空戦が日常。
概要
『ガールズ&パンツァー』(ガルパン)、『SHIROBAKO』の水島努と横手美智子が手を組んだ新作オリジナルアニメ。コンセプトはメイン概要にもある通りに「女の子×レシプロ戦闘機」と言う事もあって、「空のガルパン」とも呼ばれている。ガルパンとの違いは生死にかかわる過酷な世界に生きる人間を描くという点であり、むしろガルパンとスタッフの一部が共通している『ストライクウィッチーズ』に似ているといえる(正体不明の怪物と戦うという点では同時期放送の『ガーリー・エアフォース』のほうが近いが)。
女性パイロットによって結成された傭兵集団・コトブキ飛行隊の、戦いに明け暮れる日々を描いている。
今作に関しては少しずつ制作をしていた物であり、ようやく発表できるという事で今回の発表となった模様。放送時期は2019年1月から(同年3月まで)。
アニメーション制作はGEMBA。
TOKYOMXおよびBS11、ついでに毎日放送とテレビ愛知で放送。
蛇足ながらTOKYOMXとBS11では2019年10月から同年12月まで副音声による作品解説、その名も「細かすぎて伝わらないオーディオコメンタリー」付きのアンコール放送を実施した。
さらに、総集編に新規カットを加えた劇場版「荒野のコトブキ飛行隊 完全版」が2020年9月11日から上映。
登場する戦闘機は国産(日本製)縛りとなるつもりだったようで、メッサーシュミットは出ないと水島氏のtwitterでも言及されている。そして確かにメッサーシュミットは登場しなかったが・・・・・・(以下後述)
2019年2月13日からは、スマホゲーム『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』が配信開始。なお、アニメのプロジェクトの立ち上げ当初からゲーム化も見据えてはいた。
アニメ終了後の世界が舞台となっている。
2020年12月14日限りで配信終了。
集英社のウェブコミック誌「ジャンプ+」にて2019年4月24日からコミカライズが配信された。筋書きは田岡宗晃、作画は杉江翼が担当する。アニメのサイドストーリーという位置づけがなされているが、内容としては、キリエ加入直後が描かれている、いわばアニメのプレストーリー。全4話。2020年7月には集英社の漫画単行本レーベルの一つであるジャンプコミックス+から単行本もリリースされている。全1巻。
また、集英社からは、安藤敬而によるノベライズが2019年6月に発売された。アニメの後日談だそうである。
カップヌードル(日清食品)とのコラボ商品『カップヌードル飛行隊特別セット』なるものが存在する。2019年3月4日から予約を受け付け、その後4000セット限定で販売された。
登場人物
特に明記が無い限りアニメ版の登場人物、若しくはアニメとアプリ両方に登場するキャラクターになる。
コトブキ飛行隊
オウニ商会
ラハマを拠点とする運送屋。飛行船『羽衣丸』を運行し都市間の輸送を担う。
マダム・ルゥルゥ(CV:矢島晶子)
女だてらに危険の伴う運送業を営んでいるだけあって、かなり抜け目のない性格。
コトブキ飛行隊の雇い主であり、場合によっては町の防空などの仕事を受けることもあるが、報酬にかなりの金額を要求する。
アプリ版ではコトブキ飛行隊が採用した一式戦闘機(隼)Ⅰ型の操縦桿を握ることがある。
サネアツ(CV:藤原啓治)※上のイラストでルゥルゥの隣にいる男性
オウニ商会所有の飛行船・羽衣丸の副船長。
実質的には船長のはずなのだが、頼りない・日和見主義・決断力ないと三拍子揃ってしまっており、クルー達から見下されるばかりか、ペットのドードー(後述)に船長の座を奪われている。
だがオペレーターたちの話によると「全滅した飛行隊の生き残りには多めに報酬を出す」らしく、優しい人物ではあるようだ。
実は雇い主であるルゥルゥに思いを寄せており、自室の天井には彼女の写真をポスターのようにして貼っている。ルゥルゥからは割とぞんざいな扱いを受けているが、一定の信頼は得ているようで、「間が悪いのも長所の一つ」と評されている。実際に羽衣丸がハイジャックされた際は下痢を起こしてトイレに篭っていたため、一人だけ人質にされずに済んだ。このときは占領された船内を独力で偵察し、コトブキ飛行隊へ状況を伝えた。
最終話ではイケスカ上空の「穴」を塞ぐために羽衣丸を特攻させるという大役を任され、ドードー船長と共にやり遂げて生還した。
アプリ版のイベント『サネアツ奮闘記』ではストーリーの中心となり、ルゥルゥを賭けた決闘のためキリエたちから空戦のスパルタ指導を受けることになった。その結果度胸がつき、優秀なナビゲーターさえ同乗していればかなりの強さを発揮できるようになり、相手が大した腕ではなかったとはいえ赤とんぼで震電を撃墜するという大金星を上げた。しかしその後、緊張の意図が切れたかのように普段の状態に戻った。
なお、アプリ版ではそれに先駆けて『屠龍塗装 サネアツ仕様』が実装されたが、外見はどう見てもドードー船長仕様である。
ナツオ(CV:大久保瑠美)
羽衣丸の整備班長。
コトブキ飛行隊からの信頼も厚い、腕利きの整備士。荒い口調で話す当たりいかにも職人。見てくれは少女だが、立派な大人である。
公式Web番組『荒野のコトブキ通信』内のコーナー『ナツオ整備班長の戦闘機講座』では登場した戦闘機の解説を担当する。しかし、ケイトやアレン、リリコがゲストの時は彼女達に解説役を奪われてしまっていた。
アプリ版では隼Ⅰ型を操縦することがある。
ジョニー(CV:上田燿司)
羽衣丸船内の酒場でバーテンダーを務める男性。かなり気弱な性格で、ウェイトレスのリリコからも辛辣な言葉を浴びせられている。
だがかつては凄腕の用心棒であり、羽衣丸がハイジャックの憂き目に遭った際には華麗な銃さばきを見せている。爆発物処理の技術もある。
ミキという女性との結婚を機に血生臭い世界から足を洗ったはずだったが、ガンマニアから足を洗うことが出来ず、そのせいで彼女に逃げられた。無論今でも未練タラタラで、酒場の壁に彼女の絵を飾っており、いつか彼女と縁を戻すために銃を撃つことを忌避している。
二つ名は『逃げられジョニー』とのことだが、由来は強すぎて敵がすぐに逃げ出すためか、それとも妻に逃げられたためか、或いは両方なのか……。
劇中で使用したのはシングルアクションアーミーバントラインスペシャル、シュネルフォイアー、M1887ソードオフモデル等を元にした架空銃。飛行船内ということもありゴム弾を使用している。
リリコ(CV:東山奈央)
羽衣丸の酒場でウェイトレスを務める赤髪の女性。
客にもジョニーにもは冷めた態度を取るが、コトブキ飛行隊には若干態度を和らげている様子もある。
ハイジャック犯との戦いではアクションシーンを披露し、第12話でも華麗なナイフ投げを見せ、さらにはノベライズでは自動車の運転もこなしたが、ザラ曰く彼女はジョニーと違いただのウェイトレスとのこと。だが『ナツオ整備班長の戦闘機講座』では二式複座戦闘機(屠龍)に乗ったことがあると語られた他、ナツオに自分の過去をバラされそうになった際は彼女を脅して止めさせている。
イケスカ動乱後は様々な短期のアルバイトをしながらオウニ商会の事業再開を待っている。
アプリ版ではプレイアブルキャラクターとして参戦しており、相性の良い機体は流星となっている。他にもルゥルゥやナツオなどの非戦闘員も参戦しているが、リリコは彼女たちより1ランク上の星3キャラで、愛機の流星には専用塗装まで用意されている(後にルゥルゥなども星3バージョンが実装された)。
またアプリ版のイベントでは赤とんぼに乗り、空中戦を行ったこともある。
ドードー船長
羽衣丸のペット兼マスコット。幻と悲運と悲劇の鳥・ドードーの一種だが、それにしてはえらい立派な翼が付いており、結果、空を飛ぶことが出来る。それを生かしてコトブキ飛行隊が帰還すると飛んで知らせたり、手紙を届けたりする。
サネアツがヘタレのためかどうかは分からないが、これが船長として崇め奉られている。ただし爆弾低気圧への対策を面倒くさがったサネアツをどやしつけたり、空賊に銃を向けられた際に剥製のふりをしてやり過ごしたり、爆弾のスイッチを押そうとした空賊を不意打ちしたり、本当に船長らしい振る舞いもする。さらに最終話ではサネアツと共に穴へと特攻する羽衣丸の操舵を行なっており、その後九五式一型練習機(赤とんぼ)で脱出した際も前席に座っていた。赤とんぼは練習機であるため後席のサネアツが操縦していたのかもしれないが、飛行船は二人掛かりで操舵するため、実際にドードー船長も舵を取っていたことになる……。
『部下』であるサネアツとの間にはそれなりの絆があり、意思疎通も可能なようで、アプリ版のイベント『サネアツ奮闘記』では彼の後部座席に座って敵の攻撃タイミングを見切るなどのサポートを行った。
さらにそのイベントの報酬として、ついにパイロットとして実装されてしまった。
アンナ(CV:吉岡美咲)※上のイラスト向かって右
羽衣丸の主操舵士。運行管理を行う。
勝気な性格で、上司であるはずのサネアツを見下している。
ピンクのロングヘアだが、一部をリボン状にまとめている。
バッグコレクターの一面がある。マリアと共に「羽衣丸の風紀委員」を自称している。
アニメ版の最終回では一〇〇式輸送機の機長を務めたほか、アプリ版では零戦二一型の操縦桿を握る。
マリア(CV:岡咲美保)※上のイラスト向かって左
羽衣丸の副操舵士。飛行高度や飛行スピードの指示を出す。
控えめな性格で、オドオドしていることが多い。
ヘアスタイルは青のボブカット。
靴を集めるのが趣味。
アプリ版では零戦五二型のコックピットに座る。
ベティ(CV:古賀葵)、シンディ(CV:川井田夏海)、アディ(CV:島袋美由利)
羽衣丸のオペレーター。3人とも容姿がそっくりだが、姉妹ではない。
アディはレーダーを使っての監視や索敵、ベティは航法や気象情報の伝達および長距離無線でのやり取り、シンディはエンジンの状態や燃料の残量、被害状況の報告を担当している。
アニメ版の最終回では赤とんぼ1機に3人揃って搭乗している。
ハルカゼ飛行隊
アプリ版『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』に登場するメインの戦闘機隊。歴戦のコトブキの面々と比べてまだまだ初々しく、実際公式からもひな鳥と形容されている。アプリのみにしか基本出演していないがアニメ版10話にてエリカ、ユーカ、ベルの三人がカメオ出演を果たしている。乗機は全員九七式戦闘機で、後に隼III型に機種転換。
荒野のコトブキ飛行隊公式YouTubeチャンネルおよびアプリ内で配信中の「荒野のコトブキ飛行隊外伝 大空のハルカゼ飛行隊」ではメインキャラクターとして登場している。
ユーカ(CV:本渡楓)
ハルカゼ飛行隊の隊長。エリカとは幼馴染の関係。
困っている人を放っておけないお人好しで、それゆえにトラブルに巻き込まれがち。
テンションが高い一方で気分の浮き沈みが激しく、普段はドジで後先考えずに行動するなどトラブルメーカーな一面が目立つが、ここ一番での集中力は凄まじいものがある。
ラハマの孤児院で育ち、孤児院の先輩であるレオナと、彼女が立ち上げたコトブキ飛行隊に憧れている。戦闘機に乗って見たことのない広い世界を見に行くのが夢。
戦闘機乗りがダメだった場合は女優になりたかったらしく、意外とその才能もある。イベント『ツバキの歌劇団』ではツバキお手製の弁当を食べたケイト達が食中毒で倒れたことを知って全ての役を一人で演じ切り、審査員を感動させてみせた。
尾翼のパーソナルマークは『桜餅』。
エリカ(CV:白石晴香)
ハルカゼ飛行隊の副隊長。ユーカの幼馴染。
熱くなると周りが見えなくなりがちなユーカのブレーキ役。
人付き合いが苦手なところがあり、ついキツイ態度をとってしまうことも。
ちなみにオバケの類が苦手。
尾翼のパーソナルマークは『丼に盛られた白米(またはマヨネーズ?)』。
アカリ(CV:七瀬彩夏)
ボーイッシュな外見をしたオレンジの髪の少女。
やんちゃな性格のムードメーカーで、ユーカと一緒に仕事をサボることもしばしば。
一度見たものを忘れない瞬間記憶能力の持ち主。実家がバーを経営している。
自警団に所属していた兄が居たが、1年前に同僚の仇を討つために空賊の用心棒と戦い、命を落としている。
尾翼のパーソナルマークは『ドーナツ』。
ベル(CV:石見舞菜香)
隊の中では年長者で、ユーカ達のお姉さん的存在。
ラハマの孤児院の近所に住んでいたため、ユーカとエリカとは昔からの馴染み。
ギャンブル狂の父親がいる影響でお金の管理に厳しいが、彼女もしっかりとギャンブラーの血を引いており、ギャンブルのことになると目の色が変わる。
また酒癖が悪く、酔って気分がハイになると、遊び感覚でニコニコしながら大暴れしてしまう。しかも鍵がかかったドアを破壊してしまうほどの怪力の持ち主なので始末に負えない。
年齢はユーカたちとさほど変わらないが、いろんな意味で大人びた外見のため実年齢よりも上に見られやすく、そのことをかなり気にしている。
尾翼のパーソナルマークは『クッキー』。
ダリア(CV:黒沢ともよ)
ハルカゼ飛行隊で最も背が高く、顔にそばかすがある。
気が小さく引っ込み思案だが意外と見栄っ張りな一面を持ち、つい嘘を吐いてしまう悪癖がある。
そんな自分を変えたくてハルカゼ飛行隊に入る決意をしたのだが、ユーカ達になかなか声を掛けられずにいたところを発見され、スカウトされた。
尾翼のパーソナルマークは『青いバナナ(らしきもの)』
ガーベラ(CV:高野麻里佳)
ハルカゼ飛行隊の中で最後に加入したキャラで、ひょんなことからユーカ達と巡り合う。
実は「ルワイ組」というマフィアの娘で、後継者に選ばれていたが、マフィアの生き方に嫌気が差して家出した。ただ、そのせいで姉のカスミから憎まれている。
尾翼のパーソナルマークは『プリン』。
怪盗団アカツキ
アプリ版『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』に登場する戦闘機隊の一つ。コトブキやハルカゼと違い乗機は陸軍機という共通点はあるものの統一されていない。
一応ロイグをリーダーとしているものの、メンバーたちは必ずしも彼女に従っているわけではなく、別行動も認められている。また意見が割れた際にはコイントスで解決することになっている。
ロイグ(CV:高橋未奈美)
予告状キチな怪盗団アカツキの団長。乗機は二式単座戦闘機(鍾馗)。
性格は陽気で、作戦を立てた上で大胆な行動を取る。
金よりもロマンを重視しており、伝説の盗賊『夜明けの鷹』が遺した財宝を探している。
盗み・操縦共に高い技量を持つが、犯行前にいちいち予告状を出すなど「怪盗の美学」にこだわるため、他のメンバーから呆れられている。また、片付けが苦手な上にものを捨てられない性分で、アジトの中を散らかしてはモアに注意されている。
祖父が金持ちで、お嬢様学校出身という意外な素性を持ち、破天荒すぎる祖父のもとから自立するために様々な仕事に就いたが長続きせず、そんな時に祖父の書斎で読んだユーハングの小説で怪盗の存在を知り、学生時代に資料室で読んだ「夜明けの鷹」の記録を思い出したことが切っ掛けで怪盗稼業を始めた。
モア(CV:関根瞳)
気弱で大人しいロイグの相棒。乗機は鍾馗。
かつて乗っていた飛行船が空賊に撃墜されて両親を失い、ロイグに助けられた。
その際のトラウマが原因で、機銃の音を聞くと凶暴な性格に豹変する(人格が入れ替わっている間の記憶はないが、自分が多重人格であることは自覚している模様)。
面倒見の良い性格で、ロマンを追い求めるロイグの良き理解者であるが、部屋の片付けをしない彼女によく小言を言っている。
ロイグの相棒であることにプライドを持っており、ロイグの学生時代の同級生だったラムダがロイグを引き抜こうとした時は妙な対抗心を燃やしていた。
ベッグ(CV:赤尾ひかる)
怪盗団のメカニック。乗機は三式戦闘機(飛燕)。
語尾に「なのだ」をつけるのが特徴で、性格はやや子供っぽく、調子に乗りやすい。
愛機には大幅な改造を施しており、並のパイロットでは扱えない過激なセッティングを好む。
珍しい戦闘機や部品を主に狙う他、ギャンブルも得意。
決まった住処を持たずにイジツ中を放浪している整備士一族の族長の娘で、3年前に整備の腕を磨く修行の旅に出たが、途中で食料が尽きて行き倒れになっていたところをロイグに拾われ、一宿一飯の恩義で彼女の鍾馗を整備した際にその腕を見込まれてアカツキにスカウトされた。
カラン(CV:涼本あきほ)
怪盗団の闇医者。乗機は隼三型。
よく怪しげな新薬の開発を行っている。
腕は確かだが高額な治療費を請求する上、仲間を使って新薬の人体実験を行うなど、かなり剣呑な女医。本人曰く「医学の進歩に犠牲はつきもの」。
しかし孤児院の子供を事実上無償で治しており(曰く「覚えていたら10年後に治療費を取り立てる」)、医者としての信念は持ち合わせている。
また、なるべく患者の体を傷つけずに治療するのがモットーのため、外科手術を嫌っている。
レンジ(CV:藤原夏海)
男勝りな性格の女怪盗。乗機は隼一型。
一時アカツキから離脱していたが、ロイグが『夜明けの鷹』の財宝を狙っていることを嗅ぎつけ、共に行動することになる。
乗機を「相棒」と呼んで愛着を持っているが、その割にあまり大事にしておらず、荒々しい操縦で機体が悲鳴を上げることも多々ある。
幼い頃に両親を亡くし、病弱な弟・アタルの薬代を稼ぐために盗みなどの悪事を働いていたが、そのアタルが富豪に買われたため、現在はアタルを買い戻すために金を集めている。
そのため金銀財宝を前にするとかなり強欲になる。
腕っ節もなかなかのもので、アカツキに入る前は喧嘩屋として名を馳せていたそうな。
後に紆余曲折を経てアタルを「盗む」ことに成功し、再会を果たすが、自分と一緒に居ればアタルも追われる身になってしまうことや、アタルが重い心臓病のため早急に手術が必要だったことから、自分が姉だと名乗り出ることはしなかった。しかし、リガルに背中を押されて後を追いかけ、病気を治したら昔よく作ってあげた肉団子スープを食べさせてやることをアタルに約束した。
美しいものに目がない褐色肌の女怪盗。乗機は飛燕。
ゲキテツ一家
アプリ版『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』に登場するマフィアの女幹部たち。乗機は海軍機という共通点はあるものの統一されていない。
それぞれが幹部として自分の縄張りを持っているため、全員が飛行隊として行動を共にすることはあまりない。全員が何らかの異名を設定されている。
フィオ(CV:朝井彩加)
通称『狂犬のフィオ』。乗機は紫電(紫電改ではなくその前身の紫電一一型)。
とにかく負けん気が強くて喧嘩っ早く、特に「チビ」は禁句。小柄ではあるが出る所は出ている。
縄張りの住人たちからはあまり尊敬されていないようだが、子供っぽい見た目と性格のせいか年寄りからは人気がある。
野心家だが孤児の自分を拾ってくれたファミリーへの忠誠心は非常に強く、また義理堅い一面もある。
空戦では他の幹部に後れを取ることも多いが、弾切れになっても翼端を敵機のプロペラに引っ掛けて撃墜するなど、『狂犬』の異名に恥じぬ闘争心を持つ。
射撃が得意という意外な一面を持ち、無風であれば相手の銃口に弾丸を撃ち込むことも可能な程の腕前だが、フィオ本人はステゴロの方が好み。
全く飲めないわけではないが酒が苦手で、酒場ではミルクやオレンジジュースを注文する。
絵を描くという意外な趣味を持つが、腕前の方はどうかと言われると・・・・・・・・お察しください。
イヅルマでの一件以来、アコに苦手意識を抱いている。
尾翼のパーソナルマークは二つ名の通り『狂犬』。
ローラ(CV:藤田茜)
通称『死神のローラ』。乗機は零戦二一型。
物腰柔らかな金髪美女で、後援会やファンクラブがあるなどカタギの若い男性からもアイドル扱いされており、コンサートや握手会は組の資金源になっている。
首領からは他幹部への伝言を頼まれるなど、かなり信頼されている模様。
フィオとは首領の元で姉妹同様に育てられたため仲が良い……が、実は彼女にも言えない重大な秘密が……。
フィオのことは妹か娘のように溺愛しており、フィオに危険が及ぶと普段の穏やかな人柄が一変し、フィオに危害を加えた相手に情け容赦のない攻撃を行う。
フィオ同様、射撃が非常に上手い。
北方の出身で、極殺会というマフィアの暗殺者だった父からは様々な暗殺のスキルを叩き込まれた。ある日、父が組織を裏切ったとして母共々殺害され、妹も極殺会に捕らわれた自分を助けるために犠牲となった。一人生き延びたローラは過去の自分を捨てて生きるために妹の姿を借り、追手から逃げ続けた末に流れ着いたタネガシでゲキテツ一家に拾われた。
尾翼のパーソナルマークは『狐の面』。
シアラ(CV:花守ゆみり)
通称『魔性のシアラ』。乗機は雷電。
愛らしい外見・口調とは裏腹に、かなりサディスティックな性格。
他人を服従させることを喜びとし、フィオをチビ呼ばわりしていじめるのも好き。ニコがフィオを好きなことにも気づいており、ニコをからかうこともある。
なおフィオほどではないがシアラ自身も小柄で、自ら「小さくて可愛い」と称したこともあるが、ニコから「中身が可愛くない」と断言されて喧嘩になったことも。
部下の男たちは皆調教済みであるが、お仕置きされたいがために敢えて自分の機嫌を損ねようとする者もいるため、内心辟易してもいる。
操縦技術は高く、フィオを手玉に取った他、キリエとの模擬戦でも雷電の上昇力に物を言わせた一撃離脱に徹し、一発も被弾しなかった(ただしシアラも自分の攻撃を初見で避けきられ驚愕している)
実はタネガシで最も古い歴史を持つマフィアの一族の末裔で、敵対関係にあったマフィアに一族郎党を皆殺しにされたが彼女だけ奇跡的に生き残り、ゲキテツの軍門に降った。なお、一族郎党の敵であるマフィアに関しては、後にゲキテツの手を借りはしたものの壊滅に追い込んでいる。
ナイフの扱いに長けており、フィオによるとシアラが本気を出せば一瞬で相手の皮を剥ぐことが出来るらしい。
尾翼のパーソナルマークは『悪魔の角・翼・尾が生えた赤いハート』。
ニコ(CV:石上静香)
通称『不死身のニコ』。乗機は零戦五二型。
鋭い眼光の女性で、常に寡黙で堂々とした態度を取り、さらに機体が滅茶苦茶になるような墜落をしても生きている人間離れした肉体を持つ。
縄張りの住民たちの多くは彼女を頼ってきたお尋ね者で、常に不穏な空気が漂っている。
一見すると最もマフィアらしい人物だが、実のところは小さくて可愛いものが大好きな女性で、特にフィオを前にすると自分の世界に入ってしまう。そのせいで相手の話を聞いていないことも多く、部下から色々と誤解されがち。ゲキテツ一家に入ったのもフィオが理由で、舎弟がゲキテツ一家の者と揉め事を起こしたことが切っ掛けでゲキテツにスカウトされ、最初は頑なに断っていたがフィオを見て一目で気に入り、一家に入った経緯を持つ。
エクレア一家と同盟を結びに行った際、フィオと瓜二つの少女ナギサを気に入って肩入れしたことをシアラに「浮気」として弱みを握られ、からかわれたり体よく利用されたりしている。アプリ版のイベントではチカやモアにもときめいており、やはりシアラに「浮気」と言われている(ニコ本人は「小さくて可愛いものを平等に愛しているだけ」と主張している)。こうした事情からシアラを嫌っており、彼女を「小さくて可愛い」とは頑として認めていない。
なお、外見とは裏腹に幹部の中では最年少かつ未成年。父が修理工だった影響で戦闘機の整備が得意で、過去の空戦で撃墜された戦闘機を発掘・修理して販売することで組の資金源にしている。その父親は妻に逃げられた後、酒に溺れてニコに暴力を振るうようになったらしく、ニコが全く痛がらなかったこともあり、次第に口を聞くこともなくなっていったという。
また、料理が得意で、刺繍や彫刻づくり、猫の世話など、多趣味で穏やかな一面を持つ。
尾翼のパーソナルマークは『般若』。
イサカ(CV:諏訪彩花)
通称『冷血のイサカ』。乗機は零戦二一型。
時間に厳しい完璧主義者で、政治的な駆け引きも荒事もこなし、縄張りの管理もしっかりと行なっているため、『冷血』という二つ名に反して老若男女から信頼されている。
ただし時間に遅れるなどして予定が狂うとパニックに陥る。また酒に酔うと情緒不安定になる。
金貸しの娘で、マフィアに頭を下げる両親の姿を見て「この世界を支配しているのは力だ」と実感し、両親の死後に「経済でみんなを幸せにしたい」と考え、マフィアの道に進むことを選んだ。
フィオを小馬鹿にすることもあるが、孤児となった自分を拾って育ててくれた副長のサダクニを実の父同然に慕い、(下手なのは事実だったとはいえ)フィオが一生懸命描いた絵を侮辱したウタマロを殴り飛ばすなど身内に対する情は厚い。
尾翼のパーソナルマークは『懐中時計』。モチーフになっている愛用の懐中時計は実父からの誕生日プレゼントで、今となっては実の両親との繋がりを示す物であるため大切にしており、毎日欠かさず手入れしている。
レミ(CV:田辺留依)
通称『流れ雲のレミ』。乗機は零戦五二型。
「〜っす」という口調で話す飄々とした女性で、一見するとただの陽気な呑んだくれ。
しかしスラム街育ちの身で幹部までのし上がってきた実力者で、諜報・工作などの特殊な役割を担当しており、用意周到で抜け目ない性格。
その一方で敵から奪った金を故郷のスラム街へバラ撒くなど、義賊的な面もある。
敵機を囲むようにバレルロールを行なって逃げ道をなくす『籠目』なる必殺技を持つ。また早撃ちが得意で、自分に勝てる者はいないと自負している。
元々はクロ達スラム街の仲間と共に盗賊団のようなことをしていたが、とあるマフィアのヤバいブツに手を出してしまって皆殺しにされそうになっていたところをゲキテツに助けられ、そのまま一家に引き入れられた。
尾翼のパーソナルマークは『瓢箪』。
カナリア自警団
アプリ版『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』に登場する、イヅルマ市自警団所属飛行隊の一つ。宣伝目的で設立された部隊で、自警団のイメージアップのため若い女性パイロットのみで構成されている。そのため隊員たちの熱意に反して実戦任務を任せてもらえず、危険の無い仕事ばかりを充てがわれている。
団長のアコがデザインしたマスコットキャラクター「カナリアくん」が存在し、ぬいぐるみなどのグッズ販売もしているのだが、なにぶん不気味なので人気がなく、大量の在庫を抱えている。
乗機は全員紫電一一型で、尾翼には各パイロットの横顔のシルエットが描かれている。
アコ(CV:小澤亜李)
カナリア自警団の団長。自警団学校を卒業後、父が自警団の伝説的英雄という理由で大人たちによって担ぎ出された。真面目で責任感の強い性格で決して能力不足ということではない。
自警団学校時代から「親の七光り」と言われ続けており、本人も偉大な父の名を重荷に感じているが、その一方で人々が父の名を忘れずにいてくれていることを嬉しくも思っている。
操縦の腕は良いが、ミントと違い生身での格闘は苦手なようで、啖呵を切ったはいいがロクな抵抗もできず悪党に連れ去られる場面もあった。
好物はカツ丼で、食堂で毎日のように注文している。イチゴ柄。酔っ払った時の言動から、どうやら貧乳がコンプレックスの模様。
パロットの陰謀によりカナリア自警団が無期限の活動停止に追い込まれた後、身を隠すためにリッタの実家で農作業の手伝いをしていたが、夢中になりすぎて本来の目的を忘れかけていた。また、畑の鳥よけに使われ、無残な姿に変わり果てていたカナリアくんを見てショックを受けていた。
エル(CV:和氣あず未)※集合イラストの左から3番目。
アコの幼馴染で、名家出身のお嬢様。自警団に入る前は幼稚園でピアノを教えており、子供達からは「エル先生」と呼ばれ慕われている。
元ピアニストの母からピアノの英才教育を受けていたが、文通していたアコに誘われ、母の反対を押し切って自警団に入った。
おしとやかだがアコを馬鹿にするシノに静かに皮肉を言って対抗したり、ハイジャック犯に拉致されても全く動じないなど肝が座っている。しかもその際は「自分の身代金は最低でも1億ポンドでなければ認めない」と犯人たちに予想の斜め上を行く説得(?)をして降参させるなど、ややズレた言動が目立つ。
母からは男の扱い方も教わっているが、「ダメ人間製造機」と揶揄されるほど相手を甘やかし過ぎてしまうところがあり、上司のアルバートやその兄の市長はエルにバブみを感じるどころか一時的に幼児退行を起こすレベルにまで堕落してしまった。
カナリア自警団が謹慎中の間はおでん屋台の女将をしているが、店開きをした先は、パロット社の近くである。これには深い訳があった。
ミント(CV:近藤玲奈)
アコを「お姉様」と呼び慕う少女。控えめな性格。
実家が古武術の道場で、彼女も達人級の腕前を持つ。ラジオ番組にゲスト出演した際、ラジオ局に押し入ってきた強盗たちをバッタバッタと薙ぎ倒し、降参させて事件を解決に導く活躍を見せた。
絵も得意で、その作品(アコをモデルにした裸婦画)は姐さんからも絶賛されている。
自警団学校時代、不良生徒たちに絡まれていたところをアコに助けられたことが切っ掛けで彼女を慕うようになり、アコがカナリア自警団の団長に就任すると半ば押し掛ける形で入団した(ただ、その不良たちは別にミントをいじめていたわけではなく、強引ではあったがミントに「海のウーミ」の絵を描いてもらおうとしていただけであり、しかも結果的にミント自身が撃退している)。第二章の後半ではミヤコのせいでアコとシノの関係を誤解して自暴自棄になり、自警団を出奔した末にトニーの暴走飛行団に入るなど迷走したが、後に誤解が解けて復帰した。
妄想癖があるようで、実家には学生時代の黒歴史ノートが封印されているほか、アコと離れている時間を細かく数えていたり、妄想でアコの裸婦像を描いたりと、話が進むにつれてアコへの想いが段々と危ない方向へと向かいつつある…。
リッタ(CV:峯田茉優)
大きなリュックを背負った元気っ子。重度の戦闘機ヲタで、特に紫電のことになると熱く語りだす。ホーム画面では紫電の模型でブンドドしている。
家が農家で、畑を荒らす鳥たちを赤とんぼで追い払っている内に身に着けた独自の操縦技術をアコに見込まれてスカウトされ、大好きな紫電に乗れることや、自分の給料で家計を助けられることから自警団に入ることを選んだ孝行娘。
忙しい両親に代わって幼い弟と妹の面倒を見ていたため、家事全般が得意。
ヘレン(CV:桑原由気)
眠そうな口調、ボサボサヘアが特徴。口調だけでなく本当にどこでも寝る。操縦中でも寝てしまい、寝ながら操縦できると言われている。その一方で実家の牛乳配達で狭い峡谷を飛んだり空賊を撒いたりして培ったパイロットとしての実力は高く、しかも恐怖心が欠落しているため危険飛行も平然と行ってしまう。
暴走飛行団の総長だった過去があり、自警団に入れば年金がもらえるというアコの話を少々誤解する形で自警団に入った。現在でも地元の不良たちの間では伝説の「飛ばし屋ヘレン」として尊敬されている。
パロット社の陰謀でカナリア自警団が罠に嵌められ、何よりハヤトが負傷したことで珍しく怒りを露わにし、自発的に行動を開始する。
特技は牛乳の早飲み。
シノ(CV:八島さらら)
女性ながらエース級の腕前を持つ。元々は実戦部隊であるシラサギ自警団のリーダーを務めており、「後ろ盾がない孤児である自分が周囲に認められるには実力を身に着けるしかない」という一心で努力を重ね、その地位を得た叩き上げ。
そうした背景から、最初は宣伝部隊であるカナリア自警団を「税金の無駄遣い」と揶揄し、カナリアの団長で伝説のパイロットを父に持つアコを「親の七光り」と目の敵にしていた一方で、回りくどい助言を行っているなどツンデレの気配があった。
ある一件でシラサギ自警団が事実上壊滅に追い込まれた際、助太刀をしたアコ(とその仲間達)の実力を素直に認め、カナリア自警団に移籍している。
普段料理を全くしない上に、栄養面ばかり気にして味を二の次するなど典型的な料理下手。アコがシノの料理を味見した際、一口食べただけで生死の境を彷徨った。また、実力はミントに及ばないものの、ユーハングの武術を一通り会得しており、瓦20枚を叩き割るほどの腕前を持つ。
ショウト自警団のカミラとはシラサギ時代に合同訓練をしていた縁で面識があり、彼女からは「無二の親友」と呼ばれているが、シノの方はマイペースなカミラを苦手としている。
私服は派手なロリータファッションを好んでいる。
ムラクモ空賊団
アプリ版『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』に登場する空賊の一団。
70年前、その圧倒的な強さで暴れ回り、数多の武勇伝を残した伝説の空賊団。パイロット達の姿を見た者は誰もいないとされており、乗っていた機体と異名のみが後世に語り継がれている。しかし、その首に懸けられた莫大な懸賞金は今も生きているため、世界中の賞金稼ぎが行方を追っている。ある日突如として姿を消したが、それから70年が経った現在になって彼らの機体と異名を受け継いだ女性達が現れ、各地で目撃情報が相次いでいる。
クロエ(CV:井上麻里奈)
受け継いだ異名は「雷電魔王」。
ムラクモ空賊団初代頭領オードリーの孫娘。
人里離れた場所に祖母とふたりきりで暮らしており、彼女からは戦闘機の操縦をはじめ整備やサバイバル術など様々な技術を叩き込まれた。
凛とした勇ましい性格の女性で、自分と祖母の平穏な暮らしを邪魔する者には容赦せず、祖母と機体に懸けられた賞金を狙ってやってくる賞金稼ぎや空賊を追い払っている。
しかし正義感が強く優しい女性でもあり、やってきたパイロットが単なる遭難者だった場合は機体を修理するなどの手助けをしている。
人里離れた所に住んでいるため世情には疎く、イサオによる騒動も全く知らなかった。
体を鍛えるのが趣味であり、同じ趣味を持つコトブキ飛行隊のレオナとは(互いの素性を知らないとはいえ)意気投合している。
着ている衣装は、幼い頃に祖母から聞いたユーハングの昔話に出てくる伝説の武人「モモタロウ」を意識して自作したもの。
ミヤビ(CV:日笠陽子)※集合イラストの左端
受け継いだ異名は「零戦胡蝶」。
左目に片眼鏡をかけた優雅で理知的な女性。
3年前に祖父のキリンから引き継いだミヤビ興業という運送会社の社長だが、無論それは表の顔であり、裏では輸送中の骨董品を他社から強奪すると同時に壊滅的な打撃を与えて競合相手を減らしている(骨董品収集は彼女の趣味でもある)。また、ミヤビ興業は武器の調達や輸送を請け負う死の商人としての一面も持っており、ゲキテツ編の第3章ではミヤビの部下がイサカの依頼でゲキテツ一家のシマに大量の武器を届けている。
キリンから優れた頭脳と商才を受け継いだ一方で、ムラクモの参謀だった祖父以上の狡猾さを併せ持っており、祖父の死期が近いことを悟ると、それまでずっと手加減してきた将棋勝負で本気を出して打ち負かし、「零戦胡蝶」の異名と機体、そして会社と子飼いの空賊団など、祖父の全てを半ば奪い取る形で彼の後を継いだ。
ツバキ(CV:喜多村英梨)
受け継いだ異名は「剃刀飛燕」。
少々短気で口が悪いものの、明るく気さくな女性。その一方で料理に関しては「お腹いっぱいになればいいや」という考え故に、その腕前はいかがなものかと言われると…。
祖父のリュウが無口かつ頑固で何も教えてくれなかったこともあり、初代「雷電魔王」オードリーに憧れている。その一環として恋人を欲しているが、「欲しいものは力尽くで手に入れる」という空賊の基本思考から、好きになった相手を戦闘機で追いかけ回し、撃墜して不時着させた上で告白するという無茶苦茶なことをしている(当然、結果はサッパリ)。
賞金稼ぎのユウゴに一目惚れし、彼が賞金稼ぎを廃業すると知って自分も空賊から足を洗おうとするが、告白する前にユウゴの婚約者が現れたために失敗し、今後も空賊のやり方を貫き通すと涙ながらに決意した。
イベント『ツバキの歌劇団』では男を選り好みできるくらいの有名女優になろうと考え、アレシマでたまたま知り合ったユーカ達を誘って歌劇団のオーディションに参加する。この時、アレンに一目惚れしてアプローチしようとするも悉くケイトに邪魔された挙句、オハラ達を撃退するために「剃刀飛燕」の機体で戦ってしまったため、素性がバレる前に泣く泣くアレンの前から姿を消した。
オボロ(CV:後藤沙緒里)
受け継いだ異名は「鬼鍾馗」。
物静かな性格の女性で、誘拐された兄を探している。
相手の考えや行動を読むことに長ける反面、サクラに尋ねられるがまま全く警戒することなく事情をすんなり話したり、空図(いわば空の地図)が全く読めなかったりと抜けているところが多く、祖父のスザクを亡くして以降は兄以外に身寄りがないため兄への依存心が強い。
そうしたポンコツぶりから兄が「鬼鍾馗」の後継者となっていたが、本当はオボロの方が優れた才能を持っており、誘拐犯たちから兄を救った後、「鬼鍾馗」の異名と機体を譲られた。
ホタル(CV:洲崎綾)
受け継いだ異名は「竜巻疾風」。
愛らしい見た目とは裏腹に無邪気さゆえの狂気を併せ持っており、飛んでいる戦闘機に「ちょうちょ」の幻を見ては疾風で追いかけて攻撃するなど倫理観が破綻している。民間・空賊・自警団など、これまで30機近い戦闘機を無差別に撃墜したため留置所に入れられているが、本人は飽くまで「ちょうちょを捕まえようとしただけ」としか思っておらず、自分が捕まった理由も理解できていない。
自分がムラクモ空賊団の末裔であるという自覚はない。
実はリノウチ出身で、8年前のリノウチ大空戦に巻き込まれた際、両親の凄惨な最期を目の当たりにしたショックで精神に異常を来たすようになってしまった。両親の死からしばらく経ったある日、蝶が両親をあの世へ連れていこうとする幻覚が見えるようになり、両親を連れていかせないために庭中の蝶を捕まえて殺していたため、それを見て恐怖した祖父のゲンブに外出を禁じられていた。やがてゲンブも亡くなり、近所の人によって再び外へ出たホタルは倉庫に封印されていた祖父の疾風を発見し、上述した凶行に及んでいた。後に留置所を脱走し、サクラの家に転がり込む。
華奢で小柄な見た目だが、操縦桿が重い疾風を乗りこなせるだけあって力は強く、脱走の際には看守を素手で倒している。
ネム(CV:小岩井ことり)※集合イラスト右から3番目の頭一つ背の低い女性
受け継いだ異名は「稲妻紫電」。
見た目は小柄だが立派な大人であり、一人称が「わし」など老人のような口調でしゃべる。
ムラクモ空賊団の末裔の中では唯一先代との間に血縁関係がなく、母親にオアシスに捨てられていたところをビャッコに拾われ、育てられた。
オアシスの近くに小屋を建てて一人で暮らしている。何かの研究をしているようで、小屋の中は文献や資料で溢れ返っている。その研究の正体は、愛機・紫電改の自動空戦フラップを利用した全く新しい空戦機動であり、ビャッコから引き継いだもの。
その他
ユーリア(CV:清水彩香)
ガドール評議会議員の女性。
都市ごとの自治と自由を維持しつつ『横の繋がり』で協調しあうことを理想とし、イサオの国家統一連合構想に反対している。
イジツの危うい未来と真摯に向き合い、強い信念を持って行動してる人物だが、議会での過激な発言に加えてエンマ以上に毒舌(というか嫌味)ばかり吐くため敵が多い。
ルゥルゥとは幼稚園からの知り合いで、彼女からは「変態」と評されている。またゴドロウからは「ガドールの高飛車女」と仇名されている。
もっとも、本人も性格の悪さを自覚しているフシがあり、意外と金払いは良く、コトブキ飛行隊がルゥルゥを通さずに請求した報酬を額面通り支払っている(のだが、ルゥルゥ経由だったら値切り倒すつもりだった)。
純粋な人間に対しては性悪になりきれない節があるようで、そのためルゥルゥは報酬の受け取りにキリエを送っている。
普段から味方が少なく孤立していたため、ガドールが自由博愛連合に加わることが決定した際に反逆者とされてしまい、護衛たちの手引きでラハマへ亡命した。
その後、自由博愛連合から攻撃を受けた町の残存戦力を糾合し、ラハマを拠点に反攻の指揮を執る。
志は間違っておらず先見の明もあったが、過激な発言で敵ばかり増やしたという点では有能な政治家とは言い難く、当人も最終話では「ルゥルゥが自分の立場であればガドールの運命は変わっていたかもしれない」と珍しく弱音を吐いた。
後日談にあたる「外伝」の第5話で議員に復帰したことが語られている。
(左がフェルナンド。右がアドルフォ)
ナサリン飛行隊
ナンコーから来たフリーランスの傭兵部隊。メンバーは5人で使用機体は紫電。
現実世界の基準ならエースを名乗れる戦果を上げてはいるが、コトブキ飛行隊にはかなり劣り、予想外の練度を持つ空賊ドブロク団との戦いで全機撃墜された。
その後メンバーは2人だけとなったが、アレシマ防空戦では圧倒的に不利な状況にもかかわらず敵2機をマニューバーキル(相手の操縦ミスを誘い自滅に追い込ませること)しているので、やはり下手ではないようだ。
さらに第7話では故郷・ナンコーの危機に立ち上がり、第10話ではその際の返礼としてラハマ防衛に協力した。そして11話と12話のイケスカ付近の空戦にもユーリア側の一員として参戦している。
エンブレムは本作の空戦アクションを監修しているウイスキーパパ競技曲技飛行チームのものを若干変更して使っている。フェルナンド内海は同チーム代表で本作特殊飛行アドバイザーの内海昌浩氏、アドルフォ山田は同チームパイロットの山田健太郎氏が由来かもしれない。
フェルナンド内海(CV:山本格)
ナサリン飛行隊のリーダー格で、黒づくめの服を着ている。
ドブロク団に仲間が次々と撃墜されていく中、何とか反撃して零戦を一機撃墜したものの、自らも被弾。駆けつけたコトブキ飛行隊に援護され雲海へ離脱し、ラハマ自警団に救助された。
その後はアドルフォと2人だけで他の飛行隊に間借りしつつ、ナサリン飛行隊の復興を目指している。
元聖職者という経歴故か、他の登場人物と比べて自分が「人殺し」であるという自覚を強く持っており、もはや堅気の生き方には戻れないと考えている。
イケスカ動乱後はアドルフォとナオミに祝福の言葉を送った。
アドルフォ山田(CV:松本忍)
ナサリン飛行隊のメンバー。赤髪のお調子者でかなりの女好き。
得意戦法は先制攻撃と目くらまし、撃墜数は11機+不確実7.5機で、キリエからは馬鹿にされつつも「紫電なら頑張ってる方か」と評された。
ドブロク団との戦いで撃墜されたものの生還し、フェルナンドと2人で活動を続ける。
新メンバーが集まらないこともあり、傭兵を引退して大きな街で恋人を見つけ、愛に生きようと考えていた。
しかしその矢先に故郷の危機や自由博愛連合との戦いが始まり、その中で出会ったナオミに一目惚れしてしまう。
必死で彼女に良いところを見せようとするものの鬱陶しがられていたが、動乱終結後にナオミからまんざらでもない態度を見せられ歓喜した。
ミゲル(CV:長谷川芳明)
ナサリン飛行隊のメンバー。蝶ネクタイを締めた金髪の青年で、一番の若手。
生意気な態度だが弾の無駄撃ちが多い。
ロドリゲスが撃墜されたのに気を取られた直後、操縦席後部に被弾して墜落。生死不明。
ロドリゲス(CV:佐々木義人)
ナサリン飛行隊のメンバー。口数が少なく暗い雰囲気の男で、出撃時フェルナンドに「祈ってくれ」と頼むなど、悲観的な印象がある。
ドブロク団の零戦に格闘戦に持ち込まれ、振り切ることができずに撃墜される。
フェルナンドの祈りの甲斐あってか生還できたが、傭兵は引退したようで、最終話では決戦に飛び立つフェルナンドたちや、ラハマへ帰還するアディたちを滑走路から見送っていた。
イスマエル(CV:手塚ヒロミチ)
ナサリン飛行隊のメンバー。
面倒見の良い性格で、キリエと喧嘩したアドルフォをフェルナンドと共に宥めていた。
ドブロク団との戦いで撃墜され、生死不明。
ラハマ町長(CV:桜井敏治)
オウニ商会の拠点であるラハマの町長。かつてはラハマの貴公子と呼ばれた名パイロットだったという。
しかし今や事なかれ主義で一人では何も決められず、民主主義を言い訳に決断力の無さを誤魔化そうとする有様である。
エリート興業が武力をもって雷電とウキヲエの交換を迫ってきた際、自警団の戦力では太刀打ちできない上、コトブキ飛行隊を雇う予算もないことから要求を飲もうとし、エンマから痛烈に非難される。
さらにオウニ商会から「街が一丸となって戦うなら契約料金は安くする」と打診され、町民たちの意思が徹底抗戦に傾いたため戦うことを決意。
味方の旗色が悪くなるのを見て勇気を振り絞り出撃、エンマの窮地を救ったものの、空戦中に飛び移って来たトリヘイに雷電を乗っ取られ、泣く泣くパラシュートで脱出した。
機体に合った一撃離脱戦法を取れていれば結果は変わっていたかもしれないが、早急に援護しなくてはエンマが撃墜されていたため、優位な位置を取る暇がなかったと思われる。
当人は自分の不甲斐なさに涙していたが、助けられたエンマは彼に感謝し、先の非礼を詫びた。
第10話、第11話、第12話では再び雷電のコックピットに座っている。第10話ではエンジントラブルに見舞われたが、第11話では羽衣丸を守るために奮戦した。自由博愛連合との戦いが終わると、雷電のパイロットを引退して次の世代に託すことを決意した。
ラハマ自警団団長(CV:荒井聡太)
ラハマの防空を担う自警団のリーダー。愛機は九七式戦闘機。
勇敢で責任感が強く、不甲斐ない町長に代わって表に出ることが多かった。
第10話では町長が自分の判断でヒデアキの要求を断ったのを見て、笑顔を浮かべていた。
自由博愛連合との決戦にも参加するが、目立った戦果はない。
しかし九七戦で五式戦や紫電改といった高性能機相手に戦い、一度も撃墜されなかったという時点で十分凄腕である(そもそも本編中で撃墜されたことの無いパイロットの方が少ない)。
トキワギ(CV:こぶしのぶゆき)
ラハマ自警団第三支部長を務める中年男性。愛機は九七式戦闘機。
料理屋の行列に横入りしたためチカと大喧嘩になり、彼女に松葉杖で殴られた挙句キリエからも上段回し蹴りを喰らい、さらに投げ飛ばされるなど散々な目に合った。
一言で言えば「大人気ないおっさん」ではあるが義理人情に厚い面もあり、町を守るためには格上の敵機が相手でも臆することなく立ち向かう。
それ故に金で戦う傭兵集団であるコトブキを嫌っていたようだが、第10話、11話ではチカに稽古をつけてもらったらしく、彼女を「チカ姐さん」と呼ぶようになっていた。
最終話の戦いでは撃墜されるも脱出に成功し、救助されている。帰路で町長が雷電を降りると聞いた時は、何故か自分が後継者に推されると思っていた。ただし、ノベライズでは実際に雷電で訓練に励む場面がある。ラハマの雷電は代々町長専用機として乗り継がれてきたはずだが、彼が次期町長なのかは不明。
アレン(CV:山本和臣)※イラスト左側。
ケイトの兄。ユーハングの謎を研究している、飄々とした性格の青年。
かつては妹同様に飛行機乗りだったが、かつてユーハングが現れたゼロポイントの調査中に何者かに撃墜され、一命を取り留めたものの車椅子生活を余儀なくされている。ケイト曰く「治らない可能性が高い」とのこと。第11話では、その犯人がイサオであることが本人の口から明かされている。
当時の愛機は九七式戦闘機(デザインはコトブキ飛行隊機の没案の流用)。
ケイトの兄なだけあって頭脳明晰で、操縦できなくなった今でも射手およびナビゲーターとしては並外れた腕を持つ。しかも研究ノートをヒデアキに奪われてもその研究成果がまだ記憶にとどまっており、オウニ商会に匿ってもらってからも尚(と言うよりはさらに)ゼロポイントや「穴」の研究を行っている。
飛行機乗りだったからか、レオナとも面識がある。第7話でのケイトとの会話から察するに、ケイトはアレンの紹介でコトブキに入った模様。
レオナから呆れられるほどの酒飲みで、当人曰く「酒が入った方が命中率が良い」とのこと。
アプリ版のイベント『オサカナ狂想曲』ではロイグの語るロマンに共感したこと、そして野生の魚の生態を知りたいことを理由に怪盗団アカツキに協力。リリコの操縦する赤とんぼの後部座席に座り、ロイグらを追う空賊を蹴散らした。
サブジー(CV:田中完)
幼き頃のキリエが出会った老人。彼女にとっては人生の師匠。ユーハングのものと思われる書籍や航空機の部品を所有しており、当人もユーハングの航空技術者であったことが仄めかされている。ユーハングが穴の向こうへ帰った後もイジツに残り、周囲と打ち解けずに世捨て人として生きていた。訪ねてくるキリエにやがて心を開き、彼女を愛機の零戦三二型に乗せて操縦を教えたが、何者かが協力を求めて訪れてきた翌日、自宅を焼いて飛び去った。キリエは家の跡地に礎石を起き、度々挨拶に訪れている。
その後、イサオの口からユーハング=日本軍の軍属技術者だったことが語られ、彼への協力を拒んだために撃墜されたことが明らかになった。
そして12話で、手負いのキリエの前に「姿」を表した。
愛機はラバウル等で現地改修された無線アンテナを撤去した仕様で、胴体と主翼に赤いマークの痕跡が残っている。
劇中最強のパイロットであるイサオをして「上手かった」と評するほどの操縦技術を持っていた。
エリート興業
峡谷を根城とする風変わりな空賊。総戦力は40機ほどで隼三型を主力とし、彗星も装備している。塗装は一部を除き赤塗りで、腹面と尾翼には縞模様が施されている。
人事部、営業部などが存在し会社の体裁を取っているが、やっていることは武力に物を言わせたウキヲエの押し売りである。
ラハマの町に殴り込んでまんまと雷電を分捕ったものの、奪還に来たコトブキ飛行隊に砦を攻撃され、さらに人事部長の陰謀により内部分裂を起こしてしまう。結果的に社長のトリヘイはコトブキに助けられた形となり、機体を返却した。
第7話では、ナンコー油田の火災を鎮火するためにキリエとケイトがエリート興業の彗星に搭乗している。さらに11話と12話では、トリヘイと彼の元に残った社員達のみならず姐さんまでもユーリア率いる反抗勢力に参加している。
初登場時および羽衣丸への助太刀の際には酷い歌詞の社歌を流しながら現れたが、それ故、助けてもらったはずの羽衣丸のクルーからは、感謝されるどころかドン引かれてしまった。
アプリ版のイベント画面ではこの社歌がフルで流れており、プレイヤーからは「歌が気になってイベントの説明が頭に入らない」という声も出た。ちなみに、その社歌によれば株式会社らしい。
イケスカ動乱後はラハマに移り、空賊から足を洗って真っ当な株式会社として活動している。
トリヘイ(CV:土田大)
エリート興業代表取締役親分。空戦中に敵戦闘機へ生身で飛び移って乗っ取るという胆力の持ち主。姐さんのウキヲエを本気で素晴らしいと思っており、その良さをイジツ中に伝えるために押し売りを行なっている。間違っても善人ではないが愚直で純情すぎるため悪人とも言い切れない男であり、姐さんを思う気持ちをヒデアキに利用されていた。酒には弱い。
ラハマ攻撃時はヒデアキの彗星の後席、エリート要塞では金富士が描かれた専用の隼III型に搭乗する。
また自由博愛連合との戦いでは姐さんを彗星の後部座席に乗せて参戦した。
商才はある人物で、イケスカ動乱後に真っ当な画商として働き、着実に成果を出している。
姐さん(CV:宮下早紀)
トリヘイが熱を入れる女性。ウキヲエの作者。
周囲からはエリート興業の女帝のように思われているが、実際は純粋に絵を愛する少女。
自分の絵を好きだと言ってくれたザラに雷電の鍵を託す。
可憐な見た目とは裏腹に彼女もエリート興業の一員なだけあって度胸があり、自由博愛連合との戦いではトリヘイの彗星に銃手として同乗し、少なくとも敵2機に後部機銃を命中させ、撃退した。さらに、イケスカでの戦いでは飛行中の彗星の後部座席から出て五式戦闘機のコックピットに乗り移り、操縦者のヒデアキを引きずり下ろして機体を奪うという、トリヘイ張りの荒技まで見せている。
アプリ版のイベントではラハマの画廊で彼女の個展が開かれており、売れっ子画家になったことが窺える。
営業部長(CV:江越彬紀)
エリート興業営業部長。公式の人物紹介でハブられている悲しい男。ラハマ空襲時は隼III型に搭乗していたがキリエに撃墜された。エリート要塞ではヒデアキとともに離反。雷電の鍵を姐さんから奪取しようとしたがザラに昏倒させられ以降の動向は不明。
レオナが育った孤児院で暮らす子供たち。コトブキの面々とも面識がある。
タミル(CV:関根明良)
エンマの学生時代の友人。口調と髪型はお嬢様っぽいが、服装はかなりラフで、人前でアクビをしながらお尻を掻くなどガサツな振る舞いを見せることも。
現在は都市警備のアルバイトをしている。搭乗機は黄色の零戦二一型。
幅広い知識を持ち、考古生物学を研究しているほか、ユーハングが残した施設や工廠等の調査・研究にも携わっている(余談だが、現実における考古学と古生物学は全く別の学問であるため、『考古生物学』というものは実在しない)。
鍾馗を駆り郵便配達員をしている双子の姉妹。
姉のムサコ(イラスト右側)はパンクなファッションに身を包んでおり、妹のヒガコ(イラスト左側)はピンクのメイド服を着ている。
レオナとは昔からの馴染みで、かつては同じ飛行隊で用心棒稼業をしていた。空戦の腕は今も健在で、双子ならではのコンビネーションで相手を翻弄する。腕っぷしも強く、空賊の下っ端程度なら瞬殺できる。ムサコによれば、ヒガコはウッズのようなオジサマが好みらしい。
なお、中の人(達)も双子である。
ナオミ(CV:伊藤静)
「ハートに巻き付いた紫の蛇」をパーソナルマークとする零戦三二型(こちらはアンテナが有る通常仕様)のパイロット。徒党を組むことや特定の組織に居続けることを嫌う一匹狼であり、自由気ままに様々な仕事を請け負うフリーランスの女傭兵。異名は「荒野の女豹」。
三二型の降下性能を生かした戦法を取り、第1話で空賊ドブロク団を率いて羽衣丸を襲撃した。
かつてキリエを撃墜したことがあるらしく、雪辱を果たそうとする彼女を圧倒的な技量で手玉に取り悉く返り討ちにするが、翼を振ってからかうような仕草を見せるなど不可解な行動を取る。6話ではユルギス・コブラ(ロシアの曲技飛行士のユルギス・カイリスが繰り出すテクニックのひとつ。詳細は各自調べていただきたい)に似た難易の度の高い機動を行っている。
キリエが親の仇のように空で事あるごとに絡んでくる事にかなりお冠だったらしく第10話でキリエと初対面した折には開口一番その事で文句を言っていた。また機体の垂直尾翼のパーソナルマークが師匠であるサブジーのものに似ている事も気に入らない理由に挙げていた。
実はキリエ同様サブジーの弟子であり、前述の通りキリエと初対面の際は両者売り言葉に買い言葉で一触即発状態だったが、お互いにサブジーの弟子と知って和解・意気投合した。
富嶽製造工場攻撃では囮部隊であるオフコウ山部隊の隊長を務める。ナサリン飛行隊のアドルフォに一目惚れされ、自分にいい所を見せようとして逆に足を引っ張る彼に怒鳴り散らすシーンが目立ったが、最終的には満更でもない様子を見せた。その後はアドルフォのバカさ加減に辟易しつつも関係を続けている模様。
カミラ(CV:渕上舞)
ショウト自警団の団長。乗機は迷彩塗装の飛燕。マーキングが現実のポーランド空軍のものに酷似している。ザラより露出度の高い服装で、ハイヒールを履いている。
マイペースな性格で、乗機から降りる際に足を滑らせて落っこちるなど少々ドジなところはあるが、腕は確か。
ショウトの町が自由博愛連合の爆撃を受けた後、羽衣丸に助けを求め、自由博愛連合との戦いにも参加する。
戦いが終わった後はショウトの町の再建に意欲を見せている。
ただその後は、ショウト再建に四苦八苦している様で、復興資金を集めるために美人パイロット大会なるミスコンを開催しているほか、『ナツオ整備班長の戦闘機講座』にナツオの助手として招かれた際にはショウトの復興がなかなか進んでいないことでボヤいている。
愛機にはハイヒールでラダーペダルを踏めるようにわざわざアタッチメントを着けており、上述の通り愛機の翼から転落するなどのデメリットがあるにもかかわらず、自分のファッションを変える気は無いようだ。また、「飛燕を愛している」と語る割にはあまり詳しくなかったりする。
また、酒にはあまり強くないようで、外伝やアプリ版では早々に酔い潰れて醜態を晒してしまっている。
ゴドロウ(CV:斧アツシ)
ポロッカ市の市長。イケスカと自博連にポロッカを爆撃された後、ユーリアやショウトに連絡し同盟軍を結成、富嶽製造工場への反撃を試みるも、助役が二重スパイであったため罠にはまってしまう。撤退命令を無視して突撃するが、搭乗していた飛行船ポロッカ1号を撃墜された。この時死亡したと思われたが、続く12話で生存が確認され、残存のポロッカの飛行船と戦闘機を指揮して未だ抵抗を続けていた。結果的に、それが敵を引き付けていたため、コトブキの作戦成功に一役買った。
声が大きく気性の荒い、持ち上げて言えば熱血、馬鹿正直に言えば脳筋寄りの性格であることが窺え、ユーリアからも「アレとハサミは使いよう」と評されている。自由博愛連合がイサオへの権力集中に過ぎないことを見抜いていたため、その点ではユーリア同様先見の明はあると言えなくもない。
ウッズ(CV:三宅健太)
ハルカゼ飛行隊のストーリーに登場するガデン商会のボス。海のものとも山のものともつかないハルカゼ飛行隊を、見込みのある連中と認めて契約した、なかなか豪快なオッサン。スキンヘッド・サングラス愛用・マッチョマンかつ巨漢と、見た目もまた豪快。
実はかつては腕利きのパイロットだった。マダム・ルゥルゥとは旧知の仲にして競合相手。そのつながりで、コトブキ飛行隊のことも把握している。
不愛想でぶっきらぼうだが内には義理堅さと不器用な優しさを秘めており、リノウチ大空戦でイオリの夫が戦死した際、イオリに夫の形見の一つも持ち帰ってやれなかったことに負い目を感じていた。その時にイオリの夫が乗っていた雷電が最近闇取引で売買されたという噂を聞き、裏社会の連中から取り返すためにオウニ商会の協力も得て探していた。後日、ウッズがカグラから奪還した雷電をイオリに届けたリリコは、ウッズが昔から胸の内にしまい込んできたイオリへの想いを察している。
ヤマカゼ飛行隊のサカキは甥であり、彼に飛行機乗りの才能があると見込んで更生も兼ねてガデン商会で飛行機乗りをさせていたのだが、ウッズの思いは彼に届かず、商会を乗っ取られてしまう。その後、身内の不始末のケジメをつけるべくハルカゼ飛行隊やイオリらと共に出撃し、ユーカとの共闘でサカキを撃墜する。
サカキ(CV:石狩勇気)
ガデン商会に雇われている「ヤマカゼ飛行隊」のリーダー。
予備隊扱いのハルカゼ飛行隊を見下しており、顔を合わせる度に嫌味を言っている。
しかしガーベラから自分の戦果について言及された際に言葉を詰まらせているため、彼自身もエースを名乗れるほどの腕ではなく、自分より劣る相手を見下して優越感に浸っているだけと思われる。
実はウッズの甥で、悪い連中とつるんで遊んでばかりいたところを伯父のウッズに無理矢理ガデン商会に入れられた。最初こそ重宝されていたが、ウッズがいつまでも一人前と認めてくれないことやハルカゼ飛行隊の台頭で自分が特別扱いされなくなったことに不満を抱くようになる。ガーベラとカスミの密会を偶然目撃したことから、ガーベラが生きていることやカスミが組を騙していたことをルワイ組にバラし、ハルカゼ飛行隊の不在時にルワイ組を手引きしてガデン商会を乗っ取ったものの、結局はウッズとハルカゼ飛行隊の返り討ちに遭った。
イオリ(CV:石井未紗)
サハヤに住む老婆。かつてはとある飛行隊の女ボスで、その飛行隊のメンバーにウッズがいた。そんなこともあり、彼を堂々と「ハゲ」と呼ぶ。
今でも優秀な技術者であり、さらには飛行機の操縦も卓越している。搭乗機は夫の形見だという屠龍。その夫はウッズの幼い頃からの親友であり、本職は技師だったのだが、ウッズを支えるために参加したリノウチ大空戦でウッズの目の前で撃墜され、そのまま帰らぬ人となった。
ベルの父(CV:伊丸岡篤)
働きもせずにギャンブルばっかりしている、面構えからしてだらしない(良く言えば優男面の)ダメ人間。当然ながら嫁には見捨てられた。ただ、ギャンブルで本気を出すと対戦相手を、それこそ身ぐるみ剥ぎかねないくらい強く、ナツオをして「本物の博徒」と言わせしめている。ゆえに「勝ってばかりじゃつまらないからな」と言う理由で手加減している(と言うよりはせざるを得なくなっている)。
「自分の血を引いていて、立派な博徒になれる」という、かなりムチャクチャな理由から、ベルが飛行機乗りになることを快く思っていない。
ガドールでも指折りの大地主の父と、見た目も性格もダリアそっくりの母。
父は強面だが性格は穏やかで優しく、そしてお人好し。貧しい人を救い続けるのはいいが、それ故に自分たちも清貧生活を送る羽目になってしまった。
母は没落貴族の娘で、父とはいわば政略結婚だった。もっとも、怖い顔に怯えていることを除けば夫のことを愛している。
カスミ(CV:高橋李依)
ルワイ組の幹部で、ガーベラの姉。
ボスである父を含めた周囲が妹のガーベラにばかり注目し、期待を寄せていたことに嫉妬とコンプレックスを抱いていた上に、ガーベラが後継者の座を放棄して家出したことに憤っている。後に、父から一家の掟に従ってガーベラを始末するよう命じられ、一度は妹を殺す決意をしたものの、肉親への情を捨てることが出来ず、父には「ガーベラは始末した」と嘘の報告をしてガーベラを自由の身にしている。その後は部下のタクミにガーベラとガデン商会を監視させていた。
サカキの密告によって父の裏切りに遭い、命の危機に晒されるもガーベラとその仲間達、そして自分を慕う部下達に救われる。今の組長が自分達の実の父ではなく、それどころか本当の両親の仇であることを知っており、ケジメをつけるために組長を殺そうとするが、ガーベラの説得で踏み止まり、彼をルワイ組から追放した。その後、そのままルワイ組の新たなボスになり、シマのカタギからも慕われるマフィアを目指すためにゲキテツ一家との同盟を進めている。
搭乗機は雷電。
ナズナ(CV:市ノ瀬加那)
エリートが集う名門として有名なスズロカの高等学校を首席で卒業し、史上最年少でスズロカ評議会の議員となった才女。ユーリアに憧れている。
高齢ゆえに長旅ができない祖父の代理としてリオンで開かれる大評議会に出席することになり、祖父の配慮でハルカゼ飛行隊が護衛することになった。
学生時代は学内での派閥争いが激しかったこともあって友達が出来ず寂しい日々を送っていたが、年が近いハルカゼの面々が友達になってくれたことを喜んでいる。
空賊のようなならず者達の多くが生きていくために仕方なく違法な行為に手を染めていることを理解しており、彼らを救うためにも自分達政治家が一刻も早く法を整備していかなければならないと考えている。
リオンに到着後は評議会でマジマの汚職を告発し、先頭に立って捜査を進めている模様。
アタル
レンジの弟。
病弱ながら頭が良く、その評判を聞いたマバリの富豪に買われていった。
レンジは弟が奴隷のような扱いを受けていると思っていたが、後に富豪の養子として大切に育てられていることを知る。ただし、今はまだ後継者候補の一人に過ぎず、重い心臓病を患っていることもあり、「夜明けの鷹」の財宝の在り処を突き止められそうにないと判断されれば即刻切り捨てられるという微妙な立場にある。
姉に何も相談せず富豪の養子になったことに負い目を感じており、自分に残された時間が少ないことから、姉に一目会って直接別れを告げたいと思っている。そんな矢先、家政婦として屋敷に潜入していたリガルの正体がラムダにバレて処分されそうになるが、ダグとリガルに救出され、アカツキのアジトでレンジと再会を果たす。しかし、離れていた時間が長かったせいか、レンジを見ても自分の姉だと気付かなかった。別れ際に、お上が探している「夜明けの鷹」の財宝が「穴」から落ちてきた未知の戦闘機であることをロイグ達に伝え、カランの父に手術してもらうためにラーナへと旅立った。
ちなみに、リガルやウメコから見てレンジとは似ていないらしく、リガルは「繊細で知的な美少年」、「母性本能をくすぐるタイプ」と評している。
マヨナカ探偵団
リーダーで常識外れの推理力を持つウメコ、助手でものすごい記憶力と強力すぎる顎の持ち主であるミカン、お茶汲み(→肩もみ)で剣道の達人のユズハの3人からなるチビッ子探偵団。ロイグの祖父から怪盗団のリーダーを連れてきてほしいと依頼を受けており、専用の九七式戦闘機(後にキ64試作重戦闘機にアップグレード)まで与えられている。モアの機体に潜り込んでアカツキのアジトを突き止めたものの、モアのカレーであっさり懐柔され、ニセアカツキを捕まえるために手を組むことになる。
ロイグの祖父
戦闘機レースを足掛かりに富を築き、引退後は戦闘機を売買する会社を立ち上げて大富豪に上り詰めた。現在はロイグの父に事業を任せて悠々自適な老後を送っている。
ある時、アカツキの記事を見てすぐにロイグの仕業だと見抜き、屋敷に忍び込んだウメコ達を居候させてやる代わりに怪盗団のリーダーを連れてくるよう依頼した。
人柄は豪快かつ破天荒で、育ての親としてロイグに様々な影響を与えているが、同時に苦手意識も抱かれている。
ロイグの両親
父は現在祖父の会社を引き継いでいるが、若い頃から冒険好きで世界中を飛び回っているためロイグは殆ど会ったことがなく、母とは一度も会ったことがない。祖父の話では、ある日父親が赤ん坊のロイグを連れて帰ってきたと思ったら、娘を預けてまた旅に出たらしい。
ダグ
アタルが住むマバリの屋敷で門番をしている男。屠龍を所有している。
レンジに片想いしていることもあってアタルには親身になって接しているものの、アタルが正式に後継者に選ばれれば、それこそ姉弟の再会は永遠に叶わなくなるため、レンジには早く弟のことを諦めて自分の幸せを探すよう促している。
後にリガルの正体がラムダにバレてアタルが処分されそうになったため、リガルと共にアタルを屋敷から救出し、カランの父が居るラーナへアタルを送っていった。
カランの両親
外科医の父と生物学者の母。
二人とも筋金入りの研究者で、幼い頃のカランは両親に遊んでもらえなかったが、そんな両親なりに我が子への愛情はあったとカランは語る。
母は昆虫や植物など幅広く研究しており、現在は人工栽培した珍しい植物を売って生活している。
父は現在ラーナという町で病院を経営しているのだが、別の女性と所帯を持っているだけでなくカランの異母弟までもうけている。しかし、カランも母もそれを全く気にせず平然と受け入れていたため、レンジを唖然とさせた。
カランによれば両親にとっては結婚生活も実験のようなものらしく、その「成果」とも言えるカランが自立したことで二人は別れ、父は家を出て行ったようである。
ニッカ
ベッグの幼馴染で、同じ一族の出身。
ベッグとよく似た格好をしており、彼女も語尾に「なのだ」をつける(どうやら一族共通の語尾らしい)。
現在はロイグの実家で働いている。
ドレミ
元空賊のチンドン屋「ヒメギリス団」の団長で、世界一の歌姫を目指している。
「夜明けの鷹」の子孫であるジンタと共に財宝を探しており、そのためにベッグの一族に自分の雷電を出世払いで改造してもらおうとして揉めていたところ、帰郷したベッグについてきたカランの提案でベッグと決闘することになる。ベッグの悪癖もあって一時は追い詰めたものの、逆転され、敗れた。
典型的なツンデレキャラであり、人前でジンタとイチャついてはガクトとゴロスを呆れさせている。
ジンタ
ドレミの幼馴染で、ヒメギリス団の整備士。
「夜明けの鷹」の整備士だった人物を祖父に持つが、自身は戦闘機に乗るのが怖く、そのせいでドレミにばかり戦わせていることに負い目を感じている。
ドレミがベッグとの決闘に敗れた後、祖父から受け継いだ「財宝の鍵」をベッグ達に譲った。
メグロ
オキノの賭場にある地下闘技場で無敵を誇る「オトコブシ団」のリーダー。
ロイグの祖父と親交がある富豪の息子で、ロイグの見合い相手。ブロッコリーのようなアフロヘアーが特徴。
自分の人生を親に決められるのが嫌で家を飛び出し、親友のカズヤ達と共にオトコブシ団を結成した。
どうしても嫌なことがあると泣きながら逃げ出すなど子供じみたところがあるが、根は真っ直ぐな熱血漢であり、メンバーのカズヤ、イッペイ、ヒカルとは男同士の熱い友情で結ばれている。
カズヤ
オトコブシ団の一員で、メグロとは幼い頃からの親友。目つきが鋭いワイルドな風貌の青年。
子供の頃、友達が居なかった自分に声を掛けてくれたメグロを「本物のヒーロー」として慕っている。
「夜明けの鷹」の副団長を祖父に持ち、祖父からは「夜明けの鷹」が姿を消した真相を聞かされているが、財宝を持ち去った団長の行方については知らない。
マダム・クロード
ベニヤンマ団の雇い主。ナルシストのドロシーをして「敵わない」と言わしめるほどの美貌を持つ。
普通の戦闘機レースに飽きてしまい、賛同者を募ってルール無用の裏レースを主催している。
「夜明けの鷹」の団長の孫であり、その遺産を元手に財を成したが、怪盗団の血筋ゆえか、欲しい物はどんな手を使ってでも手に入れようとする。
祖父が遺した財宝に関する重要な情報を握っているため、ラムダによって薬で眠らされ、モア共々攫われてしまうが、ベニヤンマ団によって助け出される。そして彼女たちの助太刀をしたロイグにその情報を提供した。
ゲキテツ(CV:杉崎亮)
ゲキテツ一家のストーリーに登場するゲキテツ一家の首領。かつてタネガシの街を巻き込んだ仁義なき戦いを自分だけで終結させたと言う伝説を持つ。さらにイジツの裏社会では知らない人はまずいないと言われるほど、影響力を持つ。
強さと優しさを兼ね備えた好人物だが、寄る年波には勝てなくなってきていた…と思いきや、生涯現役を宣言している。
フィオやローラの親代わりとなった人物で、ローラ曰く「マフィア同士の抗争が絶えなかったタネガシに突然現れ、全組織を統一した」とのことである。実はユーハング出身で、その影響でゲキテツ一家は名乗り口上や盃の儀式など、日本のヤクザを彷彿とさせる習慣を持っている。また、占いと大差ない精度ながら「穴」の出現場所を予測する術を持っているため、「穴」の情報を欲する極殺会に拉致される。
ユーハングではタネガシ方面の治安を任された司令官だったが、自分達が持ち込んだ武器や戦闘機がマフィア同士の抗争を激化させ、その結果多くの民間人が犠牲になったことを悔い、その責任を取るためにイジツに残った。しかし、「穴」の向こうにある故郷や戦友を忘れたことはなく、いつか再び「穴」が開いた時は「穴」を通って向こうに戻り、今も続いているかもしれない戦いに身を投じるつもりでいた。ゲキテツ一家と極殺会の抗争が手打ちになった後、フィオに必ず戻ると約束し、彼女の戦闘機で「穴」の向こうへ旅立って行った。別れ際にフィオを後継者に指名したが、フィオはゲキテツの帰還を信じ、首領の座を空席にしている。
ヘイハチ(CV:柳田淳一)
フィオ組の副長。バンダナで目元を隠した出っ歯の男。
いつも一言多いため、しょっちゅうフィオにどやされている。しかし、ある意味フィオに堂々と意見できる人物であるため、他の組員からの信頼は厚く、フィオも何だかんだで信頼している様子。
愛機はフィオと同じく紫電。
クロ(CV:坂泰斗)
レミ組の副長。レミの下で諜報活動などを行っている青年。
レミとはスラム街の頃からの付き合いで、公私ともにレミを支える。
少年時代にずっとひもじい思いをしていたため、かなり食い意地が張っている。
ヴィト(CV:濱本大史)
シアラ組の副長。眼鏡をかけた優男。
彼もまたシアラの調教でマゾに目覚めており、シアラに口答えしては「ご褒美」をもらっている。
シアラの残り香を寸分違わずかぎ分ける訓練を己に課している。
サダクニ(CV:綿貫竜之介)
イサカ組の副長にしてイサカの育ての親。
抗争で両親を失い、身寄りをなくしたイサカを養女として引き取った。
自分に代わってシマを治め、カタギ衆からも慕われているイサカに眼を細めているが、本心は自分の跡を継ぐどころか、カタギの人間として真っ当な道を歩んで欲しかったらしい。
トラオ(CV:白石兼斗)
ニコ組の副長を務める人物。
ニコの腕っ節の強さに一目置いているのはいいのだが、その事に関して下っ端共に尾ひれを付けて話してしまうことがしばしばある。
キクチヨ(CV:石狩勇気)
ローラのマネージャー。
ローラの芸能活動を取り仕切る。
ただし立場上ローラ組の副長ということにされている。
ドクダミ一家
タネガシ近郊にある空の駅跡地に築かれた歓楽街を仕切っているマフィア。
組長のタカオをはじめ全員オカマという異色すぎるマフィアで、オカマバーを経営している。
アワモリ団という空賊にシマを狙われていたところにイサカとレミからゲキテツ一家との同盟を持ち掛けられ、彼女たちと手を結んでアワモリ団を撃退する。
全員がサダクニを気に入ったこともあり、以降は歓楽街ならではの情報網を駆使してイサカ達をサポートする。
ゲキテツ一家と極殺会の抗争ではゲキテツ一家に加勢するのだが、誰がサダクニのケツにつくかで揉めていた。
バンカラ一家
学ラン風の衣装を身にまとう新興マフィア。イジツ中のマフィアの統一という、何とも気宇広大な野望を抱いている。ゲキテツ一家とガチンコ対決をし、自分達がまだまだ甘かった事を思い知ったのはよかったが、フィオ達の濡れ衣着せられの巻き添えを喰ってしまい、刑務所送りにされた。
団長のトドロキがフィオに、副長のマコトがローラに一目惚れした事もあったのか、フィオの一件が解決した後、ゲキテツ一家と同盟を結んでいる。
ゲキテツ一家と極殺会の抗争では、再編されたタネガシ自警団を引き連れてゲキテツ一家に加勢する。
ナギサ(CV:天海由梨奈)
シクヤマでエクレア一家に反抗しているレジスタンスのリーダー。
顔がフィオと瓜二つだが、フィオと違って髪がピンクで、性格も礼儀正しい。
彼女達シクヤマの集落に住む者達はエクレア一家に土地を追われ、更にそのシクヤマでユーハングの隠し施設が見つかったことでシクヤマからも追い出されそうになっていたが、ニコがナギサを気に入ったことで結果的にエクレア一家から救われる。
ゲキテツ一家と極殺会の抗争ではミサキ達と共にニコのもとに駆け付け、ゲキテツ一家に加勢する。
ミサキ(CV:竹内恵美子)
ナギサの姉。
タネガシ刑務所に収監されている囚人で、半年前に当時の牢名主をボコボコにして女囚達のリーダー格に収まった武闘派。
元々は彼女がシクヤマのレジスタンスを率いていたが、エクレア一家と裏で繋がっているヒジリに濡れ衣を着せられ、従わなければ妹も同罪で刑務所送りにすると脅されて止むを得ず投降した。
病的なシスコンで、ナギサにそっくりなフィオを気に入って一方的に自分の妹に認定し、顔を舐め回している(そのせいでローラがマジギレしそうになった)。
フィオ達が収監された翌日に行われた囚人同士の模擬空戦でローラを始末するために搭載された実弾でヒジリを狙うも失敗し、絞首刑を言い渡されてしまうが、ヒジリの失脚によって冤罪が晴れ、妹との再会を果たす。
ナミエ(CV:南早紀)
タネガシ刑務所に収監されている女囚の一人で、ミサキの腰巾着。
ミサキ曰く「新入りの世話を焼くのが好き」らしく、新しい女囚に自分達の「しきたり」を教えている。
ミサキを慕う気持ちは本物だが、ミサキの実妹のナギサに嫉妬している。ゲキテツ一家と極殺会の抗争後、バンカラ一家のマコトと文通している。
ローラの父
故人。生前は極殺会というマフィアに雇われていた暗殺者で、狙撃の名手として恐れられていた。
ローラには「生き抜くための手段」として狙撃をはじめとした暗殺の技術を叩き込んだ。
ある日、組織から裏切り者の烙印を押され、妻共々殺害された。しかし、実際は極殺会のボス・ナンブから後継者に指名されながら独立しようとしたため、独立を賭けた決闘で命を落としており、直後に妻も流行り病で亡くなったのが真相である。
アルバート
カナリア自警団のストーリーに登場するイヅルマ市自警団の部長。アコ達の上司。
エルに一方的に好意を抱いているようでセクハラまがいの言動が目立つ。
初代イヅルマ市長の子孫で、現イヅルマ市長の弟であり、現在の地位もそのコネで得た。
サクラ
フリーの女性記者。愛機は鍾馗で、鹿撃ち帽をかぶっている。
カナリア自警団の取材のために自警団本部を訪れたが、カッコつけすぎた自己紹介に引いていた。その後、70年の時を経て再び現れたムラクモ空賊団の正体を暴いてスクープにすべく行動を開始する。
アカツキ編の第2章では、ニセアカツキの記事を書いた記者ということで接触してきたロイグらと情報交換をしているほか、名パイロットのトレカ収集を趣味としていたことが明かされた。
トニー
ユーヒガ丘を拠点としている暴走飛行団の総長。
手下達の前ではアウトローの一匹狼を気取っているが、実は金持ちのボンボンであり、今でも小遣いをもらっているなど親のすねをかじっている。
以前ヘレンにプロポーズしたことがあるが、作中で「タイプじゃない」と振られた。
素性がバレたことで手下達の大半に離反され、チームは解散状態となったが、後に地元の不良たちと共にカナリア自警団の私設応援団を結成し、その団長となった。
ジノリ
イヅルマの老人ホームに住む老人。偏屈な性格の頑固者で、いつも一人でいる。
かつてはイヅルマ自警団に所属していた腕利きの整備士であり、アコの父トキオのこともよく知っている。
アコとリッタに請われ、彼女たちに自分の技術を伝授する。
トキオ
アコの父。かつてイヅルマに存在した少数精鋭のエリート部隊・イカルガ自警団の団長にして、「空の英雄」と呼ばれた伝説のエースパイロット。卓越した操縦テクニックばかりか、下手な整備士も真っ青のメンテナンスの腕前の持ち主でもあった。
10年前に不慮の事故でこの世を去ってしまったとされているだが、それは事実ではなく、ジョージによればパトロール中に雲の中で突然機体ごと消えてしまったらしく、ジョージは最後の通信の内容から「穴」に吸い込まれてしまったのではないかと推測している。当時は「穴」のことがよく知られていなかったこともあり、市民の混乱を防ぐために上層部の情報操作によって表向きは事故死として処理された。
ちなみに、サクラによるとベビーフェイスだったらしい。
ミヤコ
アコの母。実は元イカルガ自警団の一番槍で、赤く塗られた紫電で空賊を撃墜しまくっていたことから「赤い悪魔」の異名で恐れられた。娘に語っていた「雑用係」とは「雑魚を蹴散らす係」という意味であり、本人によれば星の数は夫より多かったらしい。
トキオとの結婚を機にイカルガ自警団を辞めた後も自家用機である紫電のコックピットに座ることがあり、パイロットとしての腕は今なお健在。
夫が消えたとされる「穴」について調べているが、やはり独力では限界があるようで、有力な手掛かりを得られずにいる。
現役時代から危ない仕事ばかり進んでやるような生粋のじゃじゃ馬娘であり、カナリア自警団がパロット社の陰謀で活動休止に追い込まれた際はパロット社の本社ビルに潜入するなど、じゃじゃ馬ぶりの方も今なお健在である。
どこまで本気にしているのかは不明なもののアコとシノの仲を誤解してしまっている(そのせいでミントが心に深い傷を負う羽目になった)。
ジョージ
ヘレンの父。元イカルガ自警団の副団長にして「空の貴公子」と呼ばれた伝説のパイロット。
団長のトキオの相棒であり、トキオが消息不明になった後、彼が居ない自警団に未練はないとして自警団を辞め、現在はミルクの配達で生計を立てている。
エルの家族
イジツでも有数の大富豪。
元ピアニストの母は良くも悪くも親馬鹿で、娘に才能があると確信してピアノの英才教育を施していたため、エルが自警団に入ったことを今でも快く思っておらず、エルを自警団に誘ったアコを「泥棒猫」・「悪魔」と呼んで目の敵にしている。エルとの親子喧嘩がヒートアップすると、実弾を使った空戦に発展する。
実業家の父は温厚な性格で、膝を悪くしているため現在は車椅子に乗っている。妻子への愛情は本物だが、妻と娘の喧嘩を見て、その激しい感情のぶつかり合いを「美しい」・「美の極致」と評するなど常人には理解しがたい感性の持ち主。
執事の爺やは元傭兵として活躍した戦闘機乗りで、エルとその母親の空戦を力ずくで止める役割も担っている。
なお、母と執事の爺やの愛機は飛燕。
ハヤト
飛行機泥棒の少年。生意気な性格で、顔を合わせる度にアコやリッタにセクハラしているが根はウブであり、自分を気に入ったヘレンにはタジタジになっている。
パロット社の倉庫に忍び込んだ際に捕まってしまい、生かす代わりに黒い雷電のテストパイロットをさせられていた。
シラサギ自警団を壊滅させた後、アコに敗北。ツバメに口封じのために始末されそうになるが、カナリア自警団に助けられ、その後はジノリの下で整備士として働くことになる。
アルバートの兄
現イヅルマ市長。
容姿が弟とそっくりで、性格の方も弟と同じくスケベで優柔不断なダメ親父。普段は秘書のカモメの言いなりになっており、実質的に彼女を通じてウタカの傀儡にされてしまっている。
後にウタカから用済みとみなされ、イヅルマ100年祭ではウタカの陰謀で事故死に見せかけて殺されそうになったが、カナリア自警団の活躍で難を逃れた。
コータ、ミナミ
アレシマに住む兄妹。
マフィアの抗争に巻き込まれて両親を亡くし、二人で生きていくために闇市で家の物を売って生活費を稼ごうとしたが、場所代のことを知らなかったためにゴリオシ一家に目を付けられてしまう。
レオナ、チカ、レミ、ニコ、レンジ、モアがゴリオシ一家を追い払ってくれた後は、レオナの提案でラハマの孤児院に身を寄せることになった。
また、妹のミナミは両親を喪ったショックで失語症になっていたが、モアの危機を救うために勇気を振り絞り、失語症を克服した。
オードリー
クロエの祖母。ムラクモ空賊団の初代頭領にして初代「雷電魔王」。
若かりし頃、キリンたちを率いてイジツの空で暴れ回った女傑であり、ある時一人の男性と恋に落ちて結婚し、息子を出産した。
孫のクロエに戦闘機の操縦をはじめあらゆる技術を叩き込んだ師匠だが、その指導はかなり荒っぽかったようで、クロエを雷電の翼に括り付けて飛んだこともあったという。
夫は既に亡く、更に10年前の事故で大切な一粒種であった息子とその妻(クロエの両親)が他界したショックで生きる気力を無くしてしまい、今ではすっかりボケてしまっている。
ユーハングの文化について詳しかったようで、クロエにはユーハングの昔話や諺を教えていたほか、高貴な婦人が特別な時に着るという「ジュウニヒトエ」なる華やかな着物も持っていたらしい。
キリン
ミヤビの祖父で、初代「零戦胡蝶」。
かつてはその明晰な頭脳でムラクモ空賊団の参謀を務め、解散後は自ら立ち上げたキリン商会の社長(兼空賊の頭目)として辣腕を振るい、表向きは清廉な経営者を演じながら裏で競合他社を蹴落としてのし上っていった。
妻ばかりか後継者になるはずだった息子夫婦(ミヤビの両親)にまで先立たれており、そのせいか後継者に関しては商才のある人間ならば孫のミヤビでなくともよいと考えていた。
だが、それに猛反発したミヤビとの賭け将棋に敗北、「零戦胡蝶」の異名と機体をはじめ、キリン商会と子飼いの空賊に至るまで、自分が築き上げてきた全てを実質的にミヤビに乗っ取られてしまう。
しかも、この頃には心臓が相当弱っていた上に、このミヤビの乗っ取り劇で心労が重なった結果、3年前にこの世を去った。
オボロの兄
賞金稼ぎに捕らえられてしまい、消息がわからなくなってしまっている。
実は「鬼鍾馗」の異名と機体を受け継いだのは彼だった。
妹のオボロの話を聞く限りでは物凄いシスコンのようで、オボロもまた極度のブラコンだったりする。
オボロが自分を立てるために身を引いていたことを知っており、オボロが祖父から受け継いだ力を発揮して誘拐犯たちを蹴散らしたことで妹の方が優れた才能を持っていることを再認識し、救出された後に「鬼鍾馗」の異名と機体をオボロに譲った。
「本職」は医者。
ゲンブ
ホタルの祖父で、初代「竜巻疾風」。
ムラクモ空賊団解散後は息子一家3人と共にリノウチで生活していた。しかし、リノウチ大空戦で住処と息子夫婦を喪い、ホタルは精神を病んで庭中の蝶を殺すという奇行に走り始めてしまう。
ゆえに改めて住処とした場所からホタルを一歩も外に出さない様にしたのだが、やがて寿命でこの世を去り、ホタルは近所の人々によって外へ解き放たれてしまった。
ビャッコ
ネムの養父で、初代「稲妻紫電」。
捨て子であったネムを実の娘の様に育てただけでなく、彼女に空と世界のことを教えた、いわばキリエに対するサブジーの関係に近い。
紫電改の動きの研究をしていた。
今際の際に自分とネムとは赤の他人であったことを告白、自分がいなくなったら本当の親を探す様告げたが、ネムはこのことに関してはあえて裏切っている。
敵
ドブロク団
第1話に登場した空賊。使用機体は零戦二一型で、飛行帽をかぶった蛇(のような生き物)のマークを描いている。
蛇のマークのパイロットに率いられて羽衣丸を襲撃。空賊としてはかなり高い練度を持ち、コトブキに先んじて迎撃したナサリン飛行隊を全滅させた。羽衣丸に積み荷の引き渡し要求などをせずいきなり墜とそうとしたり、多数の味方が撃墜されても退却しないなど、略奪が目的ではなかった可能性が高い。
シロクマ団
第2話に登場した空賊。シロクマ団と言いつつ猫のマークを描いている。
使用機体は九六式艦上戦闘機のはずだったが、何故か飛燕を装備しており、ユーリアを乗せた羽衣丸を大編隊で襲った。この世界において整備に手間のかかる液冷エンジン機を配備できる勢力は限られており、本来なら空賊が運用できる機体ではないらしい。
空賊第三百一親衛隊
ユーリアとイサオの会談に際し、アレシマの町を爆撃しようとした組織。使用機体は四式重爆撃機と零戦五二型。
名前は公式サイトからの引用。誰の親衛隊なのかは不明。
謎の組織
ナンコー油田火災の消火を妨害したり、羽衣丸のハイジャックを行った組織。四式戦闘機や屠龍(37mm戦車砲搭載型)を装備しており相当の腕前を持つ。機体性能で上回るとはいえナサリンの紫電2機、コトブキの隼I型4機、彗星1機の7機を相手にたったの4機で翻弄、紫電1機、隼I型1機を撃墜し、味方に1機の損害もないまま撤退した。
ロータを襲撃したのもこの集団と推測される。
ただし、ある都市やある団体が裏で手を引いていたらしい。
自由博愛連合
組織そのものに関しては用語の項目を参照。
ここでは関係者について述べる。
イサオ(CV:小西克幸)
イケスカの町に本社を構えるトウワ・ブユウ商事という商社の会長を務める男性。国家統一連合構想を掲げて政界へも進出しつつあり、各都市の自由を重んずるユーリアにとっては政敵である。
次期市長候補の呼び声も高く、8話で正式に市長に就任した。
一見、やたらと陽気なマシンガントークを繰り出しつつ手品を披露しまくる人当たりの良い優男だが、実は煮ても焼いても刺身にしても喰えない人物であり、その本性は貪欲かつ利己的で、自分に従わない者や利用価値のない人間には容赦しない冷徹な男である。ユーリアはこの人物を政敵というだけでなく人間的にも嫌悪しており、また彼女と仲の悪いルゥルゥも彼を嫌悪・警戒しているようである。
その一方で実は“天上の奇術師”の二つ名を持つ腕利きのパイロットであり、8年前のリノウチ大空戦では12機を撃墜。アレシマでは本来は戦闘機ではないはずの流星を操って、空賊第三百一親衛隊の零戦五二型2機を撃墜し、四式重爆撃機2機の内コトブキ飛行隊が撃ちもらした1機を狙撃して航行不能に追い込んでいる。さらにユーリアが集めた反抗勢力との戦いでは震電に搭乗し、映像で確認出来るだけでも12機撃墜・撃破、またその戦いでは相手の作戦に嵌ったと見せかけて罠を張る指揮官としての策士ぶりも発揮している。
イジツの空に時々開く「穴」の独占を企んでいるようで、第9話以降は穴の発生が予測されるポイントにある町に言いがかりをつけ、一方的に爆撃するという蛮行に出た。
かつてリノウチ大空戦でイサオに助けてもらったことがあるレオナは、その蛮行を「普通じゃない」と評しつつも、彼は人の為に行動を起す人と心の奥底では信じていた。またサネアツは空賊への厳罰化や特産品の専売制での価格の安定などではイサオを支持し、ケイトは自由博愛連合を合理的と客観的に評している。その一方でユーリアやルゥルゥだけでなく、エンマは「他人の痛みを想像できないタイプに見える」「(己の野望の為に街を焼き払う)とんだ外道」と非難し、ザラも不信感を抱いていた。また飛行機にも多くの規制を設けようとしているため、自由に飛べなくなることからキリエも彼を嫌っており、第9話でコトブキを引き抜こうとした企業がブユウ商事と提携していると知って即答で拒否している。チカは最初イサオを「手品が得意な面白い人」と思っていたが、爆撃の件を知って掌を返した。
第11話から搭乗している震電は機体下面にフォルスキャノピー塗装(操縦席風の塗装)を施してある。ユーリアら反抗勢力を一時撃退した直後、「穴」がイケスカ付近に出現することが発覚し、第12話ではジェットエンジンに改修した震電を駆り、イケスカ市街に乗り込んできたコトブキ飛行隊を迎え撃ち、最後まで苦しめた。最後は半ば錯乱した状態で自身の欲望を剥き出しにしながら、羽衣丸の爆発によって閉じていく穴の中へと突っ込んでいき、消息不明となった。
エースパイロットのトレカになるほどの名高いパイロットだったが、サクラによるとイケスカの動乱以降、彼のカードの価値が暴落したらしい。
(イサオの後ろを歩いている人物)
執事(CV:中博史)
イサオが若かりし頃から仕えている老齢の執事。燕尾服を着ている。
如何なる状況でもイサオをサポートしており、アレシマでは流星に同乗して出撃した。
第11話と第12話ではキ64に搭乗し、反抗勢力を迎撃する。地上のクレーンを使った罠でザラに勝利するが、レオナの捨て身の戦法で撃墜される。
辛くも生還したが、羽衣丸阻止に「失敗」したイサオが(羽衣丸から脱出したサネアツらと入れ替わる格好で)消滅する穴へ消えて行く姿を、ただ見届けることしか出来なかった。
声優や服装、11話での台詞から、かつてサブジーを訪ねてきた人物は彼と思われる。
ヒデアキ(CV:真殿光昭)
元々はエリート興業人事部長であった。公式の人物紹介では人事部長名義だがスタッフロールでヒデアキと表記されている。搭乗機は彗星12型。何者かと内通しており、コトブキ飛行隊の襲撃に乗じて離反。雷電の持ち逃げを目論むがザラに奪還されてしまったため、彗星に乗って遁走した。当人曰く「専門は頭脳労働」とのことだが、相手が不慣れな機体だったとはいえザラの追撃を振り切るほどの操縦技術を持つ。姐さん曰く、トリヘイを唆して悪事へ向かわせた張本人。
第7話で登場した彗星は彼の乗機とは別。第4話のラストでトリヘイらがロータでコトブキ飛行隊を見送る場面に映っていた機体と思われる。
第9話では内通相手の指示でかアレンの入院先に押し入り、彼の留守中に病室から研究記録などを盗み出している。さらにユーハングについて知りすぎたアレンを抹殺しようと目論み、刺客として紫電改の部隊を差し向ける。
第10話では自由博愛連合の使者としてラハマの町に現れたが、戦う覚悟を決めた町長らに追い返された。第12話では抵抗勢力を迎撃したものの、姐さんに機体を奪われ、その後はイサオが裏で雇っていた空賊達を参戦させた、のは良かったのだが、イサオが穴の中に突入してしまったのを見た空賊達がその場を去ってしまったため、徒労に終わった。
後日談の「大空のテイクオフガールズ!」では消息は判明していないが、もう一つの後日談のノベライズ版では、一部の空賊を裏で操り、自由博愛連合の復活を目論む姿が描かれた。
その他
クマギリ
地上げ屋。
羽衣丸の留守を狙ってラハマの孤児院に度々嫌がらせを行い、立ち退きを迫る。しかし、先行して戻ってきたレオナに雇っていた空賊を撃退され、更に目当ての土地をオウニ商会が買い取ったため、孤児院に手が出せなくなってしまった。
ゴンザ(CV:村上裕哉)
空賊アナモグラ団の頭領。
タミルが調査していたユーハングの秘密工廠に押し入り、施設内の希少金属や設計図、酒などを強奪する。
しかし、彼の本当の狙いはタミルであり、以前アレシマで見かけた際に一目惚れしたことを明かしてプロポーズずるが、相手にされなかった。
第3章ではアナモグラ団の復興資金(とタミルとの結婚資金)を稼ぐために忍び込んだ砂の城でハルカゼの面々と再会し、彼女達と一緒にいたリリコに一目惚れ。そのまま天道丸に同行し、ルワイ組のガデン商会襲撃計画を知ったハルカゼ飛行隊がカイチへ戻ることになった後は彼女達に代わって天道丸の護衛を務め上げ、ナズナをリオンまで送り届けた。その後は空賊から足を洗って用心棒稼業を始めたことが語られている。
ギンジ(CV:若林佑)
空賊専門の用心棒をしている浪人風の男で、「流れ星のギンジ」の異名を持つ。
アカリの兄の仇であり、現在はアナモグラ団に雇われている。
不意打ちながらもレオナを撃墜し、チカたちを苦戦させるが、最後はチカとガーベラの作戦に嵌ってアカリに撃墜された。
その後、しぶとく生き延びてルワイ組に拾われており、サカキのガデン商会乗っ取りに協力。ハルカゼ飛行隊への復讐を果たそうとするが、ムサコとヒガコに邪魔され、再びアカリに撃墜された。
搭乗機は流星。
カグラ
ユカモトの町にある劇場の支配人。
「人喰いカグラ」の異名を持つと噂されている老婆で、裏社会にも顔が利く。
劇場といっても実際はキャバクラに近い上に、「ありきたりなショー」では満足できなくなった富豪たちに踊り子たちが女の子同士で過剰に仲良くするショーを見せているのだが、その実態は闇取引の見本市であり、踊り子たちも立派な「商品」である。
彼女が所有する雷電はイオリの夫が生前に乗っていたもので、それを探していたウッズの迫力に負けて渋々手放した。
マジマ
元スズロカ評議会議員。
反イサオ派を表明していたスズロカ評議会に反発し、自由博愛連合と内通して資金提供を受けていたばかりか、要職の座と引き換えに爆撃の手引きもしていたが、ナズナの祖父に計画を暴かれてしまい、議会を追放された。
そのことを逆恨みし、ガーベラの実家であるルワイ組と対立しているマフィア・ゲドウ組と手を結び、彼らに紫電改を提供して天道丸を襲撃させる。
その後、リオンの大評議会でナズナに汚職を告発された。
情報屋
アカツキとは馴染みの情報屋。
ロイグたちに「夜明けの鷹」が遺した財宝の手がかりとなる情報を提供してくれるが、実は「お上」の命令で「夜明けの鷹」の航空日誌を入手するためにアカツキを誘導していた。
ラムダ
お上の命令によりアカツキの名を騙って盗みを働いている女性。搭乗機は疾風。
ロイグとはお嬢様学校時代の同級生であり、学園一の秀才だった。空戦の技術も高く、学生時代に行った模擬空戦と同じ追い込まれ方をしたことから、ロイグは彼女がニセアカツキのリーダーであると確信する。
学生時代は模範的な優等生だったラムダだが、彼女自身は常にクラスの中心にいたロイグに憧れていたらしく、ロイグが自分と同じ夜の住人になったことを知って歪んだ執着心を抱くようになる。マヨナカ探偵団を人質にアカツキのアジトに押し入って航空日誌を奪った後、モア達を見逃す代わりにロイグを自分の仲間に引き入れようとするが、対抗心を燃やしたモアと張り合って隙が生まれたことで反撃され、撤退。その後、自分を追ってきたモアと一騎打ちを行い、凶暴な性格にスイッチしたモアに敗れて逃走する。
実はかなり込み入った生い立ちがあった。
スメラギ卿
情報屋とラムダのバックにいる「お上」と呼ばれる存在であり、アタルを引き取ったマバリの大富豪の正体。
石油採掘で巨万の富を得たが、それ故に敵も多かったのか異常なまでに用心深く、人前には滅多に姿を現さないばかりか、自分の居場所を特定されないようイジツの各地にある別荘を転々としている。
数年前に石油採掘を廃業して行方をくらまし、現在は「夜明けの鷹」の財宝を手に入れるために情報屋やラムダに航空日誌を手に入れるよう命じているほか、アタルのような才能ある若者を集めて暗号の解読をさせている。
その正体は「夜明けの鷹」の一員。70年前、ムラクモ空賊団との争奪戦を制して「穴」から落ちてきた財宝を手にしたが、それを独り占めしようとして仲間二人を手に掛けた。しかし、肝心の財宝を手に入れることは出来なかったため、上述したように情報屋やラムダを使って財宝の手掛かりを追っていた。
ラムダの祖父とされていたが、実はラムダの実父であった。
サモンジ
空賊ネコババ族の首領。
魚(アロワナモドキ)を盗み出した怪盗団アカツキを追撃し、魚の横取りを目論んだものの、リリコとアレンの介入により失敗。
その後魚を湖へ運ぼうとするところを再び襲撃し、水槽を積んでいたため戦闘機動のできないリガルを不時着に追い込む。
しかし再び駆けつけたリリコとアレンに妨害され、反撃に転じたロイグらによって撃退された。
彼の空賊団は高価な機体であろう流星を多数装備しており、視聴者の間では「イケスカに配備されていた機体が流出したのでは」と推測されている。
ジュウザ
空賊ツバクロ団の頭領。
フィオ曰く「セコい略奪」を繰り返した結果、8000ポンドという多額の賞金がかけられている。
イヅルマ市内でフィオ、ガーベラ、ナツオによる即席チームに追われ、愛機の雷電で逃走を図る。
予め待機させておいた子分たちを呼び寄せて空戦を展開、一時優位にたったものの、フィオに手を出したため後から来たローラが激昂、容赦のない攻撃を受けて撃墜されてしまう。
フィオらは賞金を得るため救助に向かおうとしたが、騒動を知ったアコが駆けつけて来たため撤退せざるを得なくなり(その前の酒場での騒動でローラが発砲していたため、自警団に捕まればかなり面倒なことになった)、その後どうなったかは不明。
ミカヅキ
「怪盗紳士」を名乗る筋肉モリモリ・マッチョマンの盗賊。「地獄の筋肉兄弟」の異名を持つコンゴウ兄弟を従えている。
イケスカで発見され、イヅルマへ移送される幻の発動機「ハ44」(空冷星型複列18気筒発動機)を「新たな争いと混乱の火種になる」とし、強奪・破壊しようとする。機体の不調で本来の実力を発揮できないケイトを追い詰めるが、カランに打たれた興奮剤の影響で攻撃的になったエンマとエルにコンゴウ兄弟を撃墜され、自身も油断したところをカランに後ろから攻撃されて撃墜された。
「嘆きのオフコウ山」では、あの後命からがらオフコウ山付近の集落にたどり着き、そこに住むアカバナ族を自慢の筋肉とカリスマ性で魅了し、救世主として崇められていたことが判明。彼らと共に大盗賊団を結成し、近くの町を爆撃しようと企んでいたがベッグの工作で失敗に終わり、隠しておいた赤とんぼで逃走した。
なお、イヅルマに到着したハ44はパロット社絡みでかなりの騒動を巻き起こしたため、彼の予言は結果的に正しかったと言えなくもない。
シグ(CV:佐原誠)
ゲキテツ一家の幹部で、首領補佐。
長年仕えてきた自分が後継者候補に選ばれなかったことを不服とし、フィオ達候補者を排除しようと暗躍した。だが選挙の結果が全員同票という結果に終わったためその必要はなくなり、一人喜んでいた。
その後、北の一大マフィア・極殺会の後ろ盾を得てタネガシを我が物にしようと企み、タネガシ自警団を使ってフィオ達の目をそちらに向けさせ、その間に首領屋敷を襲撃してゲキテツを麻酔銃で眠らせて極殺会に引き渡した。そして、全面降伏の要求を拒否したフィオ達を力尽くで始末しようとしたが、フィオ達の反撃に加えてカタギの住民や近隣のマフィア達がゲキテツ一家に加勢したため作戦は失敗。味方を失って孤軍奮闘していたものの、既に極殺会からは用済みと見なされており、結局ルーガに撃墜された。
それでもしぶとく生還を果たし、フィオ達に身柄を拘束された後もマフィアの端くれとして口を割ろうとしなかったが、本人達の申し出でドクダミ一家に預けられた結果、新しい自分に目覚めてしまったようで、ドクダミ一家の新入りシグコとして第2の人生を歩むことになったのであった。
キヨマロ
ユーハングの伝統文化を受け継ぐ由緒正しきマフィアを自称する「エクレア一家」のボス。
シアラとニコからゲキテツ一家との同盟を持ち掛けられた際、手を組む代わりにシクヤマの集落に住む反乱分子を説得してほしいと頼むのだが、レジスタンスのリーダー・ナギサがフィオに似ていたことからニコが彼女達の側についてしまい、結果としてニコとシアラの空戦に巻き込まれて一家は大打撃を受けてしまう。
その後、裏で繋がっているヒジリの要請でアワモリ団と共にゲキテツ一家への報復に向かうも、組の枠を超えて結束したゲキテツ一家の返り討ちに遭い、ヒジリと自分達の黒い繋がりを白状した。
ヒジリ
タネガシ自警団の団長。
自分たちの役目をゲキテツ一家に奪われてしまっているくせに住民には高圧的で横柄な態度をとっており、歓楽街などでも様々なトラブルを起こしている。
汚職に塗れた真っ黒な人物で、自分の息がかかったマフィアや空賊から多額の賄賂を貰う見返りとして彼らにとって邪魔な人物を冤罪で刑務所送りにしているだけでなく、住民が納めた税金も横領している。おまけに自分の悪事が明るみに出ないよう、部下達を脅して口止めしていた。
シグとも癒着しており、フィオとローラを冤罪で刑務所へと連行するが、フィオ達が中心となって起こした囚人達の暴動とイサカ達のカチコミで自警団は壊滅。自身は車で逃亡を図るがローラの狙撃により失敗。命を助けてもらう代わりに、フィオ達にシグが黒幕であることを明かした。
当然、人望などあるはずもなく、ヒジリがフィオ達に捕まっても部下達は誰一人として彼を助けようとしなかったばかりか、レミを通じて全員の辞職を伝え、新たな自警団を立ち上げている。
その後はドクダミ一家が身柄を預かっている模様。
極殺会
北の荒野を支配しているマフィア連合の中心にいる組織。
ユーハングの知識や技術に関する様々な情報を手に入れようとしており、そのために「穴」の出現場所について重大な情報を握っているゲキテツに目をつけ、彼を差し出す見返りとしてシグに協力していた。
夜間戦闘機月光を所有しているほか、専用の解毒剤を使わない限り眠り続ける特殊な麻酔薬を持っている。マークは二本の角を持ち、サングラスをかけたドクロ。
マフィアなのだが本業は蕎麦屋であり、そこで出される蕎麦は手打ち蕎麦、しかも自家農園で栽培した蕎麦の実をつぶして作った蕎麦粉を原料にして作っており、つなぎの小麦粉を一切使っていないと言うから恐れ入る。そもそも極殺会自体が蕎麦の生産や流通の安全を確保するために結成された組織である。
ナンブ(CV:宇垣秀成)
極殺会のボス。
ユーハングの出身で、ゲキテツの元部下。
実家が蕎麦屋で、向こうに戻ったら家業を継ぐはずだったのだが、向こうの世界での争いに絶望し、イジツの食文化に惹かれていた彼はイジツに留まることを選び、ゲキテツの手引きで部隊を脱走した。それから長い月日をかけて蕎麦の修行に打ち込み、イジツで広く食されている伝統的な蕎麦に秘伝のつゆをあわせた「極殺そば」を完成させた。当然ながら蕎麦には非常に厳しく、麺を茹でた後に冷水で締めるのを忘れた部下をボコボコにするほど。
ローラとルーガの父を一流の蕎麦職人に育て上げ、後継者にするつもりだったが、彼が独立したいと言い出したために決闘し、その結果彼を手に掛けることになってしまった。
ゲキテツを拉致したのは、ごく稀に「穴」から降ってくる外来種の種からイジツの蕎麦を守るためで、種が降ってこないよう「穴」を塞ぐためにゲキテツが持つ「穴」の情報が必要だったのである。
後にゲキテツが故郷や同胞のために「穴」の向こうへ戻ろうとしていることを察し、開いた穴が小さ過ぎたこともあってゲキテツ一家との抗争を手打ちとし、撤退した。
ルーガ(CV:千本木彩花)
ローラの妹。
両親の死後、極殺会に捕らわれたローラを助けるために極殺会と戦い、命を落とした…と、ローラは思っていたのだが、実は生きており、そればかりか極殺会の殺し屋となっていた。
過去の記憶を失っているようで、組織からは「自分はマフィアの抗争に巻き込まれた孤児であり、瀕死の重症を負っていたところを極殺会に命を助けてもらった」と吹き込まれている。
普段はフードで顔を隠しているが、標的に死の宣告をする時にのみ素顔をさらす。左目は視力を失っているためハイライトがなく、その周囲には大きな火傷のような痕がある。
ボスのナンブからは父親に代わる後継者として育てられており、殺し屋として働きつつ蕎麦職人の修行をしている。
ウタカ
イヅルマに本社を構える大会社・パロット社の社長。
ラジオ局の開設や自警団への出資などを行っているため、イヅルマでは絶大な影響力を持つ。しかし、ラジオ局が強盗に占拠された時は身代金の交渉に応じようとしないばかりか、自警団が早急に事件を解決できない場合は人質の安全を無視して自社の警備隊を強行突入させようとするなど冷酷な人物。
パロット社は主に飛行船の製造を手掛けている会社だが、裏では独自の技術で改造を施した戦闘機を製造して売り捌こうと画策している。「穴」についても色々と嗅ぎ回っているようで、ミヤコを手下に見張らせていた。
イケスカで発見されたハ44がイヅルマに運び込まれると、イヅルマのみならず管理権限を持つショウトにまで根回しを行ってハ44をカナリア自警団から取り上げ、イヅルマ100年祭では精巧に作った偽物を搭載した疾風に市長を乗せ、事故死に見せかけた暗殺を謀る。暗殺は失敗に終わったものの、疾風の墜落でハ44が失われたように演出して独占することには成功した。その後はツバメをシラサギ自警団の新団長として送り込み、自警団に新技術や紫電改を提供するなど、ますます自警団への影響力を強めていく。
かつてイヅルマに存在したクロサギ自警団の元団長であり、トキオが行方不明になった直後に自警団を辞めて実家の飛行船工場を継ぎ、傾いていた経営を立て直して現在のパロット社へと成長させた。自警団を辞めた理由はトキオが居なくなって張り合いがなくなったからと噂されているが、ミヤコたちは「穴」が関係していると睨んでいる。
実はトキオが「穴」に吸い込まれて消えてしまったのを目撃した唯一の人物。それが彼の人生に影を落としていた。
ツバメ
ウタカの秘書を務める女性。
ハヤトの直属の上司であり、アコに敗れたハヤトを口封じのために消そうとしたが、カナリア自警団とシノに敗れ、退散した。
イヅルマ百年祭後にウタカの推薦でシラサギ自警団の新団長に就任。再会したハヤトを脅してカナリア自警団を罠にはめ、謹慎に追い込んだ。
搭乗機は飛燕。
カモメ
ツバメの姉で、イヅルマ市長の特別秘書。
その美貌で市長を篭絡し、ウタカにとって都合の良いように操る役目を担っている。
妹のツバメからは「色仕掛けしか取り柄がない」と見下されており、姉妹の仲は最悪。
モンド
イケスカ動乱後にアレシマで勢力を拡大しているマフィア・ゴリオシ一家のボス。
手下たちがコータとミナミから場所代を取り立てようとしていたところを邪魔されたと知って報復しようとするが、レオナたちによって手下もろとも返り討ちに遭う。それでもまだ仕返ししようとするも、レミがゲキテツ一家の幹部と知るや否や怖気づいて逃げていった。
マフィアながら五式戦闘機を所有しているが、腕前はコトブキ飛行隊に遠く及ばない。
ドロシー
マダム・クロードに雇われている空賊「ベニヤンマ団」の団長。
クロードの命令により、ショウトで開催される美人パイロット大会の優勝賞品である震電を手に入れるため、ポロッカ代表を名乗って参加する。
リーダーなのだが調子に乗りやすく浅慮なところがあるため、ササから毒舌を浴びせられることが多い。
出場者の中にコトブキ飛行隊のメンバーがいると知って計画を変更し、警備が手薄になった格納庫に侵入して震電を奪取したが、その震電は部品が足りない状態で組み立てられた未完成品だったために途中でエンジントラブルが発生。更にキリエにペイント弾で視界を塞がれてしまったため、止むを得ず震電を放棄して逃げて行った。
アカツキ編の第3章では、クロードが主催する闇レースで無敗を誇っていることが明かされている。
ササ
ベニヤンマ団の副団長。
高い襟で口元を隠しており、淡々とした口調で喋る毒舌家で、状況が悪くなると調子のいいことを言ってドロシーを見捨てて逃げようとする薄情なところがある。
逃げる時はスタコの「すたこら」の後に「さっさー」と続く。
クロードが主催する闇レースでは、スタコと共に雲と闇夜に紛れてドロシー以外の参加者を妨害する役目を担っている。
スタコ
ベニヤンマ団の幹部(といっても3人しかいないので実質的に下っ端なのだが)。
お気楽な性格で、語尾に「~っす」や「やんす」をつける。
ドロシーを「アネゴ」、ササを「ササ姉」と呼ぶ。
オニシゲ一門
空賊上がりのウキヲエ師一門。
ウキヲエ界で絶大な影響力を持ち、イジツに真の芸術を広めることを目的としているが、やっていることはかつてのエリート興業と同じく絵画の押し売りであり、イヅルマでは悪質な押し売り集団として手配されている。
エリート興業に提携の話を持ち掛けるが断られたため、幹部のウタマロが姐さん(とその場に居合わせたアコ)を人質にとってトリヘイに圧力をかける。
オニシゲ
オニシゲ一門の頭領。愛機は疾風で、『奇想大海戦図』なる北斎漫画風の塗装が施されている。
自らの作品に絶対の自信を持っており、「美を解さない輩に力づくで解らせる」ために押し売りを行なっている。
姐さんを奪還に来たエリート興業とイサカにまず手下をけしかけ、疲弊させたところで自ら出撃し、疾風の高性能で圧倒した。
しかし解放された姐さんがザラの隼を借りて奇襲、辛くも回避したがその隙にトリヘイに撃墜される。
それを見た手下たちは救助や仇討ちをすることなく逃げ出したため、イサカからは「(かつて同じことをしていたトリヘイと比べて)人望の差だな」と評された。
サイカク
巨躯の男で、オニシゲの副官的存在。
隠し砦へ乗り込んで来たザラ、ミント、フィオに手下が蹴散らされたため、自ら迎え撃つ。
しかしチビと侮ったフィオの俊敏さについていけず、ノックアウトされた。
ウタマロ
オニシゲ一門の幹部。
ヒデアキを彷彿とさせる嫌味ったらしい口調の男で、姐さんを連れ去ってトリヘイを従わせようとした。
しかし姐さんと一緒に自警団長であるアコを連れ去ったり、フィオの絵を侮辱したりと余計なことをして敵を増やしてしまった上、砦へ逃げ帰る際に跡をつけられていることに気づかないなど、ヒデアキに比べて浅はかな面が目立つ。
オニシゲにも叱責されて立場が危うくなり、姐さんとアコに銃を突きつけてザラに降伏を迫るが、ミントが来ていることを知ったアコが大声で叫んだため、急行してきたミントによって盛大にぶちのめされた。
アカバナ族
オフコウ山近辺の集落に住む老人たち。
70年前に伝説のムラクモ空賊団とイジツの覇権を賭けて激闘を繰り広げた大空賊…とは本人たちの弁で、リッタの話によればムラクモに全く歯が立たずコテンパンにやられたらしい。
老人ながらも筋骨隆々とした体型だが見掛け倒しで、飛行機の残骸漁りや部品泥棒で生計を立てていた。
自分達の神様として祀り上げたミカヅキにモアを生贄に捧げようとするが、計画が頓挫したミカヅキに裏切られて集落を焼野原にされてしまう。
住処を失って途方に暮れるもモアに励まされて生きる希望を取り戻し、エルとリッタの提案を受け入れてイヅルマの養老院に移り住んでジノリの下で整備士の訓練を受けることになった。
マツナガ
かつて「銀幕の暴れん坊」と呼ばれ、それなりに売れていた映画俳優。
マダム・ルゥルゥとは学生時代に将来を誓い合った仲で、俳優として成功したら迎えに行くと約束したと本人は語る。
ルゥルゥの不在中に第二羽衣丸のバーに現れ、サネアツがルゥルゥにプロポーズしたと聞き、彼にルゥルゥを賭けた決闘を申し込む。
決闘当日は震電を持ち出してきたためキリエ達を驚かせたが、彼女達のもとで特訓し、ドードー船長のサポートを受けたサネアツに撃墜され、その後レオナが呼んだユーリアによって決闘そのものが仲裁された。ユーリアによると、マツナガは学生時代に大勢いたルゥルゥの追っかけの一人に過ぎず、彼女と目が合っただけで自分を愛していると勘違いするような思い込みの激しい男らしい。更にアレンの調べで、問題ばかり起こしていたために業界で干されたことや、事業に失敗して借金まみれであることが判明し、ルゥルゥを訪ねてきたのは彼女に金を無心する意図もあったことをエンマに見抜かれていた。
決闘に敗れはしたものの、自分と同じでルゥルゥに想いを伝えられなかったサネアツとの間に奇妙な友情が芽生えていた。
ちなみに、ケイトによればイケスカ動乱後に各地で震電の模造品が造られているらしく、マツナガの機体はその内の一機の模様。
さらに余談だが、現在のところ船長がドードー鳥であることにツッコミを入れた唯一の人物である。
カズフサ、ミキヤス
ムラクモ空賊団を追っている二人組の賞金稼ぎ。
二人ともナルシストの優男で、酒場でサクラとツバキをナンパしたが、その馴れ馴れしい態度がツバキの怒りを買い、ミキヤスは彼女に殴られて前歯を折られた。
その後、「剃刀飛燕」を狙って現れ、ユウゴを撃墜したことで再びツバキの逆鱗に触れてしまい、二人まとめて撃墜された。
ユウゴ
白い紫電を駆る賞金稼ぎ。女には手を出さないことを流儀としている。
酒場でカズフサとミキヤスに絡まれていたサクラとツバキを助け、ツバキに一目惚れされる。
ムラクモ空賊団の賞金を狙っており、「剃刀飛燕」を見つけて攻撃するが、背後からカズフサたちの攻撃を受けて撃墜され、不時着後に「剃刀飛燕」のパイロットがツバキと知って手を引いた。
ソフィアという婚約者がおり、今回の仕事を最後に賞金稼ぎから足を洗うつもりだったのも彼女のためだったようで、ツバキが告白しようとしていたところに現れたソフィアと一緒に去っていった。
モモノキ団
イサオの信奉者たちが結成したカルト教団で、キマノの地下坑道跡をアジトにしている。
人々を永遠に苦しみから解放するという目的のために、ユーハングに伝わる古の儀式「ヒナマツリの儀」によって、イケスカ動乱で消息不明となったイサオをイジツに呼び戻そうとしており、各地で輸送船を襲撃して儀式に必要な物資を集めていた。
ただ、「びっくりユーハング大百科」という胡散臭い書物から得た知識をもとにしているため、ヒナマツリを「ジュウニヒトエを着せた生贄の少女を空から落として乙女の願いを叶える儀式である」と盛大に誤解している。
ヒナノ
モモノキ団の団長。
自由博愛連合を支持していた富豪の娘で、病に倒れた父の意思を継ぎ、同志を集めてモモノキ団を結成した。
ただし彼女自身は政治思想よりも、イサオをアイドル的に崇拝している面が強い。
普段は丁寧な口調で尊大に振る舞っているが、状況が悪くなると子供じみた本性が露になる。
仕事でキマノにやってきたアカリを捕えてヒナマツリの生贄にしようとするが、カランがレミから買った薬を投与されてパワーアップしたレオナとクロエによって儀式を阻止されてしまい、ならばと自分が生贄となるために戦闘機で地面に突っ込もうとする。しかし、直前で命が惜しくなって脱出し、追ってきたクロエからヒナマツリの正しい意味を教えられ、諭されると共にジュウニヒトエを譲られ、逃がしてもらった。
マドカとチヨ
モモノキ団の幹部。髪が青い方がマドカで、オレンジの方がチヨ。
ヒナノにユーハングの儀式に関する知識を与えた張本人。
一見すると二人とも無表情で不愛想な少女だが、レミにお菓子でアッサリ買収されるなど根は年相応に子供っぽい。
騒動が解決した後はクロエが匿うことになった。
オハラ
アレシマ演劇界の新星と呼ばれているオハラ歌劇団の団長。
団員の男衆が酒場でローラとレンジに恥をかかされたと知り、ツバキ達に選考会を辞退するよう圧力をかける。
ツバキ達を素人の寄せ集め集団と見下し、選考会本番では自分達の合格は間違いないと踏んでいたが、審査員がユーカを褒めちぎっていたことに腹を立て、キララとウララを率いて会場を襲撃し、選考会を中止に追い込もうとする。しかし、アレンに危害を加えたことに怒ったツバキに3人まとめて撃墜された。
ドラネコ怪盗団
ミケ、シャム、ノーラの三姉妹からなる怪盗団。
もとは先祖代々続く空賊一族だったが、長女のミケが新聞でアカツキの存在を知って憧れを抱いたことが切っ掛けで怪盗団に転向した。
ミヤビのお宝を狙ってミヤビ興業の飛行船に忍び込み、ミケ憧れのロイグと共に社長室の隠し扉を通った先にある格納庫でミヤビが祖父から受け継いだ真の遺産…「零戦胡蝶」の機体を発見する。
ロイグの機転で脱出に成功した後はロイグが逃げる時間を稼ぐためにミヤビ興業の戦闘機部隊やエリカ達と交戦する。ミケは酔いが醒めて遅れて出撃したザラに撃墜されてしまったが、ロイグに救助された。
搭乗機はミケが震電、シャムとノーラは紫電。
用語
- イジツ
この作品の舞台となる世界。
海はとうの昔に干上がり、果てしない荒野に街が点在している。
少なくとも舞台となった地域に統一国家と言えるものは存在しないようで、各都市が自治を行なっている模様。
地表の荒廃によって発生した毒気や磁気嵐が陸路を阻んでいるため、都市間の輸送は航空機と飛行船に頼っており、それを狙う空賊も存在する。
さらに地下資源が枯渇しつつあるため、収入源を失い廃墟となる街も多く、未来が危ぶまれている。
ただし空賊稼業が成り立つことからガソリンは比較的余裕があると思われるが、良質なガソリンの産地は限られる。
後述の『穴』の影響か、海が無いにもかかわらず雲は発生しており、少ないものの雨は降る。また地下水の出る場所や湖などの水源がある場所に都市が築かれており、食文化のレベルは低くなく酒も豊富にあるため、飲料水などの生活用水は不足していないようだ。
水が少ない関係上、主に少ない水で育つ作物が主な食料となっており、米はほとんどが陸稲。魚などの水棲生物・植物は極めて珍しく、かなりの高級食材として扱われている。
存在する航空機は第二次大戦期の日本軍機のみで、それ以外の技術レベルも当時と同程度のようである。
ただし食べ物の自動販売機が存在するなど、部分的には進歩しているようで、特に都市同士が離れているため通信技術はかなり発達している。
また場所によっては大きな沼や湖が存在するが、そうした場所にはイケスカやタネガシのようにある程度規模の大きい町が築かれて滑走路も整備されているため、水上飛行機や飛行艇は確認されていない。
自動車は都市内での輸送用がほとんどで、一部の富裕層のみが乗用車を保有している。
所謂戦闘車両としては荷台に対空機銃を積んだトラックが確認できるが、戦車や装甲車などが存在するかは不明で、歩兵などの地上戦部隊も登場していない。
流通している貨幣は「ポンド」と「銭(せん)」。
- ユーハング
かつて「世界の底が抜けた」ときイジツにやってきた存在で、人々に飛行機をもたらし生活を一変させた。
その後イジツから去った(アレン曰く「70年前の出来事」なのだが・・・・・!?)らしく、工場跡などが残っている他、飛行機と共に伝えられた浮世絵などがイジツの文化に影響を与えている。
語感からしてジパングのことと思われるが……?
- 穴
イジツの空に出現する、所謂ワームホール。
雲のような三つの輪が発生し、それが重なり合うと開く。
かつてゼロポイントと呼ばれる場所に大規模な穴が発生し、ユーハングと繋がった。
アレン曰く、その大穴以外にも時折発生していたとのことで、イジツから海が無くなったのも穴のせいと推測されている。
輪が発生しても必ず別世界へ繋がるわけではないようで、消滅する条件も不明。
ラハマ上空に開いた穴は被弾した富嶽が偶然突入した後、富嶽が搭載していた爆弾が爆発した途端に消滅し、その際周囲の物体を急激に吸い込んだ。
その後アレンの計算により、穴の規模によるが内部で大量の爆薬を爆発させれば破壊できることが判明した。
- スタンドン石油
イケスカ市に拠を置く大手の石油元売企業。
会社の方針としては薄利多売らしく、売っているガソリンの質はあまりよくないとされる。第7話でナツオが試しに仕入れたガソリンはナンコー製の半分の値段だったが、ノッキング(不正燃焼)が多発する粗悪品だった。
社用機として一〇〇式輸送機が登場している。
- ラハマ
オウニ商会が活動拠点とする町。
岩塩が産出するため収入源はあるが、財政状況はあまり芳しくなく、安穏としてはいられない状況。しかしながら、ラハマ産の岩塩から作られる塩は質が良いらしく、ローラ曰く「モノが違う」とのことで、ゲキテツ一家の新たなシノギになっている模様。
町長の専用機として雷電を保有しているが、自警団の装備は隼より旧式の九七式戦闘機と偵察・救難用の九五式一型練習機『赤とんぼ』のみ。
自警団の機体と雷電には黄緑・白・赤紫のラウンデルマークが描かれており、また雷電はよく見るとかつての識別マークの痕跡が残っている。
- カイチ
アプリ版に登場する都市。
ハルカゼ飛行隊の雇い主であるガデン商会の拠点。
風車が確認できる。
- インノ
アプリ版に登場する都市。
崖の下にある窪地に存在し、窃盗や人身売買が行われるなど治安は悪い。
怪盗団アカツキがアジトを構えている。
- タネガシ
アプリ版に登場する都市。
湖に囲まれた山にある町で、イジツでは貴重な水源地帯のためか、かつては各地でマフィア同士の抗争が絶えなかった。
現在は全てのマフィアがゲキテツ一家に統一され、各エリアを幹部が統治して空賊から守り、一定の秩序を維持している。
カタギの住人には富豪もいる一方で、レミの故郷であるスラム街も存在しており、貧富の差が激しい模様。
一応自警団はあるものの、元々あまり役に立っていなかった上にゲキテツ一家の台頭で現在は事実上名ばかりの存在と化してしまっている。それでも最近では権威回復を目指してマフィアや空賊の取り締まりを強化しているが、そのやり口はかなり強引らしく、団長のヒジリが問題の多い人物であることもあって住民からの評判は悪い。後にヒジリの汚職が白日の下に晒されたことで現自警団は解散し、再結成されることになった。
- イヅルマ
アプリ版に登場する都市。市内は迷路のように入り組んでいる。
巨大な建物が目をひく発展した町で、宣伝目的のカナリア自警団、精鋭部隊のシラサギ自警団など、複数の戦闘機隊を保有している。イヅルマの自警団は紫電に搭乗するのが伝統とされているが、それは単に買い換える余裕が無いために古い機体を整備して何とかやりくりしていただけで、後にパロット社から紫電改を提供されている。
飛行船の製造で発展した町であり、羽衣丸の建造にも大きく関わっていた。
- キマノ
ラハマの近くにある街で、10年前まで栄えていたが現在は廃墟と化している。
アプリ版では地下資源が枯渇したためにさびれてしまったことが語られており、イケスカ動乱後はイサオの信奉者たちが組織した「モモノキ団」なるカルト教団が地下坑道跡にアジトを構えている。
- モトツ、ムロガシ
資源のない街。ここ3年で人口が半減している。
- ロータ
ジイサマ(CV:西村知道)が一人で切り盛りしている空の駅。エリート興業の砦に近い場所にある。うどんやパンケーキの自動販売機がある。エリート興業ではない別の空賊の襲撃で主要施設は破壊された。後に施設は修復されたようで、第12話では反イケスカ陣営の拠点となった。
- ガドール
ユーリアが評議会議員を務める都市。
評議会は議員の護衛などを行う戦闘機隊も有しており、第2話では鍾馗、第10話では零戦52型の部隊が登場した。
都市の自治権と独立独歩の重要さを主張するユーリアの訴えも虚しく、イサオ率いる自由博愛連合に加わることとなった。
- アレシマ
多数の飛行船が寄港する大都市で、飛行隊などを登録・管理するための空運局がある。
政治的にはイサオ寄り。
防空戦力としてアレシマ市立飛行警備隊を有し、飛燕を大量配備できる財力と整備力を持つが、空賊の陽動にまんまと引っかかってしまった。
飛行警備隊の識別マークは『荒』の字を崩したもの。
上述したようにイサオ寄りであったため、イケスカ動乱の折、反イケスカ派によって大きな被害を被ったようで、動乱後は復興が進んでいるものの物資が不足している状態であり、裏通りには闇市が形成され、更にそれを取り仕切るマフィアが幅を利かせるなど治安が悪化している模様。
- ナンコー
ナサリン飛行隊が拠点にしている田舎町で、アドルフォとフェルナンドの故郷。
寂れた街だが小さな油田があり、比較的良質なガソリンを精製している。ラハマ及びオウニ商会のガソリンもこの町から仕入れている。大手会社のスタンドン石油に狙われている。
ラハマから距離が近いため仕入れコストも安く済むという事情もあり、油田火災発生時にはコトブキ飛行隊が消火に出動した。
- イケスカ
イサオが市長を務める(8話「以降」)都市。衰退とは無縁の繁栄した都市で、高層ビルが立ち並ぶ。イサオの市長就任後は市街の中心にある沼でイサオタワーの建設が進められている。
市としての飛行隊は紫電改、四式戦闘機、富嶽が確認されており、市街地内にも多数の対空砲やショウトにはない高射砲を備えるなど対空装備も充実している。
現実の世界ではエンジンが何とか出来た程度にとどまった富嶽を実用化したことから、都市の力もかなりのものと思われる。
後日談にあたるアプリ版のイベントでは、幻の発動機「ハ44」や震電の予備パーツなどが発見され、他の都市に接収されている。また外伝「大空のハルカゼ飛行隊」11話にて、イケスカ動乱後は内戦状態に陥っていることがケイトの口から語られている。
- ドアン
レオナが訪れた都市。
- シブシク
チカが訪れた都市。図書館がある。
- ショウト
カミラが自警団長を務める都市。イケスカと友好関係にあったが空賊に加担していると言いがかりをつけられて爆撃される。事前通告があったので死傷者はいないようである。爆撃はショウトへの穴の出現予測と関係しているとアレンは推測している。有澤Pによると上流階級の住民が多く、イケスカのような大都市ではないが資金的に余裕のある都市とのこと。
イケスカ動乱後は冤罪が晴れて復興が進んでいるようだが、まだまだ焼け野原に近い状態らしく、様々なイベントを開催して復興資金を募っている。
- ポロッカ
ゴドロウが市長を務める都市。イサオに名指しで批判され爆撃された。観覧車や鉄道操車場らしき施設が確認できる。市の飛行隊は零戦52型を装備。
キリエは過去にこの町の外れでナオミに不意打ちをくらったらしい。またジョニーの元妻であるミキもこの町に住んでいた。
- ドルハ
コミカライズ版に登場する都市。
豊富な地下水を水源とするオアシスがある“水の郷”で、イジツでは数少ない肥沃な土地を持つ。
通商の経由地や避暑地として栄えている砂漠の港。
- スズロカ
アプリ版に登場する都市で、ナズナとその祖父が評議会議員を務めている。
各地からエリートが集まる名門高等学校があることで有名。
スズロカ評議会はイケスカ動乱の前から反イサオ派を表明していた数少ない議会だが、民衆の中には評議会の方針に反発していた者も多く、イケスカ動乱後も評議会や議員を恨んでいる者は少なくない。
「天道丸」という羽衣丸クラスの飛行船を所有しており、船体には鈴をモチーフにしたエンブレムが施されている。ただ、羽衣丸と違って武装は心もとない。
- ウガデン
富嶽製造工場攻撃に参加した組織。飛行船や所属する零戦21型には緑の塗装にUの文字のエンブレムが施されている。
- サクラガオカ騎士団
富嶽製造工場攻撃に参加した組織。飛行船や所属する零戦21型には赤白の塗装にスペードのマークのエンブレムが施されている。
- ギュウギュウランド
富嶽製造工場攻撃の為の囮部隊・オフコウ山部隊に参加した組織。牛の模様に牛の頭のマークの入った雷電を装備している。
- 自由博愛連合
イケスカを本拠地とする組織で、おそらくイサオの国家統一連合構想に基づいて結成された都市同盟のようなものと思われる。
空賊行為の厳罰化や特産品の専売制による価格の安定化などを図ってはいるが、名前に反して他の都市への内政干渉を行い、従わない場合は一方的に空賊と決めつけて爆撃するなど、覇権主義的な外交を行う。
航空戦力は五式戦闘機I型、四式戦闘機、紫電改、四式重爆撃機等を多数配備している。
イケスカ動乱後も残党が暗躍しており、アプリ版では時折残っている富嶽が出現する他、小説版では連合の復活を目指す『過激派』の存在が明かされている。
- オフコウ山
峡谷に挟まれた山。
頂上は卓上台地となっており、その大きさが海に浮かぶ滑走路の全長と同じなため、ユーハングが着艦訓練や実験に使用していた。しかし技量未熟なパイロットが大勢事故死したため『お不幸山』の名で呼ばれるようになった。ユーハングが去った今でも当時の残骸が散乱しており、戦闘機の墓場のような様相を呈している。
第6話で蛇マークの零戦に敗れたキリエが不時着し、残骸から部品を回収して愛機を修理した。
- 羽衣丸
オウニ商会の保有する商船でコトブキ飛行隊の母船。おそらくは硬式飛行船でゴンドラ以外にも居住区画や貨物区画、全通式の飛行甲板及び整備・格納区画を気嚢本体内部に持っている。浮揚ガスにはヘリウムを使用。
艦上機でない隼や二式複座戦闘機が着艦できることから相当な大きさと思われ、空母以上であることも示唆されている。
レーダーも搭載し、自衛用に遠隔操作式の動力銃塔を装備。
第12話で、イケスカ上空に開いた「穴」を閉じるために大量の爆薬を積載、ドードーとサネアツの操縦で穴へと特攻し、自爆して失われた。なお、ドードーとサネアツは爆発の直前に脱出し、無事に生還を果たしている。
後に2代目となる第二羽衣丸が建造されており、引き続きコトブキ飛行隊が用心棒を務めている。
- 空賊離脱者支援法
ユーリアが推進している法案で、自ら空賊を辞めたパイロットを減刑し、仕事を与えるというもの。
空賊を減らす効果が見込めるが、『他の飛行機乗りの仕事が減る』『信用できない元犯罪者に仕事を任せられない』などの理由で反対が多い。
- アロワナモドキ
イジツに生息する数少ない魚で、その名の通りアロワナに似た金色の淡水魚。
自由博愛連合の樹立を記念し、イサオが一匹購入してオウニ紹介へ輸送を依頼。
ルゥルゥは渋々請け負い、途中ハイジャックに遭いながらも無事にイケスカへ到着した。
イケスカ動乱の後は見世物にされていたが、その境遇を哀れんだ怪盗団アカツキによって盗み出され、アレンのアドバイスで魚が生息可能なバラツマ湖へ放された。
- 海のウーミ
イジツで有名なシリーズものの絵本で、友達が欲しいが毒を持つために友達が出来ずにいるフグのウーミの物語。ウーミの他にはウーミの数少ない友達のミスかい子や、強欲でお酒好きなカニなどが登場する。
チカはこの作品の大ファンで、ウーミを自機のパーソナルマークにしているほか、シブシクの図書館で本を借りている。
- 夜明けの鷹
70年ほど前にイジツを股にかけた伝説の盗賊団。ある日突如として姿を消したが、彼らが莫大な財宝を残したというおとぎ話が今なお語り継がれており、その手掛かりとなる航空日誌をイジツの各地に隠したとされている。活動していた時期がムラクモ空賊団と一致していることや、両者が姿を消す少し前にイケスカ付近で大きな「穴」の目撃情報があったことなどから、サクラは「夜明けの鷹とムラクモ空賊団はその穴から落ちてきた“何か”を巡って争い、その“何か”が財宝の正体ではないか?」という仮説を立てている。後にアタルによって“何か”の正体が未知の戦闘機であることが明らかにされた。
「お上」ことスメラギ卿は元団員であり、彼の裏切りによって6人中2人が死亡し、財宝は逃げ延びた団長がどこかへと持ち去ったらしい。
- リノウチ大空戦
本編から8年前に起きた、イジツの歴史上でも最大級の空戦。「リノウチ大戦」とも呼ばれている。
本編では当時まだ新人だったレオナが、イケスカ飛行隊時代のイサオに命を救われたことが語られており、アプリ版の登場人物にもこの空戦に関わった者たちがいる。
参戦したパイロットはもとより、民間人にも多数の犠牲者が出たことは想像に難くなく、現にホタルの両親は戦闘機の墜落に巻き込まれて命を落としている。そして、この空戦で多くの死者が出たことで、身寄りをなくした孤児が増えたと言われている。
プラモデル
この手の萌えミリアニメの恒例で、スケールモデルを得意とする各メーカーから、既存品に特製デカールを添えた飛行機プラモデルが展開されている。
直接の前例と言えるガルパンでは、マイナーな海外戦車が活躍する関係上海外メーカーのキットをOEM販売した品が多かったが、本作で登場するのは国産機が主であるため、キットも国産のものがほとんどである。
1/48スケールはハセガワが担当。いずれも、搭乗するキャラクターのアクリルスタンドが付属する。
圧倒的な飛行機プラモの品揃えを誇る「飛行機のハセガワ」だけあってすべて自社製キットで賄っているが、零戦や紫電など、初版が1980年代という中々の年代物なキットも混じっていたりする。
1/72では完全な自社開発のキットは無いが、フジミ模型やドラゴンモデルからのOEM品に加え、長らくタッグを組んでいるエフトイズが食玩として開発した「フルアクション」シリーズの零戦と彗星を投入している。これは、近年の飛行機のプラモとしては珍しく昇降舵や方向舵、着陸脚やキャノピー、翼端折り畳み機構などが可動する代物だが、その分組み立て難易度も高い。
1/144スケールも主力はエフトイズの食玩のリデコキットだが、他にも完全新規開発の隼一型をはじめ、フジミからのOEM品やかつてスケール工房ベゴと共同開発したキットなどが入り交じっている。
プラッツに数多くのキットを提供したエフトイズ自身も、塗装済みの食玩プラキットとして1/100スケールの隼一型を発売している。これは完全新規金型の「ミニアクション」と呼ばれるもので、フルアクションシリーズほどではないものの、キャノピーや主脚に可動機構が盛り込まれている。
ファインモールドはただ1つ、完全新規金型・1/72スケールの隼一型を世に出したのみで、しかも「モデルグラフィックス」誌の付録(マガジンキット)限定という特殊な販売形式が取られていた。
しかしこの隼、圧倒的なディテールの密度、実機のそれを再現したパーツ分割、組み立て易さなどの要素を併せ持つ「2010年代の飛行機プラモを代表する傑作の1つ」であり、わざわざ通販限定で日本陸軍仕様のデカールが発売されるなど、本道のスケールモデラーからも注目されることになった。
(そもそも、ファインモールドの「マガジンキット」は、販売形式故に量産効果が十分に高くなる数を捌けるため、普通のプラモではコスト的に不可能な拘りが盛り込まれるのが通例となっている)
バンダイは、ガシャポン形式のプラキット「ガシャプラ」として1/144相当の隼一型を送り出している。が、スナップフィットといった優れた点もあるものの、キャノピーまで単色成形だったりディテールが甘かったりと、他社の1/144飛行機プラモには至らない部分も少なくない。
なお、開発・展開はガンプラなどを手掛けるBANDAI SPIRITS(青バンダイ)ではなく、ベンダー事業部が担当している。
追記
- (基本的には)日本製(国産)の飛行機(レシプロ機)しか出て来ない本作品なのだが、その結果、第1話においていきなり隼と零戦のドッグファイトという、ある意味禁断の対決が実現してしまった。その後も隼のⅠ型とIII型のドッグファイトや、皮肉にも五式戦闘機を撃墜する飛燕と言った、これまた想像だにしなかった対決までも実現している。
- そればかりか、第11話までは登場した航空機は、練習機、艦上攻撃機、輸送機(旅客機)、爆撃機も国産のみであった。しかも、現実にはエンジンができたのが限界だったもの、試作機の段階であきらめたもの、初飛行止まりに終わったもの登場したが、最終回(12話)ではアメリカ製のジェット戦闘機まで登場した。問題の機種は航空自衛隊に採用されたことはあるものの、日本ではノックダウン生産(部品の状態で輸入し、組み立てる事)すらされていない。なお、登場機種に関しては外部リンクを参考までに。
- この作品世界での艦上攻撃機や艦上爆撃機は、戦闘機代用や人員輸送用(戦闘機代用の際の後席の有効利用とも取れる)や空中消火機といった、本来の目的とはかけ離れた運用をされることが多い。ただし現実世界でも前方機銃を持つ艦爆・艦攻が爆装せずに制空戦闘を行った例は存在する。また空中消火機についても、火元に爆弾を投下し爆風で火を消す(いわゆる爆風消火)というものだったため、本来の用途である急降下爆撃を行なっている。
- 本作における零戦は、物語前半を中心に一部を除き敵対勢力としての登場が目立つ。日本の作品で零戦を敵側として描いているものは珍しい。
- コトブキ飛行隊の隼はパターンは違えど緑系の迷彩塗装だが、ある機体には金色のラインが描かれ、またある機体にはピンクのワンポイントが入るなど、隠密性を無視したマーキングが多い。だがそもそも荒野ばかりの世界では緑色の迷彩自体に意味があるか疑わしい。他にも雷電や零戦五二型なども一部を除き荒野には場違いな実機同様の塗装で登場している。推測ではあるが、これらに関しては実用性よりも前述のユーハングから伝統として引き継がれたであろう塗装や、搭乗者の芸術性を重視した結果であろう。むろん荒野で役に立つ黄土色系や茶色系の迷彩塗装を採用している例はあるし、先述の謎の組織は暗闇で目立たぬよう、藍色の濃淡の塗装を機体に施している。ただゲーム版に登場するハルカゼ飛行隊は、青を基調に(ナサリン飛行隊も機体の色は青だが、青空と同化しやすくするために採用していると見た方がよい)、ピンクや金があしらわれている、隠密性もへったくれもないカラーリングだったりする。
- 本作の協力企業に、東京都立川市を本拠地とする持ち株会社の立飛ホールディングスが名を連ねている。「なぜ持ち株会社が?」といぶかしがる向きもあろうが、実はこの会社、かつては立川飛行機という名称で、飛行機を作っていたことがあり、その縁で本作の協力企業となった。この会社が生み出した飛行機の1つが、九五式一型練習機である。また、隼の生産を請け負ったこともあった。さらにこの縁もあってか、2020年2月1日には、本作のイベントが立川市内にて開催されている。
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ガーリー・エアフォース - 同時期に放送開始された戦闘機アニメで、何かと比較される事が多い。ただしこちらはライトノベルが原作、現代ジェット戦闘機が題材など、いろいろな意味で正反対な作品であり、コトブキ飛行隊が『ガールズ&パンツァー』なら、こちらは『蒼き鋼のアルペジオ』によく例えられる。
エースコンバット7 - 同時期に発売されたフライトシューティングゲームで、何かと比較される事が多い。どちらも空の描写に対するこだわりが凄まじいことで評判になっている。また、主人公(キリエ、トリガー)とかかわりの深い、老齢だが手練れのパイロット(サブジー、ミハイ)、そして彼にまつわる最悪の無秩序(イサオ、レーベン)という関係性をネタにされることが多く、放送当初は正体不明だったナオミの零戦との戦闘シーンにミハイの声や戦闘曲を充てるパロディ動画なども作られた。公式のコラボ企画も実現し、大空のテイクオフガールズでは懲罰部隊仕様の隼が、エースコンバット側ではコトブキ飛行隊やキリエのエンブレムが配布されることとなった。
戦翼のシグルドリーヴァ - こちらもまた第2次世界大戦期の戦闘機が登場するオリジナルアニメ。ただし現代ジェット機(や完全に架空の大型機)も登場したり、北欧神話要素が入る現代ファンタジーでもあるという部分が異なるので、むしろ雰囲気としては『ガーリー・エアフォース』に近い。
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… - 第2シリーズの「X」にて本作(の再放送)同様副音声によるオーディオコメンタリー放送を実施。また、兵庫県地区における放送局が本作と同じ。