2度もおちょくんなよッ! この虹村億泰をッ!
概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する、東方仗助の友人兼相棒的存在。自らを「不良」と称し、怒りっぽく硬派を気取るところがあるがノリの軽い性格。
年齢は15歳。
虹村形兆の実弟で、初登場時は敵として登場。兄の死後は改心し、仗助の親友となる。
仗助とはクラスが違うがよくつるんで一緒に行動しており、戦闘向きのスタンド能力を持つことから、敵が現れた際も仲間として戦う。
そのスタンドは兄の形兆をして『思い出しただけでゾッとするスタンド』と評される程に強力な能力を誇るが、「だから」なのか「しかし」なのか仗助や康一達に比べると戦闘回数が少なめな上に、その数少ない戦闘も戦績はあまりよろしくなかったりする。特に仗助戦やRHCP戦等のタイマン勝負ではほぼ全敗しており、ファンの間では「本体が馬鹿でなければ…」とよく悔やまれる。
但し、仗助と組んだ場合は、能力によるアシストを的確に行うことで必ず勝利しており、特に吉良との最終決戦では仗助のピンチを良いタイミングで救い、猫草を無力化してキラークイーンを完封してしまう大一番の活躍を見せた。この事から、どちらかといえばサポーターとして非常に優秀であり、第3部に登場したホル・ホースのように『誰かと組んで初めて実力を発揮できるタイプ』なのかもしれない。
人物
身長178cm、天秤座生まれ。
横を短く刈り上げて上にまとめた黒髪と、顔にバッテンの傷が特徴。
服装は改造学ランでダブル式に$や¥マークが付き、右腕には億、左腕にはBILLIONの文字。
性格は人懐っこく面倒見のいい愛すべきバカ。単純で喜怒哀楽が激しく、怒るとすぐ手が出たり、悔しいとすぐ泣いたりするが、基本的には気の好いお人好しである。
幼少期から常に兄の言葉に従い、兄に頼って行動していた為、決断が苦手。考え事をすると頭痛がするらしい。そこを敵につけこまれピンチに陥る事が多く、本人もかなり気にし、兄の死後はコンプレックスになっている。
しかし、RHCP戦で1度敗北してからは「兄貴を越える」のを意識するようになる。吉良吉影との最終決戦で死線を彷徨った際には、一度は兄(の魂)について行こうとしたが、最後には杜王町で仲間と共に生きていく決断を自ら下した。
お坊ちゃん育ちで料理の味にはうるさく、辛いものが苦手な甘党(寿司はわさび抜き、カレーはバーモントの甘口しか食べられない、カルピスウォーター好き、憂鬱な月曜日の朝はストロベリー&チョコチップのアイスを舐めるのが唯一の慰め等)。
大量の宝くじの番号をいちいちチェックしたり、「くれるっつーもんは病気以外なら何でももらう」と言うセコイ一面も。
頭が良くないと言うものの、そこはジョジョ世界の住人なのか、語彙と表現力はかなり豊富。トニオ・トラサルディーの店でイタリア料理を食べた時の表現のレパートリーは、不良高校生の範疇を超えている。
後述の通り不幸な生い立ちから義理人情には篤く、重ちーが死んだ際には静かな怒りを露にしていた。
生い立ち
実家は東京で会社を経営していたが、母親が亡くなり会社が倒産すると父親から虐待を受けるようになる。
やがて父はDIOの部下となり、一時的に金が入ってくるようになるが、DIOがジョースター一行に倒された事により父に埋め込まれていた肉の芽が暴走、醜悪な怪物と化してしまう。何気に第4部メンバーの中でも特にDIOとの関係が深い。
その後は怪物となった父を抱えながら、兄の形兆と2人で生活。第4部の開始直後に仗助の家の近所にある「幽霊屋敷」と呼ばれる洋館を買い取って、杜王町に引っ越してきた。
兄の死後は父と2人暮らし。食事は自炊しており、毎日母親の手料理が食べられる仗助を羨ましがっている。
父がDIOから貰った金や宝石の蓄えで「働いていなくても4〜5年は生活できる」との事(前述の古い作りとはいえ洋館をポンと買い取っていることからもなかなかの貯えがあることがわかる)。このため虹村家が無事に生活できているのはDIOのおかげでもあるという事実は皮肉にも否定できなかったりする。
こうした生活事情のせいか金銭感覚はしっかりしており、仗助や重ちーと山分けした宝くじの賞金は、貯金にまわしている(仗助は口座凍結という形で全額没収の憂き目にあい、重ちーは吉良によって殺害されたため賞金を堪能することはできなくなった)。
また、怪物となった父との暮らしはかなり苦労が多いためか高校1年の若者にしてはかなりの不健康であり、トニオからは腸の壁が荒れていることや寝不足、肩こり、水虫、虫歯などの症状があることを見抜かれている(トニオの料理とパール・ジャムの効果により治癒済み)。
最終決戦後、貰い手のいない猫草を新しい家族の一員として迎え入れた(猫草と父親は上手くやっていると言う)。アニメ版最終回のエピローグシーンでは家族揃ってレストラン「トラサルディー」に来店しており、猫草ともすっかり打ち解けたようである。
第4部の後日談にあたる『岸辺露伴は動かない』のエピソード「懺悔室」にて、カフェで露伴が承太郎の依頼でイタリアに向かう事になった康一に、イタリアで体験した奇妙な出来事を話している最中に、由花子と共にいつの間にか現れ話を聞いており、聞き終えた時には『うひょォ〜ッ 怖ェ〜ッ』と感想を述べていた。ちなみに第4部本編から2年経ったが、相変わらずの甘党であり、タピオカミルクティーを注文していた。
スタンド「ザ・ハンド」
右手で触れた物を何でもガオンッ!と削り取る事が出来るスタンド。削り取ったものはクレイジー・ダイヤモンドでさえ修復できない。
詳しくは【ザ・ハンド】を参照。
演者
声優
俳優
余談
- 漢字が似ている為間違えられ易いが、「億秦」ではない。
- 2016年8月よりアミューズメントコーナー等で設置されているクレーンゲームの商品として、ジョジョとうまい棒とのコラボである『億泰の『ンまぁ~い』棒』がまさかの実現。(外部リンク)
- 乙一による第4部スピンオフ小説「TheBook」では、出番は多くないものの、本編ではあまり活躍のなかったザ・ハンドの戦闘シーンを堪能する事が出来、原作と同様に仗助との信頼関係も描写される。The Bookというタイトルも、小説の主人公蓮見琢馬がザ・ハンドを参考に自らのスタンドに名付けたもので、億泰へのリスペクトが感じられる。
- 実写版でも基本的に立場は同じだが出番が増えており、まだ仗助や康一と知り合う前に、由花子が康一と仲良く話してるのを見て(実際は違う)、ザ・ハンドで空間を削り取って、康一を由花子から引き剥がすと言うちょっかいを仕掛けていた。
- 高木渉が億泰のオーディション会場に来た時、認識した他の参加者は負けを悟ったという。
関連イラスト
関連タグ
同じく杜王町を舞台とする第8部に登場する家政婦の女性。名字が「虹村」、名前が数字に関する漢字と共通点が多く、パラレルワールドにおける虹村家に相当する存在と目されている。
同じく次元を削るスタンド使い繋がり。こちらの「クリーム」はザ・ハンドよりいっぺんに大きく削り取る。明確な違いとしては、クリームは口の中の暗黒空間に対象を "撒き散らす" のに対し、ザ・ハンドはそこから "削り取る" ことが挙げられる。ゲーム「アイズオブヘブン」では戦わせると特殊な掛け合いが発生する。