概要
膵臓は、タンパク質分解酵素をはじめとして、食べ物を消化・分解するいろいろな酵素を産生し、分泌している。
急性膵炎は、いろいろな原因で、膵臓から分泌される酵素によって膵臓自体が消化されてしまう病気である。
短期間で軽快する軽症から、多臓器不全で死に至る重症(重症急性膵炎)まで、さまざまなケースがある。
なお、重症急性膵炎は厚生労働省によって特定疾患(難病)に指定されている。
ちなみに慢性膵炎という病気もあり、こちらは急性膵炎ほど症状は重くないが、放置すると体重減少や糖尿病、すい臓がんなどの原因になる。
原因
他にも胆石が引き金となったり、脂肪の多い食事が原因となることもある。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の合併症として起こることもある。
また、原因不明の症例も存在する。
症状
激しい腹痛が急性膵炎の最も重要な症状である。
へそより上が強く痛み、時には背中や肩にも痛みが波及することがある。
この痛みは前屈すると軽くなるため、海老のような姿勢になるのが特徴である。
何の前触れもなく痛みが起こることもあるが、食事後、とくに脂肪の多い食事をしたあとや、アルコールを多く飲んだあとに起こることも少なくない。
重症急性膵炎になると腎不全、心不全、多臓器不全、敗血症、脱水症状、ショック、チアノーゼ、血圧低下、播種性血管内凝固症候群、消化管出血(胃腸出血)などが見られ、早期に治療しないと高確率で死亡する。
最初は軽症でも急激に重症急性膵炎に転じることも多いので、救急車を呼ぶなど、一刻も早く病院に行くことが重要である。
関連タグ
中性脂肪(これが多いと膵炎になるリスクが高まる)