概要
防護巡洋艦の後継として発展した、軍艦。
擬人化である『艦隊これくしょん』の「軽巡洋艦娘」を指してタグ付けされていることも多い。
解説
20世紀に入り、旧来の石炭に変って重油で稼動するタービン機関の発展など技術革新により船舶用機関の出力が向上したため、その余力から従来の防護巡洋艦に代わって舷側装甲を施した軍艦が登場した。
これが、巡洋戦艦に発展した装甲巡洋艦に対して軽装甲であったため、軽装甲巡洋艦(Light Armored Cruiser)と称され、それが後に短くなり、軽巡洋艦(Ligit Cruiser)と呼ばれるようになった。
巡洋艦の中で比較的小型のものをさすが、厳密にはロンドン海軍軍縮条約において「口径5インチより大きく6.1インチ以下(12.7センチ超15.5センチ以下)の艦砲を搭載し、基準排水量10,000t以下」と定義された、「カテゴリーB」に属する巡洋艦。
同条約において、重巡洋艦は「6.1インチより大きく8インチ以下(15.5センチ超20.3センチ以下、砲門数の制限はなし)の艦砲を搭載し、基準排水量10,000t以下」の「カテゴリーA」に定義された。
第一次世界大戦時では、軽巡洋艦と装甲巡洋艦が対をなす存在であった。しかし、軍縮条約の頃には装甲巡洋艦は過去の艦種となり、軽巡洋艦と重巡洋艦が対をなす存在となった。ただし、軽巡洋艦と重巡洋艦を区分する際の基準が砲口径のみであったため、その名に反して、軽巡洋艦の方が「重く」、重巡洋艦の方が「軽い」場合もある。事実、日本、アメリカ、イギリスの3ヶ国が基準排水量10,000トンの上限一杯になるように建造した大型の軽巡洋艦は一部の重巡洋艦を基準排水量で凌駕していた。こうして、イギリス海軍のC級軽巡洋艦以降軽巡洋艦の重装備化が進み、ワシントン海軍軍縮条約で戦艦の保有・建造が制限されたこともあり、日本海軍の巡洋艦「夕張(軽巡洋艦)」をはじめ、各国は競って重武装の軽巡洋艦を建造した。
戦後の軽巡洋艦
第二次世界大戦後、誘導ミサイルの発達とともに、当時まだ大型だったミサイル装置のプラットフォームとして多くの重巡洋艦・軽巡洋艦が転用され、ミサイル巡洋艦となった。そのため、主砲の意義も相対的に低下した。その後、新規に建造される巡洋艦のほとんどはミサイル巡洋艦となり、主砲口径によって区別することが難しくなっていた。
関連タグ
同盟国
日本の軽巡洋艦の艦型 : 天龍型 球磨型 長良型 夕張 川内型 阿賀野型 大淀
ドイツの軽巡洋艦の艦級 : マクデブルク級 カールスルーエ級 グラウデンツ級 ヴィースバーデン級 初代ケーニヒスベルク級 ケルン級 エムデン(3代目) 2代目ケーニヒスベルク級 ライプツィヒ級
イタリアの軽巡洋艦の艦級 : アルベルト・ディ・ジュッサーノ級 ルイージ・カドルナ級 ライモンド・モンテクッコリ級 エマヌエレ・フィリベルト・デュカ・ダオスタ級 ドゥーカ・デッリ・アブルッツィ級 カピターニ・ロマーニ級
連合国
アメリカの軽巡洋艦の艦級 : チェスター級 オマハ級 ブルックリン級 セントルイス級 アトランタ級 クリーブランド級 ファーゴ級 ウスター級
イギリスの軽巡洋艦の艦級 : 初代タウン級(ブリストル級 ウェイマス級 チャタム級 バーミンガム級) アリシューザ級(初代) カロライン級 カライアピ級 カンブリアン級 セントー級 カレドン級 ホーキンズ級 シアリーズ級 ケープタウン級 ダナイー級 エメラルド級 リアンダー級 パース級 アリシューザ級(2代目) 2代目タウン級(サウサンプトン級 グロスター級 エディンバラ級) ダイドー級 クラウン・コロニー級 フィジー級 セイロン級 ベローナ級 スウィフトシュア級 タイガー級
フランスの軽巡洋艦の艦級 : デュゲイ・トルーアン級 プリュトン ジャンヌ・ダルク エミール・ベルタン ラ・ガリソニエール級 ド・グラース
ソ連(ロシア)の軽巡洋艦の艦級 : スヴェトラーナ級 チャパエフ級 スヴェルドロフ級
中立国
スウェーデンの軽巡洋艦の艦級 : ゴトランド トレ・クロノール級
スペインの軽巡洋艦の艦級 : レイナ・ビクトリア・エウヘニア メンデス・ヌネス級 プリンシペ・アルフォンソ級
ポルトガルの軽巡洋艦の艦級 : ペドロ・ヌネシュ