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GIF

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じふ

画像ファイルフォーマットの一種。インデックスカラーと単純な辞書式圧縮が特徴。

概要

Graphics Interchange Format(グラフィックス・インターチェンジ・フォーマット、略称GIF) は、256色カラーに対応したビットマップ画像のファイル形式。

pixivにおいて作品投稿ができる3種類のファイル形式のうちの一つ。

規格は1980年代にパソコン通信CompuServeで公開された。ライセンスフリーであったため日本以外でのパソコン通信をはじめとする画像交換の標準フォーマットとして使われ、WWW初期の頃も主流の画像フォーマットであった。

LZW特許を使用した画像圧縮形式で、アニメ絵などの色の境界がはっきりした画像に向く。また、JPEGと違って画像の一部に透明を含むことができる(アルファチャンネルではなくカラーパレットを用いたものなので、半透明は扱えない)。アニメーションを含むことができるのも特徴である(pixivでは長年アニメーション非対応であった。現在はうごイラにて対応したが、これとは別にpixivで非公式ながら対応していたアニメーションPNGを用いる者もいる)。

ただしGIFは規格が古く256色+透明しか扱えないため、静止画用途としてはGIFよりも圧縮率が高く半透明とフルカラーも扱えるPNGがよく使われるようになった。現在GIFは主に簡易なアニメーション(GIFアニメ)用として使われる。

一般的に用いられている拡張子は .gif 。

読み方には諸説あり「ギフ」もしくは「ジフ」と分かれていたが、後に開発者本人のインタビューにより、後者の読みが正しいことが明言された。

圧縮アルゴリズム概説

GIFの圧縮の仕組みは非常に単純である。

前準備

画像データは最大256色のパレットをもつインデックスカラーとして与える。

画像は上から順に横方向に走査され、1次元のピクセル列として扱われる。

辞書式圧縮

様々な単語が収録された辞書を考える。この辞書の単語に全て番号を振っておく。すると任意の文章は、その単語の1つ1つを番号に置き換えたもので表すことができる。

同様に、「単語=様々なデータの並び」が収録された「辞書」を使い、任意のデータ列を番号に置き換えることでデータ圧縮をするのが、辞書式圧縮と呼ばれるアルゴリズムである。

LZW

GIFで使用される圧縮形式のLZWは辞書式の一種である。その一番の特徴は、圧縮をしながら単語を辞書に追加していくことであり、後述の特許もこれに関する。

圧縮の開始時点では、辞書にはすべての色の1ピクセルのみが登録されている。

圧縮処理は、元画像のピクセル列に最長一致する辞書中の単語(ピクセル列)を順次当てはめていくことで行うが、

そのたびに、「その単語+次の1ピクセル」を新しい単語として辞書に追加する。

GIFの圧縮の本質はたったのこれだけである。PNGやJPGと比べ非常に単純であることが分かるだろう。この単純さのため低性能な機器でも扱いやすいのが利点である。

その他細かい点

辞書のサイズが増えるに従い、番号の桁数も増えていくが、常に2進で最少のビット数で表現する。

辞書のサイズには限界があり、適宜リセットする。

データは最大255バイトのブロックに分かれて記録される。

「上から順に横方向に走査」と言ったが、走査を順でなく飛び飛びにすることでデータの先頭を読んだ段階で粗い全体像を見ることができるインターレースGIFもある。

256色を超える画像をGIFに変換する際は最初に減色をする必要があるが、これはGIF圧縮の範囲外の話である。

WEBを襲った潜水艦

GIFの圧縮技術であるLZWはアメリカ合衆国の大手コンピューターメーカーであるユニシスが特許をもつ技術であったが、ユニシスはLZWを普及させるためにGIFでLZWを用いる場合に限り特許料を無料にした。

しかし、ユニシスはGIFがネット上に普及した1994年になってパテントライセンス方針を突如有料化し、GIFを生成することのできる有料ソフトウェアを作った企業や個人に対して高額な特許料を請求して回った。更にそれらのソフトウェアを使用してGIF画像を作成した者にも特許料の支払い要求をちらつかせた。こうして特許料収入に味をしめたユニシスは1999年にフリーソフトウェアからもロイヤリティを徴収すると警告。

このような行為をサブマリン(潜水艦)特許といい(※)、特許利用者の特許回避を不可能なものとし確実に特許料を稼ぐ手段として、1970~80年代のアメリカで強力な特許権を持つ企業にこぞって使われた。

しかしこの行為は当然ながら世界のコンピューターユーザーを敵に回すこととなった。コピーレフトの提唱者として知られるプログラマーのリチャード・ストールマン率いる「プログラミング自由連盟」はユニシスの行いを激しく非難し、世界から全てのGIF画像を削除すべきだと主張。1999年11月5日を「全てのGIFを焼きつくす日」と定め、GIF排除運動を展開した。

さらに1996年にはインターネットの標準仕様を司るWorld Wide Webコンソーシアム(W3C)によってLZW特許を使わずに同等以上の機能を提供する新しい画像形式・PNGが作られた。当時のユニシスがいかにネットユーザーから憎まれていたかは、PNGに「PNG IS NOT GIF」という意味が込められていることからも類推することができる。

こうしてGIFはネットワーク上から徐々に姿を消していった。しかし2004年にLZW特許が失効すると、枯れた使いやすいフォーマットとして再び使われ始めた。

※サブマリン特許とはアメリカ特有の特許システムの欠陥を悪用し、自社の技術の特許認定を意図的に遅らせて、世の中にその技術が溢れかえったのを見計らって特許を成立させて特許料を請求して回る行為である。

ある技術について、それが人類の常識となった頃になってこれを特許申請しても、その技術は先行技術とみなされ特許として認められないのが普通である。しかし当時のアメリカでは出願された特許の独創性の審査はあくまで出願時の技術水準を元に行われていたため、意図的に特許の審査を長引かせて特許技術を秘匿し、その技術が特許出願中とは知らないユーザーによって世の中に普及させられるのを待ってから、後になって特許を成立させてロイヤリティを徴収して回ることが可能であった。しかも申請した特許は実際に成立するまで公開されなかったため、他の人はその特許出願中の技術についての一切の情報を知ることができず、特許回避手段がなかった。

しかしLZW特許の場合は特許そのものは成立して公開されており、ユニシスが行ったのはこれまでの「特許料は無料」という約束を反古にするというものであるから、正確にはサブマリン特許とは異なる。

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