概要
海苔とは、海藻の分類群、またこの海藻を加工して作る食べ物である。主に日本料理と韓国料理の食材として扱われる。
解説
生物学的には「ノリ」という単独の植物種は存在しない。我々が「海苔」と呼んでいるものは、アサクサノリ、スサビノリ、ウップルイノリといったアマノリ類の海藻の総称である。
海苔は古くから天然のものを採取する形で食用とされていたが、現在では養殖栽培されたものが一般的である。
摘み取った海苔を薄く敷き、乾燥させてつくるのが生海苔(または板海苔)、それをあぶったものが焼海苔である。たいてい四角(正方形に近い長方形)に切ってあるか、それを更に細かく長方形に切った状態で市販されている。
また海苔を使った佃煮は「ご飯のおとも」として親しまれている。海苔養殖、および板海苔の製造は、江戸時代の江戸で始まったものである。
20世紀に入ってからは海苔の養殖~板海苔の製造技術が(元から海藻類を食用にしていた)朝鮮半島にも伝わり、当地の食文化(いわゆる「韓国海苔」)として定着している。
板海苔以外で料理に使うために、生や下処理したものも売られている。
それ以外の地域では(巻き寿司とか以外では)馴染みがないのが普通だが、ウェールズとその近辺ではチシマクロノリ(Laver)を食用にしている。
日本国内での養殖も含めた産地として有名なのは福岡県や佐賀県、兵庫県がある。
かつては広島市や東京でも盛んに生産が行われていたが、太平洋戦争前後〜戦後高度成長期に湾岸地域の開発により養殖業者が廃れ現在は原料を他地区から買い付け加工する産業のみが残っている。
缶入りの海苔は「味海苔」と「焼海苔」の二種類が多く、「焼き海苔」は少量の醤油を付けてご飯を巻いて食べたりする。
他にも、もみ海苔、きざみ海苔、海苔佃煮(ごはんですよ!が有名)などが存在する。
色は、生海苔は濃い褐色、焼海苔は濃い緑色であるが、いずれもほとんど黒に近いので、絵では黒色で描かれることも珍しくない。
韓国でもポピュラーな食材であり、好んで食べる日本人も非常に多い。
朝鮮半島では600年ほどの歴史があるが、大量生産されるようになったのは総督府時代の南部からである。
大韓航空機爆破事件の犯人である金賢姫を韓国当局が尋問したさい、日本製の海苔を見せたところ彼女は「紙を焼いてどうするんですか?」と答えてしまった。
少なくとも1980年代までの北朝鮮では全く一般的な食材ではなかったことは明らかである。
昨今では海外の日本食ブームから、西洋でも食される機会が増えた。
しかしながら、その黒い見た目から倦厭する人もいるようだ。
なお、海苔の繊維を分解出来るのは日本人特有の腸内環境という話が一時期話題になったが、正確には多くの日本人が生海苔の成分を分解できる腸内細菌を持っているということなだけであり、焼き海苔であれば問題なく食べられる。また、腸内細菌の数や種についても個人差があるため、日本人以外でも保有している可能性は0ではないし、日本人でも保有していない人がいる。
主な利用法
食材として
その他の利用法
冠婚葬祭の半返しに海苔を贈る習慣があちこちで見られる。結納で用いられることもある。
R-18における「海苔」
R-18やR-18Gのイラストで局部を隠すための黒い長方形を、見た目の類似から「海苔」「黒海苔」と言うことがある。
別名・表記揺れ
関連イラスト
関連タグ
浅草:海苔の産地として有名だった。
マンガUP!:黒海苔の一大消費地。