概要
それまで運用されていた九四式水上偵察機の後継として、昭和12年に日本海軍は川西航空機製作所と愛知航空機に試作機の開発を指示。当初は納期の間に合った川西製が採用されたが、事故で喪失してしまったため、その後も開発が進んでいた愛知製の機体を受領。試験の結果が良好ということで採用が決定され、昭和15年に正式採用された。
日本海軍の多数の戦艦や巡洋艦に搭載され、艦隊の「目」として活躍した。ただし、射出力の高い二号五型射出機搭載の艦でないと運用できない為、それ以前の射出機を搭載していた5500t級軽巡の多くでは前任の九四式水偵や九五式水偵の方が運用されていた。
しかし、戦争中盤になると水上機であるが故の加速の悪さ、速度不足、貧弱過ぎる自衛火力などの問題が顕になり、情報収集が困難になった。それでも艦上機への切り替えが遅れたため、終戦まで前線で使われ続けた。
余談
当機は愛知航空機によって開発されたが、生産は渡辺鉄工所(→九州飛行機)や広海軍工廠でも行われた。生産機数は1423機であったが、愛知が133機しか製造しなかったのに対し多くは渡辺鉄工所製であった
『艦隊これくしょん』では
DMM.comのブラウザゲーム『艦隊これくしょん』では、多くの巡洋艦や戦艦の標準装備として早い時期から実装され登場する。
概要の項で解説した通り、軽巡(特に実装時期の早い艦)では本来運用出来ない艦が多いが、ゲーム的な補正で運用可能になっている(一部を除く)。
空母が揃わない序盤では、ほぼ全ての提督が索敵の要としてお世話になったはず。
しかし、装備・人員が整った後半になってくると、空母の艦攻や、索敵・爆撃・航空戦・対潜攻撃などに使用できる汎用性の高い瑞雲、高い索敵値を持ち、尚且つT字不利を防ぐ彩雲などに役目を奪われがちであった。
また、イラストも他の艦載機に比べてテキトーな感が否めず、一部では産廃の烙印を押されるなど不遇な装備であった……
2014年4月23日、1周年イベント『索敵機、発艦始め!』にて、新システム「弾着観測射撃」が導入される。
これにより、航空優勢以上ならば、水上偵察機を含む装備の組合せによって、昼の砲撃戦フェイズから連撃・カットインの発動が可能となり、『艦これ』における艦隊決戦の様相を一変させることとなった。
同時に、不評だった零式水偵のイラストもデザインを一新してカッコ良くなり(妖精さんも可愛く変貌)、それでいて入手が容易且つ運用可能な艦娘も多いとあって、その地位が見直されることとなった。
さすがに上位互換の零式水上観測機には劣るものの、入手難易度がやや高い零観の代打として充分通用するため、現在では依然と比べ物にならない頼もしい兵装となった。
2016年3月11日のアップデートで改修工廠で改修が可能になった。
改修によって索敵値が向上し★+7で紫雲と同等の数値となる。
また、零式水上偵察機★maxは二式水戦改に更新できる。