概要
血液中の脂質のバランスが崩れた状態、また崩れてしまう病気のこと。
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪(トリグリセライド)が高い場合と、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低い場合がある。
かつては高脂血症と呼ばれていたが、HDLコレステロールに関してはむしろ低い方が問題になるので名前が改められた。
放置すると動脈硬化の原因となり、最悪の場合は脳梗塞や心筋梗塞、虚血性大腸炎などの重篤な病気で死亡する危険性もある。
また、中性脂肪が高い状態を放置すると急性膵炎や脂肪肝などを招く恐れがある。
健康診断の生化学検査(血液検査)で指摘されることが多い病気の一つでもある。
検査における基準値
判定 | LDL-C | HDL-C | 中性脂肪 | Non-HDL-C |
---|---|---|---|---|
正常 | 119以下 | 40以上 | 149以下 | 149以下 |
軽度異常 | 120〜139 | |||
要経過観察 | 140〜159 | 150〜169 | ||
要再検査 | 160〜179 | 35〜39 | 150〜299 | 170〜209 |
要精密検査 | 180〜199 | 30〜34 | 300〜499 | 210以上 |
至急、病院へ! | 200以上 | 29以下 | 500以上 |
単位はいずれもmg/dl。
正常範囲はLDLコレステロールが120未満、HDLコレステロールが40以上、中性脂肪が150未満である。
LDLコレステロールが140以上の場合は高LDLコレステロール血症、HDLコレステロールが40未満の場合は低HDLコレステロール血症、中性脂肪が150以上の場合は高トリグリセライド血症、Non-HDLコレステロールが170以上の場合は高Non-HDLコレステロール血症と診断される。
またLDLコレステロールが120〜139の場合は境界域高LDLコレステロール血症とされ、糖尿病や高血圧など他の生活習慣病がある場合は治療が必要となる(そうでない場合は一応正常範囲だが、生活習慣の改善が必要とされる)
治療方法
肉類やお菓子などは控えめに、逆に魚や野菜などは積極的に摂るように指導される。
それでも数値が改善されない場合は薬が必要になることも…。(特に遺伝が原因で元々LDLコレステロールが高い場合は食事や運動で治そうとしても無駄)