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レーダー

れーだー

レーダーは、電波を使って、ものの位置や動きを捉える装置
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  1. 電波を使って、ものの位置や動きを捉える装置。RAdio Detecting And Rangingの米語略。
  2. 姓の一つ。ドイツ語圏にみられる。

1. RAdio Detecting And Ranging

概要

 RADARは、すなわち電波探知測距(電探)は、電磁波を対象物に向けて発信し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離や方向を明らかにする装置である。
 なお、この電波を視覚化するための装置がレーダースコープである。
 この装置は航空機などの動きを捉える軍事用レーダーや、の動きを捉える気象用レーダーが代表的である。
 また、最近はフェイズドアレイレーダーと呼ばれる「小さなアンテナを平面上に多数並べてそれぞれのアンテナから放射する電磁波の位相を電子制御して合成し、機械的な動作なしに俯仰や走査が行える」ものが存在している。具体例としてイージス艦に搭載される「AN/SPY-1」(通称「スパイレーダー」)や日本の固定レーダーサイトの一部に導入されているJ/FPS-5(通称「ガメラレーダー」)がそれである。さらに日本の空対空ミサイル「99式空対空誘導弾(B)」のシーカーにも使用されている(なおミサイルシーカーにフェイズドアレイレーダーが使用されるのは極めて珍しい)。

呼称について

 この名称は基本的に電波探哨儀の米語略である。
イギリスにおいて発明されたが、イギリスは当初Radio Locator(電波標定機)と呼び、後にRadio Direction Finder(電波方位探知機)を略してRDFと呼称していた。
 日本語では電探と一般的に略されるが、実は陸海軍で正式名称が異なる。しかも面白いことに海軍アメリカ式を日本語訳した電波探信儀とし、陸軍電波警戒機とした。

英国面

 RDFの発明は実は偶然の産物であった。イギリスが当初研究開発していたのはマイクロウェーブを敵航空機のパイロットに照射して撃墜ないしは幻惑させて正常に行動できないようにするというものであり、ぶっちゃけ毒電波兵器化である。これを大真面目にやっていたのだからまさに英国面である…
 まあ、電磁照射で加熱している電子レンジも原理は同じなのだが…
 ちなみに存在自体が機密の塊であるレーダーを隠しつつも戦果は宣伝しなければならないので、高い戦果を誇る夜間攻撃機隊のパイロットはニンジンを食べて夜目を鍛えているという欺瞞情報を流していた。

日本面

 が、日本はそれを笑う資格はない。
 まず、そもそも初期のレーダーに使われたアンテナは八木アンテナ(八木・宇田アンテナ)であり、その名前が示すように日本人の発明であった。
 ところが、当の日本はこの重大な発明に関心を示しておらず(発明した当人達はまず日本軍に売り込みに行き、後に対空レーダーとして実用化したアメリカの企業も売り込みにきているがどちらにも大して興味を持たなかった)、バトル・オブ・ブリテンにおける英国レーダー部隊の実戦投入と活躍、戦艦キングジョージ5世における艦載レーダーの実用化をロンドン大使館勤務の海軍技術中佐(大使館駐在武官補佐官)が注進していたにも拘らず見事黙殺。
 実際にこの装置に着目したのは海軍は南方でのイギリス兵器の鹵獲陸軍はドイツからの技術供与によってその有用性を知るという情けない状況であった。
 更に陸海軍の対立とそのセクト主義により開発は遅れに遅れる。しかもレーダーを「自ら電波を出すなど闇夜に提灯を点しているようなものだ」と言って理解しなかったどころか疎んですらいたのは海軍のほうである。……その海軍はといえば、闇夜で探照灯突撃を繰り返す夜戦バカであり、これが戦争後期からレーダー照射によって南方海域から焼け出される結果となった。お前、自分で何って言った?
 さらに当時の日本製品全般の技術や信頼性≒品質の低さが偏見に拍車をかけた。実際に作った電探もちょっとした発砲の衝撃で壊れたりするような代物も多く、これでは役に立たないから別の方向に努力した方がましと見切ってしまう人間も多かったのだ。
 ちなみに陸軍は本土防空が基本的に陸軍の担当であった事もあり、早期から航空攻撃に対する早期警戒方法の研究を進めており、電波ではなく音響を用いた音波探索儀(陸上で使用するアクティブソナー)やエンジン音などを探知して航空機を発見する空中聴音機(陸上で使用するパッシブソナー)などを研究していたが、周囲の環境(湿度や天候、周囲の騒音など)に大きく探知精度が左右されたとされる。これらの装置の見た目はチューバホルンなどの金管楽器が巨大化したような代物だったとされる。
例)九〇式大空中聴音器(wikipediaの画像より)

日本海軍の場合

 上層部の無理解と、開発に当たった日本無線(JRC、日本電力、有力電力会社の子会社であった。現在は日清紡ホールディングスの子会社として業務用無線、PHS端末などを製造)の能力不足から海軍の電探開発は遅々として進まず、本格化したのはイギリスやドイツに比べ遅かった。インド洋作戦の戦訓で対空レーダーの早期実用化がより望まれた。
 昭和16年には陸軍の電探を製造していた業者の協力で陸上用レーダーを開発、昭和17年に二式二号電波探信儀一型および仮称二号電波探信儀二型が搭載試験され、一型は採用されたものの二型は不採用(不安定航空機が発見できない)となったものの、現場の意見でひっくり返った。なおアリューシャンの北方海域での濃霧の中伊勢日向に搭載された二号一型電探および二号二型電探により自軍艦艇の位置が把握できたというエピソードも残っている。
 ようやく重要艦艇への搭載にこぎつけた時に、悪夢のミッドウェー海戦が起こった。無敵のはずの第一航空艦隊(南雲機動部隊)主力が敢え無く撃沈された事に喧々諤々となった日本海軍はその原因がレーダーにある事を確信、八木博士などを慌てて招聘して、遅れていたレーダー開発を推進するようになった。これが日本面か……。
 レーダーの必要性を感じた海軍は残存空母や残存水上艦艇を中心に、電探配備数を増やし、さらにレーダーの電波を探知する逆探も搭載されていった。ぶっちゃけ手遅れだろ……

航空機

 航空機に関してはまず昭和17年に三式空六号無線電信機(水上レーダー、敵への機密漏えいのため無線電信機を名乗っている)が開発され、一式陸上攻撃機零式水上偵察機二式大艇などに搭載されたが、信頼性に乏しく、改良しながらの運用となっている。
 また月光十八試空二号無線電信機(機上用対空レーダー、FD-2電探とも)が搭載されても、動作不良(この中には戦争末期の精度低下によるものなども含まれる)などからあてにならないと言って、搭乗員が勝手に取り外す事例も続出(このレーダーの成果は「B-29を3kmの距離で探知に成功した戦闘がある」のみ)した。

結果

 日本海軍は、電探によって世界第三位を謳われた海軍力と世界最高水準の航空隊を滅ぼされた状態で終戦を迎えたのであった。

日本陸軍

 一方、陸軍では開発に当たったメーカーも優秀で、それなりのものを完成させていた。ところが対米戦において陸軍の電探に出番が来るというのはすなわち前線基地への空襲本土防空戦ぐらいしかない(中国戦線では敵の飛行機自体が少ない)。
 しかし、本土防空に最も責任が来る陸軍は失敗すれば自らが糾弾されるのを知っていた故奮戦し、かの東京大空襲の帰路についたB-29を数十機単位で撃墜に成功していたりする。
 連合国(実際にはアメリカ)の物量に押し潰されたのは確かであるが、第343海軍航空隊厚木航空隊などの一部のエリート部隊しか戦果を残せなかった海軍よりも、全体的に良好な戦績を残したのだ。
 なお、陸軍は既存技術では欧米に及ばないのを知っていた故と、ドイツかぶれであった故に、ドイツ敗戦までに手に入れた先進技術)に一発逆転の全てを賭けていた節がある。先進的レーダー技術の他にも、ミサイルジェット戦闘機など、後の世で実際にB-29を時代遅れにする新技術を海軍よりも血眼になって研究していたが、これは間に合わず、敗戦で泡と消えたが、陸軍のほうが電探活用に積極的であった事実は確かに残った。
 なお余談ではあるが陸軍の電波兵器の開発を担当していたメーカーとは、後にPCエンジンなどを世に送り出す日本電気(NEC)の事である。一時期メインフレームでアメリカ勢をきりきり舞いさせ、パソコンではPC-9800の日本的ナチュラルボーン最先端でアメリカ勢を大混乱させた上日本市場から事実上シャットアウトしたのはNECによるリターンマッチであったのかもしれない(事実、コンパック・ショックの折にはNEC社内では「PC-9800の敗北は日本の敗北」とまで言われたんだとか)。

関連タグ

電磁波 アンテナ 軍事 アホ毛 機械 兵器 
アーマードコア 電子レンジ
ブルーベリー:イギリスの大嘘が原因で目に良いとされてしまった食品。なぜかニンジンではなくブルーベリー。

2.人名の姓

ドイツにて見られる。綴りは「Raeder」。
日本では一般的に、第三帝国時代の海軍最高指揮官であるエーリヒ・レーダー提督が想起される場合が多い。

関連タグ

人名 ドイツ 第三帝国
エーリヒ・レーダー クリーグスマリーネ
千早の第三帝国興亡記

3.AESA(アクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ)

近年の戦闘機やイージス艦などに搭載されることの多いレーダー。
かなり複雑な仕組みなので、ものすごく簡単に説明すると、
複数のちっさいアンテナを詰め込み、その位相で電波を発信するのがフェーズドアレイ・アンテナであり、そのなかでも、アンテナと移相器の間に増幅回路(入力電力よりも大きな電力を得られる回路)を用いているものをアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナと呼ぶ。
基本的に空母やイージス艦、第4.5世代以降の戦闘機に搭載されている。
なお、世界で初めて量産戦闘機にアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナを用いるレーダー(アクティブ・フェーズドアレイ・レーダー。通称AESAレーダー)を搭載したのは、日米が共同開発し、航空自衛隊が配備しているF-2戦闘機である

  • アメリカ合衆国
【F-35塔載:ノースロップ・グラマン社製『AN/APG-81』AESAレーダー】(Xバンド周波数/シリコン製半導体素子×1200個)

※詳細はノースロップ・グラマン社 公式ページ 『AN/APG-81 Active Electronically Scanned Array (AESA) Fire Control Radar』(外部リンク)を参照の事
【EA-18G塔載:レイセオン社製『RACR(Raytheon Advanced Combat Radar)』AESAレーダー】(Xバンド周波数/窒化ガリウム製半導体素子×1100個)

※詳細はレイセオン社 公式ページ 『Raytheon Advanced Combat Radar (RACR)』(外部リンク)を参照の事
  • 大韓民国
【KF-X塔載予定:エルタ・システムズ社製『EL/M-2052』派生型(技術移転承認・純国産化)AESAレーダー】(Xバンド周波数/窒化ガリウム製半導体素子×1088個)

※詳細はエルタ・システムズ社 公式ページ『ELM-2052 Airborne AESA Radar』(外部リンク)およびエルビット・システムズ 公式サイト『Elbit Systems Awarded $43 Million Contract to Equip Next-Gen Korean Fighter Jets in Development with TF/TA Systems - Elbit Systems』(外部リンク)(2020年2月6日公式発表:英語)を参照の事。
  • フランス共和国
【ラファールMk.2塔載:タレス社製『RBE2-AA』AESAレーダー】(Xバンド周波数/ガリウム砒素製半導体素子×1000個)

※詳細はタレス社 公式ページ『Active Electronically Scanned Array - AESA RBE2 radar』(外部リンク)を参照の事
  • イタリア共和国
【ユーロファイターTranche3B塔載:レオナルド・フィンメッカニカ社製『CAPTOR-E』首振り式AESAレーダー】(Xバンド周波数/シリコン製半導体素子×1000個)

※詳細はレオナルド・フィンメッカニカ社 公式ページ『CAPTOR-E Radar』(外部リンク)を参照の事
  • ロシア連邦
【MiG-35ファルクラムF塔載:ファゾトロン(NIIR)開発『ジューク-A(FGA-29)/輸出型ジューク-AE(FGA-35)』AESAレーダー】(Xバンド周波数/シリコン製半導体素子×1016個)

※詳細はファゾトロン(NIIR)公式ページ『Airborne radars and WDCS』(外部リンク)およびAir Power Australia 公式ページ『Phazotron Zhuk AE: Assessing Russia's First AESA』(外部リンク)を参照の事。
【Su-57フェロン塔載:V・V・チホミーロフ記念機器製作科学研究所(NIIP)開発『ベルカ(N050)』AESAレーダー】(Xバンド周波数/ガリウム砒素製半導体素子×1526個)

※詳細はV・V・チホミーロフ記念機器製作科学研究所(NIIP)公式ページ『At MAKS-2013, NIIP will present for the first time AFAR X-band side-scan for PAK FA』(外部リンク)およびAir Power Australia 公式ページ『Flanker Radars in Beyond Visual Range Air Combat』(外部リンク)を参照の事。
なおヨッフェ物理学技術研究所(所在地:ロシア連邦レニングラード州サンクトペテルブルク連邦市)では1970年に『ヒ化アルミニウムガリウム/ガリウム砒素・ダブルヘテロ接合構造半導体』の開発に成功、研究開発を主導したジョレス・イヴァノヴィチ・アルフョーロフ博士は「高速エレクトロニクスおよび光エレクトロニクスに利用される半導体ヘテロ構造の開発」により2000年にノーベル物理学賞を受賞した(詳細はノーベル財団 公式ページ『Zhores I. Alferov - Facts - 』(外部リンク)を参照の事)

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