mig-21
みーぐどゔぁーつぁちあぢーん
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ミコヤン・グレヴィッチ設計局(MiG)で開発され、1959年よりソビエト連邦空軍で運用が開始された、マッハ2クラスの第2世代ジェット戦闘機。
同時期にデルタ翼を採用したSu-9とともに、運用現場ではバラライカの愛称で呼ばれた。NATOコードネームは「フィッシュベッド」。
旧東側諸国や途上国に輸出され、ライセンス生産、コピー、改良も数多く行われている。シリーズ総生産数は13,000機以上、運用国は56ヶ国を超え、ジェット戦闘機としては類を見ないベストセラーとなった。
1950年代初頭、ソ連でも超音速機開発については暗中模索の状態で、「後退翼かデルタ翼か」の議論に結論が出なかった。
1953年、ソ連空軍科学研究局は新戦闘機に対する要求仕様を公示し、MiGとスホーイに、同じ胴体にTsAGI(中央航空流体力学研究所)の設計した60°の後退角を持つ後退翼とデルタ翼をそれぞれ取り付けた、ジェット戦闘機の試作が命じらる。
MiGでは後退翼機Ye-2とデルタ翼機Ye-4が設計された。
1955年、Ye-2とYe-4が初飛行。
Ye-4の開発が継続されることとなり、発展型のYe-5が設計される。
1956年1月、Ye-5が初飛行。制式名MiG-21が与えられる。
Ye-5発展型のYe-6が設計される。
1958年5月、Ye-6が初飛行を行った。
8月、全天候レーダーを装備するYe-7が初飛行を行った。開発が継続され、Ye-7/3は全天候型のMiG-21Pとなる。
MiG-21Pから発展したMiG-21PFが初飛行。
1959年、Ye-6/3がMiG-21Fとなり、ソ連空軍に配備された。
1960年、MiG-21FにR-3ミサイル(サイドワインダーのコピー)を搭載したMiG-21F-13の本格的量産が始まる。
1961年、ソ連が中国とMiG-21F-13のライセンス生産について合意し見本機を引き渡すが、中ソ対立が悪化し、中国が独自にコピー生産することになる(殲撃七型)。
1962年、MiG-21PFから発展したMiG-21PFSが初飛行。
MiG-21PFSから発展したMiG-21PFMが初飛行。
1965年、インドでMiG-21PFM輸出型を改良したMiG-21FLがライセンス生産される。
偵察機型のMiG-21Rが初飛行。
1968年、MiG-21Rから発展した戦闘機型のMiG-21Sが初飛行。
1969年、MiG-21Sに機関砲を固定装備したMiG-21SMが初飛行。MiG-21シリーズ最多生産機。
1971年、ソ連での最終型となるMiG-21bisが初飛行。
1975年、ソ連でMiG-21の生産が終了。
2016年、中国で殲撃七型の生産が終了。
いずれもツマンスキー設計局のアフターバーナー付きターボジェットエンジン単発で、F型~S型がR-11、SM型~ST型がR-13、bis型がR-25と、順次パワーアップされた。
機首のインテークから機尾のノズルまで気流が一直線に抜ける単純で効率の良い構造で、整備性に優れる。インテークにはノーズコーンが設置され、空気の圧力損失を減らしている。
60°の後退角を持つデルタ型の主翼が中翼配置され、水平尾翼も有する。翼弦長の長いデルタ翼に縦貫通材を噛ませ、更なる強度を得ている。垂直尾翼の面積は生産後期型になるにつれ増大している。
戦略爆撃機の迎撃を目的に設計され、格闘戦能力は考慮されていないが、軽量、小型の機体に大出力のエンジンを搭載したため、運動性、上昇力に優れ、アメリカ軍に於いてMiG-21を全面的に凌ぐ機体は、F-16の登場を待たねばならなかった。
運動性に優れる反面、操縦は難しく、1秒あたり90度以上のロールを与えると回転が止まらなくなる悪癖を持つ。また、小型ゆえ兵器の搭載量が少なく、航続距離が短く、電子装備が貧弱。
MiG-21はタフな機体であり、製造から50年以上を経た初期生産型も健在で、非常に安価で運用コストも低い。高価な新鋭機を購入・維持できず、MiG-29やMiG-23を退役させてMiG-21を残す国すらあり、今後も現役で使用されることになる。
アビオニクスの近代化やエンジンの換装で延命を図る試みは各国で盛んに行われ、MiGによる「MiG-21-93」や、IAI(イスラエル)による「MiG-21-2000」、エアロスターズ・エンタープライズ(ルーマニア)とエルビト(イスラエル)の合同による「ランサー」などが代表的。
MiG-21F
昼間戦闘機として完成し、武装は30mm機関砲2門と、主翼に搭載するロケット弾。
1959年9月から翌6月まで、99機が生産された。
MiG-21F-13
R-3ミサイル運用で重量が増し、機関砲が1門に減らされた。総生産数606機。
S-106
チェコスロバキアでライセンス生産されたMiG-21F-13。総生産数194機。
殲撃七型
中国で独自にコピー生産されたMiG-21F-13。
MiG-21P
レーダーを搭載した防空型。生産されずに終わる。
MiG-21PF
MiG-21Pを元に燃料タンク増設、出力向上、降着装置の強化を図った。重量増加により機関砲を廃止。
MiG-21PFS
主翼に吹き出しフラップ、垂直尾翼基部にドラッグシュート、離陸用ロケットブースターを装備、エンジンのアフターバーナーを改良し、MiG-21PFの離着陸性能を改善。
MiG-21PFM
MiG-21PFSの垂直尾翼を拡大、レーダーを更新し、胴体に機関砲コンテナを搭載。北ベトナムに供与された。
MiG-21FL
MiG-21PFM輸出型の改良型をインドがライセンス生産。現在も現役。
MiG-21R
写真偵察ポッド、電子偵察ポッド、夜間偵察ポッドなどから偵察機材を選択して搭載する偵察機型。主翼にパイロンが追加され、増槽とミサイルを同時に搭載可能。機体背面の膨らみを尾翼まで延長して燃料タンクを増設し、容量2,800kgとした。
MiG-21S
R型を元に戦闘機型とした。主翼のパイロンを2ヶ所から4ヶ所に増やし、レーダーを改良。エンジン出力も向上。
MiG-21SM
MiG-21Sの機体内に機関砲を機内に搭載した最多生産型。
MiG-21SMT
機体背部の燃料タンクを拡大し、容量3,250kgとした。重心の移動で安定性が損なわれ、最後部のタンクを除去して運用することとなる。
MiG-21ST
MiG-21SMTの機体をMiG-21bisと同じ形状に改修したもの。
MiG-21M
MiG-21Sの輸出型。アビオニクスがダウングレードされている。
MiG-21MF
M型にS型と同様の電子機器を搭載した輸出型。M型からMF型に改造された機体も多い。
MiG-21bis
MiG-21の最終発展型。
エンジンを新型に更新し、機体を合理化・軽量化した。レーダーはSM型と同じだが、ソフトウェアを変更してルックダウン能力を強化。外見はSM型に似ているが、機体背部の形状が異なる。
内側のパイロンに2連ランチャーを使用でき、ミサイルは最大6発が搭載可能。
旧東側諸国のベストセラー的な戦闘機であることもあって、多くの創作に登場している。
反政府軍の主力機として登場。
プロジェクト4が西側の電子機器を搭載した性能向上型を運用している。
日本民主主義人民共和国軍の運用するMiG21Jが登場。
MiG-21に似た同盟軍モグ戦闘機が登場。連邦軍F-105戦闘機と北極海上空で対峙する。
- エースコンバットシリーズ
MiG-21bisまたはMiG-21-93が自機として使用できる機体として登場。
ソ連の戦闘機として登場。最終決戦で時間切れとなった場合スネークとザ・ボスもろとも花畑をナパーム弾で爆撃しゲームオーバーとなる。