ち、ちがう これはただのお香じゃ・・・・・・
法律の規制が追いつかない薬物。
主にミントの乾燥葉等の上に、合成カンナビノイドなどの化学物質をふりかけてあり、炙ったり煙草のように吸うなどしてこの化学物質を薬物として摂取する。
概要
2004年前後からドイツで流行し出したと言われ、日本でも2009年前後から広まり出し問題化した。
化学物質は中国等の工場で製造されており、それを国内の業者が葉にかけてブレンドし、派手にデザインされたパッケージに納めてファッション感覚で買えるように演出されている。
成分的には大麻など違法薬物に近いものも含まれているが、法律の規制から逃れるためにわずかの構造式を変える、「お香」「バスソルト」「ビデオクリーナー」などの名目で売る等法の網をかいくぐっている。
一時期は街中に専門店がいくつもできるほどであった。
もちろん規制も年々強化はされているが、いたちごっこ状態なのが現状である。
業者は「合法ハーブ」などとうたい、法律や条約で取り締まりの対象になっていないことを逆手にとって、まるで「合法だから大丈夫」かのように錯覚させる売り文句を使い、とってつけたような「吸引目的禁止」などの表示をしている。
しかし一方で業者側は店内で吸引スペースなどを設けたり、共に吸引用のパイプ(ボングとも呼ぶ。本来水タバコ吸引用だが日本には水タバコを吸う文化が薄いため、実質大麻や薬物の吸引用として売られているようなもの)を販売したりして吸引するためのものであることを暗にほのめかしたりしている。
店内吸引した客が店の外で倒れる事件も少なからず起きており、これが元で吸引させている証拠をとられて摘発された店もある。
また警察等のチェックにより規制成分が含まれていないとされる商品にも含まれていたことが判明する場合もあり、このようなものを販売する業者は基本的に悪辣な者しかいないと見るべきである。
人体への悪影響
所詮「いかに法の網をかいくぐって金儲けするか」しか考えていないDQN業者の作るものであるため、人体にどんな影響があるかわからない、
業者側もユーザーの体調など全く気にも止めず安全性チェックも全くされていないものなので、それだけでも危険きわまりないものである。また製造過程も極めていい加減にされており、有害な成分の濃度が同じ商品名でもバラバラであり、危険な量をいきなり摂取する羽目になる可能性も高い。
さらにタチの悪い業者だと依存させて金儲けするために、依存性の強い成分をわざと混入していることもあり、中には殆ど覚醒剤に近いようなものから、逆にそれ以上に危険な影響をもたらしうる物質すらある。
また、覚せい剤等の薬物は曲がりなりにも薬として研究されてきた経緯があるので人体への影響は概ねわかっているが脱法ハーブはろくに研究もされずに成分を次々に変えるため、影響の度合いが予測しきれない恐ろしさがある。
近年使用者が嘔吐したり倒れたりで救急搬送される事故も多発しており、また記憶力などが減退したり、日常会話に支障を来する症状に苦しむ者もいる。マウスの実験レベルでは、脳細胞が死滅する症状も観察されている。脳以外の組織でも、横紋筋融解症を発生して筋肉からミオグロビンが流出、腎臓などの臓器に悪影響をもたらすことが確認されている。
また精神錯乱状態により、宿泊しているホテルで暴れたり他人の家に侵入したり、自傷行為で本人だけが害を被るだけでなく、家族や他人を殺傷してR-18Gな光景を繰り広げるなどという迷惑どころではない事態すら発生している。
そして近年はキメたまま車を運転した者による交通事故も多発しており、危険運転致死傷罪が適用されることもありうる。
挙句の果てには、さらなる刺激を求め覚醒剤などの違法薬物に溺れていく者も少なくない。
平成28年に相模原市内の障害者施設で元職員が障害者を大量殺傷した事件(相模原障害者施設殺傷事件)でも、容疑者は大学生時代に脱法ハーブに溺れており後に大麻にも手を出し、事件前年頃には明らかに妄想がひどくなっていたという。
つまりほぼ違法薬物と同等あるいはそれ以上の危険性があると考えた方が正しいものであり、好奇心で手を出すなどもってのほかである。
先述の通り、この薬物をキメた者の自動車事故や危険症状、錯乱による危険行為などが2014年初夏以降著しく横行したため、『脱法=法に触れない=罪に問われない』と思われがちなイメージを払拭し危険性を喚起する意図で、政府はこの薬物群の公的呼称を『危険ドラッグ』と改めた(ただし便宜上、口語内では脱法ドラッグ・合法ハーブという呼び名は残っている)。
また相前後してさらなる取締の強化に各省庁、自治体とも乗り出しており、警察、厚生労働省麻薬取締部のみならず消費者庁なども通販サイトなどを厳しく取締、警告などを出している。
この流れにより、2015年ごろからは次々と販売店や通販サイト、アフィリエイト紹介サイトが閉鎖に追い込まれ、街中の実店舗も目立つところにはほとんどなくなっている。
しかし今も半ば地下に潜ったような形で悪徳業者は跋扈しており、手を出して中毒になる者は絶えない。
転じた使い方
ふたば☆ちゃんねるやTwitterなどにおいては、どこかネジの外れたようなギャグ展開の脚本を「脱法ハーブをキメながら書いたようなおかしな脚本」ということで「ハーブ脚本」「ハーブ回」と呼ぶ事がある。
「ハーブ脚本」と呼ばれる主な脚本家
関連タグ
外部リンク
- 命を奪う危険ドラッグ NHK「クローズアップ現代」のアーカイブ。
- 危険ドラッグにご注意!! 兵庫県の公式サイト内のコンテンツ。