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鉄道車両形式の1つ。

JR東日本 E3系新幹線電車

JR東日本が設計・製造したミニ新幹線(新幹線直行特急)用電車1997年平成9年)3月秋田新幹線こまち」として0番台R編成が運用開始。

その後、1999年(平成11年)12月には山形新幹線つばさ」の新庄駅延伸開業対応で1000番台(L編成)、2008年(平成20年)には初代山形新幹線用400系置換用として2000番台(L編成)がそれぞれ増備された。「こまち」用R編成(0番台)は6連(登場当初は5連)、「つばさ」用L編成(1000・2000番台)は7連。

ミニ新幹線として運行される都合上、車体寸法は在来線のものと合わせている。そのため普通の新幹線車両より車体幅が小さいことから、東北新幹線区間ではホームとの間に隙間ができており、これを補うためドア下に可動式ステップが装備されている(この特徴は400系より継承されてている)。

400系撤退後はJR東日本を走るミニ新幹線の全営業列車が本系列で運行されていたが、秋田新幹線向け0番台R編成については後継車両となるE6系が開発され、2014年(平成26年)3月には「こまち」全運用をE6系に明け渡した。

残る山形新幹線向けL編成(1000・2000番台)については引き続き運行されているが、こちらも2024年3月より後継・E8系が導入されたことで1000番台は全廃。2000番台も順次置換予定である。

基本仕様については「E2系のミニ新幹線対応版」と考えて差し支えない。制御装置や主電動機等の電気部品はE2系に近いものを使用している。このため、同系との併結時は性能調整等は特に行っていない(200系との併結時はこちら側が同系の走行性能に調整しており、E5系との併結時は逆に相手側が当形式の走行性能に調整する)。座席はとれいゆ現美新幹線を除いて普通車・グリーン車共に4列配置となっている。

2001年には老朽化した925型「ドクターイエロー」の後継車両として、本系列をベースとした『E926型 East i』を投入。これにより最高速度275km/hでの検測、及びミニ新幹線区間の検測も可能となった。JR東日本の新幹線路線(直通運転区間含む)東北・北海道・山形・秋田・上越・北陸6路線全ての検測を担当する。

番台別区分

0番台(R編成)

秋田新幹線向けに製造されたグループ。R1 - R26編成が存在した。最高速度は275km/h。

車体は白をベースとし、灰色とピンクで塗装されており、また前面はブラックフェイスとなっている。

また、量産先行車(左)・量産車(右)は前面形状(特に灯火具)に差がある。

量産車は時にTGVユーロスターに似ているといわれる様な、横長のコンビランプを採用しているが、量産先行車(R1編成)は400系の様に前面上部に4灯の前照灯と標識灯を配置し、また前面中央部にも前照灯を設けていた。

普通車のうち、自由席車シートピッチは910mm(国鉄特急形普通席と同じ数値)と、かなり詰めた仕様となっている。2002年(平成14年)12月に「こまち」が全席指定となってもシートピッチは変わらなかった。

長時間走行する上に車両が小さいことから、ゴミ箱には圧縮機能がついていた。

5両編成でデビューしたが、利用客の増加に伴い1年もしないうちに6両化されている。

秋田新幹線開通当初に配備されたのはR1 - R16編成で初期車と呼ばれている。制御装置はE2系0番台同様GTO素子を使用していた。この初期車は400系同様JRではない会社(秋田新幹線車両保有))が所有していたが、2010年にJR東日本に譲渡され、同社所属となった。

1998年及び2002年、「やまびこ」「なすの」16連化のために増備されたR17 - R26編成は後期車と呼ばれている。また、R18編成からは座席が変わり、制御装置がIGBT素子となった。こちらは当初からJR東日本の所属である。

初期車はワイパーが1本、後期車は2本となっている。

2013年(平成25年)から順次E6系に置き換えられ、2014年に0番台R編成の秋田新幹線運用が終了した。このうち初期車とR20編成は廃車となり、それ以外のはR23 - R26編成が山形新幹線向け1000番台(L編成)に改造・転属。R18・R19編成が観光列車用700番台に改造された。

残存した2編成(R21・R22編成)は「こまち」ロゴを消去した上で東北新幹線内でE5系増結用(ただし、突発運用やGWでE2系1000番台J編成が代走に入る場合もあった)。として「やまびこ」「なすの」として運用された(一部臨時「はやて」にも使用。常時2編成運用であるため、検査時はE6系が代走)。

なお、「こまち」運用撤退後も秋田車両センター所属だったため、検査時のみ秋)新幹線区間に乗り入れていたが、2019年3月16日付で新幹線総合車両センター(仙台)へ転属したため秋田新幹線への乗り入れは完全に終了した。

2017年(平成29年)3月26日、0番台R21編成が団体臨時列車秋田新幹線開業20周年記念号」として秋田 - 上野間1往復で運行。

2020年(令和2年)10月31日COVID-19感染拡大に伴う利用者減少のため、定期運用を離脱。

運用離脱期間については「当面の間」とされ、2編成共に新幹線総合車両センター(仙台)に留置されていたが、翌2021年(令和3年)10月にR21編成が除籍・解体された。R22編成については翌11月25日限りで除籍・解体となり、0番台は消滅した。

余談であるが、R21・R22編成はE8系によってL編成と共に置換される説が有力視されていた。これは、E8系当初の投入予定数とE3系R・L編成残存数が一致していたためである。

しかし、前述の通りR21・R22編成は同系投入を待たずに廃車・解体されてしまった。

この影響かE8系投入計画が変更され、7連×15本に減らされた。

1000番台(L編成)

山形新幹線用車両。1999年の山形新幹線新庄延伸開業時にL51・L52編成を、2005年(平成17年(にL53編成を投入。その後、2015年(平成27年)までにL51・L52編成が引退となり、入れ替わる形で0番台後期製造分(2003 - 05年製)の編成が改造に伴い、1000番台に編入されている。

登場時、車体は銀メタリックであった400系とは異なり、車体上部を白、下部を銀、境界線部分に緑の帯が配され、このカラーリングは後に同系にも施された。

2015年からの塗装は後述。なお、L54・L55編成は登場時より新塗装となっている。

また、ゴミ箱の圧縮機能は後述する2000番台を含めて付けられていない。

当初は400系と共通運用であったため、最高速度は240km/hに抑えられていたが、後述の2000番台投入により。同系が置換されたことと東北新幹線内併結相手がE4系E2系1000番台J編成に変更されたことで最高速度が275km/hに引上げられた。

400系や0番台R編成初期車と異なり、こちらは配備当初からJR東日本の所属。L53 - L55編成の3本が運用されていたが、2024年3月16日ダイヤ改正限りで廃車、年内に全車解体された。

2000番台(L編成)

1000番台同様山形新幹線用の車両。老朽化した400系置換のために2008年より順次投入された。L61 - L72編成の12本が在籍。

1000番台との主な違いは、

  • 灯火具類形状変更
  • 行先表示機・車内案内表示器をフルカラーLED式に変更
  • 自由席車シートピッチを(流石に不評であったのか)910→980mmに拡大
  • 最高速度を275km/hに引上げ
  • アクティブ・サスペンション(11・17号車はフルアクティブサスペンション、その他の車両はセミアクティブサスペンション)の追加
  • 座席にPC電源用コンセントを追加・テーブルサイズの拡大
  • 空気清浄機の搭載

が挙げられる。これらの仕様はE5系以降の車両に継承されている。

2022年12月17日、「つばさ」159号(2000番台単独)が郡山で約160mオーバーランするトラブルが発生。その対策としてブレーキ装置改修を行っている(1000番台も同様)。

E8系増備に伴って既に廃車が発生しており、2024年にL61 - L64・L66編成が除籍・解体されている。

L編成(1000・2000番台)塗装変更

山形県知事吉村美栄子氏の強い要望により、除籍されたL51・L52編成を除く全13編成と0番台から編入される2編成を紫を基調とした新塗装に順次変更され、2016年のL63編成塗装変更を最後に新塗装化が完了した。新たなデザインは山形県出身の工業デザイナー奥山清行が担当している。しかし、今までのイメージとはかけ離れた紫を基調にしたド派手なデザイン、「とれいゆつばさ」が「つばさ」旧塗装である緑を基調とした落ち着いたデザインから、ファン達の間では「『とれいゆつばさ』と塗装を交換しろ」とか「紫のパンツを被った変態仮面」と揶揄されてしまっている。これはひどい。挙げ句の果てには山形県のホームページにまで、「イベントを機に塗装を変更してはどうか」という意見が寄せられた程である(当該記事)。

(※投稿者は400系登場時の銀メタリック塗装のことをいったと思われるが、回答した県職員はE3系の銀ベースに緑帯塗装のことと解釈した模様)。

その影響かは不明であるが、2023年1月に2000番台L編成の1本を銀ベースの旧塗装に復刻することがJR東日本より発表され、L65編成が同年2月11日から旧塗装での運転を開始した。また、200系カラーとなったJ66編成と併結する場合もあり、大いに話題となった。

なお、この紫基調塗装はE8系にも継承されたが、こちらは車体形状から「ナス」と揶揄されている。

700番台(R編成)

秋田新幹線で運用されていた6両編成の0番台のうち、ジョイフルトレインに改造された編成。

R18編成が山形新幹線「とれいゆ」、R19編成が上越新幹線「現美新幹線」。

詳細はとれいゆ現美新幹線の記事を参照

現美新幹線は2020年12月に、とれいゆは2022年3月に引退。その後、除籍・解体された。

700番台の引退これを最後にR編成は全廃となった。

今後の予定

残存する山形新幹線向け2000番台L編成は2024年3月16日から導入された新型車両E8系に順次置き換えられる予定で、2026年(令和8年)までに引退する予定。

また、同日ダイヤ改正で限りでE2系1000番台J編成との併結を終了。E5系に変更された(※一部列車は前日の15日よりE5系との連結を開始。また、つばさ121号は改正後当形式充当時はE2系が併結されることとなった)。

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