概要
食物繊維は植物や菌類の細胞壁などに含まれる難消化物質の総称。野菜、海藻、豆類、果物、芋、穀類、キノコなどに含まれ、その多くはセルロースやペクチンなどの多糖類である。基本的に動物性食品には含まれないが、キチンはエビやカニなどの殻にも含まれている。
人体では消化できないことから栄養素に含まれないが、人間の大腸の機能は食物繊維の存在を前提としているため、食物繊維を全く摂取しないと腸がうまく機能しない。栄養素の吸収を穏やかにする働きがあり、血糖値の急上昇を抑えることや、体内の老廃物や過剰なコレステロールを排泄する作用があり、高血圧や脂質異常症の予防には重要である。
なお、食物繊維は上記の通り「人体では消化できない」とされているが、セルロースやアガロースなどの一部は胃酸や大腸の腸内細菌で分解され吸収されることが知られている。草食動物は食物繊維の消化能力が極めて高く、これを主なエネルギー源としている。
関連タグ
デンプン - 人体が消化可能な多糖類。
寒天 - 食物繊維であるアガロースが主成分。ゼラチンはタンパク質であるコラーゲンを変性させたものであり、全く異なる物質である。