概要
物凄く簡単にまとめると、電磁波は光子と呼ばれる粒子の波のことを表す。
波長の範囲により分類されており、人間が見ることのできる光(可視光線)も電磁波の一部である。
波長が長いものほど周波数が小さく、光子あたりのエネルギーが小さい。
電磁波が進む速度(光速)は真空中では約30万km/秒で非常に早い。光速は物質中では遅くなり、その度合いは波長により変わる。
分類
電波
最も波長が長い電磁波。通信に使用される。周波数により、超長波、長波、中波、短波、超短波に分かれる。
マイクロ波
電波の中で最も波長が短い電磁波。機動新世紀ガンダムXでやってたようにエネルギーの受信に使われたり、Vや種で皆さんの脳裏にこびりついたように電子レンジの原理で水分を爆発的に加熱させたりする。電波なのでレーダーに使用されることもある。
ミリ波
波長が10mm〜1mm(周波数30GHz〜300GHz)の電磁波。大気(特に大気中の水蒸気)に吸収されやすいので飛距離は短い。自動車で最近普及し始めた衝突防止レーダーで有名になった。携帯通信の分野では5G(第5世代移動通信システム)と呼ばれ、10Gbps以上の通信速度が期待されている現在話題の分野である。
テラヘルツ波
決まった定義はないが周波数300Ghz〜10Thz(波長1mm〜30µm)程度の範囲の電磁波。低い周波数はミリ波、高い周波数は遠赤外線の領域に跨る。ミリ波よりもさらに大気に吸収されやすく長距離通信には不向き。また障害物に反射、吸収されやすいので無線LANにも不向きで部屋の見通し内の短距離通信に向く。3ケルビンの宇宙背景放射のピーク波長にあたり、電波天文学の分野でも重要。分子の構造に敏感に反応するので美術品の真贋判定にも使われる。とはいえまだ歴史の新しい人類の未踏分野である。
赤外線
赤の光よりもさらに波長が長い電磁波。常温の物体からも発せられ放射熱を伝える。暖房器具やレーザー兵器などに使用されるほか、リモコンや携帯電話などの命令を送受信するのに使用される。
可視光線
我々の目に見える光。無ければあなたは今この画面を見ていません。
波長は760nm〜380nm程度で、多くの動物が見る波長域。植物が光合成に使う範囲も概ね同じ。日射中では一番エネルギーが集中している。
波長により違う色に見え、虹色のうち赤が長波長側、紫が短波長側である。
紫外線
紫の光よりもさらに波長が短い電磁波。化学的な作用をもたらすことが多く、浴びなければ人間はビタミンDが不足してしまうが、浴びすぎると日焼けし細胞がDNA損傷を受ける。その作用から殺菌にも使用される。
X線
紫外線より短波長で、ヴィルヘルム・レントゲンが発見したレントゲンに使用される電磁波。身体には有害であり、がん細胞を殺すために使用されることもある。
ガンマ線
X線より短波長で、正真正銘の放射線。X線や紫外線が通らない金属を貫通して飛んでくる。身体にはきわめて有害。
関連項目
仮面ライダーイクサ:電磁波で相手を攻撃する技を持つ。