概要
海に生息する多細胞性の藻類のうち、容易に目に見える程度のサイズになるもの。
植物と同様に光合成を行う独立栄養生物であるが、系統分類的には狭義の植物(陸上植物)ではないとされる。植物ではないので体に根・茎・葉の区別がない。また種を作らず、胞子と卵子を放出して受精させる。
日本や韓国、中国などでは日々の食材として美味しく食べられている。東アジア以外ではアイルランドやスコットランド、フランスのブルターニュ地方などケルト系の文化が根付いている西欧の一部で食べられる程度であったが、近年、アメリカ合衆国などで北欧産の紅藻「ダルス」が健康食品として注目を集め、日本料理や韓国料理の流行もあって海藻食が定着しつつある。
定義
藻類のうち容易に肉眼で判別できる海産種群の総称。分類的には「緑藻」(いわゆるアオノリなど)、「褐藻」(コンブ、ワカメ、ヒジキなど)「紅藻」(ノリ、テングサなど)という互いに異質な3系統からなる。
上記の通り植物ではないとされるが、陸上植物は緑藻類のうち車軸藻(淡水から汽水に生息する大型藻類)の系統から進化したものなので、海藻は植物の起源と間接的な関係がある。
なお「海草」と「海藻」は異なる。「海草」はアマモなど、海の中に進出した種子植物をさす。
特徴
光合成生物なので、主に海岸近くの浅いところ(だいたい水深20mまで)に生育し、光の届かない深海には無い。
熱帯の海では大型の海藻は少なく、寒い地方はコンブやジャイアントケルプなどの大型の海藻が多い。特に大型種は魚などの海洋生物の住み家としても重要である。
主な海藻
褐藻類
紅藻類
緑藻類
関連タグ
植物プランクトン:微小な海棲藻類は海藻ではなくこれに分類される。藻類なので分類学的な括りでは"植物"ではない。