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解説編集

ジョジョの奇妙な冒険三部より登場した一種の洗脳装置。DIOの細胞から作られており(アブドゥルの回想においては髪の毛を変形させて生成されていた)、石仮面吸血鬼の能力の一つ。第一部や第二部の吸血鬼は使用しておらず、DIOが復活後に新たに編み出したものかもしれない。名前こそ芽だが植物然としたものではなく、形そのものは4本足のクモのようであり、また必要に応じて触手で動こうとする。


性能編集

肉の芽を脳に打ち込まれた人間はDIOに対するカリスマを喚起され、彼に従うようになる(完全な傀儡ではなくある程度の判断力や自由意志は残される)。これを使って裏切る可能性のある人間、反抗してくる相手を強制的に支配し、DIOは手駒を増やしていた。

一方で、グレーフライキャプテン・テニール(偽)エジプト9栄神などには肉の芽は埋め込まれておらず、これはDIOの元来持っているカリスマや恐怖で十分従属されることが可能だったか、素養や人格によっては大金で雇うなどして別の形で配下に加えているようだ。事実、肉の芽を使用しなかったホル・ホースの場合、一度は完全な殺意をもってスタンドを向けられながらDIOは一切の反撃を行わないままにスタンド能力の示唆と迫力のみで圧倒し忠誠を新たにさせている。また、ヴァニラ・アイスプッチ神父等、心からDIOに心酔して従っている者達にも使用されていない。

例外として、本来最もDIOに心酔していたひとりであるはずのエンヤ婆が戦いへ飛び出て行く前に肉の芽を植えつけられていた事については、決戦時にDIOの回想で「息子を失って復讐への怒りで冷静さを失う前のあのエンヤ婆はこう言った」とあり、乱心での行動への対処と思しい。

後述するように肉の芽の支配は相応のリスクを伴うため、本編で使用が確認された花京院ポルナレフらは言ってしまえば当初より失っても惜しくない・替えのきく実質的な捨て駒と見なされていた可能性もある。


肉の芽自体の栄養源は寄生対象から得ているようで、放っておくと対象は脳を肉の芽に食いつくされて死亡してしまう。吸血鬼の細胞で作られているので太陽光や波紋法で消滅させることが可能(OVA版ではアヴドゥルマジシャンズレッドで焼却した)。

ただし体の外に出ている部分は太陽光に耐えられるようになっているか、実際の寄生虫のように直射日光下では身を隠しているのか、日中でもある程度露出している場合がある。実際に花京院やポルナレフが敵として相対した際も一見では確認できず、花京院に打ち込まれたものは直射日光を避け得る承太郎邸において初めてその姿を見せていた(もっとも、こんなものが日常的に頭から飛び出していたら怪しまれてしまうだろうが…)。


外科手術で摘出が可能なように見えるが、そういった外部からの危害に対しては触手を伸ばして抵抗し、あまつさえ摘出しようとする人間の脳にも侵入を試みようとする。またこの抵抗に伴って打ち込まれた人間の脳にもダメージが及ぶ可能性があるため、摘出するのは容易ではない。前述のように消滅させるには波紋疾走が有効であるが、埋め込まれた状態では波紋が脳にもダメージを与えてしまう危険性があるか、駆除し損なった吸血鬼の細胞が脳内に撒き散らされるなどの危険性が考えられるので、いずれにせよまず摘出する必要があるものと思われる(アニメ版ではジョセフが自分の脳内の肉の芽を波紋疾走で破壊しているが、これは本人の波紋を体内で巡らせるため脳にダメージは及ばないものと推測される)。よって、埋め込まれた対象を安全に生かしたまま肉の芽のみを摘出するには、抵抗や二次被害を避けつつ摘出作業を行える手段・人員、摘出後にこれを即座に駆除する態勢までも必要となる。


花京院の場合、承太郎がパワーと精密動作性を併せ持つスタンド・スタープラチナと、強靭な精神力により自らも寄生されかねない状況をものともせず打ち込まれた肉の芽を摘出、即座に同席していたジョセフの波紋疾走によって消滅させることができた(ポルナレフの場合はギャグ調ですっ飛ばされ簡単に摘出されていたように見えるが、一度やったことでコツをつかんだのかもしれない)。


生体を保つ栄養はありながらコントロールから外れるためか、打ち込まれたままDIOが死んだ場合、肉の芽は暴走してしまう。DIOの配下として肉の芽を打ち込まれていた虹村兄弟の父親は全身を暴走した細胞に侵食され怪物のような姿に変異し知能も低下、更にはいくら致命傷を負っても延々と再生する、吸血鬼や屍生人とも違う不死生命体と化してしまった。形兆は、醜悪な化け物と化した父親を殺してくれるスタンド使いを生み出すため、弓と矢を使って杜王町スタンド使いを増やしていた。なおこの状態は波紋でも治療ができないようで、ある程度精神的な回復はありつつ4部終了時点においても虹村父の状態はそのままだった。


鋼入りのダンは、肉の芽とスタンド「恋人」を併用するという作戦をとった。ちなみにダンには肉の芽は埋め込まれていない。


余談編集

劇中でジョセフやモハメド・アヴドゥルらは、本編開始時点で上記の肉の芽の特性を理解していたので、既に肉の芽を植え付けられたDIOの刺客と交戦し、外科手術や波紋による除去も(成功したかは不明だが)実験済みだったのと思われる。


近年の発行された「JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN」によると、肉の芽を使うと脳に直接干渉するという性質上、寄生対象のスタンド能力を弱めてしまう悪影響があるらしい。

花京院が肉の芽を埋め込まれている間ハイエロファントの操作にわざわざキャンバスに描いた絵やマリオネットを使っていたのもそのせいであろうか。


関連タグ編集

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース

屍生人:ディオに作られた存在であるところと、ディオを決して裏切らないという共通点がある。もしかすると肉の芽もこの技術を応用しているのかもしれない。

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