概要
米空軍はXB-70爆撃機の護衛戦闘機を計画。それが本機である。
愛称はレイピア。
だがXB-70自体の有効性が疑問視され、
『ICBMの方が優秀』とされるとXB-70開発計画は中止されてしまう。
当然、護衛戦闘機のF-108も不要となって開発が中止され、
本機もモックアップ(木製の実物大モデル)が作成されただけで終わった。
レイピアの有効性
この機で一番問題とされたのは航続距離である。
XB-70が12000km程度なのに対して、このXF-108は4000kmだったのである。
当然、全行程を護衛するのは無理であり、
戦略空軍からも『全行程でなければ護衛じゃない』
として大ブーイングを受けた。
また、1960年のU-2撃墜事件で見られたように、
当時は対空ミサイルも大きく発展を遂げていた。
ここからも『戦闘機ならともかく、相手がミサイルじゃ護衛しても無意味』
として批判され、護衛戦闘機の存在意義が強く問われた。
もともと長距離防空戦闘機として計画されていた本機だったが、
計画を一度仕切りなおして『XB-70の護衛』という目標に変更されていた。
そこへ存在意義さえ問われる欠点が発覚し、
開発計画は今度こそ完全に息の根を止められる事になった。
上記の通り、モックアップが製作された時点で計画は中止され、完成した機は存在しない。
また、エンジンはJ-93ターボジェットエンジンを2基搭載する事になっていた。
これはXB-70と共通のエンジンであり、本機の開発中止はエンジン開発の遅延を招いた。
火器システムはAIM-47『ファルコン』(核弾頭搭載型)とAN/AGS-18の組み合わせで、
これは本機の開発中止の後、YF-12に引き継がれた。
しかしYF-12も開発中止となり、
『戦闘機と強力なレーダー、長射程ミサイルを組み合わせた防空システム』は、
結局F-14のAIM-54とAWG-9で完成を見る事になるのである。