曖昧さ回避
概要
電磁波の内、波長範囲の下限が360〜400nm、上限が760〜830nmまでの、ヒト(ホモ・サピエンス)の目で光として感じられるものを指す。
実用的には380〜780nmの波長のものが可視光とされることが多い。
可視光線の下限(紫)より波長が短いものを紫外線、上限(赤)よりも波長が長いものを赤外線と呼ぶ。
これらのような電磁波(放射線なども含む)は人間の肉眼では感知できないため、不可視光線とも呼ばれる。
光を色で感じる原理
通常、太陽光や照明などの光は、様々な波長が混じっているため白く見える。
この白色光をプリズムを用いて分解すると、波長が最も長い赤から最も短い紫まで虹色に並ぶ。(メイン画像を参照)
波長順に分光されたものはスペクトルと呼ばれ、実際には7色に限定されてはおらず、境界が明確ではない無数の色が連続している。
波長の短い光は散乱しやすく、波長の長い光ほど目に届きやすい。
波長によって紫(380〜430nm)・青(430〜490nm)・緑(490〜550nm)・黄(550〜590nm)・橙(590〜640nm)・赤(640〜770nm)の色に識別される。
物体が光を受ける時、吸収されたものは目に届かず、反射されたものが色として認識される。
人間は網膜にある錐状体という視細胞によって、赤・青・緑の3種類の色を識別する。(光の三原色を参照)
例えば赤と青を認識する錐状体が同時に反応すれば、人間の目には紫がかって見える。
このため波長の異なる可視光がすべて混ざると、特に赤・青・緑の3種が混じる場合には、その光は白色に感じられる。
光による健康被害
可視光線の内、波長範囲が380~495nmまでの短波長光(ブルーライト)は、網膜に悪影響を与えると言われている。
青色光は当然ながら太陽光にも含まれるが、極端に強い光の直視が網膜を焼損する可能性があるのは、可視光線だけでなく紫外線も放射されているため。
紫外線は化学作用が強く、浴び続けると白内障や黄斑変性症を引き起こす原因となる。
また直射日光を肉眼で直視するのは大変危険であり、日食などを観測する際にはフィルターを用いることが望ましい。