🚅概要
定義としては全国新幹線鉄道整備法第2条に「その主たる区間を列車が200km/h以上の高速度で走行できる幹線鉄道」と規定されている。
運営主体は旧国鉄、そして1987年の国鉄分割民営化で鉄道事業を継承したJR各社(JR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州)。
このうち、JR北海道・JR九州は民営化後の新規開通である。
その他
新幹線は日本独自の高速鉄道システムであるが、台湾高速鉄道に輸出され、日本のみならず台湾においても台湾新幹線と呼ばれることがある。
また、海外でも「SHINKANSEN」で通じることがある。
現在、新幹線で行われているのは旅客運送のみであるが、過去(東海道新幹線開通前)には新幹線規格に造られた専用貨物列車を用いた貨物運送計画があった。
建設当時、鉄道は飛行機や自動車に押され、いずれ衰退する交通機関であるという風潮があり、世界銀行から建設資金を借入れるに当たって「旅客鉄道の衰退後も、貨物への転用が可能」である事を示す必要があった。
なお、東北・北海道新幹線新函館北斗開業に伴う青函トンネル改軌に際して、再び新幹線軌道上での貨物輸送が検討されている。
物流業界が抱える所謂「2024年問題」に対し、新幹線の高速輸送力が注目されており、通常の旅客車両を使用して野菜や海産物を輸送する実証実験も開始されている。
実際は、新幹線の成功が高速交通機関としての鉄道の有効性を証明する物となり、当初それまでは先進国において鉄道衰退論が主であったが、これを覆して先進国各国での鉄道再生に繋がった。
構想
高度経済成長期の路線構想。
このうちの一部が整備新幹線として建設(一部開通)されている。
完全に断念された路線
上記整備新幹線計画の内、ミニ新幹線への計画縮小も含め、全くの白紙となった唯一の路線。
取得されていた用地は一部が北総鉄道に転用された他は長年放置されていたが、2002年から成田高速鉄道アクセスとして京成電鉄保安設備で建設された。
現在は"総称"京成成田空港線の一部として運行されている。
運行管理システム
新幹線の運行管理システムには以下のものが存在する。
- COMTRAC(コムトラック 東海道・山陽新幹線運行管理)
- COSMOS(コスモス 東北・上越・北陸新幹線運行管理)
- SIRIUS(シリウス 九州・西九州新幹線運行管理)
- CYGNUS(シグナス 北海道新幹線運行管理)
COMTRAC
正式名称「新幹線運行管理システム」。
JR東海・JR西日本が共同使用する東海道・山陽新幹線・博多南線の運行管理システム。自動進路制御・運転整理機能・車両運用管理機能・設備管理機能等を備える。
本格的な運用が開始されたのは山陽新幹線岡山延伸後。
COSMOS
正式名称「新幹線総合システム」。
JR東日本・JR西日本が共同使用する東北・上越・北陸新幹線運行管理システム。輸送管理・運行管理・車両管理・設備管理・保守作業管理・電力系統制御・集中情報監視・構内作業管理等の機能を備えている。
当初はコムトラックと新幹線情報管理システム(通称SMIS)を使用していたが、東京直通、山形新幹線開通等により列車本数が増加。
さらに、途中駅での増解結作業等、今まで以上に運用が複雑化。COMTRAC改修では限界があったため、1995年11月に新規導入された。
SIRIUS
正式名称「九州新幹線指令システム」。
JR九州が使用する九州新幹線(鹿児島ルート)運行管理システム。部分開通時より使用開始。当初は特急「リレーつばめ」・新幹線「つばめ」を新八代で乗継ぐ形を取っていたことからJR九州管内主要在来線の運行管理システム、通称JACROSと在来線PRCに接続、互いの運行状況を共有する形で博多 - 新八代 - 鹿児島中央間をあたかも1本の列車が走っているかの様に管理していた。
2011年3月12日の九州新幹線(鹿児島ルート)博多開通時に「リレーつばめ」との乗継は廃止されたが、現在もJACROSとの連携は続いている。
また、2010年11月からはコムトラックとの接続も開始している。
CYGNUS
正式名称「北海道新幹線総合システム」。
JR東日本のCOSMOSと接続している他、青函トンネル部分での在来線との共用区間を走行する関係上、在来線運行管理システムとも接続している。
略称の由来は「はくちょう座」を意味する「Cygnus(シグナス)」で、北海道新幹線開業以前に青函トンネルを経由していた特急「(スーパー)白鳥」にちなんでいる。
ATC
詳細は「自動列車制御装置」を参照。
ATS
詳細は「自動列車停止装置」を参照。
路線一覧
営業路線
路線名 | 区間 | 営業キロ | 実キロ | 駅数 | 開通日 | 運営会社 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道新幹線 | 新青森駅〜新函館北斗駅間 | 148.8km | 148.8km | 4 | 2016年3月26日 | JR北海道 | (※1) |
東北新幹線 | 東京駅〜新青森駅間 | 713.7km | 674.9km | 23 | JR東日本 | (※2) | |
上越新幹線 | 大宮駅〜新潟駅間 | 303.6km | 269.5km | 10 | 1982年11月15日 | 〃 | |
北陸新幹線 | 高崎駅〜上越妙高駅間 | 176.9km | 176.9km | 8 | 〃 | (※1) | |
〃 | 上越妙高駅〜敦賀駅間 | 293.7km | 293.7km | 12 | JR西日本 | 〃 | |
東海道新幹線 | 東京駅〜新大阪駅間 | 552.6km | 515.4km | 17 | 1964年10月1日 | JR東海 | (※3) |
山陽新幹線 | 新大阪駅〜博多駅間 | 644.0km | 553.7km | 19 | JR西日本 | (※4) | |
九州新幹線 | 博多駅〜鹿児島中央駅間 | 288.9km | 256.8km | 12 | JR九州 | (※1) | |
西九州新幹線 | 武雄温泉駅~長崎駅間 | 69.6km | 66.0km | 5 | 2022年9月23日 | 〃 | 〃 |
(※1)全区間が整備新幹線。
(※2)盛岡駅〜新青森駅間が整備新幹線。
(※3)最初に開通した新幹線の路線。
(※4)乗車券の有効期間の計算に適用される岩徳線経由の営業キロは618.5km。運賃・料金計算に適用される同線経由の運賃計算キロは622.3km。
建設中の路線、またはルート未定
中央新幹線(※リニア方式で建設中)
基本計画路線
北海道新幹線(札幌駅〜旭川駅間)
厳密には新幹線ではない路線(制式名ではなく愛称)
新幹線の線路を走るが運行上は在来線扱い、法令上は新幹線と同様の扱いの路線
新幹線電車
現役の営業用車両
東海道・山陽・九州・西九州新幹線
東北・上越・山形・秋田・北陸・北海道新幹線
E2系/E3系/E5系・H5系/E6系/E7系・W7系/E8系
過去の営業用車両
東海道・山陽・九州新幹線
東北・上越・山形新幹線
現役の試験車両
東海道・山陽新幹線
東北・上越・山形・秋田・北陸・北海道新幹線
中央新幹線
過去の試験車両
東海道・山陽新幹線
1000形/921形/922形(ドクターイエロー)/941形/951形/955形(300X)/500系900番台(WIN350)
東北・上越新幹線
961形/962形/925形(ドクターイエロー)/952・953形(STAR21)/E954形・E955形(FASTECH360S・Z)
中央新幹線
その他
列車愛称
現在の種別
東海道新幹線・山陽新幹線
山陽新幹線・九州新幹線
西九州新幹線
東北新幹線・北海道新幹線
東北新幹線
上越新幹線
北陸新幹線
山形新幹線
秋田新幹線
廃止された種別
とれいゆ(臨時「とれいゆつばさ」で運行)
現美新幹線(臨時「とき」で運行)
海外の高速鉄道
新幹線関連の作品
新幹線を舞台にしたり、新幹線車両がモチーフになった作品。
映画
- 国際秘密警察 火薬の樽(日本映画初の新幹線襲撃映画)
- ウルヴァリン:SAMURAI
特撮(映画・TV共に)
- 大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス(日本の怪獣映画初の新幹線襲撃映画)
- 新幹線大爆破
- 大鉄人17(新幹線ロボ)
アニメ等
- トランスフォーマー
- 勇者シリーズ
- 超特急ヒカリアン
- 新幹線変形ロボ_シンカリオン
- のりものまん モービルランドのカークン(シン、カン)
- 名探偵コナン(第5話「新幹線大爆破事件」、第240話・第241話「新幹線護送事件」、劇場版第24作「緋色の弾丸」等)
曲
- 電気グルーヴの楽曲。