概要
水溶性ビタミンの一種。正式名称はチアミン。1910年、日本の科学者である鈴木梅太郎がこの物質を発見したが彼はオリザニンと命名した。
米ぬかや肉、牛乳、豆、うなぎ等に多く含まれ、疲労回復物質として栄養ドリンクに入れられていることが多い。
体を動かしたり炭水化物を摂るなど、糖をエネルギーとして分解する時に大きく消費されるため補給が必要となる。
生体内ではチアミンピロリン酸(TPP)という活性型に代謝されて存在しており、Mg2+と複合体を形成して糖の代謝を助ける「補酵素」として働く。
不足すると「脚気」や「ウェルニッケ・コルサコフ症候群」などの病気(欠乏症)が出る。
ビタミンB1は米ぬかに多く含まれるため、アジアなどの精米した米を主食とする地域に多い。
江戸時代に白米を食べる習慣が江戸で根付いたため、江戸を中心に患者が増加し「江戸患い」とも呼ばれた。
当時の江戸では蕎麦が流行ったが、これはビタミンB1が含まれる蕎麦を食べて脚気を予防する側面もあったとされている。
なお、ビタミンCなどの他の水溶性ビタミンと同じく、余った分は尿から排泄されるため過剰症は無いとされる。
アルコールを分解する際にも消費される為、アルコール依存症患者では不足しやすい。