光の三原色とは、主に赤・緑・青の三色を指す。一般にRGB(Red,Green,Blue)と呼ばれることが多い。
特に必要がない限り、この項ではRGBと記述する。
概要
例えば赤と緑で黄色となり、緑と青でシアン(水色に近い)、青と赤でマゼンタ(ピンクや紫に近い)となり、そして全てが合わさると白となる。
どの色も無ければ黒である。
RGBと言うと、このような色の表現法を特に指す事もある。
例えば、人間が「黄色」と感じる光は、波長に表すと(550-590 nm)の光となるのだが、人間の目はRGBの三色を感じる細胞しかなく、黄色い光は緑用の細胞と、赤用の細胞が同時に反応することで、脳が「黄色」と判断している。よって、黄色の光を用意しなくても、赤色の光と緑色の光を用意して、これらを混ぜ合わせたモノを人間が見ると、黄色に見えてしまう。このような現象を「条件等色・メタメリズム」と呼び、これが光の三原色の原理である。
光の色を直接合わせて他の色を合成するので、イラストをディスプレイで展示するのに向いている(ディスプレイ自体が光っていることを思い浮かべれば分かりやすい)。一般的に、ブラウン管・液晶ディスプレイ・プラズマディスプレイなど、コンピュータやテレビに使われる。画面を構成する各ピクセル(pixel)は、コンピュータやGPUなどによってRed、Green、Blueの明度として表現される。これらの数値はガンマ補正によって、表現したい輝度でディスプレイ上に表示されるような輝度や電圧に転換されている。一方、実際の画材や印刷物には色の三原色であるCMYK(ライトシアン、ライトマゼンタ等も含む[塗りの場合、似た赤、青と黄でも可])を使用する。印刷物は、光が紙についた色素に反射して色を発色するためである。当然RGBとCMYKでは色の発色具合や混合具合が異なるため、変換の際は注意を払う必要がある。
しかしRGBは、実は全ての色を再現できるわけではなく、色度図と呼ばれる楕円を半分にしたような図の中の3点を結んだ三角形(カラートライアングル)の範囲内しか表現できない。
そのため原色として用いられる三色には、より幅広い色を表現するために、この三角形が可能な限り大きくなるような色相・純度である事に加えて、蛍光体や燐光体の手に入りやすさ(またはコストや使用電力など)も加味して選ばれている。
ITU-Rの勧告BT.709-2 (ITU-R BT.709-2) で定められたsRGBはその例である。
コンピュータ内のデータとしては、半透明の成分を加えてARGBとされる事もある。
技術的情報
この「RGB」という原色の組は人間の視覚の生理学的特徴からより適切に選択されたものであるため、光の物理的性質についてこの三色が特別であるわけではない。もし人間以外の生物種に色情報を伝えたいならば、その視覚の生理学に合わせた「原色」を含む色の組み合わせで映像を伝達する必要がある。このときその組み合わせにRGBのいずれかが欠けていると、人間がその映像を見た時「色が狂っている」と認識することになる。
なお、最近SHARPから4原色ディスプレイのクアトロン搭載「AQUOS LV3」シリーズが発表されたが、この第四の色とされる黄色は「赤と緑で作れる」色である為、その意味で「原色」ではない(黄を含む原色の組自体は存在しうる)。
しかし前述の三角形の事情により、赤と緑では完全な黄色を再現する事ができないため、このような方式が取られている。
色覚の個人差
「RGBをどれほど混ぜたら、脳にはこの色に見える」光の三原色の根本的なこの情報は、「等色関数」という数式で表すことができる。これは現在でもRGBディスプレイなどの骨子となっている。しかし、この関数を決めるための実験は、参加した人数が20人程度とサンプルが少なく、その後の調査などから、RGBを見た際に感じる色にはそれなりに個人差があり、現在使用している等色関数では人によっては正しい色が見えないことがあると分かってきている。
また、色覚異常がある場合も、RGBによる光の混色が正常に行われないため、見え方が異なる。
現在では、より広い範囲の人々に適応できる、万能な等色関数の研究が進められている。
関連イラスト
関連タグ
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光 三原色 三色 原色 色彩 明度 彩度 加色法 加法混色 混色 補色
色の三原色 CMYK シアン(水色) マゼンタ イエロー(黄色) ブラック(黒)(KはKeyPlateの頭文字)
RGB sRGB AdobeRGB AppleRGB HSV 画素 解像度 HD