🍆概要
黒に近い紫の外皮と白い果肉を持つ、未熟な果実を食用とする野菜。
名前の由来は中に酸味を持つ為『中酸味(なかすみ)』から来たという説や、夏野菜で夏に実が成る所から『夏実(なつみ)』と呼んでいた物が『なすび』と変化したという説が有る。この「なすび」の名称は関東圏ではすたれたが、九州地方では今もこの呼び名が用いられている。
英語ではエッグプラントと呼ばれているが、これはナスの丸っこく縦に長い形が卵(エッグ)を連想させるからであり、実際に一部の品種には卵そっくりな白くて丸い物もある。ちなみに、その卵そっくりな形状の丸くて白い品種は観賞用にされる。
果実もへたも普通は黒紫色だが、これはナスニンという色素によるもので、品種によってはナスニンが少ないことで薄紫色であったり、そもそもナスニンがないことで純白であったり黄緑色であったりする。米ナスは果実が楕円形で果皮は黒に近い紺色で、へたは緑色。
形状も様々で、現在市場で多く売られているのは長卵形なすの系統であるが、賀茂なすのような丸型のもの(「巾着茄子」とも呼ばれる)や、博多長なすのように長い棒状になるものもある。インドや東南アジアのものは果実が緑色で、ウリのように細長いものが多い。
また、同地には同じく緑色で、小さなミニトマトのようなナスが食用にされる。これはスズメナスビというもので、我が国のナスとは品種が異なる(ナスもスズメナスビもナス科ナス属に属する)もので、生食したり、カレーの具材に用いる。
果肉は非常に目の細かいスポンジ状で、液体を吸いやすく、素揚げなどにするとカロリーがとんでもない事になる(糖質も元から多い)。
また新鮮なナスは硬いヘタの部分に、鋭い棘が生えているので扱いは慎重に行いたい。
スポンジ状の果肉から分かる通り水分をたっぷり含んでいる他、食物繊維も豊富に有している。
更にポリフェノールの一種として『ナスニン』という栄養素を持っており、これは癌の原因となる活性酸素を押さえたり、脳梗塞などを引き起こす血栓やコレステロールの除去、目の疲労改善といった様々な効果を発揮出来る(ちなみにナスが紫なのもナスニンの色素による物)。
一方で全体的な栄養の量は他の夏野菜と比べて少なく(同じくナス科で水分の多い夏野菜であるトマトにも負ける)、効率よく養分を摂りたい場合は異なる野菜との付け合わせがオススメである。
果肉に味を染み込ませやすい性質から相性の良い食べ物は多く、漬物、煮物、揚げ物などあらゆる料理に転用が可能。
基本的には夏野菜なものの、一年草(熱帯では多年草)なので季節に関係なく食べられる存在。
特に秋茄子はおいしいが、体を冷やす効果が有るので妊婦の体には悪いとされ「秋茄子は嫁に食わすな」は食べすぎがち&胎児に不向きという相反する二つの意味を持つ(ただし語源となった短歌は、姑が嫁に意地悪をして茄子の漬物を食べさせない歌だとされる)。
またナスは品種が多く、その品種の主要な栽培地(土)ではないと色褪せや肉質の劣化が起きるためボケナスという呼び方が生まれた。現在では転じて取るに足らない人間への悪口としても用いられている。
関連イラスト
関連タグ
ズッキーニ:カボチャと同じウリ科の野菜。ナスと同じ料理で併用されることが多い。
脂肪フラグ:ナスは油を吸いやすいので調理法に注意。
別名・表記揺れ
人物・ネタ
E8系:その見た目からナスと呼ばれてしまっている
那須与一∶主に農業界では茄子を隠語で「よいち」と呼ぶことがあるが、その由来となった人物。
サミンガ(紀暁君)∶プユマ語歌詞の歌『神話』の歌中に空耳で「秋茄子、罠」と聞こえる箇所がある。