注意
- 外部リンクとしてピクシブ百科事典へニコニコ大百科のリンクを貼り付ける際は、なるべく日本語URLの短縮URLを使用してください。UTF-8が埋め込まれたリンクをそのまま掲載するとURLが長くなり、他の編集者が把握しづらくなります。
概要
ニコニコ動画やニコニコ生放送のコンテンツにつけられたタグやその他一般用語について解説をするインターネット百科事典である。
略称は「ニコペ(ニコペディアの略)」「ニコ百」「大百科」。pixivでは主に、大百科の掲示板内のお絵カキコ(後述)に投稿されていた絵に対してこのタグが付けられる。
編集者は原則としてプレミアム会員のみ。自分が見聞きしたことや出典を示せない事実(独自研究)を書くと削除対象とされるウィキペディアとは異なり、自らの見聞や評論的な内容なども書けるため、ウィキペディアに書けない記事を補完する役割も兼ね備えている。タグが存在しない記事も書くことができる。ピクシブ百科事典(ピク百)と掛け持ちで活動している編集者も多いが、大百科の著作権は運営企業である株式会社ドワンゴに帰属するため、いったん大百科に投稿した記事は、自分で書いた項目であってもピク百などへの転載・再利用はすることはできない。
初代開発者グニャラくん★曰くpixivタグにニコニコ大百科へのリンク設置を依頼したが、スルーされていたらしい。その後ピク百の運用が始まった。
サイトの特徴と文化
ウィキペディアやはてなキーワードのような真面目な解説ばかりでなく、アニヲタWiki(仮)のように編集者による感想やユーモアを表現した記事も混在した百科事典サイトである。
そういった意味ではピクシブ百科事典(ピク百)に性格が近いが、ニコ百はさらにフリーダムである。中には冗談で埋め尽くされ解説の役割を果たしていないアンサイクロペディアまがいな記事や、ピク百で立てたら荒らし記事扱いされかねないカオスな内容の記事(これとかこれとかこれとか)も見受けられ、そういった「クソ記事」を(生)暖かく見守る風潮もある。
大百科の記事にニコニ広告を投入できる機能もある。
編集権限がプレミアム会員のみに制限されているためにピク百に比べれば編集合戦は起こりにくいものの、明らかな誤解・煽り的な記載といった問題のある記事が放置されがちである。もっとも、誹謗中傷など規約違反の記事、ユーザーからの記事削除依頼を受けた記事は、運営により削除されることもある。
近年はプレミアム会員の減少および、編集者がユーザーから誹謗されるケースが極めて増えてきたことに伴いアクティブな編集者が減っており、10年以上更新が止まったまま時代遅れな内容になっている記事も目立つ。
ジョーク/ネタ記事についての補足
ニコ百は初代開発者が「面白くて迷惑をかけなければOK」「自分自身の記事をつくれます」「客観的事実と異なる記述が存在します」「個人の随筆・論文・批評文や独自の調査結果も記述できます」と宣言しており、自演記事のほか、打ち消し線や太文字、色文字などの記法を駆使した皮肉やジョーク記事の投稿も許可されている。
しかし実際には多くのユーザーからはナンセンスな記事、個人的持論の披露、宣伝めいた大言壮語などは全く歓迎されておらず、それを通知する警告バナーも用意されているぐらいである。余談の項にジョークネタと分かるように追記するならともかく、あまりにも事実とかけ離れた内容の記事を乱立したり、対立煽りめいた編集をしたりするユーザーは嫌われがちで、当該ユーザーの記事には苦情が殺到していることがある。立て逃げ記事や偏向した内容の記事を大量に立てることで知られるユーザーが2020年から22年の「百ッカデミー賞」を連続受賞してしまい、同賞ページの掲示板が荒れた事件もあった。自演記事についてもニコニコ黎明期に自演コメント騒動があったぐらいなので、歓迎はされない。
そのため、大百科には上記のように解説として成立していない「ネタ記事」、ウソやデタラメを並べた「嘘記事」もある程度存在するが、主流ではない。オマケ程度に(ネタと分かるように)ジョークやネタを記載するのが主流となっている。とはいえ、ピク百と違い虚偽の情報を書くのが規約違反ではないので、実しやかにウソを書いた記事が多数混ざっていることは否定できない。
機能
一般記事のほか、各会員ごとに「ユーザー記事」という自分のみ編集できるページがあり、個人サイトのように用いることが可能。一般記事の編集は原則としてプレミアム会員にしかできないが、自分のユーザー記事、自分の投稿した動画記事、自分の参加コミュニティ記事、商品記事は一般会員も編集することができる。一般会員が大百科に記事を立てたい場合、ユーザー記事で内容をまとめた上、一般会員記事作成記事編集依頼スレで依頼するのがルール(依頼が通るとは限らない)。
記事には掲示板がついており、ピクシブ百科事典のコメント欄のような記事に対する議論だけではなく、自由に感想を書きコミュニケーションを取ることが出来るため、コミュニティサイトとしての側面も持つ。掲示板では、テキストでの書き込みのみならず、お絵かき掲示板機能である「お絵カキコ」、MML投稿掲示板機能である「ピコカキコ」が利用できる。グニャラペイントを使ったお絵カキコはニコニコミュニティでもできるが、ピコカキコはニコニコ大百科にしか存在しない。
絵だけでなく音楽も投稿出来る掲示板は希有な存在であるためか、ニコ動やニコ生とも異なる独特のコミュニティが形成されている。一方で、動画タグや生放送との記事往復しかしておらず、大百科独自の文化に全く触れないユーザーも多くいる。
検索機能が充実し、ニコニコ大百科の記事からWikipediaの記事やpixivのタグへ直接リダイレクトできるようにもなっている。
2023年12月5日にはパンくずリストが導入された(ピクシブ百科事典でいう親記事・子記事・兄弟記事と同じもの)。
冒頭に「(項目名)とは、~である」
大百科の多くの単語記事では、記事冒頭に項目名をもう一度書いて、「(項目名)とは~」という出だしで始め、1行で概要を説明し、その文を「である。」で締めている。これは単語記事を新規作成しようとすると編集画面に既にテンプレとして「(項目名)とは、~である。」と記述されているのが原因。
Wikipediaでも項目名をもう一度書くことが多いが、書式はここまで統一されてはいない。はてなキーワードではほとんど見られないようだ。
掲示板について
掲示板は、ピクシブ百科事典のコメント欄に相当する機能。ユーザー名は2ちゃんねるのようなID制だが、IDは同じアカウントならば日付を跨いでも変わることはない。掲示板への書き込みは一般会員でも可能なため、記事内の誤りを指摘したり自分の考えた編集案を提示したりすることで、プレミアム会員による編集を期待する書き込みも多い。
ピクシブ百科事典のコメント欄と違い活動はとても活発で、記事にもよるが毎日多数の書き込みがあり、特に多い記事には数万~数十万ものコメントが付いている。こういった掲示板は固定ユーザーが多数ついており、独特のローカルルールやミームが発達している。
一方で、実質アンチスレになっている掲示板も少なくない。例を挙げると「pixiv」の掲示板は絵の下手な投稿者(いわゆる「闇深絵師」)やAIイラストへの叩き、「ピクシブ百科事典」の掲示板は項目の乱立やこじつけネタを好むユーザー(いわゆる「繋がり荒らし」)への愚痴で満たされている。論争がヒートアップして収拾がつかないことも多く、その場合書き込みが削除されたり、書き込みの権限がプレミアム会員のみに制限されたりする場合もある。ただし、レスやIDを非表示にできる機能があるため、不快な書き込みについては隠すこともできる。
ユーザーが問題があると感じた書き込みについては、理由を添えて削除依頼掲示板に依頼を出すと削除されるが、依頼を受けた運営はほぼ無条件で(内容を吟味することなく)削除してしまうため、通報合戦により片っぱしから書き込みが消されて焼け野原状態になっている掲示板もある。また依頼されたレス番号以外の書き込みを誤って削除してしまうこともあり、誤りを指摘すると改めて依頼が出された書き込みが削除されるが、一度消された書き込みが削除誤爆指摘への依頼を経て復活することは稀である。
なお、ニコニコは実在しないメールアドレスを入力しても登録ができてしまう。これは掲示板での荒らし等の問題を起こして規制されたとしても一般会員として何度でも容易に復帰できてしまうという事であり、こういったセキュリティの甘さが掲示板に悪質ユーザーがのさばる要因になってしまっている。
2023年1月18日には、掲示板のレスポンスへの評価を可視化するレス評価機能が追加されたが、この仕様には賛否両論がある。前述のアンチスレと化している記事においては、人格否定や誹謗中傷と言えるようなレスに大量の高評価が付き、それを諌めるようなレス、批判には低評価が付くというような一種のモラルハザードが起こっている。
昨今はネットの書き込みを巡って裁判沙汰になるケースが増えたことを考慮してか、20年の規約改定によって、個人の記事については本人の申請があれば掲示板を閉鎖できるようになっている。この場合、過去の書き込み含めすべて削除される。
このためスキャンダルで炎上した著名人の記事などは、掲示板が利用不可になっていることがある。
依頼を出さなくてもコメントが削除されることがある、レスバトルが発生して双方のコメントに対してレス削除の申請がされても片方だけ削除される、レス削除依頼を出したら依頼そのものがなかったことにされたうえ他の記事の掲示板も書けなくなるなど規約やルールにない事象が確認されている。これについて社員やアルバイトの介入が指摘されており、「夜勤組が暇潰しにエゴサーチをして目についた項目の掲示板で煽動している」「レスバトル相手がドワンゴ関係者だった」など、規制がかけられた側からモラルハザードを疑われる陰謀論が囁かれることがある。
ピクシブ百科事典との違い
内容の違い | ピクシブ百科事典 | ニコニコ大百科 |
---|---|---|
複数アカウント | 必要があれば認められる | 一律禁止 |
掲示板の使用傾向 | 主に編集議論 | 主に記事に関する雑談 |
記事の閲覧数 | 閲覧可能 | 閲覧不可 |
記述用文法 | 軽量マークアップ言語 | HTML(Ver4.01) |
記事作成 | 一般でも可 | プレミアム会員のみ |
記事編集 | 一般でも可 | プレミアム会員のみ |
記事タイトル変更 | 運営のみ | プレミアム会員なら可 |
記事の削除 | 運営のみ | 運営のみ |
編集内容の保持 | 編集中に消える場合あり | 直前の内容が保持されやすい |
ユーザーによる白紙化 | 必要があれば認められる | どのような場合でも認められない |
荒らし記事への対処 | 白紙化・転送記事化 | 掲示板での議論後「削除しました」へリダイレクト |
成人向けネタ | 禁止(実態は黙認) | 18歳未満閲覧禁止バナーを掲示すれば可 |
記事リダイレクト | 不可(個別記事からリンクで転送) | 可能 |
記事内リンク | 編集者による手動設定 | 表記が合致すれば自動付加 |
編集コメント | 編集内容欄には具体的なコメントを書くことが推奨されているが、雑なコメントでも咎められることは少ない | 編集内容のコメント自体が掲示板での批判・誹謗の対象にされやすい(編集コメントの記事参照) |
ユーザーの編集履歴 | 本人のみ確認可能 | 別ユーザーも確認可能(直近30件のみ) |
編集傾向 |
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ニコ百の場合、ピク百に比べ
1.記事文章量や関連動画貼付量がある程度求められる
2.内輪ノリ・マイナーキャラに寛容
3.関連項目を箇条書きにして数を絞る
傾向がある。また、記事白紙化、複数アカウント(複アカ)は理由の如何を問わず一律禁止となっている。
記事作成/編集方針
記事の文章量や関連動画貼付量がある程度求められる
ニコ百はWikipedia同様、初稿にはある程度の文章量が求められる。最低でも3行~の概要文、関連動画/静画、関連項目ぐらいは欲しい。いわゆる一行記事、「詳細は○○」といった記事は「立て逃げ」として批難を浴びることが多い。
立て逃げは規約違反ではないのだが、多くのニコ百ユーザーが立て逃げ否定派で、運営チームのグニャラくんも否定寄りの中立、サポート2号に至っては明確に否定なので、ほぼ規約違反同然の行為として取り締まられているのが現状である。ニコ百利用者は「読み物」として同サービスを嗜む傾向にあり、そのため情報量の少ない記事は歓迎されないと思われる。相当マニアックなゆっくり解説動画や迷列車で行こうシリーズなどが人気なことからもうかがえるだろう。
ピク百は一言記事であっても、タグ内のイラストが自動表示(最大12件)される機能により、絵を見れば一目瞭然の項目は本文がいい加減でも機能してしまうため、必ずしも詳細な記事は求められない傾向があった。
現在ではピク百も立て逃げ非難の風潮が強まっており、編集ガイドでも「記事内に情報が十分に存在しない記事」の投稿を避けるよう呼び掛けている。
内輪ノリ、マイナーキャラに寛容
ニコ百は無名アーティストや声優、同人サークルや二次創作、ボカロP、一部界隈でしか通じない二次創作ネタ、チョイ役のようなマイナーキャラにも寛容で、記事として成り立っていれば動画の投稿がないキャラや人物・作品でも、内輪ネタでも投稿が認められる。
そのためいわゆる「推し活」の一環として記事の作成/編集が日常的に行われており、ニコニコ出身のアーティストや絵師、マイナーキャラ、果てはいち動画投稿者までやたら多数の記事が立っている。ピク百でも同様の傾向がある(ニコ百はプレミアム限定のため、ニコニコ動画のネタの記事がピク百に立っていることも多い)ものの、かつては「タグ使用例のない記事は非推奨」の風潮があった。そのためファンアートが1枚も投稿されていないような投稿作品の無い記事の作成には否定的で、ニコ百のノリで記事作成/編集を行うと「不要記事」「荒らし記事」のレッテルを貼られやすかった。現在では公式が「pixivの利用規約、およびピクシブ百科事典のガイドラインに違反しない限りにおいて、どのような言葉でも記事にすることができます」とタグの無い記事の立項を積極的に認めているのだが、今でも「タグの無い記事は立てるべきではない」と誤解しているユーザーもいる。
現在のピク百では、ガイドラインに抵触してもいない記事を「投稿作品が無い」という理由で多数白紙化する自治ユーザーには運営から警告メッセージが届き、場合によってはアカウント停止されることさえある。それでも、自演記事や造語ネタ、内容が薄すぎる立て逃げ記事や、第三者から見て意味不明な内輪ネタ記事は、「百科事典の記事にふさわしくない」として白紙化される(これらは自演記事を除きガイドラインの禁止内容「記事内に情報が十分に存在しない記事」「解説として成立していない記事」「第三者から見て十分に内容が理解できないもの」などに該当する)。
またピク百はキャラクターや作品の熱心なファンや、イラストや漫画等の創作活動に真剣なユーザーの閲覧が多いため、キャラ改変ネタについても、キャラのイメージを損なうような過度な「キャラ虐」「黒化」「曇らせ」などは、風評被害にあたるとして否定的である。このためニコ百でよくあるような「悪ノリ」で盛り上げようとするとアンチ・荒らし扱いされることがある。ただし、pixivにこれらをネタにした投稿作品が多数ある場合はその限りではなく、投稿作品のあるネタを「誰も使っていない」と嘘の主張をして白紙化するような熱狂的ファンは荒らし扱いされる。
関連項目を箇条書きにして数を絞る
ニコニコは動画共有サイトで投稿動画そのものが解説の役割を果たすため、タグは「検索用」として使われ、多くの視聴者は動画で作品やキャラクターについて理解する。タグからニコ百に飛んだ際、関心があるのは作者/制作会社、作品が生まれた背景、登場キャラクターの詳細、他のシリーズ作品との繋がりといった情報が中心で、一部界隈にしか支持されないニッチなネタは求められない。そのため記事内に意味もなく関連項目を増やすのは推奨されておらず、せいぜい派生元、統一記事、ジャンル記事への誘導を貼るぐらいである。
それに対しpixivはイラスト・小説の投稿サイトで、作品やキャラ名は当然としてジャンル、シチュエーション、カップリング、服装やアイテム、家族構成といったニッチなネタにも需要がある。またpixivのタグの編集制限は強力で、特に投稿者の付けたタグは強制ロックされるため、荒らされにくい代わりに第三者が表記揺れを直してくれたり、より効果的なタグに付け替えてくれることは期待しにくい。ニコニコではタグが足りない場合海外タグを裏技的に使うことも出来るが、pixivタグはどう転んでも10個しか無い。そのため、ピク百の記事には親記事・子記事を補完する意味もあって関連項目を「関連タグ」として並べるのが常である。特に人気のある作品やキャラクターの記事は関連項目が異常なまでに充実しているのだが、無関係な作品のネタを「〇〇つながり」としてズラズラと並べるようなこじつけが疑問視され、「関連タグ」欄に、当該項目と直接関係のない作品やキャラクターを列挙するような行為は「繋がり荒らし」として嫌われるようになっている。
ユーザーによる記事削除、複アカは禁止
ニコ百の記事は株式会社ドワンゴに著作権があり、無断での記事削除はどのような理由があれ認められていない。誹謗中傷、個人情報晒しなど利用規約や法に触れる悪質な記事であっても、削除は運営陣の仕事である。
ここでいう削除は内容を全消しする白紙化のほか、段落単位での削除、誘導記事への書き換え(リダイレクト)、長大な内容を削って簡潔にまとめ直すといった行為も含まれる。
実際は削除しても正当性があれば通報自体されないのでお咎めなしなことも多く、中傷記事や嘘記事や立て逃げ記事や支離滅裂なネタ記事といった問題のある記事については、次々消してまわるユーザーがいるのも実情だが、基本的には通報されれば荒らしとしてカウントされ、編集権限剥奪などの処罰対象になる。
この性質上、よほど悪質な記事でもない限り初稿や前編集者をリスペクトするのがマナーであり、正当な理由があっても「〇〇なので消しました」はご法度。例えば削除&差し戻し復旧の編集合戦が起きた場合、大体は削除側が「悪人」として処罰される。むしろ削除された記事の復旧という自治行為が行われているほど。
上で少し触れたが、ユーザーが白紙化を行う際には「削除しました」という記事にリダイレクトする手法がよく使われるが、これも通報されないこと前提の行為で本来はアウトである。一応、運営チームのグニャラくんが悪質記事をリダイレクトしたぐらいでアク禁にはしないと明言しているので、ある程度は自治行為の一環として認められている節はあるが、それでも「勝手な行動」として差し戻されることがある。この姿勢については否定的意見も多く、ユーザーの間では悪質な記事については編集者による削除を認めさせようとする動きもあったが、サービス開始当初から方針は変わっていない。
また、先述の動きに関連してかコメント欄で否定的レスが多かったり、レス評価が低いことを口実に「白紙化または削除前提のリダイレクトをするように」と促す者がいるが、絶対に応じてはならない。これに応じて白紙化やリダイレクト化をすると、罠にかかったといわんばかりに削除掲示板へ報告され、運営によって作成者の編集権限が剥奪されるからである。促してくる者は気に入らない編集者を合法的に規制をかけさせて退会を企む自警団であることが多く、方針をよく理解できていない新規編集者が狙われやすい。たとえ作成した記事が荒らされても無視を決め込み、ユーザー記事が荒らされた場合はレス削除掲示板に依頼をすることである。
これに関連してか複数アカウント(複アカ)に対する姿勢も厳しく、自作自演や規制回避は徹底して取り締まられる。掲示板も規制対象で、議論が熱くなった際に複アカ自演などを行うと、その時は大丈夫でも編集合戦など別の問題発生時に芋づる式にバレてしまい、何らかの処罰を受ける。
ピク百ではいわゆる「荒らし記事」を白紙化したり、外部から転載された記事や誤りや誤解を招く内容を含んだ記事を全面的に書き換えることは往々にしてあり、正当性があれば概ね認められるし、記事・記述の削除が無条件で荒らし扱いされることはない。かつては複アカは禁止されていたが、今では「本サービス及び関連サービスでの活動に必要性がある場合」を条件に認められている。複アカを使った自演や多数派工作を行うことを認めているわけではない。
記事ジャンルと傾向
ピク百、ニコ百のいずれもゲーム、漫画、アニメなどの記事が充実しているが、ピク百はキャラクターやカップリング、台詞などを独立記事で網羅する傾向が強いのに対し、ニコ百は作品そのものを重視する傾向が強く、歴史や社会的影響なども加味して解説した記事も見受けられる。女性投稿者も多くいるpixivに対し、ニコニコは男性ユーザーが相対的に多い(ニコニコ動画の男性比率は7割程度という調査結果もある)ため、大百科も男性向け分野に偏りがちである。また、サイトの性格上動画投稿に関わりの深いジャンルに強い傾向にあるものの、動画とは特に関係ない記事も多く投稿されている。
ニコ百はゲーム、スポーツ・スポーツ選手(特に野球とサッカー。ゴルフなど弱いジャンルもある)をはじめ、鉄道や航空機、道路、軍事、コンピューター(プログラミング言語なども含む)といった分野に関して特に強く、解説がやたらと充実している記事が多くある。ことに将棋、囲碁や麻雀などのテーブルゲーム関連は独自の強みを持ち、かなりマイナーなゲームでも記事があったりする。特にかつてニコニコは将棋を有力コンテンツとしていた時代があることから、将棋については抜群に詳しい。しかし、プレミアム会員の減少と将棋コンテンツの事実上撤退に伴い情報が古くなった項目も目立っている。
レシピや調理の腕前を披露できる料理や食品、食材系の記事も相応に充実しており、食文化の解説に重きを置いたピク百に対し、ニコ百には作り手目線で解説した切り口のもの、また食材も第一次産品(農産品、水産品など)として捉えたものが多数見受けられる。
動画投稿サイトの性格上、演奏や歌唱をアップロードできる音楽、楽器などの記事は総じてピク百より充実している。プロの歌手やアーティストだけでなく、ノンプロの歌い手関連の記事も多い。ただし、2016年以降の新興分野であるバーチャルYouTuberなどに関してはピク百の方が強い。
pixivの豊富なイラストが使えるファッション/服飾をはじめ、イラスト/絵画・模型・フィギュアなどのビジュアルアート関連はピク百の最も得意とする分野と言えるが、視覚芸術であってもアニメや漫画や映画・特撮・浮世絵・落語など観賞メインのコンテンツはニコ百も相応に充実している分野もある。衣服・アクセサリー・靴・鞄・化粧品・宝石などのファッション関連は、ピク百に比べ記事が全体的に乏しいものの、DIY関連動画をまとめた「作ってみた」、「ニコニコ手芸部」カテゴリの存在のためか、手芸関連の話題は相応に充実している傾向が見られる。
歴史関係は、中国史では三国志関連と春秋戦国時代、日本史では戦国時代と幕末の話題が好んで取り上げられ、歴史上の人物は武将・軍人の記事が多めで文化人・政治家の記事が少なめ…といった点でいささか偏っている(ピク百もニコ百ほど極端ではないものの同様の偏向が見られる)。しかし、東欧史や中央アジア史、インド史など、日本ではマイナーな時代や地域史について取り上げた記事にも充実した項目が見受けられる。
地理関係は、ニコ百、ピク百のいずれも日本国内の話題に偏りがちであるものの、ピク百では日本以外の地域や都市について書かれた記事もそれなりに立てられている。もっとも、ピク百では立て逃げに近い内容が薄い記事や、その国の社会問題について延々と書かれた記事や、中華圏のユーザーによって書かれたと思しい日本語が怪しい記事も目立つため、充実していると言えるかは微妙なところであるが。
生物分野は、哺乳類・鳥類・昆虫・海洋生物といった動物に関してはピク百に見劣りしないものの、植物は食用になる作物を除くと記事に乏しく、とりわけ観賞用植物(花卉)の記事が少ない。理由としては、ユーザー層の違いのほか、草木や花はイラストのモチーフになることが多いものの動画の対象にはなりづらいことなどが考えられる。ただし男性愛好者が多い多肉植物に限っては、ある程度まとまった量の記事が投稿されている。
また、pixivは自作小説を投稿できることもあってか、文芸ジャンルや小説家などの記事も総じてピク百の方が充実している。ニコ百は男性人気の高いSF小説、推理小説、ライトノベル関連の記事はやたら充実している一方で、文学作品やライト文芸に弱い、BL小説に至っては扱っている記事がほぼないなど、分野に偏りが見られる。
都道府県対抗シリーズ
様々なジャンルで都道府県を比較しランキングを行なういわば「ニコニコ特有の文化」といえるシリーズである(YouTubeにもあるが、大抵ニコニコと同時投稿または転載)。この中で「日本各地の舞台アニメ」は定期的に投稿されており、聖地巡礼やご当地アニメの指標になっている。このため「日本各地の舞台アニメ」の派生記事が相次いで作成され、「アニメ不毛の地静岡」や「宮崎をどげんかせんといかん」といったアニメ環境を嘆く記事や「人も街も崩壊する神奈川」「key半島」といった舞台地の特徴を表す記事もある。特に「ゆるキャン△前の山梨」は「これこそニコ百の醍醐味」と称される内容となっており、ニコ百関連の賞を総ナメするほどである。
「~の一覧」記事
単に関連項目を絞るだけでは不便なので、それを補うため大百科には「~の一覧」という記事が大量にある。(→ニコニコ大百科「一覧の一覧」)
これはピク百にもあるのだが(「一覧記事の一覧」の項目参照)、ピク百の記事には関連タグが大量についていることが多く、これが一覧記事の機能を果たしているので普及していない。一応「記事名だけで一覧記事と判る」メリットはある。反面、タグとは結び付けにくい記事になる。ピク百にも言えることだが、一覧厨の存在もあって、新たな一覧作成は歓迎されないこともある。また、ピク百の感覚で大百科の関連項目を増やして一覧記事まがいの内容にしてしまうのは好まれないため、避けたほうがよい。
絵の貼り替え
ニコ百の記事本文や掲示板には「お絵カキコ」で描いた絵を貼ることができるが、新規のお絵カキコが来た場合など、本文の絵は割と貼り替えられることが多い。
ピク百の場合一度貼られた絵を剥がしたり差し替えたりしづらい雰囲気もあるので、記事の鮮度を保つ意味では恵まれているとも言える。
サイバー攻撃
2024年6月8日、ドワンゴを含むKADOKAWAグループのサイトがサイバー攻撃を受け、ニコニコ大百科どころかニコニコ全てのサービスが使えなくなった。
7月9日、記事や掲示板の表示、記事検索機能が使用できる状態で仮復旧。6月7日 8時頃までのデータが保持されている。
そして8月5日の昼頃、ニコニコ動画よりやや先駆けて復旧され、以前のように利用可能となった。