がおかしい』というレッテルを貼られる」という二重の屈辱を味わうという事である。排除・隔離されるという事は、非常に劣位な立場にあるということであり、その事が「自分より弱者の人間を叩きたい」という、マイノリティ排除や差別意識を生み出すのである。
実際、Aは記者との面会で「自分が役に立たないと思っていたから、ほかの役に立たない人間を殺して役に立つ人間になりたかったのでは?」という質問に動揺しながらも肯定したという(つまり、衆議院に提出した手紙に対する国会の答えが「措置入院」ととらえた事で、自分が見下していた障害者と同じ様な気分を味わったことから、それが犯行への後押しをより強くしたといえる)。

差別意識を少なくするために

 マイノリティ排除や差別意識には必ず理屈がつきもので、「理屈がつけば差別していい」という考えは「生の価値を判断していい」という考え同然であり、犯罪に至りやすくなる(A被告の「生きる価値のない障害者は死ね」という考えと「娘を殴った犯人は、俺の手で殺す」という考えは地続きと考える精神科医もいる)。そこには、「生命には、社会に果たしている貢献度に応じて価値がある」という、馴染みやすいが間違った「村人の発想(優性思想)」が根本にあるからとされている(もっと言えば死刑制度も然りであり、被告の死刑判決に対して疑問を持っている人も少なくない)。

その他のこのような事件を繰り返さない為に改善すべき問題

 日本は「一度大きな過ちを犯してしまった者は切り捨てる」風潮が強いが、そうして罰したり孤立させたりすることはかえって再犯を起こしやすくなるもの(薬物脱法ドラッグで逮捕された人が何度も繰り返しやすくなるのは、依存症の他にこのこともある)。家族や周囲の人がケアサポートすることが、再犯防止のカギとなるのである。 参考:社会を明るくする運動

 最後に、この事件を決して他人事などと考えてはいけない。辛く伝えづらいことだろうが、あの日を風化させないことが、マスコミやマスメディアや誰かを責めるよりも、彼らの何よりの供養になるのだから。

関連タグ

殺人事件 ヘイトクライム
京都アニメーション第1スタジオ放火事件3年後同月に起こった殺人事件。この事件が起きた際Aは雑誌記者との接見で「恐ろしい事件ですよね。ああいう犯人を世に出しておいてはいけない」と話した事から、(犠牲者数だけでいえば相模原事件を上回っているとはいえ)自分が起こした事件を棚に上げている自己中心性が見て取れる。
ドナルド・トランプ…アメリカの政治家。Aの奇抜な容姿や過激な発言(「差別的な発言だ」と非難されても、自分のスタンスを一切変えないスタイル)は、彼の影響によるものが大きかったという。
TED…2作目の中で「テディベアに人権はあるのか」というシーンがあり、そのことでAは「俺が言いたかったのはこれだ!」と閃き、「重度障害者に生きる価値はない」という思想に至ったという。
アウトレイジビヨンド…この事件の初公判の日、Aが小指を噛みちぎったアクシデント(本人曰く「言葉だけでは謝罪の気持ちが伝わらないと思った」)があったが、これは当作品の木村(演:中野英雄)の演技に影響されたものだという。
小山田圭吾…ミュージシャン。この事件の犯人の同類(参照動画12)。

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