岸辺露伴
きしべろはん
この岸辺露伴が最も好きな事のひとつは 自分で強いと思ってるやつに「NO」と断ってやる事だ…
第4部『ダイヤモンドは砕けない』の登場人物。1979年、M県S市生まれ。年齢は20歳(第4部当時)。血液型はB型。数々の名言を残しており、スピンオフ作品「岸辺露伴は動かない』では主人公になるなどジョジョ主人公勢・ボスキャラ勢の次に有名なキャラクターだと言う声も多い。
売れっ子の漫画家であり、代表作は、1995年から連載中の週刊少年ジャンプに作品『ピンクダークの少年』。(第4部本編では三部連載中、ライトノベル『The Book』では四部開始直前、『岸辺露伴は動かない」のドラマ版及び、『JORGE JOESTAR』によると八部連載中らしく長期連載漫画であることが窺える)
漫画原稿を下書きなしで上から順に描け、時が加速した世界でもインクが乾く前に絵が描けるほどの速筆。
そのため、19ページの漫画をアシスタント無しで4日(カラーでも5日)で描き上げることが出来る。
調子がいいときは一晩で19ページ描き上げた。しかし、あまり書き溜めると「編集部に安っぽく見られる」という理由から、週の残りの日は旅行などをして遊んでいる。
名前のモチーフは文豪の幸田露伴から(『露』ははかなきものという意味で、『伴』はともにすごすという意味から。また、岸辺は地名か何かからとったが深い意味はないらしい)。
性格
漫画家としては人気はあるが、大人気(おとなげ)はない。
非常に負けん気が強い性格…というより、かなりの負けず嫌いで、やられたことは根に持つタイプ。
どうしてもじゃんけんをしてくれと頼む子どもを相手に真剣なジャンケンをしたり、どうしても背中を見られたくない建築士の男を罠にハメて背中を見てやったりする(しかも子供に関しては、数々の嫌がらせを受けたとはいえいきなり殴り飛ばしている)。
「相手をいかにして打ち負かすか」を重要視しており、それを自分の利益よりも優先する。その傾向は仗助とのチンチロリン勝負や、ハイウェイ・スター戦にて顕著に現れており、中でも後者において彼が敵に捕まった際「仲間を罠に陥れれば、お前の命だけは助けてやる」という敵の誘惑に対して言い放った「だが断る」というセリフ(上記全文)は彼の性格を象徴していて頻繁にネタとしても引用される。
また、漫画にリアリティを求めており、新しい事や物珍しい事は自ら体当たりで実行するとんでもない性格。家で蜘蛛を見つけた時は解剖して内臓などの配置を確かめた上、嘗めて味を確認したり、実際にボコボコに殴られたことを自身の経験として活かし、重傷のまま漫画を描く。
自身のスタンド能力を使って、他人の経験をネタとして拝借したこともあった。
初対面の相手に対して能力をいきなり使ったり、プライバシーに関わる所まで読もうとする、ジャンケンに負けた子供に対して高笑いをしながら蹴るなど、かなりの変人の域である。
漫画の執筆に関しては、プロ意識の一環と強引に解釈することもできなくはないが、漫画の為なら他人を犠牲にすることも厭わないという点では、かなり自己中心的で身勝手な性格といえる。
ただ、彼は強力な洗脳能力でもある自身のスタンドを(初登場時、漫画のために康一を追い詰めた一件以外)悪用したことは一度もなく、更にはイタズラや対等な勝負事において(不正を暴く側であっても)ヘブンズ・ドアーを使うことも好まない。
最終的には仗助たちに協力して敵スタンド使いとの戦いに身を投じていくことになるなど、善人とは言えないが悪人とも言えない、倫理ではなく自らの定める基準に対して極めて誠実な、つまりは自己中心的な変人であると同時に律義で義理堅い性格をしていると言える。
ドラマ版では、原作以上に良くも悪くも好奇心旺盛な性格の持ち主として描かれており、『ザ・ラン』では安易に関わってはいけない存在と接触してしまったことを後悔しつつ、尚も湧き上げてくる好奇心を抑えきれかのような複雑な反応を見せたことも。
また、『六壁坂』では原作同様妖怪に関する取材のために土地を購入して破産してしまうのだが、その土地にかなり深い事情が絡んでいるらしいことがわかると、「破産した甲斐があった」と満足げに呟くなど、目的のためには手段を択ばない狂気染みた一面も見せている。…というか、第1話の『富豪村』の時点で漫画の執筆の参考にしようと自宅に忍び込んできた泥棒を軟禁する等しており、見方によっては変人を通り越してかなりの危険人物であるとも言える。
また、基本的に原作同様付き合い嫌いだが、様子のおかしい同業者のことをなんだかんだ言いながらも気にかけたり、気分次第では子どものファンにサインを求められると快くこれに応じたり(本人曰く「SPECIAL THANKSだ」とのこと)と、やや丸くなっている部分も見受けられる。
基本的に人間嫌いで他人と関わりあう事を避け、そのために漫画家という仕事を選んだ。アシスタントを雇わないのもそのためである。しかし、漫画を描く動機そのものは金やちやほやされるためではなく、あくまでも「読んでもらうため」。それ以外はどうでもいい。
東方仗助や虹村億泰らと協力する事もあるが、あまり好意的ではない。
一度ボコボコにされた経験からか、特に仗助を嫌っている(この件に関しては間田に誘われる形で訪ねてきた康一を漫画のネタに使いたいあまりに彼に危害を加えた露伴の方に非があり、康一を助けるために駆けつけた仗助にボコボコされたというだけなので逆恨みとしか言いようがないだろう)が、その一方でハイウェイ・スターの一件など仗助を助けたこともある。
チンチロリンで対決した際には仗助のイカサマを見抜けない自分が許せず、自身の小指を切断寸前にまで傷つけておきながら、クレイジー・Dで治そうとする仗助の申し出を拒否した。勝負の最中に自宅が火事になったにもかかわらず仗助のイカサマを見抜く事を優先しようとしたため、恐れをなした仗助に勝負を逃げられるほど(どさくさに紛れて小指は治される)。
仗助の母・朋子とは本編での共演は無かったものの、彼女が息子の預金口座を凍結した為に、結果的に露伴の家が焼ける羽目になった騒ぎの間接的な遠因になっているが、露伴は知る由もない。また、『TheBook』では蓮見琢馬の凶行で死にかけた朋子を助けている。
一方で広瀬康一を気に入っており、唯一頼れる人間とも考えている。
初めこそ康一を利用しようと考えていたが、仗助と戦った後はその意思はなくなった。
その後は漫画家としての取材に同行してくれるよう康一に依頼したり、康一が海外へ行く際にヘブンズ・ドアーの能力を使ってイタリア語を話せるようにするなど積極的に人間関係を築こうとしている。
康一も露伴に対し苦手意識や警戒心を捨てたわけではないが、露伴が敵スタンド『チープ・トリック』に襲われた際に彼を助けるなど協力する事が多い。康一の母からも「息子の知り合いの有名な漫画家の先生」と認識されているようで、顔を合わせた際は感激されている。
ドラマ版では担当編集者の泉京香を事実上のバディ(相棒)としている。
無神経で少々空気の読めないところのある彼女とは衝突することも多いが、彼女の齎した何気ない情報が事態打開のきっかけになったこともあり、露伴もなんだかんだ言いながらも根っこの部分では彼女のことを信頼してはいる模様。
本人は忘れてしまっていたが、4歳のときに吉良吉影による初めての殺人事件に巻き込まれている。
事件当日、杉本家に一晩だけ泊まっていた露伴は杉本鈴美によって助けられたが、杉本家の人間は皆殺しにされた。
その後15年間、杉本鈴美は地縛霊となり事件の犯人を探し出してくれる人を探していた。露伴と康一は杉本鈴美と対話する事が出来た初めての人物であり、露伴は彼女の墓を訪れた際に寺の住職から詳細を聞いて彼女との関係を思い出し、事件の真相を追うべく調査を開始する。
「実はこれ荒木飛呂彦(作者)本人なんじゃあないのォ?」などとファンの間でしばしば言われるが、「荒木先生にとっての漫画家の理想像」を具現化したのが、この岸辺露伴というキャラクターとの事。このため、荒木先生は初見の人に「岸辺露伴のようなエキセントリックな人物なのではないか」と身構えられてしまう事が多くなってしまったそうである。
露伴のようにアシスタント無しとまでとはいかないが、荒木飛呂彦氏が、原稿を落とした(期日に遅れた)事が無く、露伴のように、5日ほどで週間連載をしていたのは、『JOJOVELLER』に公開されていた、氏の週間予定表からもその通りである。さすがに残りの日を遊んで過ごしていたというわけではないようだが、漫画家として速筆なのは、露伴と同じだったようだ。
週刊少年ジャンプの連載作家陣が投稿作品を論評する「ホップ☆ステップ賞」では、なんと岸辺露伴先生が担当した回がある(第103回)。心を折るレベルの厳しい論評をズバスバするのだが、特別ゲストである露伴先生の友人である荒木先生が「露伴君はああ言っているけど僕はなかなかいいと思うよ」って感じで投稿者を激励するフォローをしてくれるという構成。
もちろん実際は露伴の厳しい論評も荒木先生の手によるものなのだが、事情を知らない人がこれだけ見ると荒木先生がすごい優しい人のように見える。ちょっとずるい。
ちなみに、『オールスターバトル』のPVでも、億泰が「露伴先生って誰かに似てんだよなぁ…」とつぶやくシーンが挿入されている。また、スピンオフ『ルーヴルへ行く』では、虹村億泰が「露伴先生がモナリザに似ている」といった旨の事を話しているが、荒木氏もモナリザに似ている。
プロフィールで尊敬する人物としてこせきこうじ氏の名前を挙げているが、これは荒木先生がこせき氏をリスペクトしているため(なお、露伴自身は実際には自分が漫画家としてNo.1だと考えており、これは読者離れを防ぐための建前である)。
- 『岸辺露伴は動かない』シリーズ - ジョジョの奇妙な冒険シリーズのスピンオフ作品として、露伴を主人公(語り手)とした物語(詳しくは該当記事参照)。
- 他には「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」「岸辺露伴 グッチへ行く」がある。(「ルーヴルへ行く」は本家の企画としてすでに単行本がだされている。)
- テレビアニメ版では、登場したのは14話からだが、第1話の終盤で、コンビニ強盗事件を見物する野次馬たちの中に露伴と思われる人影がさりげなく映りこんでいるシーンがあるほか、13話でも喫茶店で(姿は映っていないものの)担当者に原稿を渡しているシーンがある。
- 岸辺露伴が初登場時した時の顔が異様に怖く、一部で話題になることがある。アニメ版ではあろうことかそのまま提供画面に移り変わりお茶の間に笑いを提供した。(それ以外にも『だが断る』などアニメ版では露伴の提供回は多い。)
- 『武装錬金』の武藤カズキは露伴の大ファンらしく(作者の和月伸宏氏もジョジョファン)、彼が似顔絵を書いたときは露伴風(というか第3部ぐらいまでの頃の荒木氏風)だったのだが、このネタに応えた設定なのか露伴も『るろうに剣心』の単行本を全巻所持していたことがあるという。
- 小学館・週刊少年サンデー連載の漫画『名探偵コナン』のコミック単行本における「青山剛昌の名探偵図鑑」101にまさかの登場。これは世界中のあらゆる作品に登場する名探偵を解説していくコーナーだが、現役で連載中の少年マンガ、しかも他社の作品の人物を挙げることはかなり珍しいケースである。一応、過去には古典部シリーズの折木奉太郎、『薬屋のひとりごと』の猫猫など現代に描かれアニメ化やメディア展開されている小説作品のキャラ、漫画作品でもコラボの縁からか『ルパン三世』の銭形警部がいたが。(猫猫に関してはサンデーGXでのコミカライズ版が存在するので小学館の範疇ではある。漫画作品では『ミステリと言う勿れ』の久能整もいたが、こちらも小学館の作品)
- 絵柄は実写版演者の高橋一生風ではなく、青山先生と原作者の荒木飛呂彦先生のそれを足して2で割ったようなものになっている。また、ヘブンズ・ドアーは実写版同様スタンドの言葉を用いず特殊能力として紹介されている。
- 「変わり者揃いの名探偵の中でも異色中の異色、岸辺露伴を紹介しよう!」
ご存知の通り、岸辺露伴はその人気の高さから何度もスピンオフが作られたりコラボにおいては他部の主人公と並んで大々的に取り上げられるなどかなり優遇されている。
第4部の舞台である杜王町は荒木先生曰く「永遠の町」である為、広瀬康一を除いて第5部以降の作品で杜王町の在住者が登場することは全くなかった。
しかし岸辺露伴については別であり、本人こそ登場しないが5部ではとある少年を調査しにイタリアへ向かった康一にヘブンズ・ドアーの能力でイタリア語を話せるようにしたほか、第6部では加速する時の中で唯一漫画を描き切った日本人として名前が上がっている。
これ以降の作品では舞台となる世界が変わった為、彼に限らず過去作の人物はほとんど登場せず第8部『ジョジョリオン』で再び杜王町(第4部とは別)が舞台となり『岸辺露伴は動かない』の1エピソード「密漁海岸」にて東方一族に関する言及があるなど第8部『ジョジョリオン』との関わりが示唆されていたが、何故か彼の生まれ変わりと思われる人物は最後まで登場しなかった。
なのだが…なのだが…
???「知ってるぞ 有名人だ
原作本もうちにあるしネットのアニメも全部見てる
なるほど…………別荘にひとりで籠ってるワケだ
あいつ 漫画家だ」
コメント
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