概要
稲から脱穀した米の果実たる籾から籾殻を外したものが玄米であり、そこから糠と胚芽を除去(精白、米の場合は精米)したもの。
玄米と比べて、
利点 | 熱が通りやすくて調理が楽(燃料も少なくて済む)。軟らかく仕上がる。 |
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欠点 | 糠と胚芽の栄養分が失われる。 |
という違いがある。
米を主食とし、炊飯して食する民族の多くが白米を炊いた白飯を喫食している。
また、日本酒の醸造に於いては、白米をさらに精米し、重量比70~50パーセントになるまで磨き込んだ米でもろみを作る「吟醸造り」という製法がある。
江戸時代の農村では、米は現金収入を得るために売り払うことが多く、米を食べる場合も精白しない事がほとんどだった。畑作も行う村では大麦その他の穀物・野菜・イモを混ぜた「かてめし」を常食しており、白米の混ぜ物なしの米を食べるのは冠婚葬祭などの特別な日だけだった。
その一方で、都市(江戸や大坂など)では精白された白米が普及し、ビタミン不足から脚気が大流行したのは有名な話だが、白米の食味の良さを喜んだ民衆の偏食とともに、大都市の燃料問題も理由として挙げられる。薪が周辺の山野で簡単に手に入る農村や山村と異なり、都市では薪も金を出して買わなくてはならない。庶民が燃料費を節約するために、煮えにくい玄米や丸麦を避け、主食を白米のみに依存した結果、脚気の流行を招いたともいえる。
そして明治時代、都市の数と人口が増え、白米を常食する習慣が中小都市まで普及していったため、脚気がさらに蔓延した。
しかし、明治になっても貧しい農家ではまだまだ白米を腹いっぱい食べるのは夢という時代であり、「白い米の飯が好きなだけ食える」というのが陸軍の売りであったので、陸軍では白米を給食されていた兵士が脚気で大勢倒れる羽目になった。早期に麦給食を導入した海軍でも、麦飯の味を嫌う水兵達の手で大麦の違法投棄が横行していたため、脚気を根絶することはできなかった。
現代では様々な種類の食べ物があふれるようになり、脚気は滅多に起きなくなった。とはいえ、三食全てインスタント食品しか食べないといったような偏った食生活をしていては(脚気まで至らなくとも)ビタミン不足に陥るので要注意。何事も規則正しい食生活が前提である。
健康意識が高まるようになった昨今では、炭水化物の大量摂取による血糖値の急上昇が警戒され、血糖値上昇が緩やかな玄米や雑穀米などを常食する人もいる。
別名・表記ゆれ
以下の食品は白米を炊いたものであり、概念としては完全に同一というわけではないが、タグとしては同じように使われている。