概要
シリーズ構成・脚本に『Re:ゼロから始める異世界生活』の長月達平、 キャラクター原案に『魔法少女リリカルなのはViVid』の藤真拓哉、世界観設定・設定考証に『ガールズ&パンツァー』の鈴木貴昭を、それぞれ起用している。
2020年7月から放送開始予定だったが、COVID-19の影響で2020年10月からの放送に延期された。
TOKYOMX、とちぎテレビ、群馬テレビ、AT-Xおよび千葉テレビやBS11などにて放送された。全12話。初回は放送時間を1時間に拡大して放送された。
長月達平と鈴木貴昭、及び男性ゲストによるオーディオコメンタリーが添えられた「戦翼のシグルドリーヴァ おじさんコメンタリー」(通称おじコメ)も各種配信サイトにて配信されている。
突如として人類を襲った敵「ピラー」と、英霊機と呼ばれる戦闘機を神から授かった少女「戦乙女」との戦いを描く空戦ファンタジーアニメ。
タイトルとなっているシグルドリーヴァとは北欧神話に登場するワルキューレの1人、ブリュンヒルデの別名であり、作中でも頻繁に使用されている。また、公式略称は「シグルド」ではなく「シグルリ」。
世界観・特徴
先述のように、作品全体のモチーフとして北欧神話が使用されており、飛行機アニメとしては珍しいファンタジー系の作品となっている。また、本作の舞台は「だいたい今」「ほぼ現代」の日本となっており(作中では2025年とされている)、特に主人公らが所属する基地のモチーフとなっているのは海上自衛隊館山航空基地である。
ただ、本作の細かい設定は本編で語られていない部分が多く、それらは後述する小説作品で補完されている。
実在する航空機が登場する事もあり、本放送時は本作を「リアル系な飛行機アニメ」と勘違いして見てしまった視聴者が多く、本作が正しく評価されない一因になってしまっている。
ストーリー
――突如、地球上に現れ、あらゆる生命の脅威となった『ピラー』。
打つ手もなく追い込まれていく人類に手を差し伸べたのは、
自らを『オーディン』と名乗る神の存在だった。
オーディンはピラーに対抗する術として、戦乙女『ワルキューレ』と、
彼女たちの翼となる英霊機を人類に授け、反撃を宣言した。
それから数年――人類とピラーとの戦いが続く空、
戦翼を纏った戦乙女たちが、
そんな戦乙女たちを支える男たちが、
世界を救うために命懸けの空を翔けている。
ここ日本も例外ではない。
霊峰富士にそびえし巨大なピラーと対峙する、3人の戦乙女
いずれも腕は確かだが、揃いも揃って問題児ばかり。
そこに、欧州から訳アリのエースパイロットがやって来ることになり……。
「さあ、反撃の時だ、人類。
来るべき決戦の日――ラグナロクの時は近い」
(公式サイトより引用)
スタッフ
原作 | 戦翼倶楽部 |
---|---|
シリーズ構成・脚本 | 長月達平 |
キャラクター原案 | 藤真拓哉 |
世界観設定・設定考証 | 鈴木貴昭 |
監督 | 徳田大貴 |
キャラクターデザイン | 横田拓己 |
ピラーデザイン | 安達洋介 |
3DCG | グラフィニカ |
音楽 | 小森茂生、百石元 |
音響監督 | 岩浪美和 |
制作 | A-1Pictures |
音楽
- オープニングテーマ…「Higher's High」/ 作詞・作曲・編曲 - ナユタセイジ / 歌 - ナナヲアカリ
- エンディングテーマ…「サヨナラナミダ」/ 作詞-幹葉・Saku / 作曲・編曲 - Saku / 歌 - スピラ・スピカ
- 第4話エンディングテーマ…「Fly High」 / 作詞 - 松原さらり / 作曲 - キクイケタロウ - /
- 第11話挿入歌…「ほしのかけら」 / 作詞 - 幹葉・キタニタツヤ / 作曲 - キタニタツヤ / 編曲 - If I / 歌 - スピラ・スピカ
- 第12話等挿入歌…「クラウディアの子守唄」 / 作曲・編曲 - 南田健吾 / 歌 - クラウディア・ブラフォード (山村響)
メディアミックス
TVアニメの放送に先駆け、欧州のワルキューレ「ルサルカ・エヴァレスカ」を主人公とした小説「戦翼のシグルドリーヴァ Rusalka」(上下巻)が角川スニーカー文庫から発売された。
日本のワルキューレ「沖田・桜」を主人公とした前日譚第二弾「戦翼のシグルドリーヴァ Sakura」(上下巻)も同じく角川スニーカー文庫より発売された。
「Rusalka」、「Sakura」共に著者は長月、イラストは藤真が担当している。
公式作品ではないが、長月は放送翌年の7月にカクヨムにて「『戦翼のシグルドリーヴァ』小話」を公開している。これは元々、アニメ放送前にイメージ共有を目的として執筆されたもの。
また、放送から約一年後の2021年9月13日(クラウディアの誕生日)からは、主要キャラクターの「誕生日小話」が公開されている。
そして、月刊コミックアライブにて阿部かなりの描くコミカライズ、「ノンスクランブル」が2020年7月27日発売のアライブ9月号より連載中。既刊一巻。
また、web漫画サイト「COMIC Hu」で、野上武志×鈴木貴昭による外伝コミカライズ「狂撃の英雄」が10月4日より連載開始され、翌年7月3日に完結した。全二巻。
また、ニコニコ生放送・Youtube・ペリスコープにて特番「ワルキューレ情報局」が配信された。全7回。
MCはグラサン役のマフィア梶田。
回数 | 放送日 | 出演者 |
---|---|---|
第一回 | 6月24日 | 山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香 |
第二回 | 7月22日 | 山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香 |
第三回 | 8月26日 | 山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香、中村悠一、杉田智和 |
第四回 | 9月30日 | 山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香 |
第五回 | 10月27日 | 山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香、井上麻里奈 |
第六回 | 11月30日 | 山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香、上田瞳、幹葉 |
第七回 | 12月26日 | 山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香 |
キャラクター
メインキャラクター
クラウディア・ブラフォード (Claudia Bruford) (CV:山村響)
英霊機はグラディエーターMk.Ⅱ。
18歳。欧州から日本にやってきたパイロットで、髪型はストレートの金髪。愛称は「クラウ」。
六車・宮古 (Muguruma Miyako) (CV:稗田寧々)
英霊機はキ44-Ⅱ乙。
17歳。和の雰囲気のキャラクターで、大きな赤いリボンで黒髪をポニーテールにしている元気っ娘。愛称は「ミコ」。
駒込・アズズ (Komagome Azuzu) (CV:M・A・O)
英霊機はHe100D-1。
17歳。ウェーブがかったセミロングの白髪をサイドテールにしている。愛称は「アズ」。
渡来・園香 (Watarai Sonoka) (CV:菊池紗矢香)
英霊機はM.C.72R。
14歳。花を愛するピンク髪の少女で、ロリ巨乳。愛称は「ソノ」。
サブキャラクター
欧州基地
ルサルカ・エヴァレスカ (Rusalka Evereska) (CV:茅野愛衣)
英霊機はスピットファイア Mk.IX。
24歳の若さで欧州基地の司令官を務めている。銀髪と碧眼が印象的で、現存するワルキューレの中で最長の戦歴を誇る。
前日譚の小説「Rusalka」の主人公。
リズベット・クラウン (Lizbet Crown) (CV:小松未可子)
英霊機はBf109G-6。
20歳。「ロスヴァイセ」の名を冠するネームドワルキューレ。愛称は「リズ」。
レイリー・ハルティア (Leyli Haltija) (CV:上田瞳)
英霊機はスピットファイアMk. IX。
21歳。「ジークルーネ」の名を冠するネームドワルキューレ。愛称は「リリー」。
アルマ・コントーロ(Alma Conturo) (CV:鬼頭明里)
英霊機はランカスター Mk.IS。
「スヴェイズ」の名を冠するネームドワルキューレ。
イギリスの基地に所属している。
館山基地
里見・一郎 (Satomi Ichirou) (CV:平田広明)
館山基地の司令官。
風采の上がらない見てくれのオッサンだが、指揮官としては優秀。
整備斑長 (Maintenance Team Leader) (CV:千葉繁)
55歳。館山基地の整備斑の班長。
ワルキューレの乗る英霊機や、一般のパイロットの乗る最新鋭の戦闘機のメンテナンスを日々行っている。
本庄・美智 (Honjo Misato) (CV:堀江由衣)
和浦・野乃 (Kazuura Nono) (CV:日高里菜)
御厨・小町 (Mikuri Komachi) (CV:上坂すみれ)
館山基地のオペレーター3人組。
ロン毛 (Ronge) (CV:中村悠一)
金髪 (Kinpatsu) (CV:杉田智和)
グラサン (Gurasan) (CV:マフィア梶田)
空や陸においてワルキューレたちを護衛する『シールド隊』の男たち。
オーディンの加護は受けておらず、空ではF-15J イーグルを操りワルキューレを守る。
どこかで聞いたことのある3人組がキャストを務める。
鈴原・くるみ (Suzuhara Kurumi) (CV:高尾奏音)
英霊機はP-51D。
14歳。館山基地に派遣されてきたワルキューレ訓練生で、芯の強い天才肌の少女。
英霊機はP-51D。
14歳。館山基地に派遣されてきたワルキューレ訓練生。努力型の秀才で、同期のくるみと行動を共にする。
その他
オーディン (Odin) (CV:花守ゆみり〈少年の姿〉 / 神谷明〈老人の姿〉)
ピラーの恐怖に打ちひしがれていた人類の前に突如として現れ、手を差し伸べた隻眼の神。
少女たちに加護を与えて「ワルキューレ」とし、彼女たちの翼となる「英霊機」を授ける、全てのワルキューレの父と呼べる存在。
天塚・弥生 (Amatsuka Yayoi) (CV:井上麻里奈)
英霊機はF7F。
24歳。抜群のスタイルを誇る腕利きの美人ワルキューレ。遊撃隊として各地を飛び回っている。
園香とは同期のワルキューレで、付き合いは長い。
沖田・桜 (Okita Sakura)
英霊機はP-51。「オルトリンデ」の名を冠する日本のネームドワルキューレ。
アニメ第1話の時点で戦死しており、その補充要員として欧州から派遣されたのがクラウディアである。
園香の同期で、前日譚の小説「Sakura」では主人公を務める。
沖田・歳三 (Okita Saizou) (CV:大塚明夫)
自衛隊の空将補。
沖田・桜の実の父。
神宮寺・晃 (Jinguji Akira)
英霊機はF7F。
前日譚の小説「Sakura」に登場する戦乙女。
「狂撃の英雄」の登場人物
ドイツ陸軍大尉。
ドイツ陸軍ギリシャ派遣部隊の戦車部隊長で、代々軍人の家系に生まれた生粋の軍人。
「戦争狂」とすら言われるほどの好戦的な性格。
バウアー
ドイツ陸軍軍曹。女性軍人で、エーベルブルク大尉の乗車の乗員(おそらく装填手)。
ミュンヘンの叔母の家に預けた娘がいる(夫の存在については不明)。
スペイン空軍大尉。
ギリシャ戦域における人類の反攻作戦「トロイ」作戦の最中に、急な雷の攻撃を受けてギリシャ戦域NATO軍の佐官・将官が全滅したことから、生き残った将校(尉官のみ)の中で最先任である彼がギリシャ戦域の最高司令官となる。
ファーストワルキューレ。上述の「トロイ作戦」の最中に戦死。この作戦時にはエイミーの配下であった他のワルキューレも全員戦死しており、後に「パンドラの悲劇」と呼ばれる。
本作中の描写から、アレハンドロ・オストレイ大尉の妹であることが示唆されている(ファーストワルキューレとなる以前の名前は不明。)
用語
戦乙女(ワルキューレ)・英霊機
ピラー
→ピラーの項目を参照
ギャラルホルン
ピラーの出現を知らせる角笛。複製可能で、世界各地の基地に配備されている。
オーディンが復元した神器で、前日譚「Rusalka」では、ギャラルホルンの完成を阻もうとするピラーとの戦い、「ヴァイナハテン決戦」の模様が描かれている。
関連動画
ティザーCM
キャラクターPV
第1弾PV
第2弾PV
関連タグ
アニプレックス 2020年秋アニメ 航空 戦闘機 戦うヒロイン
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- ストライクウィッチーズ - 鈴木貴昭が関与しているメディアミックス作品。こちらも空戦美少女ものだが、戦闘機ではなくストライカーユニットと呼ばれる兵器を装備して生身で戦うのが大きな特徴。第二次世界大戦期(をモチーフにした世界)の物語を描いている。またTVアニメ第3期とは放送時期が重なっているという縁もある。
- 戦闘妖精・雪風 - 設定に類似する点が見られる……というより、この手の設定の先駆者なSF小説。似たような設定の敵機も登場するが、主人公側の反応は180度異なる。
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