ビタミンD
脂溶性ビタミンの一種。有機化合物としての名称はカルシフェロール。
栄養素としては、カルシウムとリンの吸収を助け、骨や歯を丈夫にする役割を持ち、カルシフェロールの別名の由来となっている。
ビタミンD欠乏によりカルシウムやリンが不足すると骨の形成が上手く行えなくなり、小児ではくる病と呼ばれる欠乏症が発生する。成人では骨がもろくなる。カルシウムだけでなくビタミンDも一緒に摂らないと、身体にとっては不十分なのである。
ビタミンDを多く含有する食べ物として、鯖・鰯・秋刀魚などの青魚、椎茸などのキノコ、鶏卵などがある。
また、食べ物だけでなく、太陽の光を浴びることによって皮膚でビタミンDが生成される。スウェーデンやノルウェーなど北欧諸国の冬は、日の出ている時間が極端に短くなるのでビタミンD欠乏症が発生しやすい。日本の緯度では欠乏症は少ないが、昼夜逆転 の生活を送っているようなひきこもりは欠乏症のリスクが高くなる。日光を浴びる事がないのと、食事の偏りのためである。
一方、脂溶性ビタミンであるため、取りすぎると過剰症というマイナス作用も出る。ビタミンD過剰症の場合はカルシウムの吸収が上がりすぎることにより高カルシウム血症が起こり、吐き気や便秘、食欲不振のほか、心臓や腎臓へのカルシウム沈着、尿毒症などを引き起こして死に至ることもある。通常の食生活でビタミンD過剰症に陥ることはあまりないが、サプリメントとしてビタミンDを補給する場合は注意が必要である。
同じ脂溶性ビタミンであるビタミンAも取りすぎると人体に有害となるが、ビタミンCやビタミンB1などの水溶性ビタミンは、過剰分が尿で排泄されるので問題にはならない。
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