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ドッグファイト

どっぐふぁいと

戦闘機同士の空中戦で、互いを追いかけあう戦闘の事を指す。転じて、レース等において激しく抜きつ抜かれつを繰り返す様もドッグファイトと呼ぶことがある。

概要

戦闘機同士の空中戦。中でも最も典型的にイメージされる、互いが複雑な機動を駆使して攻撃に有利な位置を奪い合う近接戦闘を指す。格闘戦とも呼ぶ。
高速で飛ぶ航空機同士では互いの相対速度が速すぎる為、正面及び側面への攻撃が非常に困難である事から相手の後方について攻撃するのが基本となっている(同方向に同等の速度で進む形になるので相対速度が最も低くなる)。
攻撃する側は、相手を機銃の照準内に捉えるないし空対空ミサイルロックオンする為に敵機の後方から接近し、逆に被攻撃側は相手を自機の後方に回り込ませないように回避機動を取ったり急減速で敵機を追い抜かせて自機の前に出す等、自分が攻撃側に回れる機会を狙う。
言葉の由来は、上記の機動が犬が喧嘩をする時、走りながら互いに相手の後ろに回り込もうと追いかけあう姿に似ている為、とされている。かつてのドッグファイトは前方固定機銃という武器の特性により互いの機体の後方につくことを目的とされたため、このような名前が付いた。
そのため、大型の爆撃機に対する迎撃や、戦闘機同士であっても敵に気づかれる前に撃墜するなど、空中戦であってもどちらかが回避機動をとらない(とれない)ような戦闘形態は通常ドッグファイトとは呼ばない。
「格闘戦」の対義語となる戦闘形態は「一撃離脱戦」である。
現在までの戦闘機に自機の全方位の敵機を探知、追跡する能力はないので、ドッグファイトは基本的に相手をパイロットの眼で追いかけられる有視界戦闘であり、夜間や悪天候でドッグファイトを行うことは難しく、まず発生しない。
ただし近年は一部の機体で自機後方を含む全方位へのミサイルロックが可能になるなど、アビオニクスやミサイルシーカーの発展が著しく、今後視程ゼロのドッグファイトが一般的になる可能性もゼロではない。

ドッグファイトに突入した場合、機体性能のうち最高速度やレーダー探知距離といったものはあまり意味を成さなくなり、エンジン出力や軽快な旋回性、コクピットの視界、そして何よりもパイロットの力量や僚機とのコンビネーションによる影響が大きく、さらに運の要素すら絡んでくる。パイロットの優れた技術により、一見決定的にすら思われた性能差が覆される様はロマンにあふれており、ドラマチックですらある。

レーダーやミサイルの発達した現代では、遠距離からのミサイル攻撃に比重が置かれ、『エースコンバット』のような華麗で派手な超近接戦は現実にはなかなか起こらない。

とはいえ映画ゲームのようにいつまでも敵機を追いかけまわしてくれるほどの持久力はミサイルにはない。
公表されてる射程はあくまで「そこまでミサイルが飛べる」距離であり、多くの場合敵機が全く回避機動を取らない前提のものである。逃げ回る戦闘機にまともな命中を見込もうとすれば、ステルス機でもない限りは、敵機のレーダーに探知され、敵機のミサイルを回避しながら、ミサイルの持久力で追随できる距離まで接近する必要がある。ドッグファイトに至らなくともミサイル回避には機動性が必要であり、やはり戦闘機の能力に欠かせない要素である。

かつては戦闘機のジェット化、高速化に伴ってミサイル万能論が盛隆し、「互いに音速を超える戦闘機同士でドッグファイトは起こり得ない、だから戦闘機に機関砲や機動性はいらない」という意見さえあったほどだが、ベトナム戦争では想定していたほどミサイルは万能ではなく、誤射事件の影響から視程外でのミサイル攻撃を禁じる等、米軍の対応が極端だったこともあってしばしば格闘戦が発生し、当時の段階ではミサイルに全て頼る方針は誤りだった事が実証された。ミサイルの撃ち合いであっても機動力は不可欠であり、湾岸戦争においてもドッグファイトは発生している。
そのため最高速度やミサイル搭載量に埋もれて一度は軽視された戦闘機の格闘性能や固定機銃は再び重要視され、F-15F-16Mig-21Mig-29Su-27のような格闘戦を得意とする戦闘機は現在に至るまで長く使用され、優秀な成績を残している。

そのため現在でも程度の差こそあれ、格闘戦の性能が軽視されることはない。DACT(Dissimilar Air Combat Training、異機種間戦闘訓練)ではドッグファイトが発生するように仕向けられることもあり、実戦では無敗の機体が撃墜判定を受けることもある。

ただし近年のミサイルは、黎明期の50年代~70年代に比べて射程距離やミサイルの機動性、命中率が劇的に向上している。そのため戦闘機同士の交戦距離は大きく延びており、敵機が豆粒どころか全く見えない、という距離で戦闘が始まることも珍しくない。しかも機動性やロックオンの技術も向上しているため、ミサイルが機動できる有効射程内での回避は例え機体が許しても操縦するパイロットが高Gに耐えられないため難しく、チャフフレアでソフトキルしようにも欺瞞に騙されづらくなるよう改良されており、極めつけは撃ちっぱなし能力や発射母機以外からのデータリンクにより、発射母機に回避を強いても撃たれたミサイルは変わらず追いかけてくる等、「できるだけ遠くから先に見つけて先に撃った方が勝ち」となりやすい環境になりつつある。
また格闘戦を行うにしても後方を含む全方位に撃て、敵機前方からもロック可能になるなどミサイルの性能向上の影響は大きく、以前の戦闘機よりも空戦性能をある程度割り切ったり※1、かつてはドッグファイトの必須装備とされた機銃・機関砲を固定装備しない機体※2も少数ながら再び現れ始めている。

※1 F/A-18E/Fは大きな主翼に大きな操舵翼等、一見格闘戦は得意そうな見た目をしているが、原形機から大きく重くなった割にエンジン出力があまり大きくなっていないため出力重量比は悪化し、空力よりも限定的なステルス性を重視したこともあって持続旋回性もあまり良くない。
中低速での機動性そのものは良好なのだが機動によりエネルギーを失いやすく、実は総合的な空戦性能は高くない。空戦性能を妥協して、搭載能力等マルチロールのその他の性能を充実させたとも言える。
※2 F-35はA型のみ固定機銃を装備しており、B/C型は固定機銃を装備せず必要に応じて取り付ける。

ドッグファイトを全く想定しない戦闘機は現在の所ほぼ無いが、空中戦の様相は今後も変わり続けていくと考えられており、ステルス性の追求も相まって以前よりは戦闘機開発における格闘性能の優先度は下がっている。

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