概要
解剖学的には、鎖骨、肩甲骨、上腕骨の寄り集まった部位であり、しばしば肩甲骨の周辺も肩に含まれうる。
重い物を担ぐときに肩の上に載せると運びやすいことはよく知られている。
腕という非常によく動くパーツの根元になっているため、肩ではしばしばうっ血が生じ、周囲の筋肉や組織に血液がじゅうぶんめぐらなくなることがある。これを肩こりという。
シルエットと肩
肩は、人間のシルエットを決定するのに大きく関与している部分でもある。そのため肩の形を美しく見せようと、昔から衣服には工夫が凝らされてきた。
肩パッド、肩章、日本の武士の裃(かみしも)などにその工夫が見られる。
衣服と肩
洋服の袖は、肩に縫いつけられている。縫い付け方は幾通りかあるが、一般的なのは肩峰の外側から脇の下に向かって縫い目が延びるような縫い方である。
いっぽう、和服の袖の縫い目は肩にはない。むしろ二の腕の半ばにあるのが普通である。
水着の肩紐は、着用したときに肩の回転を妨げないような位置に来るよう工夫されている。
病気と肩
肩関節を囲む一連の筋肉をローテーター・カフと呼ぶ。野球選手は投球で肩を酷使するため、しばしばローテーター・カフを痛める。
頑固な肩こりは心筋梗塞の前兆であることがある。
自然地形などと肩
山の稜線で、なだらかに続いていた尾根筋が急傾斜に変わるところを「肩」と呼ぶ。
折れ線グラフでこれと同様の形状をしている部分も「肩」と呼ばれる。