概要
人体のエネルギー源となる脂肪の一種。トリグリセライド、トリグリセリド、トリアシルグリセロール 、TGともいう。
食事から摂取して小腸から吸収される外因性トリグリセリドと、肝臓に一旦取り込まれてから再び血液中に放出される内因性トリグリセリドが存在する。
不足するとエネルギー不足となり疲れやすくなったり、免疫力が低下して感染症に罹りやすくなる。
逆に多過ぎるのも問題で、動脈硬化や糖尿病、急性膵炎、甲状腺の病気などの原因となる。
特に悪玉コレステロール(LDL-C)と中性脂肪の両方が多い場合や善玉コレステロール(HDL-C)が少ない場合は脳梗塞や心筋梗塞の危険性が高まる。
ただし動脈硬化に関しては中性脂肪自体が悪いのではなく、中性脂肪によって酸化させられたLDL-Cが小型化し、さらにその小型LDL-Cが血管壁に入り込みやすくなることで動脈硬化が進行しやすくなってしまう、ということである。
一般的に食後は血液中の中性脂肪濃度が高くなりやすく、空腹時は下がる。
健康診断の生化学検査(血液検査)でよく見かける項目の一つでもある。
検査における中性脂肪
会社の定期健康診断では、悪玉コレステロールや善玉コレステロールと共に必須項目となっている。
単位はmg/dl。
正常範囲は30〜149とされる。
150以上は脂質異常症(高脂血症)とされる要注意ゾーンである。メタボリックシンドロームの診断基準にも含まれる。
300以上は精密検査が必要とされるレベルで、特に500以上の場合は致死率の高い急性膵炎のリスクが高まるためすぐに病院に行くべきである。
逆に30未満も要精密検査とされる。
空腹時のデータを調べるため最低でも10時間以上絶食してから測定する。そのため朝7時以降に採血を行う場合は前日の夜9時までに食事を済ませるようにと指示される。(ちなみに空腹時血糖値の検査でも同じことを言われる)
その他
実は悪玉コレステロールにはLDL-C以外のもの(Non-HDLコレステロール)もあるが、これは中性脂肪に比例して増加する。