俺は・・・反省すると強いぜ・・・
概要
ギターをこよなく愛するロッカー、19歳。夢はウルトラ・スーパー・ギタリストになって激しく熱く生きること。「ボケ」という罵倒をよく使う。
虹村形兆によりスタンド能力を引き出されたスタンド使いの一人。
当初はスタンドが貧弱だったらしく形兆からも期待外れと見做されていたのか放置されていた(「貴様ごときが」と言われている)。しかしよほど悔しかったのか修行を積んだようでスタンド能力が成長した後、力の誇示のために彼を殺害(ただし最初に狙ったのは弟の方である)、ついでに「弓と矢」を強奪、受験やら就職やら煩わしい人生は真っ平ごめんという理由から面白おかしく生きていこうと考える。
奪った矢は遊び半分でネズミ(2匹)に当ててスタンド「ラット」を発現させた
ぶっちゃけた話、強奪した矢で行った所業はこれだけではあるがネズミ二匹が最終的に承太郎をして「この地球上に存在してはいけない生物」と言わしめるほど強力かつ凶悪なスタンド使いになってたことを考えると、放置していたら吉良吉影にも匹敵するほど厄介な敵を生み出した男とも言える。
空条承太郎が杜王町に留まっているため大きな行動こそ起こさなかったが、スタンドを悪用して盗みを働きやりたい放題していた。盗んだ額はなんと5億円相当。
後述するとおりスタンド能力も凶悪な殺傷能力を持ちうるもので、東方仗助は「その気になったらスケベ電話をかけるのと同じくらいの手間ヒマで頭に来た人間の命を電線の中にひきずり込める」と評している。
ただし、ロックへの情熱と腕前は本物である。得意技はライトハンド奏法(タッピング奏法)。
承太郎に対して警告の電話を掛けた時は、スタープラチナを手強いと見て一応は敬語を使っていた。こういった面から、強者に対して下手に出る卑屈さが窺える。
人物
ロッカーらしく激しく、そして極端な二面性の持ち主。
用心深さもあるが、「臆病者」と嫌悪感を持たれているように、それは自分より強者と認めている承太郎に対してであり、寝込みを襲うことすら避けていたほどであったが、反対に格下と見なす人間たちには舐めプを繰り返しては痛い目に遭っている。
仗助戦では1度そのスタンドパワーに驚いて警戒したものの、次戦ではまた舐めプをしでかして小指を折られ、最終的に億泰のバカの度合いを舐めきっていたことで敗北を招いた。
戦闘スタイルもスタンドパワーを全面に押し出したフィジカルファイトか奇襲がメインで、その場にあるものを利用しての頭脳戦もできないわけではないが決して得意な方ではない。
そのスタンドパワーの強力さが示すように音石最大の武器は「しぶとさ」にある。
舐めていた相手に追い込まれようともすぐにスイッチを切り替えて反撃に転じたり、心身ともに疲労しきっても生き延びるために知恵と気力を振り絞って食い下がろうとするしぶとさは、第4部の中ボス的存在として十分なものがあった。
一方で、彼が手を出した(もしくは出そうとした)のは形兆や億泰といったスタンド使いやジョセフのように血縁関係ではあるものの、それまでつながりが希薄だった者だったため仗助の逆鱗に触れずに済み、母に手を出したため人間ですらなくなってしまうレベルの制裁を喰らった人物と違い更生可能なレベルの罰ですんでいる。
兄を殺された億泰にとっては仇であるが、兄は兄で殺されて当然のことをしていたとも考えており、音石の命までは奪わなかった。
外見
ウェーブがかかったロングヘアー。顔の左側に稲妻状の模様を描いている。ピチピチの白色のズボンに、胸元を開けた服と黒のジャケットを着用している。袖には右腕に←AC、左腕にはDC→という文字のアクセサリーを付け、服全体に十字型と輪っかの形をしたアクセサリーで飾っている。
ギター
「ジミ・ヘンやジェフ・ベックといった」ウルトラ・スーパー・ギタリストに憧れており、肌身離さずギターを携行している。他にも尊敬するギタリストにエディ・ヴァン・ヘイレンやスティービー・レイ・ボーンを挙げている。
その魂たるギターは選りすぐりのパーツで構成されており、かつ音石の好みに合わせられている。全長は62.5cmで、音質的には渋い味わい。
音石の名前の元ネタともいわれるブライアン・メイ(明=メイ)のレッド・スペシャルを彷彿とさせる設定ではあるが、それとは異なり父親のサイフからくすねた金や盗んできた素材で作られているので褒められたものとはいえない。
スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー」
人型のパキケファロサウルスを思わせる姿をしている。電気を操り、電気と同化する能力を持つスタンド。精密動作性以外のパロメータ評価が「A」という圧倒的な性能を誇る。
詳細は個別記事へ。
軌跡
前述の通りスタンドを発現させた張本人である虹村形兆を殺害した後はしばらく鳴りを潜めていたが、ある日の夜TVゲームをしていた仗助の前にTVの配線を介して『チリ・ペッパー』を出現させ挑発するも、そのスタンド『クレイジー・ダイヤモンド』のスピードに驚いて一時退散する。
その後、虹村億泰のバイク(のバッテリー)に潜み、ジョセフ・ジョースターが杜王町に渡航するという情報を入手する。本体の居場所を念写できるジョセフの抹殺を図り、それを阻む億泰と戦闘に。
電力が少ないうえに億泰のトリッキーな戦法に圧倒され敗北寸前にまで追い込まれるも、心理戦でうまく誘導して地下に埋まったケーブルを掘らせ、漏れた電気を吸収しパワーアップ。億泰の右手を吹っ飛ばし、兄と同じように電線に引きずり込んだ(が、億泰の右手を吹っ飛ばしたのが仇になり、仗助のスタンド能力で失敗)。
その後ジョセフの乗った船にスタンドを潜ませたラジコン飛行機を飛ばす作戦を計画するが、承太郎には全て見抜かれており、杜王港で計画を阻止しようとする仗助と康一相手に激戦を繰り広げる。ここで本体の姿をさらしているが、それは2人を「いつでも殺せるという自信」があったからである。しかし調子に乗って「小指一本で勝利する」と挑発したらいきなりその小指をへし折られ、怒りと痛みをギターで表現した。その音色は明らかに「テメェノ オフクロモ コロシデヤルゥ」と聞こえた。
しかし反省した音石は強く、港の地形と電力を利用し有利に戦いを進める。それでも2人に戦法を逆手に取られ、攻略されてしまう(仗助の「なおす」能力で地面のアスファルトを導体のコールタールに戻すことで、出現位置を特定されてドラララのラッシュを食らった)。
時間的にも追い詰められた音石は最後の切り札として町一帯の電力を集中させる(切り札としているのは、電力を集中させることでしばらく一帯が停電に陥り、バッテリーなどの弱い電力でしか活動できなくなるためである)。集めた分の電気代を東方家に押し付けようとする地味な嫌がらせも。
クレイジー・ダイヤモンドを凌ぐ恐るべきスピードとパワーで一方的に攻撃、止めを刺そうとするが、仗助の仕掛けた罠(破壊されたトラクターのタイヤを「なおす」ことで絶縁体のタイヤゴムに『チリ・ペッパー』を閉じ込める作戦。すぐさまタイヤを突き破って脱出を図るも、破裂したタイヤの空気圧で海まで吹っ飛ばされる)に引っかかりスタンドを海に落とされてしまう。海水で電気が四方八方に散らばってスタンドは消滅、本体も立ったまま死亡した。
…と思われていたが、いつの間にか自力で泳いで船に潜入し、船員の変装までしていた(流石に無理をしていたのかスタンドはボロボロでギターには血反吐の痕跡があり、息切れしていた)。
スピードワゴン財団の人間に紛れてジョセフの目の前まで接近、駆けつけた財団の人間と言い争って億泰を混乱させた隙にスタンドで殺そうとしたが、億泰の作戦(どっちが怪しいか分からないので両方とも殴るつもりだった)によって、完全に敗北し逮捕された(弓と矢も回収された)。
殺人はスタンドを使っていたので立件出来なかった(また、億泰にとっては兄の仇ではあったが、兄もスタンド使いを増やす過程で何人もの人間を殺していた為、命は見逃した)が、悪質な盗みを行ったとして懲役3年で刑務所行きに。億泰と承太郎にキツく脅しを入れられ、2人が死ぬほど怖いのでもう二度と悪いことはしないとのこと(精神が折れたのかスタンドはボロボロのままなので、仮に反省してなくても能力を悪用はできなくなった模様)。康一からは「リッパなロックギタリストになってほしい」と思われている(TVアニメ版ではこの発言はカットされた)。
その後、服役中にSPW財団に自白剤を投与されてドブネズミ2匹を矢で射抜いたことを自白させられたことが語られている。アニメ版では逮捕後、刑務所内で承太郎に脅しをかけられる場面が直接描かれている他、自白剤関連の発言はカットされている。
尚、実写映画版では、吉良がシアーハートアタックで直に形兆を始末しにかかった為スタンドも本人も未登場。
#02「六壁坂」
スピンオフ『岸辺露伴は動かない』の内一エピソード、「六壁坂」に登場。
カフェで打ち合わせ中の岸辺露伴にサインをねだっていたことから出所した模様。
しっかりお礼を言って退散している(『動かない』の世界は本編とはまた違う "隣の世界" であることが示唆されているため、多少性格が異なるのかもしれない)。
ちなみにこのネタはオールスターバトルの掛け合いでも再現されている。音石側が勝つとその読み切りで出てきた感謝のセリフをしっかり再現されており露伴側が勝つと「Special Thanx」とファンをしっかりもてなす姿勢を示してくれる。
普段は傲慢な露伴であるが、やはり自分を評価してくれるファンは蔑ろにできないと、腐ってもプロであるという自覚をもっている一面が垣間見れる。
「EoH」において
「異変」の影響により正気を失い、並行世界のDIOの手下となって登場。仗助たちを始末するべく襲い掛かってくる。ボロボロだったスタンドは復活しているが、これに関しては特に語られていない。敗北後は聖なる遺体の力によって正気に戻り、億泰から「オメーにも協力してもらうぜ」と脅しつけられたことで震え上がり、無理やり同行させられることに。
が、ストーリーで登場するのはこれが最後となっており、特に活躍はしない。ロビーで話しかけると「ヤベーことには関わらず、チリペッパーの能力で面白おかしく生きたい」と口にしたり、ギターを見せてやると言った直後に「オレ以外には触らせない」とおちょくってくる。性格の悪さまでは直っていないようだ。
担当声優
第4部のみに登場するキャラの中でASB&EoHからアニメ版に続投したキャストは億泰役の高木渉氏に次いで二人目となる。森久保によるとアニメ化にあたり再度オーディション受けたという。
一部からはかつて森久保にそっくりなこの人物ではないのかと言われていたが、漫画での登場自体は音石の方が先である。