エジレイオプティカ
いぎりすばんびーぶいいちよんいち
こんなお題を出されたら、どう答えればいいのだろうか。
ヘリの最大の特技である「垂直離着陸」を再現するために、ハリアーやオスプレイのようにVTOL機能を持たせるか。
それとも「観測」「偵察」に特化し、敢えて最高速度を捨てて地上をじっくり見れるようにするか。
ジョン・エジレイが出した答えは後者である。
つまり、「ゆっくり飛べて、しかも見晴らしがいいキャビンを持つ機体」である。ダメ押しで機体価格はできるだけお安く。
それを紳士の国の人間なりに真面目に追求した結果の産物がこれ。
オプティカはカテゴリーとしては固定翼機、それも軽飛行機に分類される機体である。
が、その機体はセスナやエアロスバル等のような、「普通の人が思い浮かべるであろう軽飛行機」の姿に全力で挑戦するかのようなデザインだ。
機体の前部はOH-6などの小型ヘリコプターを思わせる、全周ガラス張りの3人乗りのキャビンとなっている。
全周ガラス張りだけあって視界は良好。
主翼はアルミ製の直線翼。尾翼は主翼の付け根から伸びるブームで支持されている。
胴体には複合材が多用されている。
キャビンの後ろに鎮座する推進器。その形状から一見ターボファンエンジンと思ってしまいそうだが、こいつの正体はライカミング製のレシプロエンジンで駆動されるダクテッドファンである。ちなみにプロペラは木製だとか。
形状こそ奇抜であるが、メンテナンス性に関しては特殊な工具はほとんど使用せずにメンテが可能など、見た目とは裏腹に良好だそうである。
性能は巡航速度が130km/h、失速速度が108km/hと固定翼機としては相当な低速となっており、地上観測に適した性能となっている。
「エンジン単発」「3人乗り」「視界良好な」「観測機」…。
どこかで聞き覚えがあると思った方も居るだろう。
そう、オプティカのコンセプトはどことなくドイツの妖怪もとい試作偵察機・Bv141を思わせるものとなっている。
どちらも「妙な形状の機体」として有名である。
「視界良好」を目指すとこのような奇怪な形状になってしまうのか。