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戦闘機

せんとうき

戦闘機とは、軍用機のうち味方の航空機の護衛や敵の航空機の迎撃・撃墜等を主な任務とする航空機を指す。
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「戦闘機」タグがつけられる作品の題材となるのは、第一次大戦で用いられた複葉戦闘機から現代のジェット戦闘機まで幅広く、中にはゲームやアニメ等に登場する架空の戦闘機を題材にした作品も数多く存在する。

ただし、前述のような架空の戦闘機を題材にした作品については「架空機」などのタグがつけられ、実在する戦闘機を題材にした作品と区別される傾向にある。

※ニュースなどで軍事組織が保有する航空機全般が「戦闘機」と報道されている場合があるが、これは日本語としては間違いで、軍事組織が使用する軍用の航空機全般は軍用機と呼ぶのが正しい。似たような誤用例として戦車軍用車(輛)戦艦軍艦がある。



概要編集

戦闘機は敵航空機との空戦を想定し、高い機動性能と対空攻撃力を保有する。一般的に攻撃機爆撃機と比較すると小型軽量であり、機体の大きさの割に強力なエンジンを搭載する。運動性・操縦性などの機動性能に優れ、俊敏軽快に飛行できる。乗員数は通常1-2名程度である。近年は空戦だけでなく、地上攻撃も兼任で担当する機体が一般的である。


武装編集

戦闘機の誕生から現在まで100年少々が経過しているが、初期から変わらぬ基本的な武装は機体前方に向けて固定された機関銃(機関砲)である。これは空中戦において、機上で機銃を旋回させて狙いをつけるよりも、機体に固定してしまって操縦桿で狙いをつけた方が当てやすいことによる。

朝鮮戦争以降は戦闘機の新たなる武装としてミサイルが登場し、こちらも現在にいたるまで戦闘機の主力兵装とされている。

ミサイルと戦闘機の機体そのものの発展により、過去には機銃不要論が唱えられたこともあった。ミサイルと違い機体内に固定されているため目立たないが、航空機関砲はかなり重く、どうせ使わないのなら搭載しない方が良いと判断されたのである。だが、実際に機銃を装備しなかった戦闘機が実戦に参加したところ

①ミサイルが当初の想定程は敵に命中せず、撃ち切ってしまったときに何もできなくなる

②ミサイルの有効射程は機銃に比して圧倒的に長いが、肉眼で見えない敵を狙った場合に誤射の可能性がある。一方で敵に近づき過ぎると撃てないことがある。

③領空侵犯機などに対して相手に見せるようにわざと外して撃つ警告射撃ができない

など、各種問題が浮き彫りになったため、現在までは殆どの戦闘機に固定機銃は装備され続けている。

近年はレーダーとミサイルの性能向上により、上記①と②は徐々に解決されてきており、艦上戦闘機など③の領空侵犯対応があまり発生しないと思われる場合は機銃を積まないケースが再び現れ始めている。


戦闘機の歴史編集


戦闘機は、軍用機として最初に生まれた偵察機から直接発展する形で開発された。

当初は戦場で顔を合わせた偵察機同士は互いを攻撃する手段を持たず、飛行機乗りがまだ珍しく顔見知りも多かったこともあり、互いに手を振って挨拶をして別れていたこともあったという。

しかし次第に戦争が総力戦の様相を呈してくると、激化する戦場とともに航空偵察の重要さも上がり、敵の偵察を許すことは味方を壊滅に追い込みかねないため、パイロットが手にしたピストルで撃ち合ったり石などを投げ合ったりというなりふり構わぬ手段で戦い始めるようになったのが全ての始まり。

こうして、「最初から敵を撃ち落とすための航空機」として、機体に機関銃を固定して誕生したのが戦闘機なのだ。

当初は偵察機を兼ねて発展したこともあり、2人乗りの機体に旋回機銃を備え付け、操縦員は敵機と並行するよう飛行し、偵察員が敵機に狙いを付けて射撃をしていた。実は彼我の航空機の速度が100~200km/h程度だった第一次世界大戦ではこの方法でもそれなりに当たり、特に低速大型の爆撃機に対して有効だったため、しばらくは多用されていた。

だが爆撃機を同航戦で狙う敵の2座偵察機を追い散らすため、さらなる運動性が求められた。

軽量小型の単座機でも機関銃が撃てるよう機体に機関銃を前方に向けて固定し、操縦席から発射できるようにすると格段に命中率が上昇する事が判明し、ついに空中戦を専門とする航空機、戦闘機の誕生となった。



以来戦闘機は、常に航空技術の発展の最先端を進んできた。

第二次世界大戦直前に複葉機から単葉機へ、第二次世界大戦終盤からプロペラ機からジェット機へと進化していき、主な武装も機関銃からレーダーと連動して放たれるミサイルに替わっていった。


しかし、機体そのものの飛行性能の向上は1970年代後半辺りから頭打ちになり始め、現在の戦闘機は機体そのものよりも積んでいる装備(具体的には電子戦支援装置)の方が重要になってきている。


こういったわけで、1970年代に設計され1980年代に生産された機体が、電子装備を換装して今なお第一線級の能力を保ち続けている例がざらにある。極端な話、ハードウェアは一切変更しなくても、ソフトウェアをアップデートするだけで劇的に戦闘性能が変わったりするのだ。また、戦車など他の兵器にも言える事だが、新規開発に十数年単位の時間がかかるのは当たり前、新機種はどんどん「高嶺の花」になりつつある。


種類編集

制空戦闘機(せいくう- / Air superiority fighter)編集

制空権の確保を主任務とし、空戦において敵戦闘機を駆逐・撃墜する事を第一に設計される。古くは「征空戦闘機」とも呼称された。味方艦船や飛行場を護衛したり、味方の爆撃機攻撃機を掩護する任務を想定し、滞空時間も重視される。そのため航続距離が比較的長く、空中給油に対応した機体が多い。現在の制空戦闘機の多くは制空のみならず、要撃や対地攻撃なども一通り遂行可能である。

代表的なものは、F-15Su-27など。


米空軍のF-22に至っては空中のみならず、陸上までも制圧可能な存在という意味で、航空支配戦闘機 (Air dominance fighter) と呼ばれている。

上述のF-22の対抗馬として開発されたロシア空軍のステルス戦闘機『Su-57』も制空戦闘機に分類される。


迎撃戦闘機(げいげき- / Interceptor)編集

迎撃機や要撃戦闘機(元々は「邀撃」。常用漢字にないために自衛隊では要の字を当てた)、局地戦闘機、防空戦闘機とも呼ばれる。

防空を主任務とし、来襲する敵攻撃機や都市等へ戦略爆撃を行う敵爆撃機、及び偵察機などを迎撃する事を第一に設計される。

第二次大戦期の物は戦闘機に比べ、大型で耐久力のある爆撃機を攻撃する為に強力な武装(機銃・ロケット弾など)を搭載していた。

敵機探知と同時に基地から急発進するため、高い速力・上昇力が求められる。このため、機体の大きさに比べて特に強力なエンジンを搭載している。

反面、敵戦闘機との空戦は通常想定しておらず、運動性はあまり高くない。航続距離・滞空時間も通常重視されないが、広大な国土を持つソ連・ロシアの迎撃戦闘機は航続距離が長い。レシプロ機時代では、戦略爆撃機の飛行高度で行動するために、高高度性能も重視された。

アメリカF-101F-102F-106

ロシアではMiG-25Su-15MiG-31

イギリスではトーネードADVなど。

朝鮮戦争ではとくにMiG-15が有名である。


後述のマルチロール機が主流となった現在ではほぼ廃れたカテゴリーであり、迎撃戦闘機として開発されたMiG-31も対地攻撃能力を付与され、マルチロール機として使用できるようになった。


戦闘攻撃機/戦闘爆撃機(せんとうこうげきき/せんとうばくげきき / Fighter attacker/fighter-bomber)編集

戦闘機本来の役割である制空任務の他に、対地・対艦攻撃なども主任務とする。レシプロ機時代は専用に開発された機体は無く、通常の戦闘機にそのまま、或いは小改良を施して爆装し、対地・対艦任務を行った。

ジェット機時代になり、対地・対艦攻撃の能力を重視し、当初よりその目的で開発された戦闘爆撃機が増えてきた。そういった戦闘爆撃機は、爆弾倉、地形マッピング用の合成開口レーダー、爆撃用火器管制装置などの本格的な攻撃機・爆撃機としての装備を搭載する。対地攻撃の際は乗員が一人だけでは負担が大きいので、操縦手の他に兵装操作官も搭乗させて、複座にしている場合もある。そういった機体は純粋な戦闘機としての能力を妥協したケースもあった。代表例はF-105や後継のF-111、ソビエトではSu-24、イスラエルではミラージュの設計を使ってクフィルを開発した。

ただし現在の戦闘爆撃機は、戦闘機・爆撃機としての能力を高い次元で両立させており、そういった機体は後述するマルチロール機にカテゴライズされる場合が多い。

なお日本の支援戦闘機およびF-16はこちらに入れるのが適当だろう。


なお新型アビオニクスを搭載した『F-16 ファイティング・ファルコン(ブロック70/72)』は、後述のマルチロール機として運用されている。


それと後述の『F-15E』に新型アビオニクスを搭載した『Advanced F-15』こと『F-15EX』は最新型戦闘爆撃機として運用される予定である。


またSu-27をベースとして設計・開発された派生型『Su-34』も戦闘爆撃機に分類される。


マルチロール機編集

時代が経つにつれて戦闘機の開発・製造コストが上昇していったため、任務に応じて個別の機体を開発するのは経済的負担が厳しくなっていた。しかし同時に、技術の進化に伴い、一機種で多数の任務をこなせる万能機の開発が可能になった。そのため、上記のような区分を統合し、一機種で制空・防空・対地攻撃・偵察などあらゆる任務を遂行可能な万能機、Multirole fighter,MRF(汎任務戦闘機) が誕生した。

もっとも、現代の戦闘機は搭載兵装により複数の任務に対応できるので、MRFに分類されなくてもある程度の汎任務遂行能力を有しており、日本のように戦闘機と攻撃機(支援戦闘機)の区分を廃止する国も出ている。特にJAS39 グリペンF-35などは、最初からMRFとしての運用を前提に設計された機体である。


F-15E ストライクイーグルミラージュ2000などもMRFとして扱われるが、

これは制空戦闘機から発展しており、『純粋なMRF』とは少し違う。


なお制空戦闘機として開発された『Su-27フランカー』も最新型『Su-35フランカーE』ではマルチロール機に分類されている。


また台湾ではF-CK-1を開発している。


艦上戦闘機(かんじょう- / Carrier-borne fighter)編集

空母に搭載する戦闘機が艦上戦闘機である。 狭い空母からの離着艦という制約があるために要求される性能は多岐にわたる。

まず短距離離着陸能力は必須である(ただしカタパルトやスキージャンプ甲板の助けを借りても構わない)。そのほか着艦時の低速飛行における安定性、離着艦時の衝撃に耐える頑丈な構造、空母に搭載する上でのサイズと重量の制限などである。そのため、陸上戦闘機に比べて必然的にハンディ・キャップを持ち、同時代の陸上戦闘機と同等以上の性能を持つ事は極めて困難である。ただしそのハンディを乗り越えて高い性能を持つに至った艦上戦闘機は、陸上戦闘機としても広く使われる事になった(陸上戦闘機の開発に失敗した結果、艦上戦闘機を陸上用としても採用せざるを得なくなった、という場合もあるが)。


VTOL戦闘機編集

実用機ではYak-38ハリアーF-35がある。

元々は冷戦期に『飛行場が空襲を受け、滑走路を使えなくなった』時の対策である。

VTOL戦闘機なら滑走路が不要となり、そうなっても戦闘力を維持できると考えられた。しかし完成した機体はどれも搭載力が小さく、実用には制限が大きかったのだった。

結局は『離陸は主翼の揚力も使えるSTOL、着陸だけがVTOL』とされ、

実際にはSTOVL機として使われている。

実用機は上に示した通りだが、実用にならなかった機体にはX-32Yak-141などがある。

また、元はVTOLを目指して開発された機も多い。(MiG-23Su-24F-111


旧い分類法編集

現在では使われなくなった分類を列挙する。


護衛戦闘機(ごえい- / Escort fighter)編集

爆撃機の護衛などを主任務とする。

味方爆撃機の安全のために制空権を確保するという意味では、前述の制空戦闘機と任務的・分類的には重なるものであり、それに含める場合が多い。

一応F-82のような機もあるが、戦闘機の種類名というよりも、その使用目的と解釈したほうがよい。

現在は戦闘機の任務も多用途化し、護衛戦闘機という分類は特にされなくなった。

護衛戦闘機の一種に、味方爆撃機に搭載・曳航されて敵領空まで飛行する事で航続能力の向上を計った、パラサイト・ファイター(寄生戦闘機)と呼ばれるものも存在した。

代表的なものにはXF-85がある。

実用化されたものとしてはズヴェノーがあるが、これは爆撃機として用いられた。


戦術戦闘機(せんじゅつ- / Tactical combat fighter)編集

主に前線での制空任務、敵基地・艦船などへの攻撃・爆撃任務を行う戦闘機。

旧ソ連においては前線戦闘機と称した。

いわゆる敵国都市や工場への爆撃といった「戦略任務」には用いられない戦闘機という事である。

(それは爆撃機の仕事である)

戦場での制空戦闘・戦術的な爆撃を行うのが戦術戦闘機の役目である。

ただし、このあたりの分類そのものが非常に曖昧なものであり、

開発の意図や予算獲得のための「箔つけ」のために分類・主張されていたに過ぎない。

代表的なものはアメリカのF-20F-104

ソビエトではMiG-21MiG-23など。

スウェーデンではサーブJ35サーブJ37も。


前述のマルチロール機が主流となった現在ではほぼ廃れたカテゴリーであり、戦術戦闘機として開発されたMiG-29も最新型『MiG-35S』(単座型)および『MiG-35UB』(複座型)では対地攻撃能力を付与され、マルチロール機として運用されている。


昼間戦闘機(ちゅうかん- / Day fighter)編集

文字通り昼間のみ戦闘する戦闘機。

戦闘機というものが登場して以来、空中戦闘は昼間のみで行われていた。

後に夜間戦闘機が登場し、従来の戦闘機は昼間戦闘機と呼ばれるようになった。

戦闘機にレーダー搭載が当たり前になると、

あえてレーダーを搭載しない廉価な戦闘機を昼間戦闘機と呼んでいたが、現代では消滅している。

つまり初期のジェット戦闘機までが昼間戦闘機となる。

また、レーダーは搭載してもレーダー誘導のミサイル装備能力が無い戦闘機は、

(赤外線誘導ミサイルのみしか搭載できない戦闘機)

ミサイルについては昼間戦闘しか行えないため、これも昼間戦闘機と呼ばれた。

だが現代では赤外線誘導ミサイルの能力も向上しており、こちらの意味での昼間戦闘機も消滅している。

代表的な機種については前述の通りだが、あえて言うならF-100F-5の初期モデルなど。

また、第二次大戦の戦闘機はほとんどこちらである。


第二次大戦中の戦闘機編集

  • 日本陸軍

九七式戦闘機

一式戦闘機

二式単座戦闘機鍾馗

二式複座戦闘機屠龍

三式戦闘機飛燕

四式戦闘機疾風

五式戦闘機

  • 日本海軍

・三菱A6M 『零式艦上戦闘機

・三菱J2M 『雷電

・川西N1K 『紫電改

・九州J7W 『震電

  • アメリカ陸軍

ロッキードP-38 『ライトニング』

ベルP-39 『エアラコブラ』

カーチスP-40 『トマホーク』『キティホーク』『ウォーホーク』

リパブリックP-47 『サンダーボルト』

ノースアメリカンP-51 『マスタング』(ムスタング)

  • アメリカ海軍

ブリュースターF2A 『バッファロー』

グラマンF4F 『ワイルドキャット』

ボートF4U 『コルセア』

グラマンF6F 『ヘルキャット』

  • ドイツ空軍

メッサーシュミットBf109Me109

メッサーシュミットBf110Me110

メッサーシュミットMe262

フォッケウルフFw190

フォッケウルフTa152

トリープフリューゲル

  • イギリス空軍

スーパーマリン スピットファイア

ホーカー ハリケーン

デ・ハビランド モスキート

  • イタリア空軍

マッキMC.200 『サエッタ』

マッキMC.202 『フォルゴーレ』

マッキMC.205V 『ベルトロ』

フィアットCR.42 『ファルコ』

フィアットG50 『フレッチア』

フィアットG55 『チェンタウロ』


夜間戦闘機(やかん- / Night fighter)編集

夜間戦闘を行う戦闘機の事である。爆撃機が夜間も爆撃を行うようになった時に生まれた。元々は夜間用の要撃機が夜間戦闘機であったが、夜間爆撃を行う爆撃機を護衛する戦闘機も登場した。イギリスのモスキートなどは、こちらでも恐れられた。

出現当初は操縦士以外に射手など1~2名の搭乗員を載せる事で夜間戦闘を行ったが、やがてレーダーを搭載する事で夜間戦闘を行うようになった。

いちおう夜間戦闘を行える戦闘機なら昼間戦闘も行えるはずであるが、レーダーや操縦士以外の搭乗員を載せる夜間戦闘機は昼間戦闘機に比べて鈍重であり、昼間戦闘機を相手に戦闘を行う事は困難であるため事実上は夜間戦闘専門となる。

(鈍重で使い物にならなかった双発・多座戦闘機も夜間戦闘なら使いようがある、として使われるようになったのが夜間戦闘機の発祥である)

後述する全天候戦闘機へと発展する事によって消滅した。

  • 日本

レーダーが十分に整備されておらず、昼間用の戦闘機も投入している。

(もちろん目視で敵を探す)

数少ないレーダー装備機は月光などの一部。

  • アメリカ

P-61『ブラックウイドー』

  • イギリス

第二次世界大戦中のレーダー先進国。ただし性能が高いことは機密にされ、『(戦果が多いのは)パイロットの目がいいから』などと宣伝していた。

モスキートが代表格。

  • ドイツ

Ju88

He219


全天候戦闘機(ぜんてんこう- / all-weather fighter)編集

第二次大戦終結後、レーダーは急速に普及した。レーダーの性能も向上するにつれ、夜間戦闘機はドップラー・気象レーダーを主体としたシステムを搭載することで雨天・雲中・荒天下においても戦闘が可能になった。また、エンジン技術や空力研究の発展により昼間戦闘機より鈍重でも無くなり、昼間戦闘も問題無くこなせるようになった。

このような戦闘機を全天候戦闘機と呼ぶ。

視覚外での目標捕捉・目標追跡などはシステムの性能に依存するようになったため、戦闘機にとってエレクトロニクスがより重要な技術になった。これは同時に高性能なエレクトロニクスの搭載は機体価格の高騰の一因にもなっている。

各国空軍の第一線で活躍する戦闘機のほぼ全てがレーダーを装備し、全天候戦闘能力を持つにいたった現在では、あえて「全天候」ということを強調する必要も意味もないため、「全天候戦闘機」は、過去の戦闘機を語る歴史上の用語となりつつある。

ちなみに、航空機用電子機器のことは「アビオニクス」と呼ばれる。

(Avion+Electronics=Avionics)


高高度戦闘機編集

第二次大戦中の分類。

特に成層圏(高度11km以上)周辺に重点を置かれた戦闘機である。

成層圏では空気が薄くなり、通常のレシプロエンジンでは出力が低下してしまう。

それを補うために排気タービンスーパーチャージャーをエンジンに追加して性能を補っている。どちらも高度な工業技術・工作精度を要求されるため、日本ではとうとう実用化できなかった。

代表的な機種はP-47P-38、イギリスではスピットファイアの一部、ドイツはTa152など。

ちなみに、排気タービンは現在ターボチャージャーとしても知られている。


水上戦闘機編集

戦闘機にフロート(浮き)を追加し、飛行場が無くても水上で運用できるようにしている。

日本が得意にした分野ではあるが、

これは土木建築技術が低く、思うように飛行場を整備できなかった事の裏返しでもある。

もちろん通常の戦闘機との空戦は不利であり、そうでなくとも運用にはかなりの制約がかけられる。

事実として、空戦・空襲以外に嵐などの荒天で破壊された機体は多い。

日本の二式水上戦闘機が有名である。


旋回機銃搭載戦闘機編集

珍品中の珍品。

第二次大戦中にイギリスが実戦投入した種類の戦闘機。

第一次大戦中は手動の銃座を備えた複座戦闘機が同航戦でかなりの戦果を挙げており、同様の事態が再び発生するとの想定で用意された。

しかし新たに装備された動力旋回機銃は非常に重量があり、複座なのも相まって運動性は劣悪だった上に前方固定機銃も持っていなかった。

蓋を開けてみると当初こそ初見殺し的な戦果も僅かにあったが、速度の増した第二次大戦の空戦には到底ついていけるものではなく、大損害を被って早々に引き上げられた。機種はブラックバーン・ロックデファイアントのみ。


ロケット戦闘機編集

第二次世界大戦ドイツが投入した戦闘機。

Me163が有名だが、モノになったのはこれだけである。

ロケットエンジンの莫大な推力を生かしたのだが、

・ロケットは出力調整ができない

・燃料消費が激しく、短時間しか燃焼できない

これらに加え、燃料の取扱いが拍車をかけて厄介だった。

戦後はアメリカ以外にもソビエトフランス等で迎撃戦闘機のエンジンとして注目されたが、

短時間しか使えない上に、燃焼終了後は「ただのお荷物」になるので廃れていった。

Me163以外にも「バッヘム・ナッター」、日本で国産化した秋水がある。

戦闘機として期待されながらも、ボツになった機にはXF-91等も。


関連イラスト編集

フランカーF/A-18D


関連タグ編集

飛行機 航空機

軍用機

軍事 ミリタリー

空軍

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ドッグファイト 空戦 航空戦

パイロット 戦闘機パイロット

エースパイロット 撃墜王

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