多臓器不全
2
たぞうきふぜん
複数の臓器が同時に(連鎖的に)機能不全に陥る、極めて危険な状態。
生命の維持に必要不可欠な臓器および器官のうち、複数(二つ以上)が同時にあるいは次々に機能不全に陥った、極めて危険な状態。略称MOF。多臓器機能不全症候群(MODS:multiple organ dysfunction syndrome)ともよばれる。
ひどい怪我ややけどのほか、ショック、感染症の悪化、敗血症、播種性血管内凝固症候群(DIC)などが引き金となり、臓器に血液が渡らなくなって機能低下をきたすことが多い。
肝臓や腎臓のほか、心臓(循環器系)、肺(呼吸器系)、消化器系、血液系、中枢神経(神経系)、免疫系など全身の複数の臓器や系が機能障害となり、多くは集中治療を要する。障害臓器の多くが重篤な機能不全を起こしてしまった場合には、救命医療の及ばないことも多い。
症状、治療
障害が起こった臓器によって様々な症状が現れる。中でも多く見られるのは肺に水が溜まる肺水腫である。
肝臓では肝不全や、重篤になると傾眠から昏睡に至る肝性昏睡、消化器系では腸閉塞や消化管出血(吐血、血便)、ほかに重度の貧血や不整脈および中枢神経障害を伴うこともある。
治療は多臓器不全の原因となった病気の治療が第一だが、本格的な多臓器不全に陥ると半数以上が死亡する、極めて予後不良な状態であるのが現実である。
関連記事
親記事
兄弟記事
コメント
コメントが未記入です