概要
色を色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)の3値で表現するカラーモデル。HSB(BはBrightness。Adobe社製品などで使われる表記)とも。
もっぱらコンピューター上で使われる表現で、アナログの分野で使われることはない。
HSVカラーモデルは、色を扱うほとんどのプログラムで利用できる。WindowsやMacintoshのシステムカラーピッカー自体にもHSVカラーモードがある。
色の選択には色相環と平方カラーマップの組み合わせ、スライダと平方カラーマップの組み合わせ、3連スライダ、あるいは数字指定などが用いられる。
V=0またはV=maxの時、HとSは意味を持たない(黒/白)。
S=0の時、Hは意味を持たない(グレースケール)。
HSVの利点
RGBやCMYKは原色を混合して色を決めるため、色相を直接決めることができない上、ある決まった色の彩度だけや明度だけを変化させることが難しく、直感的に色を選択するのには適していない。RGB・CMYKはそもそも絵の具などの混色をカラーモデルにしたものなので、絵の具と同様に混色に苦労することになる。
これに対しHSVモデルは混色をすることなく、色見本から色を選ぶのに近い感覚で色を指定でき、人間から見て直感的に色を指定しやすいカラーモデルであるということができる。
人間は色について考えるとき、その色について「赤成分は何%、緑成分は何%、青成分は…」などという色分解的な考え方をすることはしないし、しようにも人間の目と頭脳は色分解などできないので容易ではない。普通は「何色か(色相)、鮮やかな色か渋い色か(彩度)、明るい色か暗い色か(明度)」という見方をするのであり、つまり人間の色に対する考え方はHSVそのものである。HSVが直感的に理解しやすいカラーモデルなのはこのためである。