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ご当地アニメ

ごとうちあにめ

ご当地アニメとは、実在する特定な町・地域などを作品の舞台としたアニメ作品の総称である。
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概要

古くから「ベルサイユのばら」を見てフランスに行くという行動や、1990年代には「究極超人あ~る」の飯田線イベントのため団体列車を貸し切ったり、「天地無用!魎皇鬼」ではOVAを制作したパイオニアが声優と共にバスを貸し切ってファン向けのツアーを行なうといった「聖地巡礼ツアー」があった。また、1995年には新世紀エヴァンゲリオンのヒットやインターネットの発達によるサブカルチャー化が進み、聖地を訪れるファンが増えていった。しかし自治体はあくまで「受け」の姿勢であり、またこの当時はアニメに対して偏見的に見る人が多く、アニメを使っての観光誘致は限定的であった。

21世紀頃になると少子化の影響でゴールデンタイムからアニメが消えていくのと同時に不況や人口減などで各自治体は観光客誘致に苦慮する中、2007年に放送された「らき☆すた」での鷲宮神社巡礼で地元商工会や自治体が積極的なアピールを行なったことで相乗効果が生ま、またメディアが大きく取り上げたことも相乗し巡礼による来訪が活発化、アニメによる新たな観光資源が発生するようになった。この「らきすた」による成功を契機に各地の自治体や商工会、観光協会などの団体が観光誘致を目的にPRを行なう「攻め」の姿勢に転換するようになり、各地で舞台となったアニメとのコラボレーションが活発化するようになった。

定義

「ご当地アニメ」の定義として以下の2つの条件にあてはまるものをさす。

  1. 舞台の知名が実在する地域、または舞台が架空の知名であるが、制作サイドがモデル地として認定している地域
  2. 舞台やモデル地の自治体や団体、地場企業が積極的にアピールしている。
基本的に地域色の強い作品がアニメ化され、それに伴い自治体や団体がそれに乗るというスタイルが基本であるが、なつなぐ!のように自治体が主導となってアニメ化された作品もある。

定義から外れる例

公式が認定していない

当然であるが「公式が認定している」ことが大前提である。実在の知名が登場しているのであれば実質公式が認定していると見做されるが、諸般の理由で架空の地名にしている作品が多い。この場合は公式サイトまたは信頼できるマスメディアの情報(当然個人ブログやSNSの情報は無効)、原作者や制作者(監督やプロデューサー級の人物)がSNSで舞台を公言している等の認定が必要になる。それ以外の場合は公式非公認となり、仮に風景や建物が断定できたとしても「ただ参照している」だけに過ぎない。

但し公式が非公認で自治体・公益団体が認定するケースは皆無なので、「公式が非公認=ご当地アニメでない」と見做してよい。

自治体や公益団体が消極的

作品の内容やメディア展開、さらに古い作品については自治体や公益団体がアピールに消極的な作品は定義から外れることになる。
この場合、個人サイトでの聖地紹介やYouTubeニコニコ動画などの動画サイトにある「各都道府県の舞台アニメ紹介」の動画を見て「ここにご当地アニメがある」と思い込んで実際訪れると聖地としての建物や風景はあるがそれ以外は特に目立ったものがなく、がっかりすることが多い。「ご当地を体感したい」場合はアニメ公式サイトや舞台となっている地域の自治体・公益団体、さらにはご当地アニメを紹介するサイトを確認のうえきちんとアピールしているかどうかを確認したほうがよい。

本来の主な舞台と別の舞台の自治体がアピール

たとえばヤマノススメセカンドシーズンの舞台が山梨県であり、富士吉田市などが積極的にアピールしているが、ヤマノススメの登場人物は埼玉県飯能市が中心で登場人物は同一であるため、山梨県がご当地としては含まれない。他にも新世紀エヴァンゲリオンは各地の自治体とコラボレーションを行なっているが、第三新東京市のある神奈川県箱根町以外は定義から外れる。
このケースは一過性が多く、「ご当地を体感したい」目的で行くのもよいが、自治体や団体が消極的になるのが早いので、コラボレーション中に訪れるのが望ましい。

作者の出身地でアピール

ゲゲゲの鬼太郎鳥取県境港市)やアンパンマン高知県)、サザエさん福岡県福岡市)のように「作品自体は別の地域であるが、作者の出身地でアピールしている」場合は「ご当地アニメ」には含まれない(あくまで定義は作品レベル)。
但しご当地アニメ同様地域が積極的にコラボレーションを行なっているため、通常のご当地アニメ同様楽しむことができる。

舞台が実際のモデル場所と異なる。

ご当地アニメが確立されていなかった古いアニメでよくあるパターンである。
キャプテン翼の舞台である南葛の場所は静岡市のあたりとされているが、モデルは東京都葛飾区と異なる。これは作者の高橋陽一が葛飾区出身であったが、このアニメが放送されていた1980年代当時はJリーグ発足前で全国的にサッカーは盛んではなかったが、静岡は「サッカー王国」「日本のブラジル」と言われていたほどサッカーが盛んであったため、東京の地名を静岡に持ってきている。
この場合、キャプテン翼の舞台は舞台が優先されるが、積極的にコラボレーションが行われているのは作者の出身地である葛飾区のほうである。但し、葛飾区は先述の「作者の出身地でアピール」というケースになるため、ご当地アニメの対象外になる。
同様の例がドカベンで、明訓高校のある場所は神奈川県であるがモデルは作者の水島新司の出身地である新潟市の新潟明訓高校がある。

年齢制限がある

年齢制限の指定があるものは制作サイドの意向でご当地化を断られる場合がある。
例としてヨスガノソラがあり、この作品は栃木県足利市を舞台としているが、ヨスガノソラは元となったゲームがR-18指定で、アニメはR-15指定と緩和されているものの近親相姦シーンなどがあるなど子供が観るには倫理的に問題のあった。この状況を知らなかった足利市が当初本作品のご当地イベントを計画したが、制作サイドが先述の内容を理由にイベント中止を申し出、足利市も了承し中止になっている。
一方で岐阜県高山市を舞台とした星空へ架かる橋はゲームがR-18指定であるが、アニメのほうは全年齢向けに修正されたうえで放送され、高山市とも問題なくコラボが行われている。

定義に含まれる例

上述の定義に含まれない例と区分けが難しい場合もあるので、ここでは「この場合は定義に含まれる」事例を記述する。

主な舞台が明確になっていないが、モデルとなっている施設の自治体が積極的

これに該当する例としてけいおん!がある。モデルとなっている高校は滋賀県豊郷町にあるが、アニメ作中京都へ向かう新幹線の車中で富士山が見える描写がある。そのため本当の舞台は滋賀ではなく関東と推測されるが、作品では具体的な場所は記されておらず、原作・制作側もその発表は行われていない。一方でモデル地の豊郷町が積極的にPRしており、制作サイドも協力していることから、事実上の舞台地という扱いになっている。

主な舞台となる地域が複数ある

これに該当する例として君の名は。がある。舞台が立花瀧の住む東京都新宿区宮水三葉が住む岐阜県飛騨市(作中は糸守町であるが、架空の町のため、位置的に糸守町があるとされる飛騨市となる)に分かれており、どちらもアピールに積極的なため、「ご当地が2箇所あるアニメ」になる。
また、らき☆すたも泉こなた埼玉県久喜市(旧鷲宮町)、美水かがみが同県幸手市と分かれているが、この2市は隣接しており、ともに自治体が積極的にアピールしている。また、同じ日にイベントがあった場合も掛け持ちは容易である。

続編の主な舞台が別の場所になる

この例として「ラブライブ!シリーズ」がある。最初の作品となるラブライブ!(以降「ラブライブ!」)は東京都千代田区が舞台であるが、続編のラブライブ!サンシャイン!!(以降「サンシャイン!!」)の舞台は静岡県沼津市、派生形の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(以降「虹ヶ咲学園」)の舞台は東京都港区である。本来であれば先述の「舞台が実際のモデル場所と異なる」パターンに該当するが、ラブライブ!とサンシャイン、虹ヶ咲学園は物語の直接的な繋がりや主要登場人物の関連性がないため、この3作品は別作品という扱いとなり、個別にご当地が設定される。

「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」について

ご当地アニメの基準は他に一般社団法人アニメツーリズム協会が2018年より選考している「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」がある。こちらのほうはアニメファンを対象とした投票結果をもとに権利者や自治体等との協議を事務局ったうえで理事会の判断で決定している。
そのため上述の基準とは大きくっているため、記述する。

この理由として
  • ファン投票での選定(人気作品になると主要人物が訪れた地域も人気聖地となり、多数の票が入る。)
  • 制作サイドや自治体との調整(選考時点で制作サイドや自治体が消極的になっていたり、逆に主舞台でない地域の自治体が積極的な場合がある。)
が挙げられ、本来のご当地アニメとはかけ離れた状態になることもある。但し法律により認められている一般社団法人の認定であり、メディアがそれを基に取り上げることから指標としている自治体や聖地巡礼者も存在する。

主なご当地アニメ

ここでは特に舞台の自治体や団体、企業が積極的にコラボレーションを行なっている作品と地域を記述する。「ご当地に関係なく聖地があるアニメ」については聖地巡礼を参照。

掲載基準
追記する場合は「定義」にあてはまる作品を記載。
記載自治体は市町村区名までとする(大字は不要)

広域

北海道

東北

関東

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

中部

新潟県

長野県

山梨県

静岡県

愛知県

岐阜県

富山県

石川県

福井県

関西

中国・四国

九州

福岡県

佐賀県

長崎県

大分県

熊本県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

ご当地として成功した作品一覧

以下、ご当地アニメとして成功した作品と簡単な経済効果やコラボレーション・イベント例を記述する。

らき☆すた
舞台となった鷲宮神社にて毎年9月に開催される土師祭では「らき☆すた神輿」が練り歩いているほか、隣の幸手市ではギャラリー兼交流施設「きまぐれスタジオ 美水かがみギャラリー幸手」が開館(現在は閉館)。2012年までの経済波及効果は推定22億8,000万円(ライデーダイナマイト増刊号調べ)。
けいおん!
舞台のモデルで、登録有形文化財にもなっている豊郷小学校旧校舎を改装し、音楽室の再現や「けいおん!カフェ」を開業。
ガールズ&パンツァー
聖地巡礼を目的に大洗町にやってくる観光客は1年間に15万9,000人、論文によると年間経済効果(直接効果)にして2.7億円。さらに陸上自衛隊と協力し「大洗海楽フェスタ」にはガールズ&パンツァー仕様の74式戦車が登場。
花咲くいろは
舞台となった湯涌温泉では2011年よりアニメにちなんだ「湯涌ぼんぼり祭り」を毎年開催。2015年の来場者数は1万4千人。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
2011年のイベント「ANOHANA FES.」を皮切りに2012年にはSL急行列車「SLパレオエキスプレス・あの花×芝桜号」の運行、2013年と2014年には「あの花夏祭 in ちちぶ」を開催。さらに2015年には同じ舞台・スタッフで「心が叫びたがってるんだ。」が制作、公開される。
ヤマノススメ
舞台となった飯能市では「アニメを活用した地域振興」を開始し、市のイベント会場でブースを設けたりするほか、聖地巡礼ツアー、スタンプラリーなど様々なな催しを行なっている。また、飯能中央地区行政センターには「巡礼ノート」が置かれているほか、学校のモデルとなった聖望学園では本作品の登場人物が描かれたクリアファイルを学校説明会で配布している。
ラブライブ!サンシャイン!!
沼津市内にAqours全メンバーが描かれたマンホールを設置。さらに沼津駅前に「SUN!SUN!サンシャインCafe」をはじめ、舞台の関連交通機関や施設とコラボレーションを実施。舞台の中心である内浦にある水族館をはじめ各施設にてイベントを開催している。本作品による各産業への波及効果は間接含め約50億円との試算が出ている。
ゆるキャン△
モデル地となった本栖湖畔のキャンプ場の冬季宿泊者数が3倍に増加。アニメ終了後9ヶ月間の経済波及効果は約8.5千万円、イベント参加者の1人当たりの消費額は通常観光時の2倍という試算あり(地元銀行調査)。JR東海と協力し運行した急行列車「ゆるキャン△梨っ子号」は全列車発売1分で完売。
ゾンビランドサガ
モデルとなっている「旧三菱合資会社唐津支店本館」の公開時来訪者数が前回の300人から1000人以上に急増。和菓子「さが錦」では本作品のコラボ商品を販売したところ当初見込みの1.5倍の売れ行きで生産が追い付かない状態になっている。聖地のひとつである「ドライブイン鳥」も放送後は来訪者が増えている模様。

失敗や議論になった例

上述の通り成功した例がある一方で、失敗や様々な理由で議論になる例もあるのでここでその例を取り上げる。

アニメが不振

制作サイドや自治体が積極的にプロモーションを行なっても肝心のアニメが不振の場合はご当地アニメとしてのアピールが空振りに終わってしまう場合がある。(該当作品は多くあるので例は割愛するが)アニメが不振に終わると当然巡礼者も少なく、費用対効果が薄れてしまう。また、自治体が参画する=公的資金注入なので、費用対効果面で失敗した場合オンブズマンなど監視団体からの突き上げも避けられない場合もある。

舞台の場所が遠すぎる

制作サイドや自治体が積極的にプロモーションを実施し、かつアニメが成功しても物語の主要舞台が主要都市から離れていたり、交通手段が乏しかったりする場合は費用対効果が想定より乏しくなる。この対策としてバスツアーの実施や専用列車の運行でカバーすることもあるが、実施するための初期費用が大きくかかり、資金力のある自治体や企業が主催したり、ファンが予め資金を募るなどの準備が必要になる。

自治体・団体の理解不足

作品中に地名をアピールしすぎた結果「自治体の露骨な介入」として炎上騒動になったり、アニメ放送直後は積極的にPR活動を行なっていても費用対効果が乏しい状態になるとイベントが行われなくなっただけでなく主要舞台の施設を解体した結果「金儲けとしか考えていなかった」として槍玉に挙げられたケースもある。ご当地としてアピールする場合は自治体や団体がアニメの内容を理解し、かつ長期的に行なうことが求められる。

巡礼者のマナー

これはどの作品にも言えるが、たとえご当地アニメとして成功した作品としても巡礼者のマナー違反により舞台の地元民との対立を招いてしまい、冷え切ってしまうケースもある(実際それでイベントやプロモーションが行われなくなったケースがいくつかある)。
当たり前のことだが、巡礼を行なう際は人として最低限のマナーを守り、巡礼先の自治体や住人とトラブルを起こさないよう努めていただきたい。

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