🥕概要
ニンジンはセリ科ニンジン属の2年草。根を根菜として食用にする。
本来、ニンジン(人参)とは高麗人参(オタネニンジン)のことをいい、現代でいうニンジンは「セリニンジン」という名で呼び分けられていたが、江戸時代にセリニンジンが普及すると立場が逆転した。
中央アジア原産。ヨーロッパなど西方に伝わったものが西洋種、中国など東方に伝わったものが東洋種となった。かつては京野菜の「金時にんじん」などの東洋種が広く栽培されたが、現在の日本では、西洋種のニンジンが主流となっている。二大産地は北海道と千葉県だが、涼しい気候が適しているため、千葉県産が冬〜春、北海道産が夏〜秋に出回る。
🥕食材としてのニンジン
根の色はオレンジ色が一般的だが、種類によっては赤、黄、紫、白のものもある。一般的には葉だけを食べ、葉っぱの部分は捨てられる事が多いが、葉も柔らかければセロリのように生で食べることもできる。
βカロチン(ビタミンA)が豊富で、生でも加熱しても食べられ、様々な料理に用いられる野菜の万能選手の一つ。
独特の香りを嫌う子供もおり、ピーマンとともに子供の嫌いな野菜の代表格として名前が上がることも多いが(ニンジン嫌いのキャラクターは子記事のにんじんを参照)、甘みがあることから「にんじん大好き」という子も一定数おり、特にニンジンのグラッセ(甘露煮)は子供の好む料理の代表格でもある。
現在では臭いの少ない品種が主流になっており、過去ほど嫌われることは少なくなってきている。
🥕ニンジンと動物
イラストなどではウサギとセットで描かれることがよくある。ピーターラビットもニンジンを食べているイメージがあるが…実際に彼が食べているのは赤いラディッシュ、つまりダイコンである。
また、馬の好物というイメージも定着しており、「馬の目の前にニンジンをぶら下げる」という慣用句は、努力しても報われないことの揶揄や、報酬を提示することでやる気を出させる喩えに使われる。実際、競走馬の餌(飼葉と言われる)でもポケットに入れやすいことから多くニンジンは使われており、競馬関係職である騎手・調教師・厩務員でも「ニンジンは馬の飼葉だから」という理由でニンジンが食べられないという人もいるほどである。