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F-106

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えふわんはんどれっとしっくす

コンベア社(アメリカ)が開発したデルタ翼の超音速戦闘機。愛称はデルタ・ダート。

概要

コンベア社(アメリカ)が開発し、アメリカ空軍に制式採用されたジェット戦闘機。愛称はデルタ・ダートだが、関係者の間ではシックスと呼ばれていた。

アレクサンダー・マルティン・リピッシュのコンセプトに基づいた、デルタ翼の超音速機である。

1959年より完全自動要撃戦闘システムを採用した要撃戦闘機としてアメリカ本土に配備された。

開発の経緯

F-102Aは開発が予定より遅れた上、要求性能に達し得ない事が判明したため、アメリカ空軍は繋ぎとして運用する事とし、コンベア社には本命の要撃戦闘機の開発が求められた。

コンベア社はF-102A改良型のF-102Bを開発していたが、要求性能が改められたため(最大速度マッハ2以上、上昇限度21,300m以上、戦闘行動半径378km以上)、F-106Aに改称された。

F-106の開発もF-102に引き続き、先に生産ラインを組み、量産準備型を製作しつつテストを行い、本格量産型にフィードバックして開発期間の短縮を目指す「クック・クレイギー・プラン」で進められ、量産型1号機が1956年12月26日に初飛行したが、要求性能には程遠い結果だった。

しかし、エアインテークの形状を変える事で性能は大きく改善され、電子管制システムMX1179の実用化を待つだけとなり、「クック・クレイギー・プラン」の成功例とされる。

F-106は開発の遅れからとコストアップから発注数を減らされ、全部F-101Bで良いのではないかという議論も持ち上がったが、「本土防衛の本命はF-106であり、F-101Bは半自動式防空管制組織の支援を受けられない北極海に配備するための機体」という論が通り、キャンセルは免れた。

調達機数はF-106Aが277機、F-106Bが63機となった。

迎撃システム

1958年、電子管制システムMX1179が実用化し、MA-1としてF-106に組み込まれた。

地上管制システムに連動し、迎撃地点まで機体を自動的に誘導し、迎撃後も帰還コースをHUDに表示する。複雑なシステムのため、常時50%の稼働率を維持するのも一苦労だった。

兵装

AIM-4F/G「スーパーファルコン」空対空ミサイル4発、AIR-2A「ジニー」空対空核弾頭ロケット弾1発を搭載し、固定機銃は無い。

1969年より一部の機体がAIR-2Aの代わりにM-61バルカン砲を搭載した。

運用

1959年からアメリカ国内のみに配備され、1988年まで29年にわたり現役であった。迎撃飛行隊からの退役後は無人標的機QF-106に改修され、1998年まで使用された。

後継機はF-16の防空型となった。

実戦記録はないが、仮想MiG-21としてベトナムに派遣されるF-4の演習相手を務めた。

ドッグファイトを全く想定していない機体だったが、デルタ翼機らしい高い運動性能を示し、F-4を大いに手こずらせた。

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