曖昧さ回避
- アメリカのロックバンド(Cheap Trick)。
- 1から名前を取った『ジョジョの奇妙な冒険』第4部に登場するスタンド。4部で登場した敵スタンドの中では最後の刺客となっている。
ロックバンドの「チープ・トリック」
アメリカのロックバンド。
1977年のデビュー以来、アルバムの累計売上枚数は2000万枚以上。
ライブ・アルバム『チープ・トリックat武道館』は武道館の名を世界中に知らしめた大ヒットとなった。
来歴
1969年、リック・ニールセンとトム・ピーターソンがロックバンド「ヒューズ」に参加し、レコード・デビューするが成功せず、故郷のロックフォード市(イリノイ州)へ戻り、チープ・トリックを結成。
1974年、ロビン・ザンダーがリード・ボーカルとして加入し、ラインナップが固まる。
1977年、デビュー・アルバム『チープ・トリック』を発売するが全く売れず、2ndアルバム、3rdアルバムも失敗に終わるが、日本で人気が出る。
1978年、初来日。武道館でのライブを日本限定のライブ・アルバム『チープ・トリックat武道館』として発売。
1979年、アメリカ本国でも『チープ・トリックat武道館』が発売され、ビルボードのアルバム・チャート4位、シングル・カットされた『甘い罠』はシングル・チャート7位を記録する出世作となった。
1980年、アルバム『オール・シュック・アップ』を発売後、トム・ピーターソンが脱退。以降、次第にセールスが下降していく。
1987年、トム・ピーターソンが復帰。
1988年、アルバム『永遠の愛の炎』が発売され、ビルボードのアルバム・チャート16位、シングル・カットされた『The Flame』はシングル・チャート1位を記録する。
1990年代後半からはライブ中心の活動となる。
2010年、バン・E・カルロスはバンドに籍は残すがツアーには参加しないと発表。以降、リック・ニールセンの息子ダックスがツアー・ドラマーとして迎えられた。
2015年、バン・E・カルロスがバンドのメンバーであることを認める一方、今後ツアーやレコーディングには参加しない旨がアナウンスされた。
2016年、「ロックの殿堂」入りが発表される。
関連タグ
スタンドの「チープ・トリック」
CV:石井真(アニメ版)
【破壊力-E スピード-E 射程距離-E 持続力-A 精密動作性-E 成長性-E】
『ジョジョの奇妙な冒険』第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場するスタンド。
本体は一級建築士の乙雅三(きのとまさぞう)。でも制御は出来なかったんだ……ねっ!
能力は「背中に取り憑いて喋るだけ」と、スタンドとしては非常に地味で弱いように思えるものだが、このスタンドの恐ろしさは下記の内容の通りである。
初めの本体である乙は、自身のこのスタンドの能力はもちろん存在すら全く認識しておらず(漠然と「背中を見られてはいけない」強迫観念を持ってはいる)、発現してから数日後に岸辺露伴に背中を見られて死亡してしまう。その直後、チープ・トリックは露伴の背中に転憑した。
スタンドのパワー自体は非常に弱いが、能力でひっついているために単純な力づくでは決して本体からは離れず、無理に引き離そうとすると本体の背中が裂けてしまう。また、チープ・トリックは取り憑いた相手を新たな本体としているため、チープ・トリックに対し攻撃すれば自分がダメージを受ける。
そして、最も恐ろしいのはチープ・トリックは『本体』となった者の背中を見た相手を、新しい本体としてその背中に移動するのだが、その際に前の本体は背中をえぐり取られ、更に全エネルギーを吸収されて殺されるのである(死体は干乾びたミイラのようになり、サイズも虫のように小さくなる)。尚、たとえ背中を見たのが猫などの動物であっても対象になる。
またそれ以外に「喋るだけ」の能力であっても、露伴の隙を突いて電話で人を呼び寄せる、露伴が利用したチンピラを挑発し振り向かせようとする、犬や猫にウソを吹き込んで露伴を襲わせるなど、まさしく「能力は使い様」であり、あの手この手の策で追い込んでいく。
原作では「火事はどこです?」と駆け付けた消防士に「家政婦紹介所へ行け!」と返す露伴に対し「それ家事ね」とツッコミを入れていたが、アニメではカットされてしまった。
明確な描写はないが、露伴が所持する『吉良吉影が写った写真の消去』もしくは『露伴自身の始末』を吉良吉廣から命じられていた模様(アニメ版では、写真を調べる露伴を眺めて吉廣が悪態を吐く場面が追加されており、露伴を狙った動機の理由づけになっている)。
露伴をギリギリまで追い詰めるが「転憑する際、振り向かなければならない」性質を逆手に取られ、勝利を確信して広瀬康一に憑り付こうと振り向いた場所は杉本鈴美の居る『決して振り返ってはいけない小道』であった結果、自分の能力の及ばない「無数の腕」に捕まれ、露伴の背中から引き剥がされる。そしてダメ押しとばかりに露伴に、
『天国とか地獄とかはあるのかどうかは知らんが、念の為書いといてやるよ。』
<<地獄に行く>>
と書かれた上で、あの世へ引きずり込まれていった。
実写版『岸辺露伴は動かない』では
第5話の「背中の正面」でこのチープ・トリックに相当する存在が登場。
本作はスタンドの描写がないため、六壁坂に潜む怪異の一種の設定になっている。当然、チープ・トリックの名前も出てこない(そもそも名前があるのかすらも不明だが)。原作とは異なり、ヘブンズ・ドアーの能力も通用せず、命令を描き込んだりもできなくなっている。ただし、怪異としての特性上、“人間から取り憑いているのを忘れられたり、認識できなくなったりすると、存在を維持できなくなる” 弱点を抱えているらしい(露伴が「そんなやり方でやり過ごしたのでは面白くない」と考えたので、結局は実行されなかったが)。
周囲からは姿が見えないが、取り憑かれた相手には直前まで取り憑いていた人間と同じ姿をしているように見える(露伴には乙雅三の姿に見えており、泉京香に取り憑いた様子のイメージでは露伴の姿になっていた。最初に取り憑かれた雅三にどのように見えていたのかは不明)。ただし、完全に同じではなく、よく見ると髪の毛がややくすんだような色になっており、雅三に擬態していた際には眉毛が剃られている等の違いもあった。
六壁坂に開発の話が持ち上がって「自分たちの住処が奪われる」と思い込み、手始めに地主との交渉に訪れていた乙雅三に取り憑き(帰る途中にうっかり六壁坂に迷い込んでしまったのが、取り憑かれたきっかけであったと第6話で語られている)、原作同様に雅三が露伴に背中を見られると、今度は雅三を殺害して露伴に取り憑くと「六壁坂を返せ」と呟きながら露伴を追い詰めていく。
最後は、振り返るとあの世に引きずり込まれるとされる場所「平坂」に連れていかれ、原作同様に転憑する際に振り向かなければならない性質を逆手に取られ、露伴への憎悪の言葉を叫びながらあの世に引きずり込まれて消滅した。
スタンドのチープ・トリックにおける余談
チープ・トリックの『本体をほぼ確実に殺害』する能力は、プッチ神父のホワイトスネイクのディスク化能力と組み合わせた場合のみ、即死コンボとも評せる極悪な存在に変わる。簡単に述べると以下の通り。
1,チープ・トリックをディスク化する
2,殺害したいターゲットが人混みにいる状況下で、チープ・トリックのディスクをターゲットに入れる
こうすれば、人混み故に簡単に動けない上、不特定多数の通行者で背中を見られ易い状況下のため、ターゲットはほぼ助からずに終わる。
そう考えると、チープ・トリックが地獄に堕ちてプッチ神父と出会わなかったのは、空条徐倫にとって幸運だっただろう。
尚、チープ・トリック曰く「最初の本体である乙雅三はスタンド使いとしての才覚はあったが精神が伴わなかった」 らしく、このような能力になったのも雅三自身に、スタンドを制御できるだけの精神力がなかったのが原因と推測されている。
この為、ファンの間では「雅三にスタンド使いとして十分な精神力があってチープ・トリックを制御出来ていたとしたら、どんな能力になっていたのか?」 が考察されている。
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百害あって一利なし:このスタンドの持ち主にとってはメリットが皆無であるため、まさしくこれである。