概要
血液中の全てのコレステロール(総コレステロール)のうち、善玉コレステロール(HDL-C)を除いた全てのコレステロールのこと。
俗に悪玉コレステロールと呼ばれるものの多くはLDLコレステロール(LDL-C)であるが、実はLDL-C以外にも悪玉とされるコレステロールが存在する。
LDL-C以外の悪玉コレステロールは健康な人ではごく僅かしか存在しないが、中性脂肪の数値に比例するため、中性脂肪が多い人ほどNon-HDL-Cの数値が高くなる。
また、Non-HDL-Cを超悪玉コレステロールと呼ぶこともある。
これは中性脂肪がLDL-Cを酸化させて小型化し、さらに小型化したLDL-Cが血管壁に潜り込みやすくなってしまい動脈硬化を進行させてしまうからである。
健康診断の生化学検査(血液検査)でよく見かける項目の一つでもある。
計算式
Non-HDL-Cの計算式は以下の通りである。
- LDLコレステロール+(中性脂肪÷5)
または
- 総コレステロール−HDLコレステロール
検査におけるNon-HDLコレステロール
判定 | Non-HDLコレステロール |
---|---|
正常 | 90〜149 |
要経過観察 | 150〜169 |
要再検査 | 170〜209 |
要精密検査 |
|
放置した場合にリスクが高い病気 | 脳梗塞、心筋梗塞・狭心症、肺梗塞、虚血性肝炎、腎不全、腸間膜動脈閉塞症・虚血性大腸炎、急性膵炎、脂肪肝など |
単位はmg/dl。
正常範囲は90〜149。
150〜169は軽度異常とされ、食事療法や運動など生活習慣の改善が必要なレベルである。
※糖尿病や高血圧、腎臓病など他の生活習慣病がある場合はもっと低い数値でも治療が必要とされることがある。
170以上は脂質異常症(高脂血症)と診断され、再検査が必要となる(と言っても食事療法や運動などで治していくことが多いが)。特に210以上になると今すぐにでも薬が必要になるレベルであり、すぐに病院にいくべきである。
逆に89以下も要精密検査であり、重い肝臓の病気(肝硬変など)や甲状腺の病気(バセドウ病など)、栄養失調などが疑われる。
総コレステロール
HDLコレステロールを含めた血液中の全てのコレステロールの合計値のこと。
T-CHOと表記されることもある。
健康診断の判定では用いられないことが多い。
(Non-HDL-Cと異なり、HDL-Cは多いほど良いとされているため)